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「京都一周トレイル(No1)・伏見〜銀閣寺」



○ 「京都一周トレイル(No1)・伏見〜銀閣寺」(2007.11.21)

夏前に腰椎ヘルニアを発症し、山歩きは控えていた。本来は「大峯奥駆道」の続きを歩こうと 考えていたが、調べるに連れその厳しさで、悔しいが二の足を踏んでいたのが現状だ。
「京都一周トレイル」は随分前、山科から南禅寺に山越えで向かった時、休憩しているハイカーと話し、 この様な京都市街を囲む東山・北山・西山を巡るルートを知り、いつかはトライしたいと思っていた。

長いブランクで足腰が弱って来たので、いつか行きたい「大峯奥駆道」へのトレーニングとリハビリを兼ねて 近場の京都に行くことにする。
京都一周トレイル地図...(京都一周トレイル会HPより)
サイトで調べると3-5回に分けてトライしておられるようで、まずは「東山トレイル」に挑戦する。
「東山トレイル」は伏見稲荷をスタートして、東山36峰を辿りながら比叡山のロープーウエイ駅までのコースだ。 日頃、よく散策する東山の麓ではなく、その上の峰を歩行するのだ。

京都一周トレイル会のサイト 「京都一周トレイルコースの詳細紹介」をプリントアウトし、行ける所まで行こうと計画(?)した。
地図は京都観光案内所で売っているそうだが、帰りに入手することにし、サイトのガイドを参考に 歩行し、紅葉の季節なので適当に寄り道をしながら楽しもうと。
帰路購入した地図によると「東山トレイル」は24.6km、「北山・東部トレイル」は17.9km、「北山・西部トレイン」は19.3km、 「西山トレイル」は10.7kmで合計72.5kmの「京都一周トレイル」になる。
天気予報では曇り時々晴れだったが、真っ青な青空が広がる晩秋の朝6時30分に家を出る。
久し振りの山歩きに心が躍るが、一抹の不安も同居している。まあ、行ける所まで、取り敢えずは 蹴上まで行き、地下鉄に乗れるまで頑張ろうと気合いを入れて・・・。
JRで京都経由、奈良線の稲荷まで進む。京都からの奈良線は「熊野古道・大峯奥駆道」の前段階として 歩いた「吉野道」で乗った路線だ。

2年半前(2005.2)に五条大橋から伏見街道を奈良に向かう途中、東福寺や伏見稲荷大社に立ち寄り、 伏見の駅前で昼食を食べ、黄檗まで歩いた。
(その時の紀行記 「「吉野道 No1」見聞録」 )

伏見駅を降りて、京阪電車の伏見稲荷駅方向に向かう。サイトによればスタートの案内板があると云うので、 スタート地点の確認をするために進む。疎水を渡った所の小さな公園の中に案内板がありパチリ。(7:40')

京都一周トレイル案内板 地図
ランプ小屋 説明
もう一度、JR伏見駅に戻って、「吉野道」の時に初めて知った駅の横の「ランプ小屋」に向かう。
東山トンネルが出来る大正10年まで東海道線は膳所から稲荷に廻り京都に向かったそうで、当時の遺構で 国鉄最古の建物だそうだ。

さあ、いよいよ「京都一周トレイル」に出発だ。
「伏見稲荷大社」の大鳥居をくぐって境内に入る。東に 向かっているので、朝日が眩しいくらいに輝き、青空が気持ち良い。
商売繁盛のお稲荷さんは初詣でも有名だが、この時期、この時間は閑散としている。朝日に輝く 少し色付いた広葉樹が美しい。
本殿で腰痛再発が起こらず、今日の歩行の無事を願う。横ではシンボルの狐が優しく見守っている。

伏見稲荷大社・大鳥居
朝日に輝く木
伏見稲荷大社・本殿 説明

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

朱色に輝く「千本鳥居」の中を登って行く。見事な色彩を楽しみながら、まだ薄暗い二列に分かれた鳥居の 巡拝道を進む。
「吉野道」歩行時はこの二列の鳥居まで来て戻ったのだと思い出す。
朱色のトンネルを楽しみながら登って行くと鳥居の終わった所に「奥の院」の神殿が鎮座している。
参拝し、横を見ると今回の「京都一周トレイル」の「No1.道しるべ」が石灯篭の横に立っている。 まだガイドマップを持っていないので、今日はこの道しるべを頼りに進まねばならない。
「東山-1」となっているが、最後は54なので道のりは遠い。オリエンテーリングの様にこの道しるべを追って 進んで行こう。

伏見稲荷大社・千本鳥居
奥の院
No1.道しるべ 拡大

「No1.道しるべ」の横から再び、鳥居の中の参道を登る。途中から400段とも云われる石段になり、「四つ辻」の 広場に到着する。(8:00')
見晴らしが良く、朝日に輝く京都の市街が美しい。ベンチに座り、お茶を飲んで一息入れる。
No2.道しるべ
この広場に「No2.道しるべ」が立ち、左に進む様に次の進路を示しているが、「伏見稲荷大社」の最高峰「一の峰」 までの「お山めぐり」コースに向かおうか思案する。
約30分で一周出来るそうなので、一度歩いたことがあるが、右側の「お山めぐり」コースにトライする。
「二の峰」へ鳥居が連なる階段を登って行く。狐の口から水が出ている手洗い場や黄色の落ち葉が赤い鳥居に映える 石畳や所々鳥居が朽ちて土台だけになった参道を登る。
古い鳥居は少し色褪せている。30年程保っているが、やがて朽ちて新しい鳥居に代わって行くのだろう。同じ人が 寄進するのか、別の人になるのか・・・と考えながら「一の峰」に到着する。(8:20')

「一の峰」にはたくさんの小さな赤い鳥居が奉納されている。お社に参拝し、横を見上げると真っ赤に色付いた紅葉が 青空に映えている。良い季節だ。
下りの鳥居が立つ階段を一気に下りて行くと「三の峰」の社があり、元の「四つ辻」に戻り一息付く。(8:35')

「No2.道しるべ」に従って左側の道を進むと少し山道になった後、舗装道路になり住宅街に出る。出口に「No4.道しるべ」 が立ち、次の進路は右の地道を下るよう指示している。(8:45')
左に行くと「東福寺」とあるので、東福寺の紅葉を楽しもうと寄り道することにする。

伏見稲荷大社・千本鳥居
四つ辻 景観
一の峰 紅葉


「京都一周トレイル@(伏見〜東福寺)」の「紀行スライドショー」


高級住宅街を下って行くが道が分らず、散歩している方に聞くと「東福寺」に行くとのことで同行させていただく。
東福寺・三門 説明
東福寺・本堂 説明
横手の門から境内に入る。
観光バス・タクシーがたくさん停まっていて人が多い。まだ9時過ぎなのにこの人数なのだから 日中や休日の観光客は凄いだろう。

室町時代に造られた国宝の「三門」の大きさ(間口25.5m、奥行10.2m、高さ22m)に感嘆し、「本堂」に向かう。
丁度、観光バスのガイドが説明していて、本堂の天井には龍が描かれており、何処から見ても眼はこちらを見ると。 小さなのぞき窓から天井の龍を見ると、眼が合った。
本堂は三門以上に大きく(間口41.4m、奥行33.3m、高さ25.5m)、当時の建築技術の偉大さが分かる。
段々観光客が増えて来たので、紅葉を眺めるために「通天橋」に入場する。(400円)


「東福寺・通天橋」から眺める紅葉は関西では有名な紅葉スポットで、見ごろとの報道で観光客で一杯だ。 外国人観光客も多く、特に中国・韓国の言葉が飛び交っている。
通天橋の上は紅葉を眺める人が溢れていて、前に出るのが大変だ。順番に前に進んで、眼下の紅葉を愛でる。 まだ青いのもあるが、枯れているのはないようで見事だ。押されるように後に下がり、通天橋を渡る。
奥の「開山堂」の庭を眺めた後、紅葉の庭に降りて間近で紅葉を楽しむ。

高級カメラを抱えたシニアの方が日の光と紅葉を狙ってシャッターを切っておられる。こちらはカメラ技術がない上にディジカメで パチパチと写して行く。青空と紅葉が映え、下から通天橋を眺めるのも風情がある。
朱色の方丈と桜の紅葉や庭園の川と紅葉の対比を楽しむ。青空と紅がマッチして美しい。日本の紅葉だ。
40分程、紅葉を堪能して元の道を戻る。

東福寺・通天橋
紅葉
紅葉越しに通天橋を


「東福寺の紅葉」の「紀行スライドショー」


再び「No4.道しるべ」に戻り、右下の地道を下る。(9:40')
「道しるべ」に従ってウネウネと細い道を進むと左手に「五社之瀧」の鳥居が立っているので、中に入ると下に滝が 落ちている。多分、行者が滝行をするのだろう。
右側の石垣沿いに進むと石段があり、小さな「道しるべ」が登るように指示している。階段を上ると「御陵」が 静かにたたずむ。
少し進むと皇室の菩提寺である御寺(みてら)「泉湧寺(せんにゅうじ)」の大門前に到達する。静かな空間で門前で 礼拝し、参道を下る。

No4.道しるべ
階段への分岐
泉湧寺

この辺りは「吉野道」を歩いた時に訪れた。少し下ると右側に「今熊野観音石碑」が立ち、その横に 「No7.道しるべ」が次のステップを案内してくれる。
前回歩いた時は「西国三十三ヵ所・十五番札所・今熊野観音寺」に参拝した。今回はパスして道しるべに従って、 赤い橋の手前を下って、この橋の下をくぐる道を進む。
静かな木陰の道を進み、右側に御陵の丘に沿って行くと前方に京都タワーが見えるのに驚く。もう京都駅に 近いのだ。

川沿いの道を上ると「No9.道しるべ」が立ち、正面に「剣神社」の鳥居が迎えてくれる。「道しるべ」を 右折して進むが、その「道しるべ」をもう少ししっかりと見ていれば道を迷わなかったのが悔やまれる。
右折して進み、石垣にある「小さな道しるべ」が左折することを示している。10段程の階段があり、 「小さな道しるべ」が進路を示している。ただ、その「道しるべ」の矢印が木の葉で隠れていた。

階段を上り、そのまま階段と同じ方向に進んだ。(正しくは直ぐに左折しなければならないのだが。)
しばらく進むが次の「道しるべ」が見当たらず、フェンスに突き当たってしまう。そのフェンスに「京都一周トレイルは 200mもどり右折」と書かれている。同じ間違いをする人が多いのだ。
階段の所まで戻り、「小さな道しるべ」の木の葉を持ち上げて見ると左折するように表示されている。 「道しるべ」は正確に見なければならないと再認識する。(反省!)

No7.道しるべ 道標
No9.道しるべ 道標
間違った階段

本来のトレイルを進む。滑石街道を横切って少し行くと「No11.道しるべ」が山へ登るよう導いてくれる。
ここからは気持ち良い山道になり、「熊野古道」と同じ様な感じに嬉しくなる。笹の道、広葉樹の道、 シダの道と少しの間に色々な表情を見せる山道を気持ち良く進む。
後で地図を見るとこの辺りは東海道新幹線や東海道線の東山トンネルが下を走っているのを知り、京都の地形を 再認識する。
山道を下ると国道1号線に出る。車が激しく行き交う道端に「No14.道しるべ」が立ち、その横に「右.火葬場、 左.山科大津」の石の「道しるべ」が堂々と建っている。
スタートした伏見からの峰を踏破して、東山の峰との間の国道に到達したのだ。次は東山36峰へのトライだ。

No11.道しるべ 道標
気持ち良い山道
No14.道しるべ 道標


「京都一周トレイルA(東福寺〜国道1号線)」の「紀行スライドショー」


国道1号線を少し西に進むと渋谷街道に分かれる。道なりに進み、「小さな道しるべ」に誘導され渋谷街道を 渡り、国道に戻ると1号線をくぐるトンネルがある。
それを抜けて国道沿いに東に行くと先程降りて来た「No14.道しるべ」の対面になっている。国道を渡れないので 迂回した訳だ。
公益社横の「No18補1.道しるべ」を左折すると急な階段があり、登り切った所に「No18補2.道しるべ」立ち、 横には清水寺への矢印もある。これを進むと清水寺の裏側に行くのだろう。
しばらく山沿いに行くと「No18補3.道しるべ」が山に登る様にに導く。さあ、いよいよ東山36峰へのスタートだ。 清水寺への道から清水山への山道に入る。

国道1号線のトンネル
No18補1.道しるべ 道標
No18補3.道しるべ 道標

急な山道を登る。山沿いにウネウネと登ると上からハイカーが降りてこられご挨拶。初めて人に出会った。
右側に大きな石造の三重の塔が立ち、そこでシニアのグループが休憩している。10数人の団体だ。ご挨拶し、 降りて行かれたので、その後に座ってしばらく休憩し、ミカンを食べる。(11:10-15)

道幅が広くなった広葉樹の山道には落葉が積り、サクサクと気持ち良い音が響く。シダの道や低い灌木の道脇には 石垣で囲まれてお地蔵様が祀られている。静かな空間だ。
広場に「No19.道しるべ」が立ち、右に下るよう導く。
近くの林の中に白いネットが木から落ちて来る檜の実を採取(?)している光景に出合う。緑の中に白いネットは よく目立つ。

山沿いの道
石造の三重の塔
No19.道しるべ 道標

坂を下ると用水池に「No20.道しるべ」が立ち、横の坂道を登って行く。
東山36峰と云うように、小さな峰が続くのだ。緩やかな坂道には木の根が張っており、道筋を楽しみながら登る。 「どんぐり」がたくさん落ちている。佃煮が出来る位の量で、孫達が居れば喜んで拾ったであろうと・・・。
シニアの女性3人連れを追い抜く。清水寺から歩いて来られたようで、ストックを付いてユックリと歩いておられる。70才以上の お年と思われるが、元気で意欲あるのは素晴らしい。

坂道を登り切ると「将軍塚」の広場に出る。ヘリポートもあり、太陽が輝き暖かい頂上だ。(11:45-12:10)
頂上の広場には東屋もあり、先客が昼食をしておられる。時間的にも丁度良いので、日当たりの良いベンチでおにぎりの 昼食にする。
暖かく、青空も望まれ気持ち良い。一息入れて、「将軍塚」の展望台から京都の街並みを見下ろす。
京都タワーも望め、素晴らしい晩秋の京都を一望する。この真下は高台寺辺りになるようだ。いつも散策する東山の麓 ではなく、山上を巡っているのだと実感する。

No20.道しるべ 道標
どんぐりの道
将軍塚からの展望


「京都一周トレイルB(国道1号線〜将軍塚)」の「紀行スライドショー」


「将軍塚」ピークから蹴上に向かって下って行く。少し進むと目の前にお寺があり、紅葉が赤く染まっているのが見えるので、 少し寄り道をする。
「青蓮院」の飛び地「青蓮院門跡・大日堂」で山門を入った所に見事な紅葉がある。観光客も多く、 タクシーで訪れている方が多い。境内には入らず、前庭の紅葉を鑑賞する。
「東福寺」より紅が濃い様に感じる。高度が高いので紅葉も映えるのだろうか。知恩院と並んで建つ青蓮院はよく知っているが、 将軍塚にも、この様な紅葉の名所があるのを知ったのは収穫だ。


青蓮院門跡・大日堂 説明
大日堂の紅葉
色とりどりの紅葉

元のルートに戻り、下り坂を進むと丁度「大日堂」の境内の下を廻り込むようになっている。
境内の紅葉も美しく映えている。垣根の間からきれいな紅葉が見られるので拝観料なしでパチリ。これは紅い。

背の低い木々に囲まれた細道を下る。広葉樹が色付き、気持ち良い道筋だ。自然とスピードが増してくるのは 不思議な感じだ。
途中、誰かの庭園か、紅葉が美しい所も楽しみながら快調に下り、「No26.道しるべ」を直角に曲がって進む。

大日堂の紅葉
色付いた山道
No26.道しるべ 道標

急な坂を下って行くと木々の間から平安神宮の赤い大鳥居が見られ、平地が近くなるのが分かる。
坂の左の天台宗「尊勝院」の境内を横切って進む。このお寺は京都三庚申のひとつとか。
坂を下り切った所に「粟田神社」の鳥居が立ち、その参道を抜けると三条通りに交わる。その角に 「No29.道しるべ」が立ち、三条通りを東に進む。

東山の峰の一つを越えて三条通りに到達した。ウエスティン都ホテルの前から蹴上の交差点を2回渡って、インクラインに沿った よく歩く道を進む。インクラインの下を通る古いレンガ造りのトンネルの手前に「No30-2.道しるべ」が立つ。 このトンネルは「ねじりマンポ」と云うそうだ。(13:30')
サイトのガイドは「東山トレイル」は2つに分かれていて、前半が終了した。ここから地下鉄で帰るのが効率的だが、 まだ時間が早いし、足腰の疲れも大丈夫だ。もう少し進もう!!

尊勝院 説明
No29.道しるべ 道標
No30-2.道しるべ 道標


「京都一周トレイルC(将軍塚〜蹴上)」の「紀行スライドショー」


「ねじりマンポ」をくぐっていると、正面の南禅寺に向かう道が紅葉で美しいので、すぐ右折するのをやめて直進する。 いつもは疎水沿いに南禅寺に向かうので、この道は初めてだ。大きな家の庭園から真っ赤な紅葉がのぞいている。
紅葉を眺めながら先まで進み、元の「ねじりマンポ」まで戻ってインクラインに沿って上って行く。ここの桜は大好きなひとつ だが、すっかり葉が散っていて殺風景だ。来春の再会を願いながら進む。

ねじりマンポを抜ける
南禅寺手前の紅葉
インクライン

インクラインを上った所の小さな公園に出て、次の「道しるべ」を探すが分らない。南禅寺へはここから左折して疎水に沿って 進むのだが。
「大神宮橋」があるらしいので、もう少し真っ直ぐ進むと橋が見え、大きな石灯篭の横に「No32.道しるべ」が立つ。この 石灯篭は安政年間の作とか。階段の「大神宮橋」から疎水を見ると紅葉が水に浮かんで情緒ある光景だ。

「日向大神官(ひむかいだいじんぐう)」の鳥居をくぐって、舗装された急坂を上って行くと紅葉が映える静かな神社に 到達する。「日向大神官」の広場に「No33-1.道しるべ」が立つ。
「道しるべ」は直進するルートと「日向大神官」に参拝して迂回するルートが示されている。神社に参拝して進むルートを 選択して、「日向大神官」への階段を上る。

No32.道しるべ 道標
大神宮橋からの疎水
No33-1.道しるべ 道標

「日向大神官」は伊勢神宮と同じ檜皮葺きの「外宮」と「内宮」があり、奥には「天の岩戸」まである。
階段を上り「外宮」に参拝する。少し曇って来たので紅葉の映え具合が悪くなったが、静かで美しい空間だ。 次に「内宮」に参拝し、順路に沿って「天の岩戸」に向かう。(13:30')
「天の岩戸」へ中腰になり入って行くと中は真っ暗で一瞬不気味に思うが、直ぐに出口が見え外に出る。中で 曲がっているので光が入らないのだ。
女性ハイカーが続いて出て来て、「怖かったですね」と話す。南禅寺に向かうとのことで左右に別れる。

曇って来たので少し薄暗くなった木々が茂った静かな山道を進む。何処かで先程分岐した道と合流するのだろうと 思いながら。
三叉路に出て、南禅寺の上を進むと云う先入観で左に行くが、これが間違いだった。
気持ち良い山道を進むが次の「道しるべ」が現れない。地図を持っていないので不安になり、このまま進んで 南禅寺近辺に降りようかとも考える。
しかし、元に戻ることにし、先程の三叉路で右側に進む。しばらく「道しるべ」が現れないので不安であったが、 向こうに「道しるべ」を発見して一安心。

ここが、「日向大神官」から分岐した道との合流点で「七福思案処」と云うらしい。(14:15')
15分程ロスしたが、無事合流点に到着し、一息入れる。この「No38.道しるべ」は6方向の合流地点に立ち、 七福人も何処に進もうかと思案する場所なのだろうと想像する。
休憩していると先程別れた女性ハイカーが分岐ルートから登って来られた。方向を変更して「大文字山」に向かうと 云って先に進まれた。

日向大神官・外宮 説明
天の岩戸
山道 No38道標

ここから大文字山経由で銀閣寺までの所要時間が分らないが、まだ14時過ぎなので日暮れまでは3時間あると 考え、足腰の状態も大丈夫だと、前に進むことにする。
急な坂道を上って行くと見晴らしの良い場所に出る。途中で女性ハイカーに追いつき、話しながら歩いていたので、 ここで一休みする。
山科の街が眼下に見渡せ、右側には歩いて来た伏見からの山並が下の方に見える。結構歩いたのだ。
女性は前回別のルートで大文字山に登ったが、大変だったと。山歩きが好きな方なのだ。

女性ハイカーはまだ休憩しているとのことで、出発する。
急な坂を登り、平坦な道になり、少し下って、また登る・・・の繰り返しで、少し薄暗い山道を「道しるべ」を 頼りに淡々と進む。
「熊野古道」の「道しるべ」は500m毎に番号が記されていたので、残りの距離が分かったが、ここの「道しるべ」は 分岐点を中心に設置されているため、距離が推測出来ない。地図を持っていればある程度分かるのだが。

尾根伝いの道や広葉樹の茂った道の落葉を踏みしめて進んで行くと段々と足に疲労が蓄積して行く。登りは大丈夫だが、 下りになると足がガクガクとしてペースが落ちる。
「No45.道しるべ」に到達した。ここは「東山トレイル」で下るのと「大文字山」へ登るとの分岐点になっている。
ここまで来たのだから「大文字山」に登り、「大文字焼」の火床を見なくてはと「大文字山」に登りを選択する。 体力的に大丈夫だとここに戻って、「東山トレイル」で下ろうと。

山科を望む
尾根の道 No40道標
No45.道しるべ No45道標


「京都一周トレイルD(蹴上〜大文字山)」の「紀行スライドショー」


「大文字山」への急な坂を上り、頂上の「三角点」を確認して展望台で休憩する。絶景だ。京都の街が眼下に広がり、 遠くは大阪のビル群や生駒山も眺められる。
曇っていて、雲の間から薄い光が筋状に注いでいる。汗をぬぐい、お茶を飲んで景観を楽しむ。(15:10')

休んでいると反対側から男性が登って来られ、話す。地元の方の様で、よく登っておられるようだ。
今日のような天気だと大阪湾が光って見えることがあるそうだ。友人が見たので、自分も見たいがまだ見たことが ないと。大阪のビルは見えるが、大阪湾は見えなかった。残念。
見晴らし台の横に杉の木が立っている。この一本杉が鴨川河川敷から見えるそうだ。杉を見つけて6峰左がこの展望台とか。
ここから見ると京都市街は山に囲まれた盆地なのが良く分かる。淀川の方向だけが空間になっているが、山崎の 天王山と八幡の男山の間も狭い。
伏見から歩いて来たと話すと驚いておられ、伏見の位置と歩いた峰を教えていただく。
午前中の様に青空の下だと景観はもっと素晴らしいだろうと思いながら、挨拶をして下りはじめる。

京都市街@ 市街A
伏見からの峰
下から見える一本杉

展望台から「大文字焼」の火床まで急な下りが続き、距離もある。下り坂は少し足に堪えるが、一歩一歩踏みしめて 慎重に降りる。しかし、そろそろ限界に近い。
視界が急に開けて、大文字の「大」の一番上の火床に到着する。立派な基礎が設けられ、この上に薪を組上げて火を 付けるのだろう。先程の展望台より街並みが大きく見える。下から見易いように木が切られているのだ。


「大」の字の一番上から横棒「一」と交差する所までも距離があり、途中に10ケ所位の火床が設けられている。 その間を階段で下りて行くが、大きいのに驚く。
交差する所は広くなっていて、指令所となるであろう小屋も設けられており、交差する中心は円形の火床になっている。 横棒「一」の端から端までは見えない位長い。
下から見て、あれだけ大きく見える「大」なのだから大きいのは当然としても、その大きさに感嘆する。真中の広場で 京都の街と緑の中に点在する紅葉を眺める。(15:30')

京都市街@ 市街A
上から中心への階段
交差する真ん中の火床

休憩していると反対側からカップルが登って来たので、銀閣寺へ行くのか・・と尋ねるとそうだと。
彼らからチョコレートの差し入れがあり、お礼を云っていただく。疲れた時には甘いものが嬉しい。話している時、 伏見から歩いて来たと話すとすぐピンと来なかったが、気付いて驚き、もう1個チョコレートをいただく。感謝!!

お礼を云って、彼らが登って来た階段から下る。長い階段を足を引きずりながらソロソロと。途中、学生が トレーニングのために階段を登り降りしている。頑張れよ・・と応援するが、こちらは大変だ。
上から、チョコレートをもらったカップルが降りて来て、追い抜いて行く。「ごゆっくりと」と。若い人は軽やかな 足取りで元気なのは羨ましい限りだ。

段々と暗くなって来たが、早足で歩けないのでソロソロと進む。紅葉が美しいのに少し癒されながら下ると 「銀閣寺」の横に出て来た。(16:15')
観光客も多く、参道を人を縫いながら進む。「哲学の道」の川の桜はまだ紅葉した葉を付けている。インクラインは 丸裸だったのに、場所によって大きく違うのだ。

長い下り階段
銀閣寺の参道
哲学の道

東山トレイル地図...(京都一周トレイル会mapより)
「京都一周トレイルE(大文字山〜銀閣寺)」の
「紀行スライドショー」



バス停に向かうと外人がたくさん並んでいる。さすが銀閣寺だ。
直ぐに京都駅行の急行バスが来て、どうにか座ることが出来、一段落する。
交通渋滞で時間がかかったが、今日歩いて来た東山の山裾を山を見上げながら思い出す。

東山散策では何度も歩いたコースだが。山の上から京都市街を一望した経験は初めてなので、 地形や歴史的背景も推察することが出来た。
同じ街並みも視点を変えて眺めることで、新しい感覚を得られる。
足はガタガタになったが、気持ちは新たになった。

1時間位で京都駅に着き、観光案内所で「京都一周トレイル」の地図4冊を購入する。これで残りのトレイルは安心して 歩くことが出来るだろう。

帰って地図を見ると伏見駅から伏見一の峰(標高230m)に登り、峰々を越えて国道1号線(100m)に下り、 再び将軍塚(220m)まで登り、蹴上に下り、大文字山(466m)に登り、銀閣寺まで下ったのだ。

久し振りの山歩きの後半は散々だった。長いブランクはやはり堪えた。
伏見から銀閣寺まで約17kmとある。伏見稲荷の山巡りや東福寺散策も加えると約20km歩いたのだろう。
紅葉真っ盛りの京都を堪能出来、疲れも吹っ飛ぶ気分だ。(?)

さあ、次はいつ歩こうか!?

@、(伏見〜大文字山)高低表...(京都一周トレイル会mapより)

A、(大文字山〜比叡山ケーブル駅)高低表...(京都一周トレイル会mapより)




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