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「フランス大周遊9日間」旅行記




○ 第5日目・ブブロン・アン・ノージユ・モンサンミッシェル(2012.10.29.<月>)

何時ものように5時過ぎに目覚め、外を見ると前のオフィスの灯りが点いており、早くも仕事をしている。パリのビジネスマンも大変なのだ。 雨は降っていず、風も強くなさそうだ。
ホテル・イシス・イシーレ・ムリノ
テレビを見ると昨日辺りから、アメリカ東海岸にハリケーンが襲来し、ニューヨーク等の被害が増大している様子だ。大統領選挙も近いので、大変だろうと 思いながら外に出る。
外気は冷たいが、風がないので、そんなに寒くない。しかし、今日はモンサンミッシェルに行くので、下着を厚めにし、パッチをはき、カーディカンも 着ることにする。
起床6時、荷物出し7時、朝食6時30分、集合7時30分の予定で、身支度を整え、朝食に向かう。朝食は毎度同じようなもので、パンとコーヒーが 美味しいので、助かっているが、野菜の無いのは諦めた。
バスの座席は、お互いに前後を自由に選択することになっており、今日は長距離ドライブなので、最前列の席を確保する。
7時30分、定刻に出発する。月曜日なので渋滞に遭わないか心配していたが、逆方向なのでスイスイと郊外に出て、高速道路を進む。広い車線を1時間程進み、ドライブインでトイレ休憩となる。売店には ハローウィン飾りが飾られていたが、ヨーロッパでは、アメリカのようにハローウィンに対する熱は薄いとのことだ。
坂口添乗員から、このバスはチェコ~来たと云っていたので、その仕組みを尋ねるとナンバープレートの左端にEUのマークがあり、そこに国名が記されて いると。一般車はフランス=FRと記されているが、このバスはCZ=チェコとなっている。国土が続いているEUの仕組みだ。
高速道路
ハローウィン飾り
チェコのバス ナンバープレート

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

車窓からは牧場が見られ、放牧された牛がたくさん飼われている。畜産業もフランスの大きな柱なのだと分かる。
ブブロン・アン・ノージュの街並み
添乗員からこれから行くフランスの田舎町・ブブロン・アン・ノージュの説明やモンサンミッシェルの歴史を話される。 説明も的確で、話し方も丁寧で分かり易い。前で説明する坂口さんの姿を覗き見ると、ガイドブックを読んでいるのではなく、スマートフォンを 見ながらの解説なのだ。さすが、最近のガイドのやり方は違うのだと感心する。
約218km・3時間のドライブを終え、静かな「フランスの最も美しい村々」のひとつとされるブブロン・アン・ノージュに到着する。
まだ時間が早いので、他の観光客もなく、木組みの家並みを眺めながら散策する。おとぎの国に来たような木組みの可愛い家並みが 続いている。小さな土産物屋さんや酒屋さんもあり、小物を買ったり、名物のシードルと云うりんごのビール(3ユーロ)を買うと冷えたシードルの 栓を開けてラッパ飲みする。少し甘くてりんごの味がするが、アルコール度は高いように思われる。こぼれたビールで、手がベトベトするが、 美味しい。
自由時間となり、静かで美しい街並みを散策する。ドイツのローテンブルグと似たような街並みだが、牧歌的な所は違う。
木組みの家並み
趣きのある家
シードル 土産物屋

11時20分、心がなごむ街並みを堪能して、昼食のレストランに向かう。
ブドウ畑が連なる田園風景を望み、放牧する牛たちを眺めて、田園地帯にある葡萄酒の樽の中にテーブルが設置されたお洒落なレストランだ。 樽の中の狭い座席に詰め合わせて座ると何となく葡萄酒の香りがするようで、雰囲気十分だ。
早速、ワインで乾杯して、名前は忘れたが、美味しい料理を楽しむ。ワインは安かったと記憶するが、値段のメモを忘れているし、食事内容も?、 疲れが出て来たのだろうか。
放牧される牛
ブドウ酒樽の席 レストラン入口
昼食

◎「ブブロン・アン・ノージュ」の「紀行スライドショー」

13時30分、雰囲気最高のレストランでの美味しい昼食を終え、モンサンミッシェルに向け、出発する。
昼食を食べ、バスの振動でウトウトし、目覚めると牧場が続いている。途中のドライブインでは、添乗員から教えられたモンサンミッシェルで有名な 「プーラールおばさんのお店」のビスケット菓子・ガレットの小箱入りを買い求める。
やがて、前方に小さくモンサンミッシェルの姿が望まれ、車内から歓声が上がる。
昼間のモンサンミッシェル
モンサンミッシェルの起源は西暦708年にまで遡ります。オベール司教が夢の中で大天使ミカエルのお告げを聞いたことから、この地に教会が建てられる ことになりました。長い工事を経てロマネスク様式の教会が完成したのは西暦1000年より前のこと。以来キリスト教の巡礼地の一つとして数えられて います。
その後11世紀には大聖堂が作られ、修道院が建てられます。12世紀には更に修道院が拡張され、13世紀に入り当時の国王からの寄贈により、 ゴシック様式の建物が加わります。よってモンサンミッシェル修道院は、ロマネスク様式とゴシック様式が混在する珍しい構造となっています。
また14世紀に起きた百年戦争の間は要塞としても機能。更にフランス革命が起きる18世紀末から19世紀後半にかけてのナポレオン時代には牢獄と なるなど、激動の時代を生き抜いてきました。
1966年に修道院が再開して以降、現在では3人の修道士が在住し、9人の修道女が近隣から通い運営に当たっています。 1979年には「モンサンミッシェルとその湾」として世界遺産(文化遺産)に登録されました。 (フランス観光局HP他より)

段々と近付くモンサンミッシェルの姿を見ながら、広いバスの駐車場に到着する。モンサンミッシェルの島内に行くには、シャトルバスで移動しなくてはならない。 スーツケースはポーターが運んでくれるので、徒歩でシャトルバス乗場に向かうが、結構距離がある。風が弱まっているが、海辺なので、肌寒い。
シャトルバスが停まっているので、急いで全員飛び乗って進む。モンサンミッシェル島までの道路には、観光客が歩いて戻る姿も見られ、約5分余りで 島内の駐車場に到着する。
この地続きの道路が、潮の流れを変えて、干潟になって来たので、目下、橋を架け、潮の流れを元に戻す工事が行われていて、クレーンや ブルトーザが動いている。満潮時には海になるが、この時間では干潟も多くなっている。近くに近付いたので、モンサンミッシェルの勇姿を写す。
遠くからのモンサンミッシェル
橋を架ける工事
モンサンミッシェルの上層 陸続きの道

グランド・リューの観光客
シャトルバスを降りると現地のフランス人ガイドが出迎えてくれる。
可愛い女性で、片言の日本語と英語でのガイドとなる。英語は添乗員が翻訳して くれ、観光客で溢れているモンサンミッシェルの小路へ向かう。
「大通り門」を抜けて、小さな跳ね橋のある「王の門」に進むが、人が多くて、跳ね橋や砲台を写すことが出来ない。平日なのに観光客が 多いのに驚く。さすが、フランス一の観光地・モンサンミッシェルだと。
「グランド・リュー」(大通り)と呼ばれている小さな目抜き通りを進むと、左にオムレツで有名な「プーラールおばさんのレストラン」があり、 郵便局の横の細い階段を挟んで、今夜泊まる「テラス・プラール」が建っている。何処の店の看板も趣向が凝らしてあり、興味深い。
ここで、一旦ホテルにチェックインし、スーツケースの確認をし、再集合となる。旅行募集の段階では、島内or島外が分からなかったが、島内の目抜き通りに 面したホテルでツァーメンバー、幸運だったと大感激だ。
前日に書いていた絵葉書を隣の郵便局のポストに投函し、切手を求めようとしたが、モンサンミッシェル独自の切手が見当たらなかったので諦める。 全員集合して、修道院への細い道を人を掻き分けて上って行く。店が多く、自由時間が楽しみだ。
プーラールおばさんのレストラン
郵便局の看板
ホテル・テラス・プラール

現地ガイドと共に修道院への石畳の道を上って行く。「サン・ピエール教会」の前には、英仏戦争の時、大天使ミカエルのお告げを受け、フランスを勝利に 導いたジャンヌ・ダルクの像が立っている。人が多くて、人物が入った写真しか写せない。
急な石段を上る周辺の建物は石造りで重厚な雰囲気で、歴史を感じる。教会の外壁も装飾があり、ゴツゴツした中に荘厳さを感じさせる。 テラスに出ると、教会の上に立つ大天使ミカエル像が望まれる。
ジャンヌ・ダルクの像
修道院への石段
修道院の外壁
教会の大天使ミカエル像

建物の間には、雨水をため、飲料水に使う蛇口もあり、修道院での生活が分かり、テラスの上からは、渡って来た島への道と橋の設置工事が 望まれ、海水が干上がっている様子も見られ、橋の建設が当時の景観を残す手段であることが分かる。しかし、何故、橋ではなく陸続きの 道だったのだろうと疑問に思う。
テラスの反対側に進むと干潟が広がっており、その中を歩いている人影が見える。陸地から干潟を渡って島を目指す昔の巡礼者の苦労を 実践するツァーだそうだが、時々、体が沈んでヘリコプターで救出される事故も起こるそうだ。
更に反対側に進むと干潟と海水が混ざった所に小島が見える。素敵な景観だ。
飲料水の蛇口
道と橋の設置工事
干潟歩行ツァー 小島

◎「モンサンミッシェル@」の「紀行スライドショー」

修道院の教会に進む。薄暗くで見えない所もあるが、教会の内部は高く、質素だが重厚な雰囲気に満ちている。壁沿いの窓はきらびやかな ステンドグラスではないが、
教会の窓
聖ミカエルの像
海からの光を取り入れている。床にはタイルが敷かれ、祭壇には聖ミカエルの像が、エルサレムの方向を向いて祀られている。
床のタイル














教会を抜けて、明るい中庭のような列柱廊に進む。
円柱の柱
円柱が立ち並び、暗かった教会との対比が天国を象徴しているのだと思ったりする。
柱の上の飾りも唐草模様や龍が表していて面白い。僧侶が考案したそうだが、少し、東洋的な趣きも感じられる。

列柱廊
柱の飾り












中庭から、次の食堂に移動する途中に、食堂の外観が見える。
高い塔が2つ立っているのは、アビニヨンの法王庁宮殿でも見た厨房の煙突が見える。
食堂
中に入ると修道院らしい質素で広い食堂が迎えてくれる。本当に広い。
次の間との進路には、壁には修道院建設の発端となった、オベール司教が夢の中で大天使ミカエルのお告げを聞いたが、2度無視し、3度目に 頭に指を差し込まれたとの話を彫刻で表したレリーフが飾られている。

食堂の煙突
天使ミカエルのお告げのレリーフ












真っ暗な階段を持参した懐中電灯で、足元を照らしながら迎賓の間に降りる。
身分のある訪問客を迎えた部屋として天井が美しく、少し豪華さが感じられるが、基本的には質素な内装だ。
迎賓の間の天井
広い建物の中を巡り、修道僧の納骨堂に向かう。
外壁の窓から荷物を囚人が引き揚げる大きな車輪があり、窓から下をのぞくと太い鎖で 荷物を引き揚げていたのが分かる。5-6人の囚人が、車輪の中をハムスターの様に歩いて、引き上げていたのだ。
監獄として使われていた時の遺跡として残っているのだと。
迎賓の間
太い鎖












広い建物を廻っているので、何処に居るのか分からない状態だ。
死者のために設置されたチャペルである聖エティエンヌ大聖堂に向かう。壁面には、死を嘆くピエタ像が飾られている。
この聖堂も質素なもので、修道院そのものが、修道の場として全てが、質素な建物だと感じ入った。
聖エティエンヌ大聖堂
聖ミカエルの像
建物の外に出ると教会の屋根の尖塔に飾られている聖ミカエル像のレプリカが飾られている。こんなに大きな像が尖塔の上に飾られているのだと。
ピエタ像














修道院から外に出ると日が暮れ始めていた。潮が満ち、干潟が海水に覆われ、紅色に輝いている。美し光景だ。石段・石畳を下ってホテルに戻る。
夕暮れの海
部屋の木の扉
19時にレストランの前に集合となり、各自部屋に戻る。事前のクチコミ等では、島内のホテルの設備はお粗末だと聞いて いたので、心配していたが、改装されていて、今までのホテルよりも快適な位だ。
バスもあり、トイレの中にも暖房パネルが設けられ、寒さの心配はない。部屋は広くはないが、スーツケースを広げるスペースは問題なく、窓は木の扉と 趣きがある。我々の部屋は大通りに面した角で、窓を開けると通りを通る人々が眺められる。
夕食までの短い時間に、外に出て、島内を散策する。到着時は人で一杯だった通りは人が少なくなっている。跳ね橋のある王の門の横に 設置されている砲台には、子供たちが跨って遊んでいる。ホテルの横の石段は街灯に照らされ、神秘的だ。
すっかり人通りがなくなり、店を終い出した大通りの雰囲気を味わいながら、島内で宿泊する者の特権を感じながら、レストランに向かう。
有名なプーラールおばさんのレストランの支店と思われる所で、名物のフワフワのオムレツをいただく。巡礼者が疲れて到着した時に、お腹に優しく、 栄養のある食事としてプーラールおばさんが考案したオムレツだそうだが、余りにもフワフワし過ぎて、巡礼者ではない旅人には頼りなく感じた。 美味しいワインとともに楽しくいただく。サーモン料理も優しく、歓談しながらしっかりといただく。。
砲台と子供たち 石段と街灯
プーラールおばさんのレストラン
フワフワのオムレツ サーモン料理

名物のオムレツを食べ、島内を散策する。全く人がいなくなった石畳を上り、石段の所まで行くと修道院は真っ暗で、少し気味が悪い位だ。 映画で見た、ハリーポッターのホグワーツ城のような雰囲気を感じる。
島内のホテル宿泊の特権を活かして、静かな大通りを上ったり、下ったりと楽しむ。雰囲気のある街角や街灯、昼間は人が多くて写せなかった ジャンヌダルク像も独り占めだ。
ホテル横の石段
夜の修道院
静かな街
ジャンヌダルク像

モンサンミッシェルの夜の全景を眺めようと城門の外に出るとやはり潮風が冷たく感じる。
修道院の夜景(Tさん提供)
島から少し離れた所まで進み、振り返ると神秘的にライトアップされた修道院が目の前にそそり立っている。
飲み込まれるような光景にしばし 魅入る。美しい。
写真を写すが、小生のカメラでは、なかなか上手く写せない。折角の神秘的な光景の写真を、食事で同席していた、カメラ愛好家の川西のTさんに 依頼していると帰国後、素敵な写真を送って頂いたので、その写真を流用させていただく。
修道院の夜景(Tさん提供) 小生の写真


















◎「モンサンミッシェルA」の「紀行スライドショー」

潮風に吹かれながら、修道院の幻想的な姿を堪能する。
ホテルの前にある「プーラールおばさんのお店」の売店で、昼間に味見し、goodだったビスケット菓子・ガレットを土産に買って、 ホテルに戻り、バスタブにたっぷりとお湯を張って、長旅の疲れを癒す。歴史のあるホテルだそうだが、内装はシンプルで機能的だ。暖房もないのかと 心配していたが、エアコンもしっかり付いているのに満足する。 フランスの田舎町、モンサンミッシェルと今回の旅行で期待していた所を巡り、満足してぐっすりと眠ることが出来た。

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