「昼神温泉湯治の旅」.(2009/1/15-16)




2009年の新年を心新たに迎え、早くも半月が経った。温暖だった天候もここ数日は寒波が到来して急に寒さが厳しくなった。
こんな時は温泉が良いと色々と検討しようと、ガイドブックを眺めていると妻が「囲炉裏料理」の写真に興味を示した。 一昨年秋、「郡上八幡・木曽路散策」の時、通過した昼神温泉で、一度立ち寄りたいと思っていたので、ここの旅館に決定する。
ネットで旅館のHPを見ると1月の特別料金が設定されており、ガイドブックの値段より安い。通常は旅館の値段より、ガイドブックの方が 安いのだが、良い情報を得たとネットで旅館に申し込む。

交通手段を考える。本来ならドライブで行っても良いが、信州は雪が積もっているだろうから、雪道に慣れていない者には 危険なので止めることにする。
旅館のHPに、名古屋〜昼神温泉間に送迎バスを運行していることが分かる。高速バスでは2150円(往復4300円)だが、往復2000円と 格安なので、これも予約する。
高槻〜名古屋はこの時期「青春18きっぷ」利用が一番だが、今回は新幹線で行くことにし、「こだま」限定の「ぷらっとこだま」を 活用して、ここも割安に抑えるため、JTBで購入する。

京都発10:05'発の「こだま」に合わせて、9時前に自宅を出発し京都に向かう。
雪の伊吹山
京都駅で「ぷらっとこだま」の特典である「飲み物券」でビールに交換する。
ジュースでも良いし、ビールでも良い。ビールも発泡酒でも プレミアムビールでも良いのだ。ここはプレミアムビールと交換する。
指定席で外を眺める。天気も晴れていて、信州も2日間問題ないようなので有難い。瀬田川を渡った辺りから民家の屋根が白く なり、湖東に進むに連れて田畑は真っ白になっている。15cm位積もっているか。
先日来、東近江の降雪が伝えられていた雪が 残っているのだ。

この辺りは「中山道・見聞録」で歩いた道で、時々見覚えのある光景が目に留まる。歩いている時にはっきり見えなかった伊吹山が 雪を頂いて青空に雄姿を見せている。
関ヶ原付近の降雪は凄いだろうと思っていると少ししか雪が積もっていない。今年の雪の道は例年と違うようだ。

10:57'に名古屋に到着する。「こだま」でも1時間かからないのだ。
送迎バスは12時発なので、駅の「きしめん屋」で名古屋名物の「きしめん」を食べ、送迎バスの集合場所に急ぐ。三々五々、人が集まり 総勢12名が小型バスに乗り込み出発する。夫婦は2組で後は女性のグループなので車内は賑やかだ。
途中から3名が乗られ、春日井ICから東名高速に乗り、小牧JCTで中央自動車道を進む。
途中のPAでトイレ休憩があり、車窓からは薄っすら雪の積もった山々が望まれる。
雪の山々
昼神温泉郷
もっと雪山が見られると思っていたが、南信州の雪は少ないようだ。
園原ICで高速を降り、国道で昼神温泉に向かう。
国道も道脇に雪が見られるが、道路は凍結もなくスムースに運転できている。
これなら、ドライブで来られた・・・と。

送迎バスは今回予約した「ユルイの宿・恵山」に14時に到着する。降りたのは我々だけで他の方は別の宿に行くようだ。 本来は15時チェックインなのだが、送迎バスでは14時からOKで早速部屋に案内される。 最上階(7F)の広い部屋で、昼神温泉郷が一望出来る。屋根に薄っすらと雪が積もりのんびりとした光景に一息付く。
早速まだ誰も泊まっていない温泉に向かう。硫黄泉で透明だが少しヌルヌルとして肌に良さそうだ。誰もいない大きな浴槽を独り占めし、 露天風呂で雪の庭園を見ながら足腰を伸ばす。打たせ湯にも浴びのんびりと。

その昔、日本武尊(ヤマトタケル)がこの地を通りかかった折、山の神が白鹿に化けて立ちはだかりました。
ユルイの宿・恵山の遠景
そこで、日本武尊は口に噛んでいた蒜(ひる)を投げつけこの鹿を退治しました。 以来、この地を通るものは蒜を噛むようになったとされ、 やがてその風習がヒルガミの地名となり現在の昼神になったと言われています。
また、昼神温泉郷にある阿智神社に祀られている天思兼命(あめのおもいかねのみこと)は、天の岩戸伝説で天照大御神 (あまてらすおおみかみ)を岩戸の中から導きだす方法を考え、 再び昼の明るさを取り戻させた知恵の神であり、 そこから昼神の名がついたとも言われています。 (旅館HPより)

18時からの夕食前にもう一度入浴する。男性用は団体客が到着したので、少し賑わっていたが、女性用は貸切状態だと。
食事処の囲炉裏小路の囲炉裏部屋に行く。信州の方言で囲炉裏のことを「ユルイ」と云うそうで、旅館の名前になったそうだ。
個室になった囲炉裏は堀炬燵方式で腰掛けられ、足元は暖房されているので温かい。 囲炉裏の横には食材が並べられており、ヤマメ・茸・御幣餅等々が盛られている。炉端の食材には「ネギ味噌」を付けて食べるのが 美味しく、御幣餅は「甘味噌」をと説明を受け、炭火で真赤になった網の上で焼き始める。
ビールで乾杯し、お刺身や馬刺しで舌鼓を打つ。お刺身は山里では?だが、馬刺しは長野や熊本を訪れた時には必ず賞味する一品で 美味しくいただく。そのうちに、ヤマメが焼き上がり、串に刺したままかぶりつく。美味しい!!
山菜の天婦羅も出て来て、芋焼酎で。最後は蕎麦に山菜の出汁をかけていただく。もうお腹が一杯だ。

囲炉裏での夕食
ヤマメ・茸焼き
山菜蕎麦

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

囲炉裏料理を堪能して、満足感一杯で部屋に戻り一息入れる。窓からは暗くなった昼神温泉郷の白い屋根が浮かび上がっている。 静かな山里だ。
寝る前にもう一度温泉に行く。露天風呂は冷気で包まれピリッとしているが、頭を出して温もっていると気持ち良い。星も眺められ、 明日の天気も大丈夫だと。さあ、ゆっくりと休もう。

(睡眠)

湯上りで気持ち良くぐっすりと眠れた。
5時に目覚めたので、早速温泉に行く。9-11時以外は24時間入浴可能なのは有難い。6時までは露天風呂には行けないので、室内の 温泉を楽しむ。広々として湯船を独占してゆっくりと。
6時30分から近くの広場で朝市が開かれると聞いたいたので、時間に合わせてのぞくことにする。妻は寒いのでパスするとのことで 一人で冷え込んだ玄関を出る。玄関先に「湯屋守様」が祀られている。藁で作られた目鼻の付いた像で、少しユーモアも感じられるが、 神様なのだと知る。

まだ薄暗い道路に出ると冷気が身に沁みる。玄関先は凍っていて滑り易い。道に出ると道脇は除雪された雪が重なっているが、道は 凍っておらず、安心して歩ける。車もスイスイと走り、雪国の風景は感じられない。
朝市の広場に向かう。ここの朝市は一年中休まずに開かれているそうだ。店を開く準備のため、軽トラが商品を運びこんでいる。 寒いので、軒下をビニールで覆い、中にはストーブを焚いて暖を取っている。店々には地元の名産品が並べられ、何人かの観光客が 店の方と話しながら、品定めをしている。
漬物や味噌、りんごや干柿、民芸品等々を試食しながら地元産の自慢話を聞きながら楽しむ。干柿と漬物を買って散歩に向かう。

旅館の湯屋守様
朝市
ビニールに囲まれた朝市

雪は残雪しかないが、空気は冷たく−5℃だそうだ。近くの民家の軒下にツララが鋭く尖って、寒さを象徴するように下がっている。
旅館でもらった地図を参考に、近くの「阿智神社」に向かう。鳥居をくぐって山道を登って行く。冷気が体をピリッとさせる。 参道の横には雪が残り、本堂に参拝する。(写真を写したがピンボケ)
明るくなって来たので、見晴らしが良くなった。滑らないよう用心しながら国道まで戻る。道の角に大きな「湯屋守様」が堂々と 立っている。各旅館のの前に祀られているが、この「湯屋守様」が一番大きい。それぞれの「湯屋守様」の表情が違うのは面白い。 冬の間、昼神温泉で休養しながら守っているのだ。

軒下のツララ
阿智神社・鳥居 説明
湯屋守様 説明

1時間余り歩き廻ったので、体が冷えて来た。旅館に戻り、もう一度温泉に入る。露天風呂もオープンしているので、青空を 見ながら体の芯からゆっくりと温まる。
昨夜と同じ食事処で朝食をいただく。素朴な素材で美味しく食べる。風呂上がりの朝食もなかなかのものだ。
一般のチェックアウトは10時だが、送迎バスの客は11時までOKとなっている。オプションとして「天竜川下り」があるが、渇水期であり、 寒そうなので部屋でのんびり過ごすことにする。
ロビーでコーヒーを飲んだりし、チェックアウト後、荷物をフロントに預けて、近くを散策する。 旅館の後を流れる阿智川の散策道をブラブラと。河原には雪が残り、静かな雰囲気を楽しむ。桜の蕾はまだ固いが、春を待っている 趣きが感じられる。この付近は4月中旬から「はなもも」が美しいと。

素朴な朝食
阿智川の散策道
阿智川橋

11時に旅館の車で、送迎バスの出発地点になっている温泉センター併設の「ひるがみの森」に送ってもらう。
大広間兼休憩所で15時の出発まで過ごすことにする。ここの温泉入浴も送迎バス料金に含まれているので、 早速温泉に直行する。
雪の中の観音様
雪の中のふくろう
ここの露天風呂も広くて気持ち良い。日光を浴びながら真昼の温泉三昧を楽しむ。正に温泉天国だ。

昼食は山菜蕎麦で軽く済まし、ウトウトしたりと自由な時間を満喫する。一眠りした後、周辺を散策するために 外に出る。裏山はまだ雪が深く残っており、雪の中に祀られている観音様やふくろう像を眺めて進む。
凍った所が多く、注意しないと転んでしまう。雪国に来た楽しみの一端を味わい、満足して戻る。 もう一度温泉に入る。これで昨日から6回も入浴したことになる。よく入ったものだ!!

15時に昨日より大きなバスで帰路に就く。往路と同じ行程をウトウトしながら17時に名古屋に。
少しデパートをブラブラし。地下で駅弁を買い、飲料券でビールに交換し、こだまの中で温泉を満喫した今回の旅行に 乾杯して駅弁を食べながら京都に行き、20時過ぎに帰宅する。
今回は温泉一本に絞り、充実した時間を過ごすことが出来、満足出来た旅行だった。






    
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