◎ 「釈迦岳・ポンポン山ハイキング」(2017.10.11.) 来週に「奥州街道」紀行を実施する予定だが、今年の夏は異常に暑かったので、余り歩いていなかった。次回の計画では、地元の熱意で、旧街道の 開拓が進み、地道・草道の街道が復元されているそうなので、期待が大きい。 その準備のため、近場を歩こうと思い検討した結果、ポンポン山ハイキングに行くことにし、コースを検討した結果、まだ歩いたことのない川久保からの コースとし、下山ルートはポンポン山で考えることにする。 高槻駅発9時06分の川久保行に乗るべく、8時30分頃家を出て、高槻駅で弁当を購入後、乗車する。ハイキング姿のシニアの10名程のグループも居られ、バスは 北に向かい山間部に進む。 このバス区間の乗車も初めてで、高槻市の山間部の広さが分かる。バスの料金も、山間部料金が加算され、300円となるが、小生は高齢者パスで無料なのは 有難い。 約30分弱の乗車で川久保バス停に到着し、ハイキンググルーブも全員下車する。 バス停の傍に鳥居が立っているので確認すると「毘沙門天」と記され、本山寺への参詣道となっており、鳥居の横に「二十町石」の道標が立っている。 本山寺まで、二十町(109mx20=2180m)あるのだと。ハイキンググループは、打合せをしているので、一人先に進む。 9時30分、府道を進むと直ぐ左に「ポンポン山」の道標があり、左折して集落の中に入って行く。集落の細い道を抜けると左にせせらぎが流れ、気持ち良い林道が 続いている。川沿いを上っていると「しいたけ」を植えている所もあり、電柱に「クマに注意」のビラも貼られている。山深くなってきたのだ。 川のせせらぎの音を楽しみながら上って行くと「高槻市水道部」の建物が建ち、水道の取り水をしているようだ。ここから、水道の水の一部が取られて いるのを理解する。その先に「水道の森百選碑」が立っている。美しい澄んだ水を貯える森を評しているのだ。(10:00) 渓流沿いの林道は続く。せせらぎの音を楽しみながら上って行くと倒木が渓流を越えて、林道まで倒れているのが数本あり、自然の厳しさを感じる。 せせらぎが岩場を下る小さな滝の水量と白波に魅入る。 林道に動くものを発見し、じっと眺めると小さな沢蟹が、慌てて河原に逃げ込むのを眼で追う。少し先の山側に、竹筒が設けられ、きれいな水が 流れ出し、横にコップが置いてある。水飲み場で、横には丸太のベンチも備えられている粋な計らいだ。ここで、一息入れることにする。「熊野古道」を 歩いた時には、清流を見付けると顔を洗い、頭から水をかぶったのを想い出しながら、顔を洗い、冷たい水を一息に飲む。美味しい。(10:25-30) 冷たい水で元気をもらい、林道を上って行くとアーチ型の橋が架かっている。森の中に似合わない型なので珍しい。 杉木立の林道は緩やかに上って行く。ポンポン山への分岐道があるが、直進して釈迦岳からポンポン山へのルートを選択する。道標が適当に設置されているので、 道に迷う心配がないのは嬉しい。 林道は、舗装道路から地道に変わる。やはり、地道を歩くのは嬉しい。「奥州街道」紀行でも、地道を歩くのが少ないので、このような道があればと 願う。林道脇には、スズキが生い茂り、秋の風情を満喫しながら上って行く。 地道・草道を味わいながら上ると渓流に木製の堰が設けられている。コンクリート製でなく、自然にマッチした堰は嬉しい。 林道の勾配は少しづつきつくなって来る。急勾配の地道には、杉の根が張り巡らされ、根っ子を足場に上って行く。 地道・草道も嬉しいが、根っ子の道もなかなか趣があり、味わいながら上って行くと少し平坦になり、杉木立が美しく、息を整える。 快調に歩を進めると大きな木立がそびえ、その横に十字になった大きな道標が立っている。ここが、大杉だと確認する。 大杉は一本杉とも呼ばれ、堂々とそびえている。見晴らしは良くなく、周囲は木々ばかりだが、ひとつの分岐点なので、空間が広がっている。 道標には、目的のポンポン山、上って来た川久保渓谷と反対側に下って行く大沢方向を示している。 ここで、一本杉を見上げながら一息入れる。(11:00-11:10) さあ、ここから釈迦岳を経由してポンポン山に向かうのだ。勾配が急になり、ペースががっくりと落ちるのが分かる。急坂を上り、少し平坦な地道になると ほっと一息つきたくなる。体力が段々と低下しているのを実感する。 細い尾根道を抜けると年配のハイカーと出会い、話をしながら上って行く。山崎から上って来られたと。ポンポン山の話をしながら進むと右上に釈迦岳の 道標があるので、お別れして釈迦岳頂上に向かう。 頂上には、木製のテーブルと椅子があり、年配のハイカーが休んでおられる。挨拶をして、椅子に座りお話を聞く。この辺りのルートには詳しく、どの道が険しいと いろいろと情報を教えてもらう。月に数度、この辺りをハイキングしておられるのに驚き、啓蒙される。釈迦岳頂上の碑(631m)を撮影し、一息入れる。 (11:20-45) ポンポン山周辺のルートのアドバイスを聴き、お礼を云って釈迦岳を後にする。 しばらく、平坦な道を木漏れ日を楽しみながら進むと善峯寺への分岐点や出灰(いずりは)への分岐点の道標が立っている。 方々からポンポン山へのルートがあることが分かる。 やがて、右側にポンポン山山頂への道標が現われ、階段を上ると視界が開け、頂上の広場が開けている。ゴールだ!! 子供たちがまだ小学校低学年だった頃、雪道を滑りながら、本山寺から上って来て以来、約35年振りのポンポン山だ。当時の記憶は薄れているが、 雪の山頂にたくさんのハイカーが居たと思われる。 しかし、今の山頂には、中年のカップルと先程話したハイカーしか見当たらない寂しさだ。青空の下、周辺を見渡すが、山から下は霞んでいて建物等、 観られないのは残念だ。 山頂には、石積みが数か所あり、678.8mの標識も立っている。山頂に近付くにつれ、ポンポンと響くことからポンポン山と名付けられたそうだが、子供たちが 飛び跳ねても音が響かなかったのを想い出す。日当たりの良い柱に掛かっている温度計は、28℃を示しているが、蒸し暑くもなく清々しい。 木製のベンチに腰かけて、助六弁当を食べ、一息入れる。かすかに吹く風が気持ち良い。(12:20-50) 下りのルートを検討する。当初は、出灰方向に下りようかと思い、バスの時刻を調べていたが、14時32分の次は17時14分までないので、遅れた場合、 待ち時間が長いので、本山寺経由のルートを選択する。 木漏れ日が美しく輝く下り坂を快調に進むと上って来た若者2人のハイカーが、後どれ位で頂上ですかと尋ねられ、10分位だと応えるが、彼等のスピードは 早いので、10分はかからないだろうと。 登山道は整備され、気持ち良く下っていると「天狗杉(二本杉)」がどっしりと立っている。二本の杉には、注連縄が張られており、見事な杉だ。 昔、天狗が現われたのだろうと想像しながら、一息入れる。(13:45-50) 休んでいると、先程の若者が下って来た。駆けるように下るスピードに若さを感じる。 案内板には「ニホンジカについて」とあり、鹿と人間の共存を図ってかっているので、 優しく見守ってほしいと示している。この辺りに鹿がいるのだと驚く。 急な坂道を下り切ると「本山寺」の境内に入り、本堂に参拝する。 ここまでは、何回か訪れたことがあり、その参道が舗装道路で、面白くなかったことを想い出す。境内を抜けて、参道に出た時、確か舗装道路の 横に地道があったことを想い出し、右横を探すと地道が通っている。多分、大丈夫だろうと、木立に囲まれた地道を下って行く。 地道は、やがて舗装道路に吸収され、単調な下り坂となる。「神峯山寺」までの舗装道路は、結構長く、つま先が痛くなる位だ。以前は、この坂を 上ってポンポン山に登ったのだが、今回の川久保ルートの方が、数段快適だと実感する。 約1時間下って「神峯山寺」の山門に到着する。本堂への参拝はパスして、黙礼をして下って行く。(15:05) 下って行くと新名神高速道路の工事現場を抜けて、神峯山寺口バス停付近に下りてくる。その角に牛の姿の「牛地蔵」が祀られている。 前を通る街道は、原集落と淀川を結ぶ物流道路であり、その運搬に使われた牛を祀ったそうだ。 原集落の秋の美しい田圃を眺めながら、原立石バス停に向かう。停留所で少し待って、バスで高槻駅まで行き、17時前に帰宅する。 「奥州街道」紀行の足慣らしとして、ポンポン山ハイキングにトライしたが、なかなか良いコースで満足した。下山ルートを考えれば、より楽しい散策になるだろうと。 本日の歩行歩数は、28000歩だった。
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