「天王山ハイキングとサントリー工場巡り」
◎ 2007.04.14.
「スイス・ドイツ旅行」仲間との会合も早くも6回目となった。2005年5月に旅行してから2年しか経っていない のに、もう随分昔のことに思う。その仲間とお会い出来るのは貴重なことだし、このような仲間との 交流は珍しいことだ。
昨年秋の「高野山散策」時、次回は話題になったサントリービール工場見学に天王山ハイキングを加えて、地元の 小生が幹事役となって企画することになった。
天王山には子供が小学生の頃登ったことがあるが、コース等記憶がないのとサントリー・ウイスキー工場へのハイキング ルートが分からないで事前に下見をしておいた。
遠方から来られる方と工場の見学時間との兼ね合いで、時間設定が少し厳しいが、午前10時・JR山崎 駅集合とした。
天気予報は1週間前から傘マークが出ており、前日の予報では深夜に激しい雨が降るとのことで心配して いたが、夜明けと共に雨が止み青空が出て来たので一安心。
天王山頂上
阪急・大山崎駅で名古屋に単身赴任されているTさんとお会いする。いつも参加される旅行仲間の Tさんお嬢さんは海外出張中なので不参加は残念だ。
JR山崎駅で京都のTさんと再会。その後、高槻のS夫妻、大津のI夫妻、堺のAさん、新婚旅行で来て おられた川西のK夫妻、 神戸のMさん、富田林のAさんと総勢13名が集合。
「スイス・ドイツ旅行」の参加者が39名だったので、1/3の方が2年経った今、参加されるこの集まりには驚く。
定刻通り、天王山山頂を目指してスタートする。JRの踏切を渡った所に「天王山登り口」の案内石碑が立ち、 舗装道路の急な坂道を登り始める。ウォーミングアップもしていないスタートからの急坂に息を弾ませる。
舗装道路から石段を登ると宝積寺の山門と仁王像が迎えてくれる。
大山崎町の案内によると『宝積寺は聖武天皇が勅願し、僧行基が建立したといわれる古刹で、山内には 文化財が多く、本堂・山門は府の、十一面観音菩薩立像・三重塔は国の指定文化財とのこと。
本堂左横にある小槌宮には大黒天がまつられ、打出と小槌で、参詣者に福徳を授けているので、 一寸法師の説話も宝積寺から生まれたのかも知れないと』
重要文化財の三重塔の前の桜は昨夜の雨でほとんどが散ってしまっている。本堂に参拝して横の道を 天王山に向かう。
天王山登り口
宝積寺・本堂
宝積寺・三重塔
三重塔を望む
画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)
舗装道路がなくなり山道になるが、傾斜は急で女性陣の歩は遅くなる。
青木葉谷広場からの展望
やっと「青木葉谷広場」に到着し、一息入れる。ここからは淀川の三川合流(桂川・宇治川・木津川) から枚方、生駒方面が望まれる。昨夜の雨で遠くまではっきりと見え、淀川の堤防には菜の花が黄色い 帯となって続いているのも眺められる。
山影で見えないが、少し上流が先日花見に訪れた「背割堤」だ。花見の様子を話したりしばし 休憩する。
「背割堤のお花見」の
「スライド・ショー」
もう少しゆっくりと休憩したいが、サントリー・ウイスキー工場の見学が13時なので、出発を促して先を急ぐ。
石が飛び出した山道を登って行くと、八合目付近にある「旗立松」に到着する。
1582年、本能寺の変が起こり、羽柴秀吉が明智光秀を討伐する山崎合戦の時、秀吉が味方の士気を 高めるため老松の樹上高く千成ひょうたんの旗印を掲げたところ、戦局に大きな影響を与え勝利を 収めたと。
横には「山崎合戦の碑」が立ち、歴史上の要所だったことが偲ばれる。
木製の展望台が設けられており、京都方面が一望出来る。名神高速の山崎ICが眼下に広がり、遠く京都の 山々が霞んでいる。天気になって本当に良かった。
山崎合戦の碑
旗立松展望台から
旗立松
→
説明
誰から聞いたのか、読んだのか覚えていないが、小さい時に天王山の逸話を聞いたことがある。
大阪自慢をする蛙と京都自慢をする蛙が、郷土自慢で喧嘩になり、真ん中の天王山に登ってお互いに 郷土自慢をすることによって勝負することになった。
山頂で大阪蛙が京都を見て、「なんだ大阪と同じだ」と。京都蛙も大阪を見て、「京都と変わらない」 と思い仲直りをしたと。何故!?
蛙の眼は後ろに付いているので、それぞれは自分の郷土を見ていたのだ。大阪蛙は大阪を、京都蛙は 京都を見ているので、喧嘩にならなかったとのオチがある。(蛙が後ろを見るのは?だが)
展望台の下の広場には秀吉の天下取りの物語を表した「秀吉の道」の陶板画が飾られ、頂上まで歩く 間に歴史を復習出来るようになっているが、時間の制約でゆっくりと読んではいられない。
山崎合戦の陶板-1
→
拡大
山崎合戦の陶板-2
→
拡大
「酒解神社」の大きな鳥居を抜け、参道の山道に設けられた幅の広い階段を竹林を見ながら登って行く。
参道から一段上がった丘の上に「十七烈士の墓」が祀られている。
「十七烈士の墓」は幕末の「禁門の変」(1864年)の時、戦いに敗れ天王山中で自刃した隊長真木和泉守 以下十七名の眠る墓で、彼らは新政府樹立を夢見て革命を図ったが時熟せず失敗に終わり、 後の時代に夢を託して散っていった。新政府の誕生は変の4年後のことと。
「禁門の変」は歴史で習った記憶はあるが、背景等全く覚えていない。天王山は街道の要所として 各時代の重要な足跡を残している歴史ある山なのを再認識した。
地道の坂を登ると「酒解神社」に到着する。
「酒解神社」の正式名は「自玉手祭来酒解神社(たまでよりまつりきたるさかとけじんじゃ)」で 創建の由緒は不詳であるが、養老元年(717)建立の棟札があることから奈良時代の創建とみられており、 延喜式内社では京都・乙訓地方で最も古い神社と。本殿の手前に建つ神輿庫は鎌倉時代の建築で板倉では 最古の例で、重要文化財に指定されていると。
歴史を感じる神社に参拝した後、横の山道を頂上に向かう。陽射しは強く感じないが、汗が額を濡ら してくる。
山道に沿って「秀吉の道」の陶板画が歴史を刻んで行く。
地道の登り坂
十七烈士の墓
→
説明
酒解神社
→
説明
急な坂道を登り切り、11時5分「天王山頂上(270.4m)」に到着する。
天王山山頂の記念撮影
山頂には先客が居られ、挨拶を交わして一息入れる。登り道での休憩時間も少なかったので、予定 時間より少し早く着いた。皆さん健脚揃いだ。(感謝)
せっかく頂上まで来たが、山頂は見晴らしが利かないのは残念だ。
山頂付近には中世以来度々城が築かれたが、今日残る城跡は1582年(天正10年)の天王山の戦いで 勝利した羽柴秀吉の築城によるものだそうだ。
山頂に登頂した記念・証拠の写真を全員揃って写してもらう。
一息入れた後、サントリーウイスキー工場へ向かう。緩いアップダウンのある道は登り坂よりは歩き易く快調に 進む。
木立からの木漏れ日は気持ち良く、森林浴をしている感じだ。平坦な尾根道を鳴き方が上手くなった ウグイスの鳴き声を聞きながら。
下見の時、ウイスキー工場への分岐点が分からず、随分行き過ぎてしまった。ハイキングしている方に出会って 分岐点まで戻り、その道標を確認した。
道標を見落とさないように進むと白い道標発見。前回は道標の横に鉛筆でウイスキー工場横の神社名が薄く 書かれていたのが、マジックインクで「サントリーへ」と太く矢印されている。これで大丈夫だ。
木漏れ日の道
尾根道
分岐点の道標
本道から細い脇道に入る。落葉が道を覆い、サクサクと気持ちの良い音を響かせながら下り道を進む。
道は細いがハイキングの気分は高まって来る。新緑が美しくなった木立と枯れ木が混在する落葉の道を 下る。所々に竹林が見られ、道の横にはタケノコが顔を出す。これを採ったらどうなるだろう・・・と 話しながら。
急な下り坂もあり、変化に富んでいるが、そろそろ足腰に疲労を感じる。休もう・・・と云う声が 聞こえそうだが、昼食場所に急ぐ。もう少しの辛抱と。
当初から計画していた鉄塔の下に到着したので、昼食にする。(11:40')
細い尾根道
新緑の道
顔を出すタケノコ
鉄塔の下で車座になって昼食を始める。いつもはビールで乾杯する所だが、ビール工場見学が入っているので ビール持参者はいない。Aさんから日本酒のカップの差し入れがあり、日本酒で乾杯!!
昨年の秋以来の話が弾む。南アフリカ・トルコ・オーロラ見物等々の旅行話で盛り上がる。このメンバーの皆さんは やはり旅行好きだ。
5月、6月にトルコに行かれる方もあり、情報交換も飛び交う楽しいひと時だ。(写真撮影忘れる)
いつものようにMさんがコンロを取り出してコーヒーを振舞ってくださる。山の中で食後のコーヒーは本当に美味しい。
話しが弾んで予定時間がオーバーしそうなので、コーヒーを飲み終えた3名が先に下山し、サントリーウイスキー工場の 予約に向かう。
急な坂道を下り、タケノコ採りのためにガードされた竹林に沿って下ると神社に出る。その先が「サントリー 山崎蒸留所」だ。受付に行き、13時の予約を確認してパンフレットと入場案内書をもらう。持参した サイトの優待券でグラスのお土産も。
降って来た方向を振り返ると青空と新緑が鮮やかで、レンガ造りの工場との対比が映える。
後続部隊を待つが降りてこないので心配になり、竹林まで迎えに行くが見当たらない。道に迷ったのか 不安になり、大声で呼んだりするが反応はなし。
携帯で妻に電話すると受付に着いていると。違う道から正面に廻ったようで急いで戻る。山道の分岐 地点は注意が必要だ。(3人で降りている時、こちらに行かないだろうかと心配した通りになった)
竹林の道
椎尾神社の鳥居
青空・新緑・ウイスキー工場
「サントリー山崎蒸留所」の見学者は休日でもあり凄い人だ。
1班30人位に分けられ、我々は2班になり 工場に向かう。案内の女性の後を原料(製麦)→仕込み→発酵→蒸留→貯蔵の工程を順番に見学する。
工場の中は常温だそうだが、ハイキングで熱くなった体には涼しく感じられる。ウイスキーが熟成される過程を ウイスキーの量の変化(蒸発して少なくなる)、色の変化(琥珀色が濃くなる)で分かり易く展示してあり、 蒸留釜や貯蔵樽を見ながら進む。
単純なようだが、工夫が随所に感じられる生産工程を見学し、外に出ると山吹の黄色い花が美しく咲く、 先程降りて来た神社の横だ。
試飲会場に入ると「山崎の水」と「サントリー山崎・12年」の水割りかハイボールをカウンターから取り、おつまみの 置いてあるテーブルで乾杯する。美味い!!
ウイスキーの説明があり、お代わりは山梨にある「白州・12年」を飲む。「山崎」に比べると口当たりが きつく、バーボンウイスキーのようだ。
お酒の飲めない人はジュースやお茶を飲み、ハイキングの疲れを癒す。楽しいホッとしたひと時だ。
初代の蒸留釜
蒸留釜
ウイスキーの試飲
約1時間の工場見学、試飲会を終えて「サントリー山崎蒸留所」を後にする。JRからは皆さん見ておられるが、 見学は初めての方ばかりなので良い経験だった。
「西国街道」を通ってJR山崎駅に向かい、1駅先の長岡京までJRで行く。駅前から「サントリー京都工場」の シャトルバスで工場へ。
ビール工場の見学者は思ったより少なく20人位で工場見学に出発する。VTRでの説明で装置産業のビール工場 をガラス越しに見て歩く。工場休日日で稼動はしていないが、映像でビン詰、缶詰の工程を眺める。
2年間連続して金賞を受賞した「ザ・プレミアム・モルツ」の工程を中心に「新モルツ」や発泡酒、第三のビールの工程を 見学した後、試飲会場に行く。
おつまみをもらって全員同じテーブルについて「ザ・プレミアム・モルツ」の生ビールで乾杯する。これまた美味い!!
今日の一日を振り返りながら、次の計画を話しながら和気藹々と過ごす。
お代わりは「新モルツ」を飲むが、「ザ・プレミアム・モルツ」に比べると・・・。適当にお代わりをしたりと 楽しい時間を過ごし、優待券でグラスのお土産をいただき、満足感一杯でシャトルバスで駅に向かう。
緑豊かなホップ
発酵釜
ビールの試飲
天王山ハイキング・ウイスキー工場見学・ビール工場見学と健康増進とアルコール嗜好を狙ったイベントは終了した。
時間的にタイトで忙しかったが、天候にも恵まれ楽しい仲間と素敵な時を過ごせたことに感謝したい。 次回は秋にMさん、Aさん、Tさんが幹事で企画していただくことになった。
元気で再会することを願って、お別れする。
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