「雪国の風情を求めて、松本・扉温泉の旅」


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○ [第1日]、出発〜扉温泉(2011/02.01)

今年の冬は、正月以来寒い日が続く。例年だと暖かい日も数日続くが、寒い日の連続で日本国中、震えている。
それに加えて、鳥インフルエンザが宮崎を始め、単身生活を送った鹿児島県出水市にも広がり、更に鹿児島・宮崎県境の新燃岳が噴火し、 火山灰被害が広がると多難な冬になっている。
幻のチュニジア旅行の行程
今回の温泉旅行の計画は、海外旅行計画がダメになり、その代替案として実行したものだ。数年前に 「エジプト旅行」をし、古代エジプト文化や イスラム文化に触れ、その懐の深さと自然を楽しみ、機会があれば、イスラム文化にもう一度接したいと思っていた。
その後、テレビの旅番組でチュニジアの遺跡、チュニジアン・ブルーの風景を見て触発され、ローマ遺跡もありそうなので、早速ツァーを申し込んでいた。 しかし、1月に入り、そのチュニジアで反政府デモが勃発し、大統領が国外逃亡と政変に発展し、騒乱状態になった。ツァーの行方を案じていると 旅行社から中止の知らせがあり、折角ガイドブックを買い、計画を楽しんでいたのが不意になって落胆した次第だ。
その代替案として、同じ2月1日出発の国内旅行を検討する。何時ものツァーに比べ、不要になった燃油チャージ分を上乗せして、雪の季節の温泉で その無念を晴らそうと「扉温泉」のツァーを探しだし、締め切りギリギリで申し込んだ。

チュニジアの反政府運動(国花に因んで「ジャスミン革命」と云うらしい)は近隣諸国に波及し、エジプトでは大騒乱になっている。海外旅行の中止は 正解だったと思っていると、北陸始め日本海側は大雪で列車の中に閉じ込められている映像を見て、信州は大丈夫かと心配したが、 予定通り出発することになる。
今回のツァーは新大阪集合で、列車のチケットをもらうと後は自由行動なので規制がなく楽チンだ。8時20分集合に合わせ、7時過ぎに家を出て 集合場所に。京都から乗車の方を含め、14名と少ないのは有難い。
こだま642号
雪景色
8時50分発の「こだま642号」のグリーン車に乗車する。このツァーの売りだが、車両に乗っているのは、我々のツァーメンバーと後数人だけのガラガラだ。 JRも安くグリーン車を売っているのだろう。
広い座席にゆっくりとくつろいでいると、米原付近から雪景色となる。昨日までだと降雪が大変だったのだろうが、今日からは好天が 続きそうなので、雪見をしながら名古屋駅に。
ここで、割引乗車券の悲劇を味わうことになる。約1時間の接続時間があるが、弁当を 買うために外に出たいと交渉するが、途中下車禁止の乗車券と断られる。仕方なく、構内で弁当を買い、待合室で待つことになる。
しなの9号
名駅(メイエキ)弁当
名古屋発11時の「しなの9号」に乗り、松本に向かう。 中央本線は「中山道」紀行で何度も通っているが、 「青春18きっぷ」利用ばかりなので、鈍行列車しか乗ったことがない。
特急に初めて乗り、目的地への時間の速さに驚く。
早速、駅弁を食べる。「名駅(メイエキ)弁当」は味噌カツも付き、なかなか豪華で美味しい。名古屋駅を名古屋ではメイエキと呼ぶのを聞いたことが あったが、その名前を上手く取った優れものだ。
車窓から今まで歩いて来た街道が見えたり、ここでどうしたとか思いだしたりと楽しく過ごす。中津川付近から雪景色が現れ、昨年冬に 「福島宿」の雪道を歩いたことを思い出す。前回歩いた「塩尻峠」辺りは雪が積もっているようで、この時期の歩行は難しいだろうと。
北ルプス・常念岳
13時03分松本駅に到着し、ホテル専用バスが迎えてくれる。ホテル到着まで「ちょっぴりお楽しみ観光」に連れて行ってくれるのだ。
バスの運転手の話では、昨日までは寒かったが、今日は13℃と暖かく、北アルプスも眺められると。
バスの車窓からは真っ白に連なる北アルプス連峰の「常念岳」が青空に映えている。さすが、信州に来た感じだ。まずは、「かりんとう・蔵久」の 見学に向かう。
古い蔵を改造し、「かりんとう作り」やカフェ、展示会が開かれる、安曇野の名所らしい。
立派な門から見る母屋には「中山道」紀行時、「信濃路」に入って豪邸で見られた「雀おどり」装飾の屋根になっている。有形無形文化財 にも指定されている豪華な建物だ。
中の蔵では「かりんとう」か作られており、試食すると美味しいので買い求める。カフェには中国風の墨彩画を描かれている安藤美香さんの 絵画が展示されており、可愛いご本人も居られる。日中韓首脳会談で絵画を披露されたとか。
日本庭園も立派で雪が残る風情のあるものだった。
北アルプス連峰
蔵久の建屋 説明 雀おどり
雪の庭園

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

次の見学地の「安曇野白鳥湖」に飛来する白鳥を見学に向かう。
北アルプス連峰と白鳥
白鳥の群れ色
安曇野の雪のないのどかな道を進んでいるとグァグァと鳥の鳴き声が聞こえる。湖が見えないのに・・と思って外を見ると、何と田圃に 水が張ってあって、そこに100羽以上の白鳥の群れが戯れている。
狭い田圃の水溜りに白鳥が群れているのには驚く。北アルプス連峰を背景に珍しい光景をパチリ。
白鳥は白くてきれいだ。単身赴任した鹿児島県出水市は鶴の飛来で有名で、毎年、万羽鶴が飛来し、その飛来地の鶴の鳴き声はすざましく うるさい程だ。マナ鶴・ナベ鶴が主なので、薄灰色で白鳥ほど美しくはないが、迫力満点だったことを思い出す。
珍しい白鳥の群れを見た後、ホテル方向の「山辺ワイナリー」に向かう。
山辺ワイナリー
槍が岳を望む
松本市内からホテルまでの高低差は500m程で、段々と山を上って行き、見晴らしがよくなって来る。
ワイナリー周辺には信州ブドー畑が広がり、 牧歌的だ。先日歩いた「中山道」の塩尻峠の麓にもブドウ畑が広がっていた。
「山辺ワイナリー」は気前の良いワテナリーで、各種ワインの試飲が自由で、次々と杯を傾ける。少しあっさりしているが、なかなか美味しい。購入する までには至らなかったが、地元のワインを楽しんで外に出ると、バスの運転手が、「槍が岳」が見えると。「常念岳」の奥に、小さな三角の 山がそうだと。松本市内からは見えなかったが、高度が上がったので、後ろの山も望めるのだ。
バスは急な坂道を上って行く。周辺には雪景色が広がって来た。道路も所々雪が凍っているので、運転は慎重だ。バスの運転手はガイドを兼ねて 丁寧に案内して下さる。
扉温泉・明神館
「美ヶ原ビーナスライン」への分岐点を過ぎて進む。「美ヶ原ビーナスライン」は4月下旬まで不通だそうだ。次の「中山道」紀行はこの「美ヶ原 ビーナスライン」を越えて進むので、積雪情報に注意しなくてはならないと改めて思った次第だ。
扉温泉は、松本市街から美ヶ原高原へ向かう薄川上流の渓谷、標高1100mにある閑静な山の温泉。2軒の宿があります。
起源は明治初期に山仕事の 民が見つけたと伝わります。 扉の名の由来は、天の岩戸を開いた天手力雄命が戸(扉)を戸隠神社に運ぶ途中、ここで休んだという神話に由来します。
「東の扉」「西の白骨」とも言われる、胃腸症に効く名湯です。(松本市観光協会HPより)

16時30分頃、標高1050mの「扉温泉・明神館」に到着し、丁寧なお迎えを受け、部屋に案内される。洋室で広くて、室内は豪華だ。窓からは 渓流と雪景色が望まれ、信州の秘境に来た感じだ。
浴衣に着替えて、早速温泉に向かう。このホテルには温泉が4ケ所あり、普通の「温泉(屋内+露天)」「立ち湯」「寝湯」「露天風呂」で、 まず普通の温泉に温まる。透明だが気持ちの良い湯だ。露天からは積もった雪が眺められ風情がある。別の場所にある「立ち湯」に向かう。
「立ち湯」の窓はオープンで半露天風呂となっており、立ったままで入り、眺める光景は見事だ。 「寝湯」は横になって景色を眺められる優れものだ。「露天風呂」は外にあり、冷気がきつそうなので今夜はパスする。
18時30分過ぎに和風の食事処に向かう。個室のテーブル席で、食前酒から先付と次々と小鉢に盛られた料理が運ばれる。ビールで乾杯し、地元の 食材を使った美味しい料理をいただく。
節分なので、七福神に因んだ料理もあり、季節感を芋焼酎を頼むとお湯割りのコップが籐の器で覆われていて、冷めないのは嬉しい。 繊細で豪華な立春大吉と名付けられた和風会席に大満足だ。
広い洋室
和風会席
洒落たお湯割り

食事を終え、係の方に明日行く予定の「松本城」付近のお奨めの蕎麦屋を教えてと依頼すると、地図を印刷して手渡してもらう。
部屋に戻り、一息入れた後、もう一度温泉に入り、満足してゆっくりと眠る。


「出発〜扉温泉」の「スライドショー」

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