「富士登山」

[出発〜8合目山小屋][8合目山小屋〜山頂〜下山][下山〜河口湖]



◎ 「富士登山」(2010.08.26-27)

○ 「出発〜8合目山小屋」(2010.08.26)

関西人は富士山に憧れがあり、東京出張時に富士山を見ると嬉しくなったことを思い出す。
登山経験がないので、いつも下から富士山の雄姿を眺めて、満足していたが、2年前、長男の嫁の山歩きが趣味のご両親(K夫妻)から、 富士山に登らないかとのお誘いがあった。
二つ返事でOKと了承すると、Kさんの詳細な計画書がメールで送られて来て、それを熟読しイメージトレーニングしていたが、アクシデントが起こり、 その年は延期となった。
富士山登頂行程表
今年春、再度の挑戦をすることになり、登山用品の準備を始める。ヘッドライト型の懐中電灯は以前に購入していたので、レインスーツ、スパッツ、 携帯酸素を購入する。
Kさんから改めて計画書が送付され、行程のタイムテーブルの「富士山登頂行程表」を熟読し、夢を膨らませる。
長男夫婦が嬉しい提案をしてくれた。富士登山後、河口湖畔で両家族が宿泊し、5月に生まれた孫娘の「お食い初め」を全員で 祝おうと。大賛成で、富士登山の前々日、妻と共に長男宅に出掛け、「お宮参り」の時より成長した孫娘と2人の孫達と楽しい時間を 過ごす。
孫の作ったお守り
8/26、リュックに着替え、防寒具に加え、水を余分に詰めて、準備をしていると、小4の孫娘と小1の孫息子が手製の「お守り」を 手渡してくれる。息子には名古屋のジージー・バーバにも渡してとそれぞれの「お守り」を手渡す。富士山に登る時に読んでねと 手紙が入っているようだ。ありがとう!!
後で読むと孫娘からは「ふじさんの上までのぼってね。がんばれ」と。孫息子からは「ふじさんのくだりさかわ、つまさきがいたいけど、 がんばってね。ぜったい、てっぺんまでのぼってね。」頑張るぞ!!
東名高速のバス停に送ってもらう。バスは少し遅れたが、高速の路線バスも 結構利用者が多い。足柄PAで休憩後、9時30分過ぎに御殿場ICの停留所で降り、名古屋から来られるKさん夫妻の車を待つと直ぐに 到着され、ご挨拶。よろしくお願いします!!
近くのコンビニでおにぎり、お茶を買う。水分はお茶500mlをリュックの前にぶら下げ、水500mlとポカリスウェット900mlをリュックの横ポケットに入れ、 水1Lをリュックの中に入れる。これで大丈夫だろうと。
富士登山の車か、国道は渋滞が続くが、富士五湖道路に入ると無料になったが、スイスイと進み富士吉田ICで降りて、富士スバルラインに向かう。 料金所で渋滞があったが、気持ち良い道をスイスイと登って行く。3合目・4合目の標識を過ぎる所から、駐車場の空き待ちの渋滞が始まり、 路肩の駐車場に停める車も出て来る。ここから登山口までは3-4kmあるので、大変だ。
窓を全開にして、高山病予防に対応するため大きく呼吸をして待つ。5合目で高地対応するのを、ここで済ましてしまおうと。12時まで 辛抱しようと待っていると、1分前に5合目の駐車場まで進むことが出来た。本当にラッキーだ。幸先が良いと大喜び。

○吉田口5合目駐車場到着・12時07分・2304m・23℃

「吉田口」5合目駐車場は街中の繁華街と同じ位の人と車で満ち溢れている。富士銀座とも云うべきか。富士登山者が如何に多いかが分かる。 登山姿の方が大半だが、こんな姿で登るの・・と云う人もいる。この近くだけを散策するのだろうか?
標高2304mの駐車場は23℃と快適な気温だが、歩き始めるとまだ暑そうだ。高山病予防と昼食のため、レストランに入り、富士山価格の 「玉子うどん」「ざるそば」「溶岩ラーメン」を頼み、腹ごしらえをする。売店で、小生と息子は登山用の鈴付きの金剛杖(1200円)を購入する。 杖の下の部分に「富士山5合目」の焼印が押されている。これを頂上迄に増やしていく予定だ。
少し霧がかかり始める。記念撮影するボードがあったので、その前で全員の元気な姿をパチリ。その後は如何に!?
吉田口5合目駐車場の賑わい
レストラン&土産物屋 玉子ウドン
登頂前の記念撮影

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

○吉田口5合目駐車場出発・12時48分・2304m・23℃
登山口 道標

12時48分、富士登山の第一歩を踏み出す。 渋滞で予定時間よりは2時間弱遅れているが、余裕ある計画なので、日没までには山小屋に到着するだろう。
登り口の広場には馬が客待ちをしている。ここから6合目まで乗馬して進めるらしい。
登山口の門(?)と道標を確認して、登山道に入る。平坦な道だが、スピードを上げることはせず、小さな歩幅でゆっくりと進み、 高地の空気に慣れ、早目に水分を取り、高山病予防に努める。
やがて下り坂になり、「泉ケ滝」を見るが、水は流れていず、少しがっかり。富士山では水を見ることは難しいなのだろうと納得する。
ここからは上り坂になり、霧が出始めて高山の雰囲気が 感じられる道をゆっくりと登る。
道横の木が大きく曲がっているのは、富士山の雪や風のせいだと、ツァー出来ているグループの添乗員が 話している。凄い力だ。
霧が深くなったり、晴れたりと山の天候は変化する。休憩しているツァーの方達と挨拶をして軽快に登る。高山病の症状が出る人は 6合目までにも出るそうだが、その心配はなさそうだ。
泉ケ滝
曲がった木々
霧の中のツァーグループ

○吉田口6合目・13時25分・2390m・20℃
6合目標識

Kさんの行程表の予定では、5合目から6合目までは40分と設定されていたが、38分と計画通りだ。
今回の富士登山に際し、気温の変化を確認しようと、100均で温度計を購入して、リュックの後ろに吊るしていた。各高度の温度の 推移を可能な限り見てみたい。(しかし、疲れ等で欠落が多かったのは反省)
5合目と6合目では3℃の温度差があった。霧が出て、ほとんど日光に出会わなかったのも要因だろう。
まだ暑いので、半袖のTシャツで 十分だ。
6合目には「安全指導センター」があり、地図を渡してくれるので、これからの参考にする。 我々は5合目の駐車場から登って来たが、本来の吉田口登山道からの道と合流する。
道標に「富士山山頂」の表示もあり、320分と記されている。5時間以上かかるのだ。
勾配は少しづつきつくなり、霧の中をジグザグに進んで行く。砂利道から岩道に変わり、歩き易い足場を探しながら登って行くが、 心肺機能に負担がかかり、フーフーと云いながら上に見えて来る山小屋を目指して黙々と登る。
吉田口・道標
ジグザク道
岩道

○吉田口7合目・14時30分・2700m・18℃
7合目・日の出館

山小屋が見えてからの傾斜がきつく、フーフー云いながら登り切ると「7合目・日の出館」に到達する。
計画では6合目から7合目までは1時間20分だったが、1時間05分と少し短縮することができた。
見晴らし台になっているベンチで小休止。早速、杖に焼印を押してもらう。「七合目・標高二七〇〇米」とくっきりと焼き付けられる。 お代は200円だ。
少し霧が晴れ、陽射しに照らされる下を見ると、先程我々が登って来た砂利道・岩道を蟻のように同類の方々が連なって登っている。 我々もここから見られていたのだろう。
霧が晴れた空を見上げると、青空と雲海が美しい。2700mになると雲は下になり、真上は真っ青な空が広がるのだ。 しばらく、下の登って来た登山道、青空、雲海を眺めて疲れを取り、英気を養う。
富士山頂は3775mなので、2700mの7合目からはまだ1000mもあるのだ。先は長い!!
小休止が中休止位になり、次のステップに向かう。
登り始めると霧が出て来る。今まで砂利や岩で植物が余り見られなかったが、 この急傾斜の道の両側は低い木が茂っている。緑に出会うとは思っていなかったので、フーフー云いながらも安らぎを感じる。
登って来た登山道
緑の道
富士に咲く花

7合目から8合目までは長く、その間に山小屋が点在する。
7.5合目・鳥居荘 標識
7合目から登り出し、きつい急坂の上に山小屋が見え、8合目だと喜ぶとそれはまだ途中の山小屋で、何度か落胆しながら 少し陽が傾いた登山道をフーフー云いながら登る。
急坂の上に赤い鳥居が見える。7合目と8合目の間に建つ「鳥居荘」の鳥居だ。急な坂を上り、鳥居をくぐるとそこには「鳥居荘・標高 二九〇〇米」と書かれた標識が建っている。200m登ったのだ。その割には息使いが荒いのは情けない。
一息入れて、ここでも焼印を押してもらう。鳥居のマークの焼印で下に2010と年号がある。少し涼しくなって来たので、長袖のシャツを着て、 きつい岩場の道に向かう。
鎖が両側に設置され、その間を登って行く。 鎖を持つと揺れるので、重心が動き倒れやすいため、鎖は持たない方が良いとのアドバイスに従い、岩場を四つん這いになって 登らねばならない。
疲れて岩場に腰を下して休むと雲海の切れ目から裾野の街が望まれる。何処だか分からないが、小さく見える程高く登ったのが良く分かる。
途中の「東洋館」を15時40分に通過して進むが、 この辺りから段々と登山者のペースが落ち、渋滞が起こって来る。止まっている時に休憩する方式で少しづづではあるが、登って行く。
きつい岩場の道 見上げると
裾野の街を望む 山小屋と
登山者の列

○吉田口8合目・16時20分・3100m・18℃
8合目・太子館 標識

きつい岩道を四つん這いになったり、杖で支えながら進むと頭上に「太子館」の山小屋が見えて来る。
やっと8合目の山小屋に到着だとひと踏ん張りして「太子館」への急坂を登る。
7合目から8合目まで、400mを1時間50分かかって登ったのだ。
きつかった坂道を上から見下ろす。蟻のようにたくさんの登山者が 後に続いて登って来る。
ここでも一息入れ、息を整えて益々厳しくなる岩道に挑む。勾配がきつく見えるのは疲れからか?
足腰の疲れより、心肺機能の方が弱いのが分かる位、フーフーと云いながら登る。
夕日が稜線に入り、夕暮れが近付いて来ている。温度は7合目と変わらないが、強い風ではないが、体感温度は冷えて来るのが分かる。
下界を見下ろすと雲海の間から河口湖らしき所も見られるが、正確には分からない。斜面を見て歩き疲れ、青空・雲海を見て癒され、 これを繰り返して登ると「蓬莱館」に到着する。(16:30)
夕日に向かって
空・雲・裾野
蓬莱館

○吉田口8合目「元祖室」・17時20分・3250m・14℃
8合目・元祖室

今日の宿泊山小屋である「元祖室」まではもう少しと頑張るが、坂道が急でなかなか登って行けない。
「蓬莱館」から登ること50分、やっと鳥居をくぐって「元祖室」に到着する。鳥居の根元に「海抜1万8百7尺」の碑が建っている。 尺貫法からメートル法に直すのは忘れたが、3250mなのだろう。
16時到着の予定が、スタートが2時間弱遅れたので、予定時間より早く到着したことになる。ナイス計画であり、ナイス健脚だったと満足する。
宿泊受付を待つ間に焼印を押してもらう。寅年を表した虎の顔と年号と山小屋名が押されている。宿泊の良い記念だ。
夕暮れが迫り、少しひんやりとした外気に疲れを癒し、店の前の椅子からぼんやりと登りの行程を思い出しながら雲を眺める。 3000m以上になると雲も下に見えるのだと。
まだ上の山小屋に泊まる人や、そのまま頂上まで行く登山者が登って行くのを見ながら、チェックインに向かう。
元祖室の鳥居
標識
雲の様

団体客も多いようで、順番を待ってチェックインする。靴を個人毎の袋に入れ、宿泊料(1泊2食)7500円を支払い、部屋に案内してもらう。 2階の大部屋は通路を挟んで2階建のベットになっており、1段のベットに20人(?)位の寝袋が置かれている。我々は入口の1階の4寝袋に 案内される。
3240mの夕焼け 満月
足元にリュックと靴を置くと狭い。狭いスペースで、汗で濡れたシャツを着替え、外に出ると寒いので、ウインドブレーカーを着て早々に外に出る。 外の空気は先程より冷たくなっており、ウインドブレーカーを羽織って良かったと思うほどだ。夕焼けで輝く雲を眺める。
3250mからの見る夕焼けは上を見上げる程ではなく、水平より少し上に輝く雲が見えるのだと気付く。ここまで登ったことを 実感する。

18時30分から夕食となる。大広間の長テーブルにグループ毎に座る。カレーライスと決まっているので、ポリ容器に入ったカレーが配られる。 紙コップにお茶が入り、朝食用の弁当も一緒に配られる合理的な方式だ。
ここまでの踏破を祝い、明日への英気を養うため缶ビール(600円)で乾杯する。冷えたビールが美味しい!!
隣に外国人が2人、ビールを飲んでおられるので、一緒に乾杯する。ドイツ人で、ドイツのビールは美味しいが、日本のビールはどうかと聞くと 親指を立ててgoodだと。富士山の山小屋で国際交流できるとは思わなかった。
息子はカレーと持参したおにぎりも食べていたが、余り食欲はなく、カレーを残した位だ。今日の登りの感想や明日の予定等話しながら 山小屋の食事を楽しみ、明日は0時起床、0時45分出発と確認して仮眠することになる。
外に出ると雲が切れて、裾野の河口湖辺りから富士吉田市の灯りがきれいに見える。下からもこの山小屋の灯が見られているだろうかと 思いながら、トイレに向かう。 外のトイレも200円かかり、頭上には満月に近い月が煌々と輝いている。そのため、星が余り見えないのが残念だが、歩き易いだろうと。 用を足して、狭いベットに戻り、寝袋に入り眠りに入る。(19時45分)
夕食のカレー
乾杯!!
河口湖から富士吉田市

歩数計を付けて来たが、今日の登りの歩数は8100歩と驚くほど少ない。本当かと疑うほどだ。

(小生のカメラで写せなかった場所や暗闇のアングルはKさんや息子の写真を流用させてもらっています。)


「出発〜8合目山小屋」の「スライドショー」


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