○「伊勢志摩旅行」(2019.12.16-12.17) 数年前、息子が永年勤続記念の旅行券をもらった半分をお礼としてもらっていた。JTB旅行券なので、他の旅行会社では使用できず、保管したままになっていたので、これを活用してJTBで旅行することにした。 子供たちが小さい時に、訪れた志摩・相差の料理が美味しかったことを想い出し、相差への一泊二日の旅を計画する。鳥羽・志摩方面への旅行は久し振りなので、免許返納した現在は、列車の旅とならざるを得ない。 JTBの窓口で、ホテル・交通手段を相談し、近鉄「まわりゃんせ」を利用し、相差のホテルを予約する。 伊勢神宮近辺は、何度か行っているので鳥羽以南で、のんびりとした旅を考えることにし、列車は往復観光列車の「しまかぜ」を利用することにした。 近場での少し贅沢な旅行を楽しもうと。 近鉄京都駅発10時の「しまかぜ」乗車に合わせ、8時過ぎに家を出る。曇り空で、明日は雨の予報もあるが暖かい。 「しまかぜ」の指定料金は別途必要だが、それ以外の電車の乗り降りもサポートされている優れものだ。 構内の売店で物色すると京都・奈良・伊勢志摩の土産も取り揃えているのは珍しい。コンビニにも立ち寄り、ビールと珍しいつまみも買い求める。 やがて「しまかぜ」が入線し、乗込むと三列シートの豪華観光列車に驚く。席幅も広く、前後もゆったりとしフットシートも付いている。二列席は埋まっているが、一列席は空席が多いのは仕方がないだろう。 ゆったりしたシートの感覚を楽しみながら優雅に車窓の景色を楽しむ。 落ち着いた所で、ビールで今回の旅が楽しいことを願って乾杯!! 気持ち良い空間を満喫しながら、約2時間の「しまかぜ」の旅を楽しむ。 西大寺駅を過ぎ、車内が落ち着いた頃、「しまかぜ」の探訪をすることにする。 6両編成の「しまかぜ」の1号車・6号車は展望車で、高層席からの展望が効き、予約は早く詰まるのだと。2・5号車は三列席の普通席で、3・4号車には、グループ席としてサロン席・和室個室・洋室室と二階建てのカフェ席が設けられている。 グループ席は空いていたが、個室は満席、カフェ席は1階も2階も満席の状態で、その人気振りが良く分かる。満員の展望車に進み、運転席から前方も眺めることもでき、満足して席に戻る。 12時15分、定刻に鳥羽駅に到着する。途中の伊勢市駅で、「伊勢神宮」参拝の方が多数降りられたので、鳥羽で降りる人は少ない。 ホテルの送迎バスの停留所を確認して、夜は海鮮料理なので、昼食はイタリアンにしようと妻が検索していた「Cuccagna」に向かうことにする。 駅前広場には「御木本幸吉像」が立ち、真珠養殖の志摩を表している。鳥羽には「青春18きっぷ」を用いて 「三重県・盲腸路線探索の旅 」で訪れて以来だが、駅前しか見物していないので、送迎バスの時間まで楽しむ予定だ。 鳥羽駅から5分程度歩いて「Cuccagna」を発見する。二階の見晴らしの良い席から鳥羽湾の景観を眺めながら、パスタ定食を二種類頼む。前菜も美味しく、パスタをシェアしながら美味しくいただく。夕食とは違った食材に満足する。 15時の送迎バスの時間まで、クルージングに行くか水族館に行くか迷ったが、「鳥羽水族館」を訪れることにする。 「鳥羽水族館」の入場も「まわりゃんせ」でOKなので、チケットを見せて平日なので混雑していない館内に進む。広い館内は自由に見学できるので、 近くの熱帯魚の水槽を訪れる。きれいな熱帯魚がサンゴの林の中を優雅に泳いでいる。 アシカの水槽では、大きなアシカが泳いでいるが、その中の一匹が水槽の縁に足を掛けて動かない。帰る時見ても同じ姿勢なのは面白く、 その姿をパチリと。 次に「鳥羽水族館」の名物・ジュゴンの水槽に向かう。奥の方から大きなジュゴンが現われ、初めて見たので大きさに驚くが、何故この動物が人魚と観られているのか不思議に思う。人魚はもっと優雅だと想像していたのに。水槽の上から餌が降ろされてきて、ジュゴンは美味しそうに食べ始め、 改めて大きいのを確認する。 屋外の会場でセイウチの触れ合いタイムがあるので、見学に行く。300kg以上ある大きなセイウチが現われ、挨拶のおじぎ・拍手を披露し、 仰向きに横たわって腹筋運動する姿に拍手喝采だ。よく訓練したものだと感心する。もう一匹のセイウチも現れ、触れることができるのだが、 子供たちが集まっていたので遠慮する。セイウチの大きさを認識した。 たくさんある水槽を巡って行く。ラッコもいたが、優雅に寝そべって貝を食べる姿は見れず、勢いよく泳ぐ姿でピンボケしか撮れない。シャチも 泳いでおり、その白黒の姿は美しい。 水族館にも動物もいて、カピバラや赤いきれいな鳥も檻の中で飼育されている。他にも、淡水魚・近海の生き物・古代の生き物等々の展示かあり、 有意義な時間を満喫し、見学を終える。 海岸線を真珠島を見ながら鳥羽駅に戻る。15時発の送迎バスが来ており、8人位の乗客で出発する。 運転手のガイドで相差(おうさつ)のホテルまで約30分、車窓から景観を楽しむ。 40年以上前、子供たちと相差の民宿に2度訪れ、海水浴を楽しんだ時、こんな立派なホテルが建っていたのだろうかと思う程だ。当時は、民宿だが、 料理が抜群に豪華で、満足したことを覚えているのだが。 フロントで明日「スペイン村」へ行く方歩を確認すると現地まで送迎してくれるとの嬉しい返事をもらった。 明日の朝に近くを散策する時間がないので、パワースポットで有名になっている「石神さん」へ今から行こうと地図をもらう。 16時前だが、冬の夕暮れは早く、少しづづ暮れて行く漁師町の街並みを雰囲気がある。地図に従って、小高い丘に上って行くと「石神さん」への 道標もあり、風情のある土産物売場も建っている。 海女の町、三重県鳥羽市相差町の神明神社にある末社の一つ、石神社。ここで祀られている祭神は、玉依姫命という女性の神様で、高さ約60cm程の石をご神体としています。相差町の海女さん達が、安全大漁を願って密かに石神さんに祈願し続けてきたことから、石神さんは女性の願いなら一つだけは必ず叶えてくれると言われるようになりました。 石神さんは、芸能人やスポーツ選手がお忍びで通うことでも知られているんですよ。マラソンランナーの野口みずきさんが神明神社で買った「石神さん」のお守りを持って走ったところ、アテネオリンピックで優勝できた! というのも有名な話です。(相差町観光案内HPより) 参道を上っている時から女性の参拝者が多いのには気付いていたが、女性の願いを一つ叶えてくれるパワースポットで有名なのだと納得する。 参拝者は「石神さん」の社に手を合わせ、お願いをし、祈願用紙に願い事を記し、願箱に納めている。真剣な表情を観ると願いが叶うことを祈りたい。 また、絵馬の奉納板には、願いのお願いと叶ったお礼の絵馬がたくさん吊るされている。信者の多さにも驚く。 境内の奥には「神明神社」の本堂が鎮座し、その横には「長寿の館」が建ち、その中には、石橋山の戦いで敗れた源氏の主従七騎が楠木の洞穴に身をおいたとも云われる楠木の老木が祀られ、その横には「さざれ石」も祀られており、歴史を感じる神社だ。 薄暗くなった「神明神社」を後にして、坂を下ると「海女の家」と暖簾の掛った土産物屋があり、海産物や小物類を売っているので、土産用として 海藻の「あらめ」を買い求め、ホテルに戻る。 ホテルに戻り、温泉に向かう。冷泉を沸かしているが、肌がぬるぬるとする泉質で気持ち良い。浴場も広く、露天風呂からは白波が打ち寄せる太平洋が 見渡せ、雄大な気分になる。足腰を伸ばして、温泉を堪能する。 ホテルのロビー奥には、ハンモックが吊るされていて、気持ち良くその揺れを楽しんだり、横の足湯には、足の角質を食べてくれる小魚(ガラ・ルファ)が泳いでいて、足を浸けるとくすぐったい位で角質の除去に励んでいるのは面白い。 19時から食事処での夕食となる。ビールで乾杯し、お品書きの「海女笛会席」に沿った料理が運ばれてくる。お品書きには、食前酒・先付(海鮮カクテルサラダ)・前菜(季節の盛り合わせ)・舟盛り(相差大漁舟盛り)・強肴(黒毛和牛鉄板焼き)・焼物(伊勢海老黄金焼き)・蒸し物(鯛の香草蒸し)・酢の物・・・・と記してある。豪勢な食事に期待が深まる。 係の女性の接客も楽しく、メールで送迎バスの予約時に「金婚式」だと記していたので、ワインのサービスが付き、お祝いの言葉もいただく。 舟盛りの魚貝類は新鮮で美味しく、伊勢海老や伊勢まぐろの刺身を白ワインで味わう。美味しい!! 日本酒の利き酒セットを頼み、三重の日本酒を味わいながら、次々に出てくる料理を賞味する。肉・伊勢海老に続き、鯛の香草蒸しは美味しく、初めての味だ。鯛と海藻がマッチした料理長自慢の一品だと。 最後に鯛めしを食べ、デザートを味わって、豪華で美味しい夕食を終える。大満足だ。 部屋に戻り、一息入れる。天気予報では、明日は雨模様なので少し心配だ。 寝る前にもう一度温泉に入り、ぐっすりと眠る。 12月17日、何時ものように4時過ぎに目覚め、外を見るがまだ真っ暗で漁船の光も見えない。雨が降っているようなので、今日の「スペイン村」見学はどの様になるか不安だが、室内の展示場もあるだろうと。 6時からの温泉開始に合わせ、浴場に向かうが誰も居ないので、独り占めで温泉を楽しむ。露天風呂に出るが、小雨交じりの強風で早々に退散し、 大浴場でゆっくりと足腰を伸ばす。 部屋に戻り、明るくなった外を見るとベランダ越しに白波の立つ荒波が岩礁に打ち寄せる景観が見える。風は強い。 7時からの朝食は、昨夜の食事処でシンプルだが地元の魚・海藻や特産品の料理に加え、鯛の荒煮や伊勢海老の出汁を用いた味噌汁と豪勢だ。アジやサメの干物を目の前で焼きながらの食事は満足できた。海の幸ふんだんの夕食・朝食を満喫した次第だ。 9時10分に「スペイン村」まで送っていただけるので、事前にチェックアウトし、高台にあるホテルから相差の千鳥ケ浜に散策する。風が強いが4雨が止んでいるので砂浜まで降りる。40数年前、子供たちとこの浜で海水浴をしたことを想い出し、時代の移り変わりを実感する。孫達もその年代を越えているのだと。 ホテルの方に見送られて「スペイン村」に出発する。ホテルの料理・温泉他に満足だった。 送迎の車は、一路「スペイン村」に向かう。途中の道路脇に生えている「ウルシ」が真っ赤に紅葉していて美しい。運転手の方と今年の紅葉は少し 遅かったと話しながら、9時30分過ぎに「スペイン村」に到着する。 入口前の広場には、ドンキホーテの像が立っている。 やはりスペインの有名なシンボル的な人物はドンキホーテなのだとと納得して、キャリーバックを預けて開園を待つ。 開園時間には、20名位の観光客が集まっており、TDLやUSJに比べると人気面では厳しいようなのは地理的にも仕方がない。 開門ゲートのシャッターの間から、無人のエスパーニャ通りの写真を写す。クリスマス仕様の静かな通りを眺め、期待が膨らむ。 10時の開園になり、20-30人の観客が入場するとマスコット人形が出迎えてくれ、誰も居ない園内を進む。こんなのは初めての経験だ。クリスマス仕様のデコレーションやツリーを見ながらエスバーニャ通りを抜け、噴水のあるシベレル広場に向かう。 シベレル広場の周囲には、スペイン風の建物が立ち並び、イスパニアの香りが感じられる。この広場で、ショーが行われるらしいが、この時期は閑散期なのだろう一つしか行われないのは残念だ。正面の建物の通路を抜けると中央に銅像が立つマヨール広場となる。 観光客もいないので、ベンチに座り、見学するルートの作戦を練る。広いので全ては廻れないだろうが、楽しもうと。 まず右側の建物を攻めようと円形劇場の横を抜けハビエル城博物館に向かう。 入口に「アルタミラ洞窟の壁画」の案内板があり、日本で唯一実物大レプリカと記されている。昔、教科書で観た壁画があるのだと思いながら、石造りの城壁をくぐって城内に進む。天井には、赤茶色の土の中に動物らしき壁画が残っている。 良く見付けたものだと感心しながら、子供の頃に戻って見上げる。 城内にはスペインの歴史が綴られ、日本に関する地図や遣欧使節団の資料が展示されている。広い城内を巡るだけで時間がかかった。 見学を終え、場外に出ると背の高いコロンブスの塔が立っている。やはり、コロンブスは英雄で、城内にはサンタマリア号の模型も展示されていた。 本格的な遊園地は入口右にあるが、この奥にも乗物があるのでトライする。人がいないので、待ち時間ゼロと効率が良い。噴水のある水路を巡るボートや 室内のキャラクターを観たりと童心に帰って楽しむ。 次々に施設のキャラクターを眺め、元のシベレス広場に戻り、遊具・乗物がたくさんあるフィエスタ広場に向かう。 入口を入ると施設の屋上は、バルセロナのグエル公園に似せたモザイクの作品が置かれている。15年前(2004年)に行った 「情熱のスペイン・悠久のポルトガル旅行」を想い出し、 懐かしく感じた。 まずは、貸切列車となった園内周遊の列車に乗り、遊園地の外周を巡りながら乗物をチェックする。ジェットコースターは過激そうなのでパスすることにし、並ぶ必要がないので、どんどんと楽しもうと。しかし、13時からのパレードを観るために、その前に昼食にエスパーニャ通りのピザ屋に行き、昼食とする。 まあまあの味だった。 13時からシベレス広場で始まる「ドンキホーテとハッピーウインター」のショーを観に行く。スペイン風のキャラクターがダンスを踊ったりのパーフォーマンスがあり、 観客は少ないが見事なチームワークで楽しく観覧する。着ぐるみを着ながらのダンスは難しいだろうが見事だった。大きな拍手で感謝する。 帰路の「しまかぜ」に乗るには、14時10分発のバスで鵜方駅に行かねばならないので、急いで遊園地に戻り、乗物を楽しむことにする。 岩山を駆け巡る小規模のジェットコースターや船が大きく揺れるスイングサンタマリアや一気に急流を滑り落ちるスプラッシュモンセラー等々、待ち時間がないので効率よく廻ることができるのは嬉しい。 時間が来たので、楽しかった「スペイン村」を後に、路線バスで近鉄鵜方駅に向かう。これも「まわりゃんせ」で無料だ。鵜方駅の売店で、昨夜飲んだ清酒「作」やつまみを買い求め、14時55分発の「しまかぜ」で京都に向かう。 鳥羽を過ぎると雨が降り出し、観光が終わった途端の降雨にラッキーだったと清酒「作」で乾杯し、二日間の楽しい「志摩旅行」を回想する。 帰路の「しまかぜ」は満席で、一人席も埋まったのには驚いた。観光列車の需要は多いのだと。 京都駅で、伊勢名物「赤福」を買おうとするが売り切れなのには驚いた。高槻のデパートで買物をし、20時前に帰宅する。 息子から貰った旅行券を使っての久し振りの「伊勢志摩の旅」は、のんびりとした行程で、食事・宿泊・観光と満足できる旅だった。大いに感謝だ。
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