[高野山〜大股」[大股〜三浦口]


○ 「小辺路(No1)」見聞録 

1-1.高野山〜薄峠〜水ケ峰〜平辻〜大股(泊)
 2005.07.19 08:30〜14:40 曇り

雪の季節を狙って2月に「奥の院・町石道」を歩き、京都から高野山までの「高野路」を完歩した。 これで「小辺路(こへち)」歩行のベースは整ったが、春に実行する予定が雨や海外旅行で遅れ遅れになっていた。 梅雨明けを声を聞き、暑さが心配だが、思い切って実行に移す。

「小辺路」は高野山と本宮大社を結ぶ生活道が近世に参詣道として利用されるようになり、 京都から熊野への最短ルートとして活用されたとか。高野山と本宮大社を南北に結び、1000-1200m 級の峠を三つ越えなければならない難コースで三泊四日で進んだそうだ。
高野山から熊野へは「熊野道」、反対に熊野から高野山へは「高野道」と呼ばれている。

ケーブル

歩行に際して十津川村観光協会・野迫川(のせがわ)村から資料を取り寄せ検討した。十津川村から いただいた「熊野参詣道・小辺路」ガイドマップはルートが詳細に記述されているので、迷う心配もなさそう で、所要時間も予測出来る素晴らしいガイドブックだ。
計画時は「熊野道」を一気に本宮大社まで行こうと計画したが、三浦口の民宿が廃業したとか、 一気に行くのはコースが厳しく難しいとの先達のアドバイスもあり、2回に分けて一泊二日の日程で進む ことにする。

前回と同じ時刻に高野山上に着くべく5時過ぎに家を出る。もう明るい中を大阪で乗換え、新今宮 6:32発の南海急行ではウトウトとしながら進む。前回は雪の中を進んだと思い出しながら。
極楽橋でケーブルに乗り換え、山上から8:19発のバスで千手院橋に向かう。バスから紫陽花が咲いている のを発見し、標高1000mの季節感を再認識する。前回、雪の中で「小辺路」の スタート地点を確認していたのですぐに「金剛三昧院石標」から坂を登り始める。(8:35)

「金剛三昧院入口」の満開の紫陽花の中に「小辺路・道しるべ」を見つける。さあ出発だ!!
舗装された道はやがて地道に変わり木々の間を進む。曇り空で陽射しは弱く暑さは感じないが、 やはり上り坂を歩んで行くと汗が滲んで来る。やがて「大滝口女人堂跡」の広場に到着し、シャツを脱ぎ Tシャツになる。(8:50)
ここは高野山上の女人堂を巡る「高野女人道」のルートでもあり、いつか訪れたい道だ。

金剛三昧院石標

小辺路・道しるべ

大滝口女人堂跡 →説明


林道を見下ろす展望を楽しみながら進むと「高野女人道」との分岐点に到着する。(9:02)
地道を周辺の山々を望みながら歩いていると雑草を刈っておられる作業の方と出会う。ご苦労様と 挨拶すると暑いから気を付けてと激励され気持ち良く進む。
なだらかなアップダウンのコースを進むと「薄峠」の頂上に到達し、一息入れる(9:28)

林道を望む

女人道との分岐点

薄峠


ここからは下り坂が続き快調に木立の道や崖の道を進む。古道整備の工事区間を示す標識があり、 崖沿いの道に落下防止の手すりが付けられているが、過度な施設は古道の趣を損なう。
杉木立の気持ち良い地道をウグイスの上手になった鳴き声を聞きながら進むと本宮大社から十七里の 「丁石」が迎えてくれる。ここから本宮まで 17里=68kmもあるのだ。側面に十七丁の文字が薄っすらと見える。(9:52)

崖の道

杉木立

十七丁石


急な下り坂を進む。広葉樹の木立は緑豊かで気持ち良い。やがて高野槙がたくさん茂る道に驚き、 更に下って行くと御殿(おど)川のせせらぎの音が聞こえてくる。下り坂で結構足に身が入って来て いるので、せせらぎの音で下りはもうすぐ終りだと思いながら進むと御殿川に架かる「赤い橋」に 着き、橋の上で涼をとる。 川に下りて顔を洗いたいが、下りる道がなく一息入れる。(10:18)
川から急な上り道が始まる。「道しるべ」に沿って大滝集落の民家を抜けると杉木立が続く。カナカナセミの 鳴き声が進む度に歓迎するように迎えてくれる。高野槙と杉の道を上りきると「高野龍神スカイライン」に 合流する。木陰で汗を拭い休憩する。(11:15)

高野槙の道

御殿川の赤い橋

高野龍神スカイラインと合流


「高野龍神スカイライン」を進む。平日なので車の通行は少なく、歩道はないが危険性が少ないのは助かる。 陽射しがきつくなってきたので、舗装道路の照り返しが厳しい。スカイラインの橋の上から展望を楽しみ ながら、野迫川村との分岐点を越えて進む。時々観光バスが列をなしてすれ違う。
淡々としかし汗を拭きながら進むと前方に案内板らしきものが見えてくる。その手前の道脇に ひっそりと「道しるべ地蔵」が立っている。「右ハくまのみち・・・」と刻まれている。スカイライン 開通で古道は消滅したが、「道しるべ」は健在だ。案内板からスカイラインに分かれて左の山道に進む。 陽射しのスカイラインを歩いたので、木陰が気持ち良い。12時前なのでここでコンビニのおにぎりの昼食にする。(11:50-12:10)

スカイラインからの展望

道しるべ地蔵

スカイラインからの分岐点 →案内板


やはり舗装道路に比べ木々の茂る地道は気持ち良い。杉木立の道を進むと「水ケ峰集落跡」の標識が 緑の木立の中に立っている。地道を進むとやがて「林道タイノ原線」に合流し、舗装道路を進むことになる。 時々開けた所から展望を楽しみながら進むと右側に「東屋」が建っているので休憩することにする。 少し曇って来て一雨降るのかな・・・と思われ、風が気持ち良い。ベンチに荷物を置き、身体を横にして 寝そべる。風が気持ち良く、知らない間に居眠りしていた。(12:55-13:10)

水ケ峰集落跡

林道タイノ原線

東屋 →案内板


「東屋」での展望で一息入れて、林道を進む。折角の古道が舗装された林道に変貌しているのは残念だ。 「林道開通記念碑」を過ぎ、「今西辻」から山道に入りホッとするが、再び林道に合流して進む。
右側に「平辻」の標識が立ち、前に「道しるべ地蔵」が祀られている。「右ハくまのみち」と 刻まれている。(13:45)
ここからの古道は木立の中で気持ち良く進める。広葉樹・針葉樹が入り混じった木立の中を快調に 進む。ウグイス・セミの声が応援してくれる。道脇に「お地蔵様」が祀られる木々の茂る道は涼しくて 古道歩きを堪能する。

平辻

道しるべ・地蔵

木立の古道


再び林道に合流して進むと旅館の案内看板から左の地道を下る。ここからの下り坂は急で疲労が 蓄積してきている膝の負担がきつい。地道には岩が崩れている所や草が生茂って道が判別し難い 所もあり、林道をそのまま下りて、この道を人が余り通っていないのでは・・・と感じる。
九十九折れの道を膝をガクガクさせながら下り、やっと「大股橋」に到着する。(14:30)

林道からの分岐

九十九折れの道

大股橋


今夜の宿のここから1.5km離れた「かわらび荘」まで坂を上る。木陰を探しながら進みやっと民宿に 到着する。(14:50)

民宿・かわらび荘

部屋に荷物を置き、すぐに着替えを持って近くの「野迫川温泉」に送ってもらう。半額入浴券で400円 支払って、誰も居ない温泉を独り占めする。露天風呂はないが薬草風呂があり、足腰をマッサージし 今日の疲れを取り明日に備える。
迎えは断っていたのでブラブラと10分位かけて民宿に戻り、生ビールで1日目の完歩を労って乾杯!!
美味い。民宿のおばさんと話す。あまご釣りで結構賑わうそうだ。「小辺路」歩きの人も世界遺産 登録から多くなったとか。
夕食はあまご塩焼と鍋だ。野菜は全て自家製で美味い。同宿は仕事で泊っている若者一人でビール・ 焼酎を飲みながら楽しく話す。部屋にはエアコンは付いていず、窓を開けているだけで涼しい。そのまま ぐっすりと眠る。

朝、万歩計を着けようとしたら電池切れでアウト。不注意だ。ガイドブックでは16.8kmの歩行だった。









    
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送