○ 「正暦寺散策と野菜料理堪能」(2007.11.28) 5月に小・中・高校と一緒だったO君夫妻と居酒屋で旧交を温めた。その時、次回は秋に会おうと。 O君の発案で、奈良「正暦寺」で紅葉狩りを楽しみ、散策した後、野菜料理を食べると云う、気分もお腹も満足出来 そうな企画に期待して出発する。 「正暦寺」は行ったことがなかったが、新聞の紅葉情報に掲載される程の紅葉の名所らしい。 食事する「粟(AWA)」は自家製の大和野菜を味わえる店のようで、サイトで検索しても美味しそうな料理や自然を賞味 出来そうで楽しみだ。 大阪駅10時25分発の大和路快速に乗るべく待ち合わせ、ホームで久し振りのご対面。奈良まで乗換えなしで行く間に、 近況報告や今日の行程について楽しく話す。 小型バスは10人位の乗客で奈良公園の 赤く染まった紅葉を眺め、公園から田園地帯を通り、途中から狭い道を登って「正暦寺」の前に到着する。 路線バスは便数も少なく、お寺の2km手前位から歩くそうなので、ラッキーだ。 バス停から紅葉のトンネルが始まる。川沿いの道の両側には赤・朱色・黄色と色付いた木々が鮮やかだ。 欲を云えば、これで青空と日の光が降り注いでいれば最高なのだが・・・と曇り空の道を登る。 駐車場に露店や売店があり、新ショウガや柿のお菓子等、地元の食材や名産品をget。 清流に沿って、紅葉の道を本堂に向かう。この清流・菩提仙川を使って醸造された「菩提泉酒」は日本清酒の発祥とかで 石碑が立ち、地酒の試飲が楽しめる。数種類の地酒を楽しみ、本堂の長い階段を上る。 階段を上ると紅葉に囲まれた広い境内に鐘楼と本堂が静かに建っている。 本堂に参拝して静かに録音された読経と説明を聞く。高台になっている境内からの眺めも山々の紅葉が美しい。 石垣と紅葉で静かな空間をじっくりと味わう。 992年、一条天皇の勅命を受けて兼俊僧正(九条兼家の子)が創建、創建当初は、堂塔・伽藍を中心に八十六坊が 渓流をはさんで建ち並び、勅願寺としての威容壮麗を誇っていたといいます。 ところが、1180年、平重衡の南都焼き討ちの際、その類焼を受け、全山全焼、寺領は没収され一時は廃墟と化しました。 その後、1218年、興福寺一乗院大乗院住職信円僧正(関白藤原忠通の子)が、法相宗の学問所として再興、昔に勝る隆盛を 極めました。また、13世紀初めの頃に、蓮光法師(法然上人の弟子)がこの地に草庵(本殿を安養院・別殿を迎接院)を結び、 浄土門の法灯を掲げたこともありました。 このように、当山は、真言密教・法相宗の教学禅定の道場、浄土宗の念仏道場として深く世人の尊崇を集めてきました。 (正暦寺HPより) 参道周辺付近は「南天」がたくさん植えられ、赤い実と紅葉がマッチして趣がある。 重要文化財に指定されている「福寿院客殿」に向かう。 庭園から塀越しに臨む紅葉は緑の松と対比して美しく映える。襖絵等を眺めて出口に行くと昔懐かしい竈が 設けられ、その上の鉄瓶は文福茶釜となっている。 客殿にも「南天の実」がなり、独特の風情がある。もう正月を迎えた感じだ。 「正暦寺」の紅葉狩りを終えて参道を下る。先程はバスで通った田舎道を奈良盆地を眺めながら。 道には紅葉の落葉がたくさん積もっていて道の端は紅葉の絨毯状態だ。道横にはどの様な由緒か分からないが 「泣き笑い地蔵」が祀られている。 ひときわ紅が濃い紅葉を楽しんだり、吊るし柿になるのか小振りのしだれ柿(?)を眺めたりしながら、今日の もう一つのメインコースである昼食処に向かう。 「正暦寺の紅葉狩り」の「スライドショー」 田舎道を晩秋の光景を眺めながら進む。 今回訪れる「粟(AWA)」は「清澄の里」と呼ばれる集落にあり、自家製の 野菜や近隣農家と契約した大和野菜を用いた創作和食の食事処だと。 完全予約制のため、リピーターが多いようで店の場所は一見では分らない。小さな駐車場の案内板から坂を上るとログハウス風な 軒先にたくさんの粟が吊らされている小屋が見える。 高台に建つ食事処からの展望は晩秋の奈良盆地から生駒山がかすんで眺めら、落ち着いた風情だ。 入口も赤い暖簾が掛っているだけの素朴なもので、笑顔が可愛い「田の神様」が迎えてくれる。 スタッフの笑顔で迎えられ、広い板張りの食事処に案内される。先客が何組も食べておられるが、ほとんどが 女性客のグループで、ヘルシーな野菜料理は健康志向にマッチしているのだろう。 まず、スタッフから「粟(AWA)」の野菜についての説明があり、自家農園での栽培、近隣農家との提携で素材を 入手し、季節に合った食材で調理していると。 営業は16時迄で、その後は自家農園での野菜の手入れに忙しいとのことだ。野菜作りからヘルシー料理まで 全てに対応しているとのことで、無農薬野菜を安心して食べられるのは嬉しい。 ブルーベリー・ジュースの食前酒から5種類のオードブル。素材の名前と料理方法の説明を受け、質問をしたりと 会話を交わしながら食材を楽しむ。 鍋は豆乳鍋で色々な野菜に加えてほたて貝や海老が入っている。 後程出てくる太刀魚の3種類だけが魚介類で、残り全ては野菜だ。 珍らしい種類や型に驚いたりしながら、次々に出てくる煮物、揚げ物、和え物、汁物、黒米入り豆ごはんを 堪能する。少量づつだが、種類が多いのでお腹が一杯になる。 ビールの後は久し振りに「明るい農村」の銘柄の芋焼酎で楽しくやる。この店の雰囲気に合わせた銘柄にご主人の センスの良さを感じる。サービスに姉妹品の「農家の嫁」をいただく。これもなかなかのものだ。 料理と素材の関係の説明を受けたが、記憶に留まっていない。 素材を思い出すと仏掌芋、八ッ頭、八条水菜、 コンニャク芋、かちわり南瓜、ソーメン南瓜、紅心大根、白小豆、大納言小豆などがあった。 それらの素材がテーブルの上や部屋の片隅に置かれており、食材に囲まれての食事に満足する。 特にテーブルの上に置かれた「里芋」の根っ子(?)部分は自分でも家庭菜園で育てているので、こんなに立派では ないが、トライしようと。 コーヒー・デザートで美味しい食事を終え、ベランダから外に出る。 裏庭に山羊が飼われている。今年の夏に生まれた子山羊が可愛らしくメーメーと鳴いている。親子の山羊に置いてある 野菜を与えると美味しそうにムシャムシャ。 軒先には粟が干してある。素朴な光景が食事処の性格とマッチしているのは嬉しい。暮れかける田園風景を眺め、 美味しかった野菜料理の数々を堪能した満足感で食事処を後にする。 「粟(AWA)の野菜料理」の「スライドショー」 食事と雰囲気に満足し、タクシーで近鉄奈良駅まで戻り、近鉄・JRで帰路に就く。京橋駅でO君夫妻に感謝してお別れする。 来年春の再会を。 初めての地への紅葉狩りと美味しい野菜料理を堪能した一日だった。
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