○ 「伊勢路 No4」見聞録 

4.紀伊長島〜一石・平方峠〜三浦峠〜始神峠〜船津
 2004.03.16 10:50〜16:30 晴れ

気持ち良い天気が続き、春本番間近の感じだ。天気予報によると全国快晴で、日の出 6:07、日の入り 18:07 と丁度 昼と夜が同じとのこと。昼夜同じなのはお彼岸と思っていたが、春分の日は太陽が真東から昇り、真西に沈む日で昼の方が 長いとのことだ。

今回は前回の「ツヅラト峠」「荷坂峠」を越えた紀伊長島から海沿いに進む古道を歩くことにする。海沿いと云っても 山があり、それを越える峠道がいくつもあり、海を見ながらの気持ちの良い歩行になりそうだ。
JR紀伊長島から「一石(いっこく)峠」「平方(ひらかた)峠」「三浦峠(熊谷道)」「始神(はじかみ)峠」を越えて JR船津までの行程とするが、念のためバスの時刻も調べて活用することも考えておく。

いつもの様に高槻発 5:24 で出発する。前回までは真っ暗のスタートであったが、お彼岸も近付き京都付近から明るく なって来た。草津・柘植・亀山で乗り換え多気着 8:52。
春休みで学生の「青春18きっぷ」活用グループが一杯で賑やかだ。時間待ちの後、9:32 発のワンマンカーで前回乗降した 梅ケ谷駅を過ぎ、荷坂峠の途中、線路を見た10数個のトンネルをくぐり、紀伊長島着 10:47。

ガイドブックではバスで加田教会前まで行くことになっているが、連絡便がないため歩くことにする。踏み切りを越え、 橋を渡りながら、前回越えた「ツヅラト峠」を振り返る。
長島トンネルを抜ける道を避けて、長島の街中を歩く。商店街と云っても少し淋しいが、落着いた街並みだ。

「車窓からの荷坂峠」

「紀伊長島駅」

「ツヅラト峠を望む」


長島トンネルの出口を見ながら、R42に合流し長島町役場前を歩く。丁度、降りた列車が 30分の時間調整後出発したのと 会う。この辺りの路線では時間調整が多いので注意が必要。(帰りの列車で思い知らされる)
海辺の国道を長島港を眺めながら歩き、「加田石仏道標」を探す。踏み切りを渡ったところにある道標は「ツヅラト峠」の 旧ルートと「荷坂峠」の新ルートの合流点で側面には「左くまの道」と刻まれており、地蔵碑は延宝3年(1675年)の 表示がある古いものだ。

「長島トンネル出口」

「長島港」

「加田石仏道標」 説明→


国道をしばらく歩くと左側に干物屋があり、左折し踏み切りを渡ると「ひがん桜」が満開に咲き誇っており、「一石峠」の 入口となる。入口すぐに「地蔵」が迎えてくれ、「一石峠・案内板」がコースを教えてくれる。緩やかな木立の道を上ると 海抜 73mの頂上に到着(11:50)。木立の間から春の熊野灘を眺められ、一息入れる。
峠を下るとすぐに林道の出口のフェンスに当たり、平方峠となり、舗装道路を下ると古里の集落と穏やかな海岸を眺め 快調に下る。みかん畑には黄金色の実が稔り春の陽射しに輝いている。

「満開の桜」

「一石峠・地蔵」

「一石峠・案内板」 説明→


「一石峠・木立」

「一石峠・頂上」 説明→

「一石峠・展望」


古里の集落を歩き、再びR42沿いに歩くと食堂があるので昼食にする。海辺の食堂なので煮付け定食にすると刺身も 付いた贅沢なもので、しかも安く美味かった。一服して 12:50出発する。
R42の坂を上ると古里トンネルの手前にリゾートホテルの廃墟があり、その横を上ると海側の遊歩道に続く。崖下は海で 潮騒の音が気持ち良い。「中辺路」の海沿いの道は浜辺だったので、崖に打ち寄せる波の音を聞くのは初めてだ。
崖道の頂上付近に「見晴らし台」があり、「紀伊の松島」と呼ばれる小島が浮かぶ気持ち良い展望を眺め、汗を拭い ウインドブレーカーも脱ぎ、涼風を堪能する。

「崖の上の古道」

「見晴らし台」

「紀伊の松島展望」


ここからの海沿いの道もなかなかのものだ。潮騒の音を聞きながら、木立の道、しだの茂る道を歩む。陽射しが暑い位で 春本番だ。よく整備された木の階段を下ると防潮堤の横に「若宮神社」の小さい祠がある。赤い橋を渡り、防潮堤の上を 静かな海を眺めながら進む。

「しだと木立の道」

「木漏れ日の古道」

「若宮神社」

「防潮堤からの展望」


新しい道を作っている山際を上って行くとJR、R42と並行して左に上る木の階段が「三浦峠(熊谷道)」の上り口だ。峠は 113mと高くはないが、上り坂は急だ。「道しるべ」も整備され木立の道を上ると木の幹に頂上を示す標識がぶら下がっており 緩やかな下り道に向う。ここも趣き豊かな峠道で「しだと木立」を楽しみ、「木の根っ子道」を踏みしめて峠越えを終える。 しばらく進むと「三野瀬駅」に到着し、無人駅でしばし休息する(13:45)。

「三浦峠・入口」 説明→

「三浦峠・道しるべ」

「三浦峠・頂上」


「三浦峠・下り道」

「しだと木立の道」

「根っ子の道」

「三野瀬駅」



ガイドブックではここで終了だが、次のステップ の「始神峠」に向う。「旗の道しるべ」に導かれ、踏み切りを渡り、R42と合流して進むと「始神峠」の道路案内があり、 左折すると大きな広場に至る。月末にはここで桜祭りが開かれるようで準備中だ。たくさんの桜があり、まだ蕾も固かった がきっと満開時は素晴らしいだろう。

「始神峠」の標高は 147mで旧街道の「江戸道」と明治20年代に開かれた「明治道」が峠の南・北に分かれている。
「宮川第二発電所」を上に見ながら、峠の上り口から整備された「江戸道」を進む。「木の階段」「木の橋」を通り、 残っている「石畳」を踏みしめて急な坂道を上ると「茶屋跡」の標識があり、頂上の見晴台に到着する(14:40)。 案内板の横からの展望は春霞の熊野灘を眺める。霞んでいるので見えなかったが、志摩半島まで望めるとか。汗を拭い 春風を受けながら景色を楽しむ。

「始神峠・旗の道しるべ」

「始神峠・案内板」 説明→

「木立と木橋の道」


「始神峠・木の階段」

「始神峠・石畳」

「始神峠・頂上」 説明→

「始神峠・展望」


下り道を少し行くと「江戸道」と「明治道」との合流地点に到着し、「江戸道」はすぐ国道に行くので、「明治道」を 下ることにする。「明治道」は荷車も通っていたので道幅も広く、崖の「石積み」や崖道を陽射しを浴びながら進むと 「宮谷池」に至る。この間の地元の方の整備・案内の熱意が嬉しい峠越えだった。

「江戸・明治道分岐点」

「石積みの道」

「宮谷池」


馬瀬への野道で畑を耕して居られる年配の方と話す。何を植えるのかとの問いに里芋とのこと。この辺りはたくさんの 里芋畑があり、もうすぐ植え付けるちのことだ。
国道に出て、船津まで歩いても列車に間に合うので、バスに乗らず 歩くことにする。国道筋に酒屋を見つけ、缶ビールを購入し、河原で4つの峠越えを祝って乾杯!!
無人の船津駅に着いた(16:00)が、周りは何も無い。ベンチでノンビリと列車を待ち、16:38発の亀山行きのワンマンカーに 乗る。

「始神峠を振り返る」

「船津駅」



列車の車窓から今日歩いたコースを振り返りながら三野瀬・紀伊長島へと進む。海沿いの気持ちの良い「伊勢路」だったと 夕日に輝く穏やかな「紀伊の松島」を眺めるが、トンネルが多くすぐ遮られる。このトンネルの上を歩いたのだ・・・と 思いながら。

紀伊長島着 16:58で 20数分時間待ちの間にビールとつまみを買って列車で一杯。ローカル列車の悲劇がここから始まった。 今まで通った区間をウトウトとしながら多気着 18:41。この多気発が 19:13と30分以上の待ちで、このまま亀山まで 行っても連絡列車とは50分待たねばならない。
伊勢から来る快速に乗ることにし、多気発 19:06で津まで行きここで夕食とする。津着 19:32、居酒屋で一杯飲みながら 列車を待つ。津発 20:48で亀山・柘植・草津の連絡は順調だったが、高槻着 23:04と船津から6時間半かかったことになる。 帰りの時刻を検討する必要大だ。本日の歩行は 33000歩だったが、疲れは少ない。

晴天の春うららの中の紀行で気持ち良かった。海沿いの「伊勢路」は古人にとっても心癒される行程だったであろう。 それぞれの峠道も地元の方々のボランティアでの整備・案内板の設置等、心配りが感じられうれしい限りだ。ただ 駅から峠までの案内が欲しいところもあった。感謝・感謝!!
次からはまだ遠くなる。綿密な計画が必要だ。







    
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