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「京都一周トレイル(No2)・銀閣寺〜比叡山」



○ 「京都一周トレイル(No2)・銀閣寺〜比叡山」(2008.2.8)

前回、伏見稲荷から銀閣寺まで歩いてから、エジプト旅行や年末年始の孫達の来訪、「青春18きっぷ」での 小旅行とバタバタしていて、次の行程に進めなかった。
京都一周トレイル地図...(京都一周トレイル会HPより)
一段落して歩こうとするが、今年の冬は雨が多くて中止することが多く、2月になってしまった。
3年前「熊野古道・高野山奥の院散策」時に雪の高野山を堪能したので、もう一つの聖地・比叡山も 雪に出合えれば・・・と狙っていた。
雨は嫌なので、晴れ間があり、山上に雪が積もっている時をと、天気予報を見ながら検討し、実施した。

前回は久し振りでバテバテになったので、銀閣寺から比叡山までの東山コースを踏破して、その時の疲労度に よって、山上巡りをして坂本にケーブルで降りるか、調子が良ければ西山コース・東部を歩き始め、大原まで 降りようと計画した。

日が明けかけた朝6時30分に家を出る。セーターの上にジャンパーを着て、ニット帽で耳を隠していても寒くて冷たい。
阪急で四条河原町まで行き、バスで銀閣寺まで進む。車中で、前回購入した「京都一周トレイル・東山コース」の MAPを再確認して、気持ちを高める。
銀閣寺道で下車して、前回、大文字山から降りて銀閣寺前から哲学の道との交点になる「No51.道しるべ」 まで戻り、本日のスタートとする。

8時に哲学の道に立つ「No51.道しるべ」を出発する。まだ早朝の銀閣寺前は観光客もなくひっそりとしている。 哲学の道の桜並木の蕾も固く、春の訪れを心待ちにしているだろうが、冷え込みはきつい。
川沿いを白川通りの銀閣寺道のバス停まで戻り、MAPの指示に従い、住宅が連なる小道に入り、緩やかな傾斜を 登って行く。
道の角に、「道しるべ」が立っているので間違うことなく進めるのは有難い。「No55.道しるべ」は 日本パプテスト病院との分岐点を示し、病院への道の右の道を進む。(8:20')

哲学の道のNo51.道しるべ 道標
銀閣寺橋と哲学の道
No55.道しるべ

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

右の道を進むと病院駐車場になっており、一瞬戸惑いながら進むが工事中で進めない。間違ったかな・・・と思ったが、 よく見ると左端の壁際に小さい道が通っている。
ここからは本格的な山道になり、気持ち良く進める。小さな流れに沿って登って行くと「大山祇(おおやまつみ)神社」がひっそりと たたずむ。今回の紀行の無事を願って参拝する。

少しづつ勾配がきつくなる枯葉が積もった山道をサクサクと軽快な音と共に登って行く。スタートの銀閣寺付近では寒かった のが、嘘の様に汗が滲んで来る。ニット帽を脱ぎ、ジャンパーのファスナーを外して冷気を入れる。
道の真ん中に柵が設置され、バイクの侵入防止をしている。こんな所までバイクが登って来るのだ。
柵の間を抜けて山道を進む。小さな灌木や杉木立の道が続き、快調に登って行くが、 暑くなったので、「No58.道しるべ」で小休止し、セーターを脱ぎ、汗を拭う。真冬でもこれだけ暑くなるのだ。(8:45')

大山祇(おおやまつみ)神社 説明
枯葉の積もる道
杉木立の道 No58道標

小さなアップダウンを繰り返しながら山道は少しづつ登って行く。体も温まり快調だ。
「No61.道しるべ」に迂回して「北白川城出丸」への登り道が記されている。この辺りの歴史は知らないが、城があり、 その出城があったようだ。
迂回道を登ると山頂に広場があり、出丸の由緒が記されている。こんな山の中に城があったのに驚く。戦国時代の 城だと。京都周辺の山々も当時は戦場であったのだ。
本来、見晴らしも良いようだが、木々が茂っているのと霞んでいて京都市街は望めない。諦めて反対方向に下ると 先程のトレイルに合流する。
起伏の富んだ道は変化があり、尾根道を進むと視界が開け、京都市街が望める。MAPで確認すると「詩仙堂」の上に 当たるのだ。東山山麓としても随分北に来たのだ。やがて「No63.道しるべ」を通過する。(9:15')

静かな山道 No61道標
北白川城出丸 説明
京都市街展望 No63道標

木立と枯葉の道を進むと「曼殊院」への分岐となる「No64.道しるべ」が立ち、市街地へのコースがあることを確認する。これは 一乗寺林道の終点で標高295mだと。スタートから220m登ったことになる。
緩やかな枯葉の道を登ると「修学院離宮」への分岐点である「No65.道しるべ」に至り、そこで休憩する。先日のエジプト旅行時に 買い求めたナツメヤシとクッキーを食べ、お茶を飲んで静けさを楽しむ。(9:35')

木立と枯葉の道
No64.道しるべ No64道標
枯葉の道 No65道標

一息入れ、再び緩やかな林道を登って行くと草むらの中に雪が凍っているのが点在して来る。残雪だ。
やがて、道の両脇にカリカリに凍った雪が残り、「てんこ山」への分岐点を示す「No66.道しるべ」に至る。外気も冷たくなって来た 感じがする。
これ辺りで雪が残っているのであれば、頂上はもっと残ってるだろうと期待しながら歩を進める。
山道のコーナーを曲がると「石の鳥居」が現れて来た。こんな山の中に立派な石の鳥居が立っているのに驚く。この奥に 「弁天堂」があるようで、その鳥居とか。
この地点が一つのピーク(419m)で、横に立つ「No67.道しるべ」が急な坂を下るように示している。(10:05')

雪が残るの道 No66道標
石の鳥居
No67.道しるべ 拡大


「京都一周トレイル@(銀閣寺〜石の鳥居)」の「紀行スライドショー」


一息入れて、谷に向かって急な坂を下る。所々濡れていたり凍っているので滑り易い。登り坂ばかりだったので、 慎重に下って行く。
下るに連れ、せせらぎの音が大きくなり、坂の下に小川が見え始める。何か濁った汚い川だ。泥が流れている のだろうと思いながら川面に降りる。
良く見ると泥が流れているのではなく、川底に灰色のきれいな砂が沈殿しているのだ。水はきれいな清流だ。 失礼した。
ブロックが橋の代わりに置かれていて、ポンポンと渡り切る。

谷からきつい登り坂になる。この辺りで曇っていた空が晴れて日の光が射して来た。寒々とした光景が 明るく暖かくなるの感じだ。
山道が交差する角に大きな石碑が立っている。細かな文字は読めないが「水飲対陣碑」で横に「No69.道しるべ」 が立つ。
これは南北朝時代の水飲対陣跡で、1336 年、足利尊氏に追われた後醍醐天皇が叡山に逃れ、近臣千種忠顕卿が 足利軍を迎えて陣を張った跡であり、千種忠顕卿はここで討死にしていると。歴史のある所なのだ。
左へ下る道が修学院から比叡山に登っているキララ坂だと。(10:20')

きれいな小川
登り坂 No68道標
水飲対陣碑 No69道標

ここから比叡山の山頂まで一気に登ることになり、坂も急だ。高圧線の下から京都市街が見渡せる。多分、宝が池の 国際会議場と思われる。
急な坂道を息を弾ませながら登っていると可愛い「お地蔵さん」が赤い頭巾を被って鎮座している。地図を見ながらこの 紀行記を書いていると、この辺りに「浄刹結界跡」の石碑があるそうだが、見落としている。
久し振りの山歩きで、ペースが遅くなって来た。雪も段々と深くなり、道脇は白く凍っている。山道も土がカリカリに凍り付き 時々滑ったりする。
「赤山禅院」からの道と合流する「No70.道しるべ」が雪に覆われて立っている。表面の雪を払ってパチリ。

京都市街展望
可愛いお地蔵さん
No70.道しるべ 拡大

山道の横の藪の中は真っ白に変わっている。山の斜面でガサッと音がしたので、見上げると親子の鹿が雪の中を駆け上がって 逃げて行き、止まってこちらを見ている。急いでカメラを向けるがピンボケにしか写せなかった。
山道にも雪が目立って来て、岩も白くなって美しい。粉雪が降って来て、深々とした雰囲気だ。
「No72.道しるべ」に出会い、上に登ると先程の「千種忠顕の碑」が立っているとの表示なので、細い道を登る。 コースから離れた道は雪に覆われ、滑り易く用心しながら一歩一歩進む。小高い丘の上に「千種忠顕の碑」が堂々と 立っている。雪に覆われて傍までは行かずに、手前で礼拝する。
滑りながら坂を下って、元のコースに戻る。雪の下り道は大変だ。(11:02')

雪の藪 ピンボケの鹿
雪の山道
千種忠顕の碑 No72道標

急に雪が深くなって来た。山道も雪に覆われて来る。木立と雪が美しい。
上から若い人が降りて来たので、挨拶をし、雪の状態を尋ねると山頂は10cm位積もっていると。
急な雪道を新雪を踏みしめながら登って行くと、前方に年配のご夫婦がアイゼンを付け、完全防寒体制で登っておられる。 追いついて挨拶をし、先に進む。
「No73-1.道しるべ」付近はもう雪で一杯だ。道も分からない位に積もっている。もう直ぐ「京都一周トレール・東山コース」の ゴールだと歩を速めるが、雪道では自由が利かない。
道脇に大きな社があり、「やどり地蔵」が祀られている。社の中で一息入れる。

木立と雪に覆われた道
雪のNo73-1.道しるべ 拡大
やどり地蔵 説明

坂道が終わり、平坦な雪が深い道をゴールの「No74.道しるべ」を目指して進む。
京都一周トレール・東山コース・ゴール No74道標
多分、車も走る道なのだろうが、真白だ。木の枝に積もっている雪が美しい。
カーブを曲がると八瀬遊園からのロープウェイの駅が見えて来る。あそこがゴールだと雪道を踏みしめて急ぐ。
駅の手前に見慣れた「道しるべ」の標識が雪に囲まれて立っている。

伏見からの「京都一周トレール・東山コース」24.6kmのゴールに到達する。
標識の上の雪を払って、踏破の印にアップで写す。

雪を狙って登って来たが、比叡山の山頂がこんなに積もっているとは思わなかった。
山を軽く見てはいけないことを改めて思い知った。
「No74.道しるべ」の横には「京都一周トレール・東山コース」の案内板が立っている。
伏見で見た案内板を山頂で改めて見て、行程を思い出す。
山頂からの光景を写そうとするが、雪と霧で下界は望めない。晴れていたらきっと美しい光景だと思いながら。(11:20')

雪に覆われた道
東山コースの案内板
山頂からの展望


「京都一周トレイルA(石の鳥居〜比叡山山頂)」の「紀行スライドショー」

(銀閣寺〜比叡山)高低表...(京都一周トレイル会mapより)
東山トレイル地図...(京都一周トレイル会mapより)













山頂から眺めていると先程のご夫婦が来られ話す。修学院離宮からのキララ坂を登って来られ、延暦寺に向かうと。
アイゼンも付け、完全な装備で雪山への対応がバッチリで、小生の無防備が恥ずかしい程だ。

昨年11月に紅葉を楽しみながら、「京都一周トレール・東山コース」の24.6kmに挑戦した。
京都の観光名所を東山36峰の上から眺めながら、違った目線で観察しながら、体力の維持・強化に励める 素敵なコースだと思ってトライした次第だ。

紅葉の季節から積雪の季節に渡っての2回の紀行で、「東山コース」を楽しんだ。
地図から見ると東山連峰を縦断した訳で、京都市街の東側を歩いたことになる。

次は「北山コース・東部」の比叡山から大原を経由して鞍馬・二ノ瀬までの17.9km、「北山コース・西部」の二ノ瀬から 高雄・清滝までの19.3km、「西山コース」の清滝から嵐山を経由して苔寺までの10.7kmと続く。
京都一周トレール・北山東部コース・スタート No1道標
これから北山・西山と廻り、淀川で開かれている南側以外を巡るのだ。

想像以上の積雪で、これから大原まで下るのはスリップの恐れもあり、取りやめることにする。
「西山コース・東部」の一部を歩いて、比叡山山上の延暦寺やお寺を巡り、そして、ケーブルで琵琶湖側の坂本に降りる 行程に変更する。

ケーブル駅から雪道を山上の方向に進むと雪の中に「道しるべ」が立っている。
まだ踏まれていない雪に足跡を残し 標識の上の雪を払い「北山コース・No1.道しるべ」を写す。第二ステップのスタートだ。

ここからは「北山コース」なので、新たな気持ちで雪道の轍の上を進む。
下が凍っているので滑り易くソロリソロリと。
少し進むとロープウェーの線があり、駅の近くにロープウェイが進んでいる。比叡山頂上と結ぶ路線だ。
木立に積もった雪景色を楽しみながら一歩一歩と。

雪道の轍
ロープウェイ
雪景色

雪道を進むと「北山コース・No2.道しるべ」がスキー場跡の横に立っている。比叡山にスキー場があったとは知らなかった。今日は スキーには絶好の天候なのだが、貸スキー店が閉鎖されて寂しく建っている。
スキー場跡を廻って雪が深くなっている道なき道を「No3.道しるべ」を通って進むと日が射して来た。明るくなれば 雪景色が余計に美しく見える。展望が開け、周辺の山々と青空を堪能しながら小休止する。

スキー場跡
雪のNo3.道しるべ 拡大
光溢れる展望

「No4.道しるべ」の上には小さなお地蔵さんが並んで祀られているが、雪に埋もれて顔が見えない。
雪が深い道の人が歩いた所を歩いていると、キャラバンシューズが埋まる位だが、外れるとふくろはぎ当りまで埋まる所もあり 慎重に足場を探しながら歩む。
「No5.道しるべ」を通り、日頃経験出来ない雪道や雪景色を楽しみながら進むと雪に覆われて、近くまで行けない 「No6.道しるべ」が立っている。
ここが、「北山コース」の分岐点で左の比叡山ドライブウェイの上を渡って進むようだ。高架橋も雪で覆われている。
次回はこの道を進んで大原に向かおうと確認して、延暦寺方向に進む。

No4.道しるべ 拡大
雪深い道
No6.道しるべ 北山コースへ


「京都一周トレイルB(比叡山山上散策-1)」の「紀行スライドショー」


この辺りからは車も走るようで、雪は少なくなっている。お地蔵さんを祀る祠や「弁慶水」の社を通って、朱色が 白い雪に映える「阿弥陀堂」に参拝する。横の塔と並んで雪景色に似合っている。屋根から雪が落ちて来て 建物の周辺は雪の山になっている。
雪に覆われた「戒壇院」「大講堂」と山上の寺院を参拝して「根本中堂」に向かう。

阿弥陀堂 説明
戒壇院 説明
大講堂 説明

比叡山延暦寺の本山「根本中堂」は伝教大師(最澄)によって延暦7年(788)に創建され、その後何回も災害にあったが、 現在の姿は徳川家光の命で寛永19年(1642)に竣工したものであると。
雪が除けられた参道を下って「根本中堂」を参拝する。撮影禁止だが、回廊を巡り、参拝出来るので、靴を脱いで 本堂に進む。回廊の廊下の冷たさが靴下を通して体を冷えさせる。
寒さで参拝客は少なく、静かで荘厳な本堂でしばし静寂を味わう。本尊に参拝し「根本中堂」を後にする。

雪や外気や回廊の冷たさで体が冷えた。おにぎりは買って来たが、温かい食べ物が欲しいと探すと案内所の地下に 食堂があるので、名物の蕎麦を注文し、空腹と暖を満たす。美味しい。
食堂でケーブルへの道を聞き、ブラブラと雪のなくなった道を駅に向かって下って行くと、琵琶湖が一望出来る。 山上から琵琶湖大橋も見え、なかなかの光景だ。
レトロなケーブル・延暦寺駅に到着し、毎時0分、30分のケーブルを待つ。駅には先日「青春18きっぷ」で訪れた「日本へそ公園駅」にも 掲示されていた「近畿の駅百選認定駅」のプレートが飾られている。これで2駅を確認した。

根本中堂 石碑
琵琶湖展望
ケーブル・延暦寺駅 近畿の駅百選

13時30分発のケーブルを待つ。この坂本ケーブルはなかなかサービス精神が旺盛で気持ち良い。改札での案内も丁寧で、 厚紙に「縁福」と書かれた切符に携帯カイロをくれる。冷えたケーブルでの暖を取るためのものだ。
日本一長いケーブルとのことで、途中に駅もあり、谷越え、トンネルもある。10分程の乗車だが、琵琶湖が望めなかなかの 景観だ。

ケーブル坂本駅に到着し、JR坂本駅まで歩く。 道に設置されている温度表示は4℃を示している。山上は0℃近かったのだろう。
「日吉大社」の参道で猿の群れに出会う。人を恐れないで堂々と歩いている。TVでいたずら猿のニュースを見た 猿だろうか。社会問題でもある。
坂本の「石積みの街並み」を下って駅に向かう。桜並木が見事で桜の季節の賑わいは有名だ。
坂本駅で時刻表を見ると、新快速も停まることを知り、京都乗換えも面倒なので、新快速の時刻に合わせるべく 駅下のラーメン屋で芋焼酎で「京都一周トレール・東山コース」踏破を祝って乾杯する。冷えた体には最適だ。

ケーブルカー
石積みの街並み


「京都一周トレイルC(比叡山山上散策-2)」の「紀行スライドショー」


行程を変更したのと新快速で高槻まで直行で帰れるので、予定より早く帰宅出来た。
今日の歩行歩数は28322歩と結構歩いたが、下りがケーブルだったので、足の疲労感は少ない。

2回に分けて「京都一周トレール・東山コース」を完歩した。なかなか楽しいコースだった。次は今日の分岐点から大原経由 鞍馬まで行きたい。
下り坂が多いので、雪の季節が終わった頃にトライしよう!!



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