「京都駅から上賀茂神社までの歩行紀行」



◎ 「京都駅から上賀茂神社までの歩行紀行」(2022.05.17.  20.0km.)

初夏の陽気となった。来週に迫った「旧街道・日本縦断」紀行の青森から竜飛岬までの行程を歩き、鹿児島から津軽半島までの旧街道・日本縦断を 達成したいが、体力的に不安もあり、予行演習を行おうと模索した。
竜飛岬までは陸奥湾沿いの平坦な道のようなので、北摂の山のハイキングより、平地の歩行の方が良いと判断し、京都の街歩きをすることにした。 京都駅から今まで散策したことのある名所旧跡を巡り、北側に位置する「上賀茂神社」に行き、帰りは鴨川の河川敷を下ろうと。無理はせず、 最低20000歩を歩こうと計画した。
東本願寺 渉成園
正面橋からの鴨川
9時前に家を出て「安満遺跡公園」を横切り、JR高槻駅から京都駅に向かう。
京都駅の観光案内所で市内地図を入手して、烏丸通りを北に「東本願寺」の立派な門を観て、右折して別邸である「渉成園」を確認して正面橋で鴨川を渡る。
五条大橋より下流で鴨川を渡るのは初めてで、この辺りの景観は上流と違った河川敷のないのに驚く。
「豊国神社」に向かって進むと立派な「耳塚」が立っている。説明板によれば、豊臣秀吉が朝鮮半島に出兵した文禄・慶長の役(1592年~1598年)の遺跡 で、戦功のしるしとなる首級のかわりに秀吉の将兵が耳や鼻をそぎ持ち帰り埋めたと。残酷な歴史の史跡だ。
正面に豊臣秀吉を祀る「豊国神社」の本殿が建ち、入口には「豊臣秀吉像」も立っている。奥に進むと 「方広寺」の有名な大坂の陣の発端となった「鐘楼」が建っている。  
耳塚
豊国神社・本殿
方広寺の鐘楼

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神社の前の道は、以前「熊野古道・大峯奥駈け道」紀行の途中、 吉野に通じる「吉野道」を歩いた時の旧街道だ。その時から17年も 経過しているのだと思い出しながら北に進む。
広い五条通りに出て、緩やかな坂を上って行くと左に「若宮八幡宮」が鎮座し、その先は「五条坂」となる。今まで、この「五条坂」や右に分岐する 「ちゃわん坂」は「清水寺」から下ってきたので、上るのは初めてだ。「ちゃわん坂」の両側には瀬戸物屋が多いが、閉まっている店も多く、一軒の 店の前に「がちゃがちゃ」がたくさん並べられているのを観て驚いた。近くに観光バスの駐車場があるので、観光客・修学旅行生目当てだと思われるが 昔の面影はないのは寂しい。「ちゃわん坂」の上りは結構厳しいので、少し汗をかく。
吉野道
若宮八幡宮
ちゃわん坂 がちゃがちゃ

急な石段を上ると「清水寺」の境内で、朱色の「仁王門」「三重塔」が迎えてくれる。境内には、インバウンド時の観光客の3割位の修学旅行生・観光客が 集まり、写真撮影に余念がない。観光客が増えたが、昔の活気には及ばないのが現状だ。少し寂しい気持ちのまま一礼して参道に向かう。
何時もとは逆方向に賑わっている参道を進む。店もほとんど開店していて、修学旅行生が土産物を品定めしているのは、微笑ましい。「三年坂(産寧坂)」 辺りまでは、観光客も多く、坂の途中にあるテレビ中継でよく出る「瓢箪屋」さんも元気に開店している。きっとボチボチですわとインタビューに 応じているだろうと。
清水寺
清水寺参道の賑わい
三年坂 瓢箪屋

逆コースを進むのも何時も見ている光景が変わって観え面白い。細い筋の間から「八坂の塔」が観えたりと楽しみながら「二年坂」に向かう。この辺りから 先程の人の流れは少なくなり、本当に京都かと思う程だ。
「一年坂」には誰もいないので、ゆっくり楽しみながら「高台寺」「ねねの道」を抜けて「円山公園」 に向かう。驚いたことに、「円山公園」にも人影はなく、有名な「枝垂れ桜」が青々と茂ってるのが観られる位だ。まだまだ、コロナ禍の後遺症が 落ち着いていないのが分かる。
二年坂 一年坂
高台寺
円山公園の枝垂れ桜

「円山公園」が抜けると「知恩院」の立派な「三門」が迎えてくれる。境内に入ると「青もみじ」が美しい。三門の入り口から観ると額縁の中に 「青もみじ」が描かれている様は見事だ。きつい「男坂」の石段を上り「御影堂」に参拝する。
「知恩院」に参拝した時に何時も想い出すことがある。息子たちが小学生の頃、大晦日に除夜の鐘を聴きに参拝し、長い行列に並んで、除夜の鐘を 鳴らすのを見学した。10人余りの僧侶が飛ぶようにして鐘を打つ姿に感動した。その後は参拝していないが、テレビで放映される姿に当時を 想い出すのだ。折角の機会なので、「鐘楼」に上って見学する。
帰りは「男坂」の急勾配を避けて、緩やかな「女坂」から退出する。久し振りの「鐘楼」見学は有意義だった。
知恩院・三門 青もみじ
御影堂 男坂
鐘楼
                      
ここからは東山沿いに「哲学の路」に向かう。「青蓮院」の前を通り、三条通に出ると正面に「平安神宮」の大鳥居が見える。この三条通は「中山道」を 三条大橋からスタートして直ぐのポイントだった。ここから「中山道」 紀行をスタートして14年にもなり、来週はその「旧街道・日本縦断」踏破のゴールとなるのだ。
三条通を進み「インクライン」の線路の上を上って行く。ここの桜は見事で、顔の間近に花を観ることができるお気に入りの場所だ。 お花見の頃は満員だが、今は誰もいない軌道を上り「南禅寺」の「水道閣」に通じる小道を進む。緑も豊かで、人ひとりも出合わない ここもお気に入りの散策路だ。
平安神宮・大鳥居
インクライン
水道閣への小径

「南禅寺」の境内に「水道閣」から入る。ここは観光客も多く「水道閣」をバックに写真を写す人が多い。普通の観光客は、ここから境内を戻る人が ほとんどだが、「インクライン」への小径は素敵だと教えてあげたい位だ。
広い境内には「青もみじ」美しく気持ち良い。この季節の京都は「青もみじ」のオンパレードで散策の楽しみが増えるのは嬉しい。立派な「山門」 をくぐり、正面からその雄大な建築美に魅入る。
南禅寺・水道閣 水道閣
南禅寺三門・境内より
南禅寺・三門

永観堂
昼食
「南禅寺」から東山沿いに進むと紅葉で有名な「永観堂」か建っている。 門前から庭園の「青もみじ」が輝いて見える光景は美しい。
そろそろ昼食をしようと思うが食事処は見当たらない。街中に入り「哲学の路」に向かい右折 する所にお好み焼き屋があったので、焼きそばを注文してゆっくりといただく。(12:50-13:20)
市街地から「哲学の路」に入ると川沿いに緑の景観が広がる。
「哲学の路」には、春の桜の季節しか着ていないので「青もみじ」がたくさん茂っているのに驚き、その青い木々の中を川沿いに進む。桜の季節も良いが、 この緑も素晴らしい。小さな橋の上から観る景観も落ち着く。川の中にカモが泳いでいるのをパチリと。
道沿いに「京都一周トレイル」の標識が立っている。12年前(2008年)に歩いた 「京都一周トレイル」の2回目を比叡山に上ると雪景色が美しかったことを 想い出す。その後、鞍馬まで歩いているが、西山の行程は未完なので、その中に踏破したいものだと思いながら緑の小径を進む。
哲学の路の小径
小川の橋の上から カモ
京都一周トレイルの標識

緑豊かな「哲学の路」の散策を終え、観光客・修学旅行生の多い「銀閣寺」参道を進み、入口の前まで行き拝礼して戻る。 やはり、有名な寺院には観光客は多いのだと、名所の濃淡を味会う。
今出川通を西に向かう。この道は余り歩いていないので、観光も楽しみながら進むと右に「子安観世音像」が祀られている。京都の街中には、所々に 史跡が残っているのは嬉しい。左の「吉田山」に上ろうかと考えたがパスすることにし「吉田神社」の鳥居を観て、右の京都大学の門を確認して 西に進む。
銀閣寺の入口
子安観世音像
吉田神社の鳥居 京都大学

百万遍の交差点から北西の細い道に入り、叡山電鉄の出町駅の前を抜け、高野川を渡って「下賀茂神社」に向かう。
朱色の「大鳥居」をくぐると広々とした「糺(ただす)の森」が参道を緑の木々が覆ってる。「糺の森」の参道の左に馬場があり、「葵祭」の時に 「流鏑馬」の神事が行われるのだ。静かな森の参道を進み「下賀茂神社」の本殿に参拝する。「平安神宮」「金閣寺」「銀閣寺」とは違った雰囲気のある 神社だ。京都の「世界遺産」の史跡も色々な味があるのは面白い。
下賀茂神社の大鳥居
糺の森の参道 緑の森
下賀茂神社・本殿

次は最終目的地の「上賀茂神社」に向かうため、西参道から神社を後にし、北方向に向かう。
「下賀茂神社」から「上賀茂神社」に向かって歩くのは初めてで、結構距離があることを知る。北大路通を越え、植物園の横を通り、北山通を越えて進む のだが、疲れも加わり遠く感じる。
賀茂川の堤を進み、幹に下った所に「上賀茂神社」の大鳥居(一の鳥居)が迎えてくれ、くぐって進むと「御所桜」と「斎王桜」が青々と茂っている。 更に「二の鳥居」をくぐり境内に入ると「拝殿」の前には立砂が「神山」を象つているのが印象的だ。 奥に進み朱色に彩られた美しい「本殿」に参拝する。「下賀茂神社」とも違った美しさだ。
上賀茂神社の大鳥居 枝垂れ桜
拝殿と神山
上賀茂神社・本殿

計画では「上賀茂神社」から賀茂川・鴨川の河川敷を下って、河原町まで歩こうと思っていたが、16時も過ぎ、さすがにくたびれたので、バスに乗り 帰ることにする。バスで四条大宮まで進み、駅前の焼鳥屋で乾杯し、帰宅する。
来週からの「旧街道・日本縦断」の最終行程の準備は整った。好天の下、鹿児島(薩摩)から津軽半島(津軽)までの旧街道踏破を達成したいものだ。 本日の歩行歩数は、36600歩だった。





    
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