「能勢散策&旧山陽道踏破反省会」



◎ 「能勢散策&旧山陽道踏破反省会」(2015.01.24.)

昨年11月、小学校以来の友人O君・N君と「旧山陽道」紀行を 京都・大阪から下関まで、完全歩行踏破した。
最終日の祝賀会の席上、数回参加されたSさんから、自宅近くの能勢の自然を散策し、「ぼたん鍋」で反省会をしようとの 嬉しい提案があり、早速、実施に移すことにした。
1/24、10時に能勢電鉄・ときわ台駅に集合となり、8時前に家を出て、阪急・川西能勢口駅で、乗換え待ちをしているとN君と出会う。新年の 挨拶をし、久し振りの能勢電に乗る。小学校時代に妙見山に行って以来、50数年振りの能勢電に、当時を想い出しながら、住宅が多くなり、 地域の開発が進んだことを実感する。
能勢電鉄・ときわ台駅
能勢電沿いの坂道
ときわ台駅に着くと、前日までの雨はすっかり止み、青空が見える晴天だ。「旧山陽道」紀行時も、好天に恵まれていたので、その流れが継続 されていると話しているとO君、Sさんも到着し、改めてご挨拶。全員、元気で新年を迎えたようだ。
Sさんの案内で、反省会の時間も考え、妙見山登山よりも起伏の少ない「高代寺ハイキングコース」に向かう。 能勢電沿いの緩い坂道を上り、少し先から山側の道を上って行く。青空とキリッとした冷たい空気が気持ち良いと話しながら進む。
「高代寺 2km」の道標に従って、舗装道路を上って行く。坂の勾配は思ったよりきつく、ゆっくりと上ると、上から散策する近所の方に 何人も出会い、ご挨拶しながら進む。散策には良いコースだ。
山肌を縫うように上って行くと木漏れ日が気持ち良い坂道や川西市方面が展望できる見晴らしの良い場所もあり、太陽光発電施設が設けられる 陽当たりの良いハイキングコースを満喫する。
道標
山肌の坂道
木漏れ日の道 眼下の見晴し

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舗装道路の上り坂をウネウネと上って行く。青空・木漏れ日と気持ち良い山行を続けると汗ばんでくる。
「高代寺」に近付いた道脇に、 「閼伽井の御神泉」の祠が祀られている。祠の側からは神泉は湧き出していないが、下のタンクに貯められているようだ。(帰路にタンクの神泉を 飲む・美味しかった)。
高代寺・本堂
高代寺は810年「空海」が高野山を開く9年前に立ち寄り、閼伽井神泉を発見し、自作の「薬師如来像」を祀り、草庵を建てたと伝承されている。
960年「源満仲」が父「経基(六孫王)」の3回忌法要の時大伽藍を建立し、菩提の寺として「高代寺」とした。「源満仲」は三ツ矢の占いに より、10年後の970年に多田院を開き、家臣団と共に移り住んだ武将。
高代寺は多田源氏の信仰を受けていたが、後に一時寂れ、源頼仲が治暦4年(1068年)に復興をはたした時が最盛期と言われている。
金堂・宝塔・大講堂・文殊堂・普賢堂・弁才天堂・妙見堂など37棟のお堂、12の僧坊、 数千町歩(2200石)の寺領を有し、50を超える末寺があった。頼仲以後また寂れて行き、秀吉の頃には僧坊3舎になったと言われる。
江戸時代に中興の祖と言われる24世法印秀栄が、寛永年間に寺務を司り高代寺の再建に努める。参道の町石、六地蔵、万霊塔などを残しており、境内墓地の一段と大きい五輪塔が秀栄の墓である。 現在の本堂は、昭和25年のジェーン台風で崩壊したものを、境内の樹木を伐採して昭和27年に再建したものである。 (豊能町観光ボランティアの会HPより)

少し上ると「高代寺」の境内に入る。すぐ立派な「鐘楼」が迎えてくれ、その奥には「薬師院」が建っている。質素な感じがするが、玄関の彫り物の 装飾は見事だ。高野山に代わる寺として建てられた「高代寺」の雰囲気が感じられるたたずまいだ。 ここで一息入れ、汗を拭う。(10:25-10:40)
閼伽井の御神泉 タンクの御神泉
鐘楼
薬師院

休憩の間に、「鐘楼」の鐘を突いたり。境内の史跡を見学する。
境内の片隅に「良寛の歌碑」も建てられ、清和源氏との関係を示す掲示も立っている。本堂の前の苔むした石段を下ると参道の「町石」も 残っており、参詣者が多かったことが偲ばれる。その横には、立派な杉の古木も植わり、高野山に似た山岳の寺院の雰囲気を感じる。
休憩を終え、「本堂」へのきつい石段を上る。大きくはないが風格のある「本堂」に参拝し、横の「不動堂」にも黙礼する。落ち着いた山あいの 境内を満喫する。
良寛の歌碑
町石 杉の古木
不動堂 本堂への石段

元の「鐘楼」に戻り、「吉川城址」へのハイキングコースに向かう。
気持ち良い木立の道が続く。落葉が敷かれているように積もっているので、膝にもクッションの上を歩いているように感じる。「旧山陽道」の 山道でも快適だったと話しながら進む。木立と竹林の道を楽しみながら進むと左に「五輪塔」が並んでいる。「源仲頼の墓」と云われ、南北朝 時代の五輪塔としては珍しいそうだ。
「五輪塔」の前から、下に下る坂道が通じていて、その道脇には「お地蔵様」並んで祀られている。参道なのだ。
木立の地道
木漏れ日の地道
五輪塔 地蔵を祀る参道

参道を下らず、直進して地道を進むが、「吉川城址」へ下る道が見当たらず、道なりに進んでいるとゴルフ場に突き当たる。道を間違えたと気付き、 戻るが、それらしき下り坂はないので、Sさんが友人に問い合わせるが分からず、元の「高代寺」まで引き返すことにする。
「吉川城址」への歩行は断念し、「吉川八幡神社」に向かおうと往路で通った「閼伽井の御神泉」の祠まで戻る。しかし、下り道は崖崩れで消失 しており、少し下に階段が見えるが、その間が行けそうにない。断念し、少し舗装道路を下ると「吉川・妙見口駅へ」の道標を発見し、急な 下り坂を下りることにする。
前日の雨でぬかるんだ地道は滑り易く歩き難いが、滑らないよう注意して下って行くと崖崩れで通れなくなった道と合流する。更に下ると 「高代寺」の参道であった史跡が点在している。
地道の脇には六体の「お地蔵様」が祀られている。「旧山陽道」紀行時にもたくさんの「お地蔵様」と出会ったが、山道で六体もの「お地蔵様」 が祀られているのは珍しいと。更に下ると「六地蔵」が祀られている。ユニークな碑で、印象深かった史跡だった。
妙見口駅への下り坂 地道を下る
地蔵板碑
六地蔵

ため池があり、更に下ると小さな「石仏」が祀られている参道だ。その先には「道標」も分岐点に立てられている。文字は読めないが、 江戸時代の道標だと。山岳にある「高代寺」の参道は、当時の繁栄度合いが分かる史跡群だ。
やがて、舗装道路になり、前面の視野が広がり、能勢の山々が望まれる。青空が気持ち良く、快調に下って行く。
石仏
道標
能勢の山々

下り坂は広い道に当たり、左折して「吉川八幡神社」に向かう。道脇に案内板が立ち、この街道は「花折街道」と呼ばれ、「能勢妙見さん」の 門前町として栄え、旅館・茶店・土産物屋等立ち並び、多くの参詣者でにぎわったそうだ。
左の山道を迂回するように進むと「吉川八幡神社」が鎮座する。
吉川八幡神社
「吉川八幡神社」は、今から約940年余前に清和源氏の祖源満仲からみて3代目源頼国の七男頼仲が、吉川在住の折に創建されたものと 伝えられている。
源頼仲は、全国の源氏に諮って高代寺を再興した。八幡神社は、高代寺の支配下にあったが、明治三年の 政府の神仏分離政策により高代寺から独立し、この時に仏像経文などがすべて破棄された。
花折街道
八幡神社の祭神は応神天皇。総本宮は大分県にある宇佐神宮で、 五穀豊穣、無病息災、氏族繁栄を祈る農業の神様であるが、平安から鎌倉時代にかけて武士の守護神・軍神として深く信仰されるように なった。(豊能町観光ボランティアの会HPより)

静かな境内に入り。石段を上り、本殿に参拝する。案内板を読むとこの辺り能勢は清和源氏所縁の地であることが良く理解できた。 静かな境内で一息入れる。(12:05)
休んでいると、先程、道に迷った時、Sさんが電話で問い合わせていた友人のFさんが車で迎えに来ていただいていた。恐縮しながら、遠慮なく 車に乗せていただき、Sさん宅に向かう。
牡丹模様の猪肉
大根焼酎
Sさん宅で「旧山陽道・反省会」が始まる。
おもてなしのお料理に加え、名物の「ぼたん鍋」が嬉しい。きれいに牡丹の模様に 飾られた猪肉を鍋に入れるのは惜しいくらいだ。
ビールで乾杯し、マラソン愛好者のSさんが、三浦半島100kmマラソンに 参加された時、買ってこられた「大根焼酎」を初めていただく。ほのかに大根の香りがして、美味しい。
日本酒・ウィスキーも入り、「ぼたん鍋」を味わい、紀行当時の失敗談・苦労話・楽しい想い出・美味しい料理等々、飲みながら、食べながら、 3年間・21回・32日間・約620kmの想い出話に盛り上がる。
窓の外をのぞくと、庭にはメジロが2羽訪れ、みかんの実を味わっている。春はもう直ぐと云った風情が宴に彩りを添えてくれる。
Fさんが車を置いて来られ、再度の乾杯から宴が始まる。壱岐出身のFさんと歴史に詳しいN君とで、壱岐にまつわる歴史の話が盛り上がり、 次には、N君のハーモニカ演奏、Fさんのギター演奏が始まり、二人のジョイントと楽しい宴が続く。
ぼたん鍋
メジロ
ハーモニカ演奏 ギター演奏

夕暮れが迫り、「旧山陽道反省会」はお開きとなる。Sさんのお世話になりっ放しの反省会だったが、紀行を共にした仲間の楽しいひと時だった。 本当にありがとうございました。
暗くなった道を光風台駅に進み、能勢電・阪急を乗り継いで帰宅する。途中、今後の進め方として、近場の旧街道散策を楽しむことになり、 大阪から京都・大津への「京街道」を実施しようと。暖かくなれば、新たな気分で実行したいものだ。





    
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