○ [第1日]、鯖街道・熊川宿〜若狭・漁師の宿(2008/3/11) 関西電力のサイト・メルマガでは、原子力発電所見学や料理教室の案内があり、時々楽しんでいた。 若狭の漁師宿の宿泊募集があったので、応募していた所、「東北旅行」から帰って直ぐに、招待状が来て びっくりし、ラッキーと大喜びした次第だ。 早速、日程を宿と調整し決定する。3月11日に決め、その頃の雪の具合を聞くと多分大丈夫だろうと。 バスの便も少なく、出来れば車でドライブしたいと思い、出発前に連絡して車か列車かを決めることにした。 前日、旅館に確認すると雪の心配はなく、道路も滑ることはないとのことでドライブすることにする。 9時に出発する。一度に春が訪れたような陽気で、春霞みのため遠くの山が薄っすらしか見えない状態だ。 R171で京都に向かう。混雑もなく東寺の横を通って、東大路通りを北上すると、先日「東山一周トレイル」で 歩いた山道の麓を進んでいることになる。八坂神社・京都大学を経由して北大路通りを東に白川通りを北に進む。 「東山一周トレイル」の次の行程は 比叡山からこの辺りに降りて来て、鞍馬に進むのだと地形を確認する。 この道は奈良時代から「鯖街道」と呼ばれ、小浜から京都に鯖を運んだ道として有名だ。「鯖街道」のルートは 色々あり、この道が一番有名だが、歩くには適していないので、別のルートを何時か歩こうと計画している。 大原を過ぎると車も少なくなり、曲がりくねった坂道を登る。 花折トンネルを抜けると所々に残雪が見られる ようになり、段々と雪が多くなる。国道は除雪されているが、周辺の原野は白く覆われている。 道の横は 先日の青森の雪の回廊に比べると低いが雪の壁が連なっている。 雪が深くなった道脇に車を停めてパチリ。 朽木(くつき)辺りの雪はもっと深くなっているが、道は整備されているので大丈夫だ。早朝だと雪解けの水が 凍結しているだろう。 道の駅・「くつき本陣」で小休止するが、定休日でお店は開いていない。 横の土手を登ると安曇川が流れ、 桜の蕾はまだ固い。さぞきれいな桜並木になるのだろうと。 雪景色とのんびりとした光景を眺めながら車を快調に進める。保坂からR303を進み、今回のドライブ目的の一つである 「鯖街道・熊川宿」を訪れる。 奈良や飛鳥の時代から宮廷に御贅(みにえ)<食材のこと>を供給していた国を「御食国(みけつくに)」と呼ばれ、 若狭も御食国とされ、「鯖街道」を経由して運ばれた。 豊臣秀吉に重用され若狭の領主となった浅野長政は熊川が交通と軍事において重要な場所であることから、「熊川宿」と して拡充した。(熊川宿HPより) 道の駅「若狭熊川宿」に車を停めて散策する。 国道から一筋入った所に「鯖街道」が通り、電柱もないきれいな街道が 続いている。街並み整備に努力しておられる地元の意欲が感じられる。 「熊川宿」は南から上ノ町・中ノ町・下ノ町が連なっており、道の横の小さな川にはきれいな雪解け水が勢いよく 流れている。 街道の雪は消えているが、少し入ると残雪が白く輝いている。 「熊川番所」から静かな「鯖街道・熊川宿」を歩き始める。街灯には「鯖街道」「熊川宿」と書かれ、情緒たっぷりだ。 思ったより広い街道には旧村役場を改装した「宿場館」、伊藤忠商事二代目社長の生家である「旧逸見勘兵衛家」と古い 建屋が点在する。 約1.1kmの街道両側に、棟が街道に平行に建つ「平入造り」と直角に建つ「妻入造り」の町家が混じって建ち並んでいる。 この混在した街並みは伝統的建造物群として保存地区に指定されていると。 街道の横には前川が流れ、所々に里芋等の皮を剥くための篭が設置され、カラカラと気持ち良い音を奏でているのは 風情があるものだ。 紅く塗られた格子戸がよく見受けられる。この地域の特徴として「ベンガラ格子」と云うそうで、古い街並みの中に紅い ポイントとしてよく目立っている。これも街並みのアクセントになっている。 中ノ町から下ノ町に行く間に「まがり」と云われる直角に道が曲がっている。宿場町によくある軍事上、敵の襲撃を防ぐ 意味合いがあるのだ。 ブラブラと街道を戻る。丁度昼食時になったので、街道の中にある茶店風の食堂に入る。名物の熊川近辺で採れる 「葛」を使った蕎麦を食べることにする。 店の中には古い調度品や民芸品が飾られ、「鯖寿司」等郷土の土産も売っている。「葛蕎麦」は蕎麦粉に葛も混ぜたもので トロミがあり、なかなか美味しい。 壁にはこの店に訪れた有名人の色紙が飾られ、宿場の中の有名な食事処のようだ。 昼食を終え、街並みを眺めながらブラブラと。 「松木神社」の立派な鳥居があるので由緒を読むと若い庄屋が年貢の取り立てに抗議し、処刑された松木庄屋を奉っている 神社だ。この宿場にも色々の歴史があったのだ。 街道の小道や街並みを訪ねながら駐車場に向かう。妻は街並みをスケッチするので、車でひと眠りする。 「出発〜鯖街道・熊川宿」の「スライドショー」 約3時間の「熊川宿」の街並み散策を堪能して、若狭に向かう。昨年夏に行った小浜まで「鯖街道」を進もうかとも 考えたが、時間の都合もあるので、寄り道は止めてR27で敦賀方面に進む。 三方五湖のレインボーラインに立ち寄ろうと、湖に沿って進む。春霞みで山の上に登っても視界が開けず、きれいな風景も 期待出来ないので、レインボーラインは諦め、湖畔をドライブする。 今まで知らなかったが、この辺りは梅の名所らしく、梅林が湖の周辺にかたまっている。大阪は満開だが、この辺りは まだ咲き始めで、白梅の香りが心地よい。 この梅から梅干しが造られるようで、大きな「梅の里会館」があったので立ち寄り、梅干しを購入する。 ここでUターンして、往路で確認していた「若狭三方縄文博物館」で一息入れる。中には入らなかったが、こんな所に「縄文」と 云う言葉が出て来たのに驚く。この辺りに縄文遺跡や当時の丸太船が発見されたそうだ。 博物館の上から三方五湖の一部だけ見えるので、マーキングをしておく。 いよいよ最終行程に向かう。R27を敦賀方面に進むと海が見えて来る。今日の日本海は静かで、霞んで水平線は 見られない。 佐田の交差点でR27から敦賀半島の海岸線を北上する。左に霞んだ日本海を眺めながらのんびりと進む。 途中の海岸線は砂浜があったり、磯があったりと変化に富んでいる。「水晶浜」は日本海水浴場88選に選ばれた 見事な砂浜が続く海水浴場だと。 左手に関西電力の「美浜原子力発電所」が見えて来る。半島の対岸にあるので橋を渡って行かねばならず、 手前にPR館がある。翌日に行こうと計画する。 敦賀半島の先端にある丹生の集落に入り、指定されている「漁師の宿・かつみ屋」 に到着する。(16:20') 釣り宿も兼ねていて、内装もきれいな民宿風の旅館だ。今日の宿泊は我々だけとのことで、2間続きの 部屋に通される。 外の風景を楽しもうかと思ったが、春霞みで水平線も見られないので、風呂に入ることにする。 海が眺められる大きな湯船で手足を伸ばしてゆっくりとくつろぐ。 18時から食事処で夕食となる。色々なコースがあるが、女将さんお薦めの「海賊焼き」コースを頼んでいたので、 炭火が真っ赤に熾っている。 凄い料理だ。まずは「前菜」と「舟盛り」の刺身を肴にビールで乾杯する。 「前菜」はナマコとワカメサラダ、「舟盛り」はブリ、ヒラメとボタンエビでボリュームたっぷりだ。 ブリはコリコリで脂ものっている。 ヒラメは2匹をさばいていて歯ごたえ十分だ。 「海賊焼き」の素材はアワビ2個、ヤリイカ2匹、エビ2匹、若狭カレイ2匹、 サザエ4個、ハタハタ4匹、カキ8個、鯛カマ2首、ブリカマ2首、 ホタテ貝2個、カニ足4本と食べ切れるか心配な位たくさんだ。 炭火にのせ、焼けて来ると片方の殻が開く。 両側の殻付きのカキを焼くのは初めてで、殻を開けてジューシーな汁とプリプリした身をいただく。美味い。 地元の若狭カレイも身がころりと取れ甘く感じる。地元の風味を堪能し、ハタハタ・鯛カマ・ブリカマを焼いて行く。 新鮮な 素材を素朴な調理方法で食べるのは野趣一杯で素材の味が良く分かる。 刺身や「海賊焼き」を堪能していると「ヤリイカの姿造り」がピクピク動きながら運ばれて来る。 透明な身はコリコリで甘い。奥の生簀で泳いでいたイカだ。 新鮮なヤリイカの姿造りは大好物なので嬉しい限りだ。 最後はアワビの踊り焼きだ。よくTVなどで見ていると焼くより刺身で食べる方が良いのに・・・と食べたことがなかったので 思っていた。 少し残酷だが、アワビが踊り出した。クネクネと身もだえし最後は反り返って静かになる。貝柱を外してかぶりつく。柔らかいが 歯ごたえがあり、初めての味覚を噛みしめる。アワビを堪能した感じだ。 豪華で新鮮な魚介類の刺身・「海賊焼き」を芋焼酎とともに満足した。甘くて歯ごたえが良く美味しかった。 食べ切れないのでは・・・と思ったが、完食したのには自分でも驚く。ご飯はパスして、カニの味噌汁を飲んで 漁師宿の野趣溢れる「海賊焼き」の夕食を終える。 満ち足りた気持ちと久し振りのドライブの心地よい疲労感でぐっすりと眠る。 「三方五湖〜漁師宿の食事」の「スライドショー」 、
|