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「京都一周トレイル(No3)・比叡山〜鞍馬」



○ 「京都一周トレイル(No3)・比叡山〜鞍馬」(2011.10.10)

前回、比叡山山頂まで歩いてから、3年半も経ってしまった。近くにあるハイキングコースなので、何時でも行ける油断やその間に「中山道」紀行を 励んだ結果だと云い訳をしている自分が悲しい。
東京オリンピック(1964年10月10日)開催を機に「体育の日」が制定されたが、近年三連休設定のため、日程がバラバラになり、当時を知る者に とっては残念に思っていた。今年は10月10日が「体育の日」になり、三連休は快晴のスポーツ日和となった。決まっていた予定が変更になった ので、準備もいらない「京都一周トレイル」の続きを歩こうと前日の夜に決定した。
3年前、雪の比叡山を歩いて、直ぐに続きを歩こうと思ったが、ケーブルが冬期休止で山頂に行けないので、機会を逃してしまった。その リベンジも兼ねて、比叡山山頂から「北山コース」を鞍馬付近まで歩こうと。

京都一周トレイル地図...(京都一周トレイル会HPより)
以前に調査していた計画を復習する。八瀬からのケーブルの始発が9時なので、それに合わせるべく7時前に出発し、阪急で河原町へ。京阪の 祇園四条へは鴨川を渡って進む。
休日とは云え、早朝の鴨川は人影もなく、ランニングしている方が少し見られる位だ。
京阪で出町柳まで行き、少し時間があるので、近くのコンビニで弁当を買うが、行楽シーズンと学生の多い町なのか、棚は空っぽに近い状態で、 どうにか小振りの「かやく御飯」弁当とおにぎりを手に入れた。
予定より1台早い叡山電車で八瀬に向かう。鞍馬へはこの電車に乗るが、八瀬には行ったことがないので初めての乗車だ。車内にはハイキング姿の 方も何人か乗っておられる。八瀬駅で降り、ケープル乗場に進む途中の川からは少し色付き始めた木々の姿が望める。9時の始発前に、山上の 施設の方の臨時・試運転ケーブルを見送って、今日の行程の地図見ながらゆっくりと待つ。
前回はケーブル駅から山頂を経由して、「北山コース」の一部を通って、「延暦寺」に向かった。このケーブルもその上に接続するロープウェイも乗った ことがないので、ロープウェイに乗って山頂まで行くことにする。
ケーブルの一番前に座り前方から来る下りのケーブルカーを眺め、約10分ほどで山上駅に到着する。

早朝の鴨川
色付き始めた木々
比叡山ケーブルカー

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

ロープウェイとの接続時間が2分と短いので、前回の道標を確認出来ず、急いでロープウェイに乗り、外の展望を楽しむ。少しもやっているので、下界は はっきり見えないが、比叡山山頂へ向かって上って行く景観は素晴らしい。
9時20分、山頂駅で降りて、「京都一周トレイル」のコースに向かうべく、「延暦寺」の方向に地道を下って行く。外気はひんやりとしていて 気持ち良い。まずは、標高750mのこの場所から、緩やかな下り道を進み、途中の水井山を越えて大原に通じる国道まで行くのだ。
比叡山ロープウェイ
山頂駅
木立の道

坂を下って行くとケーブル駅からの「京都一周トレイル」のコースと合流し、そこには懐かしい「No4.道標」が立っている。その横にはたくさんの石仏が 祀られている。前回はこの石仏が雪に埋もれていたことを思い出し、風景が全然違うのに驚く。雪の中では道がもっと広かったように 思ったのだ。
石仏 No4.道標
前回の石仏
雪の道

前回は雪に埋もれた道の歩行で、滑らないように注意していたが、実際の道は石がゴロゴロとしていて歩き難い。雪は全てを覆い隠して 美しくしてくれることを再認識しながら、下って行く。
谷間の木が紅葉し始め、緑の中に紅色が目立つ光景を眺めながら進むと「国家鎮護」の碑が立ち、京都府と滋賀県の境となっている。 これからの行程は両府県を行ったり来たりするようだ。前回、「No6.道標」で「京都一周トレイル」のコースと別れて「延暦寺」に向かったが、 今回はドライブウェイの上の橋を渡って正規のルートを進む。
この辺りから、「延暦寺」の寺院が点在し、「山王院堂」の落ち着いた寺院に参拝する。
国家鎮護の碑 紅葉
分岐点(No.6道標)
山王院堂 説明

浄土院 説明
ここからは広範囲な「延暦寺」の境内のようで、「傳教大師御廟道」の石碑が立ち、石畳の坂道の両側には石燈籠が立ち並ぶ神聖な 気持ちになる参道が続く。
傳教大師御廟道の碑
石段の下には落ち着いた「浄土院」が建ち、案内板を読むとここが「伝教太子・最澄」のご廟所で比叡山の中で一番の聖域だと。
伝教大師の御廟がある浄土院は、弘仁13年(822年)6月4日、56歳で入寂された大師の遺骸を、慈覚大師が仁寿4年(854年)7月ここに 移して安置した場所です。東塔地域と西塔地域の境目に位置し、所属は東塔地域になります。 現在は十二年籠山の僧が毎日、生身の大師に仕えるごとくに奉仕しています。(延暦寺HPより)
参道を進むと右側に降りる細道が示され、木々の山道を下ると落ち着いた庵が建ち、聖徳太子所縁の「椿堂」だと。聖徳太子と最澄の時代は 違うと思うが、比叡山は当時から神聖な場所として存在していたのであろう。
山道は参道に合流し、そこには立派な延暦寺の中で、最大規模の建物である「釈迦堂」が迎えてくれる。参拝者も数人見られ、由緒ある 建物であることが分かる。
石燈籠の参道
椿堂 説明
釈迦堂

しばらく参道を進み、再び地道に入る。緑の木々が気持ち良く平坦な道を進むと「若山牧水の歌碑」が立っている。歌人もここを訪れているのだ。 緑に囲まれた地道を進むと「奥比叡ドライブウェイ」の下をくぐるトンネルに出会い、それを抜けて進む。
緑に囲まれた地道
若山牧水の歌碑
奥比叡ドライブウェイのトンネル

トンネルを抜けると階段になり上って行くと平坦な地道が続く。下の方にはドライブウェイが望まれ、見下ろすように進んでいると、前方の道で ガサガサと動くものかある。驚いて立ち止まり、良く見ると大きな蛇がニョロニョロと道横に逃げて行く。思わずパチリと。今回の行程で3匹の蛇に 出会った。そろそろ冬眠の準備で忙しいのであろう。
照葉樹に囲まれた快適な道を進むと下りになり、遊歩道と合流する。そこには「お地蔵様」が祀られ、「No11-1.道標」が立つ。この遊歩道は ドライブウェイと清竜寺に通じるらしい。
階段の道
お地蔵様
遊歩道との合流地点 No11-1.道標

玉体杉 説明
遊歩道を横切って地道を上る。下にはドライブウェイ越しに山々の姿が望める気持ち良い地道を進む。
こんな道は足腰にも視界にも良くて 気持ち良いものだ。
杉木立の道は木漏れ日を浴びて快調に進むことが出来る。比叡山から下って行くので緩やかなアップダウンを楽しみ、尾根道を終えて進む。 この道は「回峰行道」と云われ、行者が周回する修験道だと。
緩やかな坂の上に立派な杉の木が植わっている。 これが「玉体杉」で、杉のたもとは回峰行者が京都御所に向かって祈祷を行う場所だそうだ。
杉の下にあるベンチに女性が休憩しておられたのでお話をする。坂本からケーブルで上って来られ、「横川中堂」を巡るそうだ。良く比叡山を 歩いておられるようで、健脚度合いは凄そうだ。 女性が出発され、ベンチに座って一息入れる。
見晴らしが良いはずだが、周りは木々に囲まれているので、琵琶湖は望めなかった。 京都方面は霧で煙っているが、ぼんやりと市街地が望まれ、比叡山から下って来たとは云え、標高710mの高さが良く分かる。
休憩しているとご夫婦が来られ、コンロでラーメンを作り始められ、本格的ですねと話す。坂本から来られたとのことで、滋賀県側からのハイカーが 多いことが分かる。やはり、滋賀と京都にまたがる比叡山だと。
お茶を飲んで、飴をしゃぶり、外気を楽しむ。(10:35-45)

ドライブウェイ越しの山々の姿
杉木立の道
京都市市街を望む

「京都一周トレイル@(出発〜玉体杉)」の「紀行スライドショー」


一息入れ、ご夫婦に挨拶して緩やかな下り坂を下る。
道の両側が盛りあがった谷間の様な道を進んでいると、何人かのハイカーが上って来る。
横高山頂 標識
道の両側が盛りあがった谷間の様な道を進んでいると、何人かのハイカーが上って来る。何処からと尋ねると坂本から上り、「横川中堂」を巡って 来たと。このコースを歩く人が多いようだ。「中山道」紀行時、人に会うことがないので、出会いで話すのは嬉しい。
やがて、その「横川中堂」との分岐点「No12.道標」が立ち、「お地蔵様」が赤いよだれ掛けをまとって祀られている。
比叡山山頂からアップダウンがあっても、ほぼ下り道だったが、ここからは「横高山」に上ることになる。この地点の標高が687mで、頂上が 767mと80mの標高差があり、九十九折れの道を進むのではなく、一直線に上って行くのだ。
杉の根っ子が張り巡った真っ直ぐな上り坂を上り始めるが、勾配がきついので心臓がバクバクとなって来る。一気に上るのは無理と考え、 途中数回、杉の根っ子に座って一息入れる。そこへ、下からランニングスーツに身を固めた青年が速足で上って来る。挨拶すると、「こんにちわ」と 云ってそのまま上って行く。山岳マラソンの練習らしい。それにしても凄いものだ。
やっとのことで、「横高山」の頂上に到達して、木の上に座って息を整える。(11:10)
なだらかな道
横川中堂との分岐点
横高山への上り坂

頂上でお茶を飲み、休んでいると、またランニング姿の青年が駆け上って来た。駆けるとの表現が良いような速さで、挨拶もそこそこに、急な 下り坂を大股で駆け下りて行くのには驚いた。凄いトレーニングだと。
水井山頂
休憩を終え、急な下り坂を降りるが、木の根っ子はなく、山肌を滑らないように慎重に下る。この道を走り降りたランナーは凄いと改めて思った 次第だ。急坂の下りは膝に堪え、太もも・ふくろはぎに身が入って来るのが分かる。
急な勾配の下り坂を終え、平坦な地道になると足には優しく感じる。杉木立の間を、杉の落ち葉の上を歩くのは疲れた足腰には気持ち良い。 しかし、次の「水井山」の麓に到着し、再び急な上りになる。
「水井山」は「京都一周トレイル」コースの中で、一番標高の高い山だそうで、794mの頂上まで70mの標高差を上るのだ。
慌てずに、ゆっくりと上り始めるが、心肺機能が弱ったのかハーハーと息遣いが荒くなるので、休憩を繰り返しながら上って行く。先程のように 一直線に上るのではなく、ジグザクに上るので、少しは楽だが、フーフーと云いなから、汗を流しながら一歩一歩と歩を進める。(写真を 写すのも忘れる)
やっとのことで、頂上に到達して、リュックを投げ出して座り込む。 一息付いた所で、お茶を飲み、お菓子を口に入れ、疲れを癒す。 (11:30)
急な下り坂
平坦な地道
杉木立の中

休憩中にまたランニング姿の青年が走り抜ける。挨拶をする間もない程のスピードに驚き、羨望の眼差しで見送る。
最高峰からの下り坂も勾配がきつく、膝をかばいながらの歩行になる。杉木立の道は照葉樹の道になったりと、変化に富んだ地道を下る。 急勾配はきついが、緩やかな下り道はスイスイと下りることが出来るが、足には大分来ている感じだ。
「No17.道標」が三叉路の分岐点に立っている。ここからも「横川中堂」に行けるようだ。ここの標高が610mなので、「水井山」から180m 下ったことになる。次の目標「仰木峠」へは左に向かう。
水井山からの下り坂
木漏れ日の道
横川中堂への分岐点 道標

仰木峠 標識 No18.道標
段々と暑くなって来た。陽射しも出て来たようで、杉木立の山道の木漏れ日が気持ち良い。
緩やかな下り坂を快調に進む。12時を過ぎたので、そろそろ昼食にしなければと思いながら、次の目標地点「仰木峠」まで進もうと 素敵な山道を楽しみながら歩を速める。
少し上ると「仰木峠」の標識が見え、その標識の下に座るのに良さそうな木があるので、ここで弁当にすることにする。リュックを降ろし、 弁当を広げていると、前の細道から男性が現れた。挨拶を交わし、この道は何処から来るのかと尋ねると三千院から小野山に通じていると。 比叡山までどれ位掛かりそうだと聞かれたので、小生の遅足で3時間掛かったと話し、お別れする。
小振りの「かやく御飯」は美味しく、おにぎりもペロッと食べてしまう。
地図で確認すると、歩いて来た少し手前から滋賀県仰木への道があり、物資の輸送等に活用された重要な道の峠だと。比叡山山系には 京都と滋賀を通じるルートが方々にあるようだ。
食欲もあったので、後半もしっかり歩けるだろうと自信を持ち、出発する。(12:15-30)
木漏れ日の山道
平坦な地道
昼食の弁当

しっかりと食べたので、気力も充実して木立の下り坂を快調に下る。左側が崖になっている細い道を進むと「No19.道標」が分岐点を 表している。
直進すると「大原の里・三千院」に向かうと。「京都一周トレール」は直角に急な坂道を下るのだ。
杉木立の山道
崖の道
大原との分岐点 No19.道標

大原の里
この急な下り坂は「ボーイスカウト道」と云うらしい。
途中にボーイスカウト管理地の標識が立っているので、この辺りボーイスカウト協会(?)が購入した のかと。
急な坂道を滑らないように下っていると、再び膝や足の筋肉がガクガクとしてくる。先日の「鯖街道」紀行以来、アップダウンに 対して少し自信をなくす。ボーイスカウトの訓練の一環として、この急坂の登り降りをしているのだろうかと。
下って行くと、小川のせせらぎを渡す橋が流され渡れず、石や流木伝いに渡って対岸に渡って進む。
せせらぎに沿って進んで行くと、道横に「旧若狭街道」の標識が立っているので驚く。「鯖街道」は色々なルートがあるのは知っているが、 この道が「鯖街道」とは信じられない。これから下って 合流する国道367号線だと思っていたので、先程「仰木峠」で合流した道がそうなのだろうかと考えながら下ると民家が立ち並び、 国道367号線の「戸寺バス停」のに到達する。(13:20)
ボーイスカウト道
橋が流された小川
せせらぎの道 旧若狭街道標識

北山・東部トレイル地図@...(京都一周トレイル会mapより)
朝9時20分に比叡山ロープウェイ駅から出発し、4時間をかけて「大原の里」の戸寺までの9.8kmを歩くことが出来た。
標高750mの比叡山から下りながら「横高山」「水井山」を経て、標高215mの戸寺まで535mを下ったことになる。
4時間で約10km、標高差530mは少し遅いが、現在の体力では精一杯の状態だ。前回までの「京都一周トレイル」に比べると、地道ばかりの道は 楽しい歩行だった。比叡山山系の自然を十分満喫することが出来、心身ともに充実したものだった。
「大原の里」の山々、民家を眺めながらお茶を飲み、一息入れる。 「戸寺バス停」でバスを待つハイカーもおられたが、まだ13時20分なので、予定通り、もう一山越えて鞍馬まで行こうと。
後、6km余り、標高差160mと前半に比べると楽なものだと考える。(しかし、大きな誤算を生じる。)



「京都一周トレイルA(玉体杉〜戸寺バス停)」の「紀行スライドショー」




(比叡山〜戸寺町)高低表...(京都一周トレイル会mapより)












第2ラウンドをスタートする。久し振りの舗装道路歩きは何時もは嫌だが、石がゴロゴロしていた地道から解放され、疲れた足には心地良い。「寂光院」 への道を曲がり、次の「江文峠」に向かう。
山に沿った細い舗装道路を進み、「江文神社」の木製の鳥居を眺めて、杉木立の小道を進む。
細い舗装道路
江文神社の鳥居
杉木立の小道

「No29.道標」の指示に従い左の地道に進む。少し行くと獣害除けの金網が張られ、その鍵を開けて峠道を上って行く。 石ころの山道の勾配はそれなりにあり、折角落ち着いていた心肺機能が再びハーハーとなり、早目に休息を取りながら上ると広い府道の舗装道路に 通じる「江文峠」に到着する。(13:50)
少しの間、舗装道路を歩き、道標に従って、再び地道を進むと府道の高架下を抜け、静原の集落に向かう。
江文峠の入口
江文峠の地道
高架下の道

再び府道を進む。視界が広がり、田畑や民家が点在する光景は峠道と違った癒しをもたらす。道横に消防団の防火キャンペーンに用いられている おおきな「マスコット人形」が見下ろしている。可愛い姿に思わず微笑む。
静原小学校の前を通り、府道を進むと「No34.道標」から細い道に入る。コスモス畑があり、数人の観光客がコスモスを切っている。横の看板には 「フラワーパーク静原の里」と書かれている。コスモスやラベンダー等、花畑が多いのだろう。静原の集落はなかなかのものだ
細い舗装道路を進むと「静原神社」の鳥居が迎えてくれる。
防火のマスコット人形
コスモス畑 フラワーパーク静原の里看板
静原神社

静原の集落の細い道を縫って次の目標地点である「薬王坂」に向かう。
「京都一周トレイル」や「東海自然歩道」の道標が、入り組んだ細い道を誘導してくれる。日が少し西に傾き、角度によっては眩しく感じる 道脇にきれいな葉っぱが見える。ぶどうがぶら下がった葉の紅葉が西日に映えて美しい。思わずパチリと。この時は心身ともに充実している。
集落から外れて野道に出た。真っ直ぐに野道の林道が通じている。道脇に道標(「No39-1.」)が立っている景色が良いので写真を写して、 道標の表示を確認せず、真っ直ぐに山に向かう。
京都一周トレイル・東海自然歩道の道標
ぶどうの葉
林道と道標 道標

この道標を確認しなかったのが、以降の行程の致命傷になった。
林道を快調に山の方向に進む。
林道の倒木
急斜面の倒木
途中には杉の木が伐採され、林業がしっかり根付いている光景を見ながら緩やかに上って行く。やがて、 林道は終わり、人が歩く細い道が続いているので迷いもなく進む。
せせらぎに沿って上って行くと倒木によって道が遮られているので、迂回して上って行くと道が無くなってしまった。おかしいと思い、 元の位置に戻り、急斜面を上りながら道を探すが見当たらず、日も暮れそうになるので、今回の歩行は断念せざるを得ないと考え、 静原の集落まで戻らねばと。(15:20)
林道をひたすら下りながら、静原の府道からどうすれば鞍馬方面に行けるかと考えながら、先程写真を写した道標まで戻る。
「No39-1.道標」の表示を見ると、何と直角に曲がる指示があるではないか。先入観で、直進してしまった間違いが、大きな失敗と なってしまった。往復約1.5時間のロスタイムだ。精神的にも疲れ果てて一息入れる。(15:45)
気を取り直して、道標通り、左折して「薬王坂」に向かうが、そこの坂が半端ではない急勾配で、一気に上り切ることが出来ず、途中の コンクリート道に腰を降ろして一息入れることを繰り返す。
コンクリート道は地道に変わるが、勾配はきつく、先程のロスタイムの疲労が重なり、一歩一歩の速度は遅い。坂の途中の松の木の間に石碑が 祀られている。「薬王坂弥陀二尊板碑」で、石仏が彫り込まれている。カメラで写すが疲れからかピンボケだ。ここでも一息入れる。(16:15)
この短い距離に30分もかかってしまったのだ。
コンクリート道の急坂
薬王坂
薬王坂弥陀二尊板碑 説明

「薬王坂」の坂道はまだ続き、無理をしない程度の速度で上って行く。やっと「薬王坂」の頂上に辿りつき、リュックを外して休憩する。 (16:30)
辺りも北斜面で薄暗くなって来ていて、汗は一杯出ているが、冷たさも感じて来る。日暮れも近くなって来たので、急いで下ろうと するが、膝や足の筋肉が自由に動かず、ゆっくりと下りなければならない。昨年の「富士登山」の下り坂のような足取りだ。
急な下り坂の途中に「祠」が祀られているが、中をのぞく気力もなく下って行く。
薬王坂
薬王坂の頂上 説明
峠道の祠

峠道が西斜面になり、夕日が明るく照らし出したので、少し安心し、黙々と下る。やがて、民家の屋根が見え、犬の鳴き声が聞こえ、やっと 鞍馬に近付いたことが分かりほっとする。
鞍馬の入口に赤い鳥居の「八幡宮」が鎮座し、今日の行程が無事終えることが出来たことに感謝して礼拝する。本当にご苦労さまでした。 (16:45)
川を渡り、温泉で、汗を流したいが、温泉まで上って行く元気がないので、鞍馬駅に送迎バスが停まっていれば、それに乗って行こうと 先日「鯖街道」で歩いた道を鞍馬駅に向かう。丁度バスが発車する所で乗り、 鞍馬温泉へ。
露天風呂は休日なので満員状態だったが、汗を流し、ゆっくりと足腰をマッサージする。小一時間温泉を堪能して、心身ともにリフレッシュしたが、 ビールで乾杯する気持ちになれず、バスで鞍馬駅まで送ってもらう。(18:10)
薬王坂下り坂
八幡宮
鞍馬温泉


「京都一周トレイルB(戸寺バス停〜鞍馬)」の「紀行スライドショー」


北山・東部トレイル地図A...(京都一周トレイル会mapより)
後半は快調に進んでいたのが、道を間違えたことで、大きなロスタイムと疲労の蓄積が生じ、最後の「薬王坂」はみじめな事態となってしまった。
本来なら、明るい中に温泉に入り、ゆっくりとマッサージし、湯上りのビールで乾杯となっていたのが、ビールを飲む気にならないとは ひどいものだ。
やはり、前半の上り坂、下り坂での心肺機能・足腰膝の疲労が後半にこたえたのであろう。少し情けない結果だった。
鞍馬から出町柳までの車中で、少しウトウトしたので、気分は大分良くなったが、四条で乾杯するまでには回復せず、
(戸寺町〜鞍馬)高低表...(京都一周トレイル会mapより)
阪急で高槻まで行く。
駅構内の居酒屋で「ほろ酔いセット」のビールで乾杯し、やっと本調子になった。
お客さんと話しながら、今日の疲れを癒し、帰宅する。
今日の正規行程は15.9kmだったが、道を間違えたので、20km弱歩いたのではなかろうか。朝9時20分から16時45分まで7時間の行程だったが 疲れは何時もよりきつい。
今日の歩行歩数は39000歩と「中山道」紀行と同じ位だったが、疲労度は大だった。
まだ、「北山ルート・西部」と「西山ルート」が残っているので、機会を見て、「京都一周トレイル」を完歩したいものだ。


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