「大原散策」



○ 「伏見散策」(2008.11.29)

今年の春、「伏見散策」を楽しんだ「スイス・ドイツ旅行」 メンバーの半年に1度の集まりは、「大原散策」となった。
幹事さんが色々と検討いただき、晩秋の大原・紅葉狩りと味噌鍋・温泉付きの楽しい企画だ。
集合場所のJR京都駅に向かう。方々から来られるので、大原行のバスに乗って、大原で合流することになっている。 堺のAさんと京都駅でお会いして、バス停に向かうと行列が出来ているが、臨時バスが増発されており、10分毎に ピストン運転されているようだ。
大津のIさん、神戸のMさんが来られ、他の方は途中から乗車されるので、予定時間より早いが、座って進むことにする。
青空と大原の山

予定より早いバスだったので、他のメンバーはひとつ後のバスに乗られたことを携帯で確認して、大原に進む。
山に進むに連れ、紅葉が鮮やかになって来る。先週の万博公園の紅葉は少し時期遅れの状態だったので、 京都は散っているのでは・・・と危惧していたが、全く問題なさそうだ。
春に美浜にドライブした道を登って行くが、思ったより車が少なく、約1時間で大原に到着する。駐車場には 観光バスが10数台停まり、乗用車も満杯の状態だ。これは凄い人出だと。
天候にも恵まれ、青空と近くの山の紅葉が美しい。
次のバスで、尼崎のTさん父娘、河内長野のAさんが来られ、全員集合だ。春よりは参加者が少ないが、都合の 悪い方も居られ止むを得ない。

まずは「三千院」に向かって進むが、人の多いのには驚く。大原には社会人になって直ぐに訪れて以来なので、 40年振りの訪問になる。当時はもっと素朴な雰囲気で、「三千院」まで静かな道だった記憶があるが、土産物屋 さんが軒を連ね、呼び込みも激しく時代の変化を感じざるを得ない。
人の流れに身を任せて登って行く。まだ青い紅葉・黄色い紅葉・鮮やかに紅葉した紅葉と川沿いに上を眺めながら 進む。ここの紅葉の葉は少し小振りで可愛い。

黄色い紅葉
観光客の列
鮮やかな紅葉

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

「三千院」の前に来るが人波が多く、幹事さんの判断で横の道を登って「音無の滝」に向かう。 その前に「三千院門跡」の碑の前で、記念撮影をパチリ。
記念撮影
道には落葉がたくさん積み重なり、夜露でしっとりと濡れている。外気は少し冷たく、さすが京都の北に位置する大原だ。
この道は比叡山の登山道にもなっているようで、道標がある。
「京都一周トレイル」も比叡山まで進んでいるが、少し中断している。 次回は比叡山からこの大原を通って、鞍馬まで歩く予定だ。この道ではないが、大原の少し手前に降りて、鞍馬に登る コースになる。さあ、実行は何時になるか・・・・!?

「三千院」の外壁に沿って登って行く。外壁は石垣と白壁で風格があり、境内の紅葉が紅く染まって顔をのぞかせている。
「来迎院」の門をくぐり、落葉の道を気持ち良く進む。空気が冷たく、手が冷たく感じる。
黄色い紅葉も所々に陽の光で輝いている。石垣の苔とたくさん積もった落葉も趣きがある。

三千院の外壁
黄色の紅葉
道の落葉

「来迎院」の門に出迎えられる。比叡山の麓にある天台宗のお寺だ。境内には入らずに、再び登って行く。
所々に紅葉が茂り、真赤な葉を見せてくれる。彩りも鮮やかで紅葉の本番真っ只中の状況だ。青空の下に赤い紅葉を見ると 淡い小紋が広がっている幻想的な光景だ。
まだ緑色の紅葉を眺めたり、杉林の中を登ったりと久し振りの森林浴を楽しみながら進むと一条の滝が落葉の河原に落ちている。
「音無の滝」は水量は少ないが、周りの景色に溶け込んで静かに落ちている。
滝の河原で一息入れ、オゾンを胸一杯吸い込み、同じ道を「三千院」に戻る。登りの光景と下りの光景は光の具合も異なり、 違った趣があり、同じ道とは思えない位だ。

青空と小ぶりな紅葉
紅葉真っ盛り
来迎院 →説明
音無の滝 →説明
木漏れ日の杉林


「音無の滝への道」の「スライドショー」



「三千院」の御殿門に向かうが、先程より観光客は増えているようだ。門前の土産物屋も人で溢れている。人がいない 御殿門を写すのは不可能なので、仕方なくパチリ。
三千院・御殿門

三千院は、比叡山延暦寺を開かれた伝教大師が、東塔南谷に草庵を開いたのに始まり、その後寺地は時代の流れの中で、 京都市中を幾たびか移転しました。
その都度呼び名も円融房、梨本房、円徳院、梨本門跡、梶井宮と変え、特に応仁の乱後、 梶井宮の政所であった現在の地を一時仮御殿とされたのでしたが、明治維新までは御所の東、河原町御車小路梶井町 (現・府立病院)に御殿を構えておりました。
元永元年(1118年)堀川天皇第二皇子・最雲法親王が梶井宮に入室され梨本の正統を 継がれて以来、皇族出身者が住持する宮門跡となりました。
妙法院、青蓮院、曼殊院、毘沙門堂とともに天台宗五箇室門跡のひとつとして歴代の天台座主を輩出してきました。 (三千院HPより)


境内に入り、拝観料(700円)を支払うのも、行列で進まない。靴を袋に入れて客殿に入り、順路に従って進むが、 所々に展示してある書画も落ち着いて観賞出来ない。(良く分からないが)
廊下から庭園が見られるが、座って見ている人が多く、落ち着いて観賞することが無理な状態だ。庭の紅葉と池が 静かな雰囲気をかもし出し、人のざわつきを打ち消す威圧感も感じる。

庭園の池
廊下に座る観光客
庭の紅葉

廊下沿いに庭園を眺めながら進むと竹筒から冷たそうな水が流れ出す手水鉢の緑の水草が紅葉の庭に映える。
往生極楽院・水蒸気の立ち昇る屋根と紅葉
庭園に降りて散策する。苔に覆われた地面と色付いた木々の色彩が美しい。
この「有清園・聚碧園」は四季折々の自然を見せてくれる。春はしだれ桜、夏はアジサイ、秋は紅葉、冬は雪景色と。
阿弥陀三尊坐像(三千院HPより)
この季節の苔の庭と紅葉を楽しもうとするが、庭園の散策道も人の列が続く。
「往生極楽院」の屋根からは陽が当たり、水蒸気が立ち昇り、周りの紅葉がぼやけて見える幻想的な光景を見せてくれる。
苔と紅葉を楽しみながら、「往生極楽院」の正面に回ると丁度この時期は国宝の「阿弥陀三尊坐像」が公開されており、 登壇して参拝する。
写真撮影禁止なので、三千院HPより借用してそのお姿を思い出す。
温厚な阿弥陀仏に手を合わせて、庭園を振り返ると苔の緑と紅葉の対比が眩しい位美しい。
来迎印を結んだ阿弥陀如来を中心として、右手に勢至菩薩、左手に観音菩薩が坐る来迎の阿弥陀三尊像です。脇侍(きょうじ) の両観音は膝を少し開き、上半身を前屈みにしています。大和坐りと言われる珍しいものです。 平安時代後期を代表する三尊像です。 (三千院HPより)

有清園・聚碧園 →説明
輝く紅葉
苔と紅葉

「往生極楽院」に参拝して苔の道を進むと、散策道に人だかりがある。良く見ると苔に埋もれた可愛い「わらべ地蔵」を 写しているのだ。
わらべ地蔵
苔の衣を着たように、苔の中から顔を出しているあどけない顔を見ると思わずこちらも微笑んで来る。
撮影している人達の顔も穏やかで、笑顔になっている。感性は皆同じだと。
青い苔とそこに落ちている紅葉、そして可愛いお地蔵さん。気持ち良い空間に同化して楽しむ。

「わらべ地蔵」を後にして、庭園を愛でながら進む。
苔の庭の向こうに参拝した「往生極楽院」が庭園に溶け込んで建っている。どの方向から眺めても美しい構成だ。 紅葉の表情も木々により異なっているが、周りの風景とマッチして飽きることがない。
秋の「三千院」の光景を楽しめた。春・夏・冬の「三千院」にも訪れたい気持ちになるのは当然だろうと。

仲間とはバラバラになり、そろそろ集合時間となりそうなので、もっと奥に進みたいが、諦めて出口に向かう。 その途中にも、美しい紅葉が方々にあり、少し遅いかなと思ったのが、落葉と両方楽しめて最高のタイミングだった。
全員集合して、満足感と充実感一杯で「三千院」を後にする。

苔の庭と往生極楽院
紅・黄の紅葉
青空と紅葉


「三千院」の「スライドショー」


美しい紅葉に満足して、「三千院」から「寂光院」に向かう。
苔の屋根の草
法華堂 →説明
雑踏の「三千院」門前から離れて、回り道を楽しみながら進むことになる。幹事さんの事前の調査は嬉しい。

人通りも少なくなり、落ち着いた気分で風景に溶けあった紅葉を眺める。この辺りの紅葉も見事だ。
藁葺の苔に覆われた屋根の上に元気よく芽吹いている名も知らない草の勢いをパチリと。
少し進むと宮内庁敷地の表示があり、その奥に「法華堂」が静かに建つ。後鳥羽上皇のご冥福を祈る祠だと。

小川に沿う紅葉
色彩豊かな紅葉
陽の光に映える紅葉
小さな川に沿って下る道沿いに輝く紅葉は美しい。
やはり、紅葉には陽の光が大切なことは明らかだと再認識する。
そして、青空がより紅・黄・緑を映えさせる。

家族連れが、紅葉狩りを楽しみ、記念撮影をしている。最高の紅葉狩りで、子供達の印象も強烈だろう。
石垣と川沿い紅葉は、目の高さに枝が垂れ、紅葉のトンネルをくぐるように進む小道は穴場のようだ。

バス停まで戻り、「寂光院」への道を進む。今までの紅葉の道とは違って、静かな山村ののどかな風景が広がる。 まだススキが残っており、周りの紅葉の山々を寒そうに見ながら風に揺れている。少し肌寒い。
道端にはお地蔵さんが祀られ、田舎の畦道を進んでいる感じだ。メタセコイヤの紅葉した姿は凛々しくそびえている。 藁葺の民家や静かな野山を眺めながら進むと昼食に予約している「大原の里」の前に至り、幹事さんが予約の確認に走ってくださる。 「寂光院」に参拝してから立ち寄ることを伝え、「寂光院」に向かう。

ススキと紅葉の山
輝くメタセコイヤ
大原の里


「寂光院」への道の「スライドショー」



「寂光院」に近付くに連れ、人が多くなるが、「三千院」程は混雑していない。
石段を登る間には黄色い紅葉が、少し曇り空の中で落ち着いた雰囲気を感じさせる。石段の上に山門が静かに建ち、 「寂光院」の名にふさわしい静けさがある。
当院は天台宗の尼寺で、594年に、聖徳太子が御父用明天皇の菩提を弔うために建立された。
本尊は、聖徳太子作と伝えられる六万体地蔵尊(現在も重要文化財指定)であったが、2000年5月9日発生の火災により 損傷したが、復元され本堂に安置されている。
黄色い紅葉
寂光院・山門 →説明

初代は聖徳太子の御乳人であった玉照姫[日本仏教最初の三比丘尼の御一人で、慧善比丘尼という]で、 第2代の阿波内侍(藤原信西の息女)は、建礼門院に宮中より仕え、草生では大原女のモデルとされている。
第3代の建礼門院徳子(平清盛の息女、高倉天皇の皇后、安徳天皇の国母)は、1185年に入寺し真如覚比丘尼となった。 そして源平の戦に破れて遠く壇ノ浦で滅亡した平家一門と、我が子安徳天皇の菩提を弔い、終生をこの地で過ごされ閑居御所とされた。
緑の池
藁葺屋根の上には
現在の本堂は、内陣および柱は、飛鳥様式、藤原様式および平家物語当時の様式で、 本堂前西側の庭園は、平家物語当時のままで、心字池、千年の姫小松、苔むした石、汀の桜などがある。 (寂光院HPより)


境内に入ると緑豊かな静かな池が迎えてくれる。藁葺の屋根の上には、落葉が積もり、名も知らない草が勢いよく 茂っている。静かな空間だ。

奥に向かうと光景が一変し、真赤な紅葉が目に飛び込んでくる。見事だ。
緑の苔の上に紅葉の落葉がひらひらと落ちているのも美しい。「三千院」とは違った庭園と紅葉を観賞する。

寂光院の紅葉
苔と落葉

本堂は200年に焼失し、立派に復元されたが、かすかな記憶の歴史ある建物ではなく、真新しい感じが残念だ。 この本殿も年月を経て、昔の雰囲気を取り戻してくれるだろう。
本殿に上がり、「六万体地蔵尊」(撮影禁止)を参拝する。本堂と一緒に焼失し、再現された地蔵尊で、背が高く色彩も豊かだ。 このお地蔵様も歴史を経て、昔の重みを示してくれるであろうことを。
文化財の消失は本当に悲しいことだ。「木の文化」の日本は「石の文化」の西欧と違って、火事の恐ろしさに 万全の防火装置を設けねば・・と。
本殿から眺める紅葉も見ごたえがある。

真赤な紅葉
赤・黄の紅葉
陽に輝く紅葉

本殿から下りて、境内を巡る。周囲の紅葉と個々の紅葉がポイントとなり、飽きることがない。
境内の片隅に鐘楼がある。これが「平家物語」で有名な「諸行無常の鐘楼」だと。前回訪れた時は気付かなかったが、 やはり、平家との関わりの深い寺院なのだ。
「宝物殿」に向かう途中やその周辺にも色とりどりの紅葉が美しい。狭い境内だが、紅葉の数は多く、見頃で堪能する。

諸行無常の鐘楼
オレンジの紅葉
緑・黄・赤

「寂光院」の見事な紅葉を堪能して、昼食会場の「大原の里」に戻る。
大広間に通され、他の観光客と一緒に「鶏味噌鍋」の昼食となる。ビールで乾杯し、早速、地鶏を味噌仕立ての鍋に 入れて、煮えるまでにも話が弾む。
直近に台湾に行かれた人、香港・マカオ・シンセンに行かれた方の話を聞いたりと。新鮮な地鶏の味噌鍋はなかなかの味だ。 味噌鍋で鶏を食べるのは初めてだったが、野菜と味噌味もgood。 持参された芋焼酎のお湯割りもいただき、大宴会だ。最後に雑炊をする。味噌味にご飯を入れると猫マンマのようだが、 美味しくて、完食してしまう。美味しかった。
次の週から中央ヨーロッパ、新年早々に南極に行かれるAさんの タフネス振りに全員驚嘆し、無事の生還と次回に土産話をお願いする。 次回は4月後半に奥嵯峨野方面で検討することになり、楽しい宴をお開きにする。
鶏味噌鍋での宴会
夕暮れの大原

大原にも温泉が沸き、人気があるのは知っていた。この「大原の里」にも温泉があるので、全員入浴する。 露天風呂には大きな五右衛門風呂があり、野郎5人が一緒に浸かって、四方山談義を弾ませる。
食事をし、一杯飲んで、温泉で語り合う・・・・・良き仲間に恵まれたことに感謝・感謝。

食事と温泉に満たされて、「大原の里」を後にバス停に向かう。晩秋の日は暮れかかり、大原の山里は寒くなって来る。 バス停は混雑しており、京都駅行のバスを一台乗り過ごして、次のバスで座って帰路に付く。
途中下車される方と分かれながら、渋滞の道を1.5時間かけて京都駅に到着する。ラッシュ時の京都市内のバス移動は時間がかかる。 大原から地下鉄の国際会館まで行き、地下鉄を使う方が効率的だと話しながら。
暗くなった京都駅には京都タワーが白く輝き、次回の再会を約束して解散となる。

「寂光院」の「スライドショー」


少し時期が遅いのではと危惧していたが、ベストシーズンの紅葉狩りだった。「三千院」「寂光院」と大原の名刹を訪れ、 それぞれ雰囲気の違う紅葉を満喫した。
紅葉もさることながら、鶏味噌鍋・温泉と幹事さんの企画の良さに大満足の一日だった。感謝の念で一杯だ。 来春も全員元気に再会出来ることを願って!!






    
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