[宮ノ越宿〜藪原宿][藪原宿〜奈良井宿][奈良井宿〜贄川宿][贄川宿〜本山宿][本山宿〜洗馬宿]


○ 「中山道No15」見聞録(宮ノ越宿〜洗馬宿)・(距離 38.3km(今回)/ 305.5km(累計)/ 227.5km(残距離)

前回まで
今回
残距離


15−2.(35)藪原宿〜(34)奈良井宿・(5.3km) 2010.07.28 13:35〜15:40 晴れ時々曇り


中山道全行程.Map
「藪原宿〜奈良井宿・行程MAP」

地図の再生ボタン()を押すと
見聞ルートに沿って歩行出来ます。
クリックすると拡大します。(夢街道HPより)

さあ、ここからは春に諦めた「鳥居峠(1197m)」を越えて雰囲気漂う「奈良井宿」に進み、宿泊する予定だ。
「鳥居峠」の道標に従い、JRの高架下を抜けて坂を上って行くが、これが間違いで、もう少し真っ直ぐ行き「藪原宿本陣跡」を 見て、JRの高架橋を越えて行くのだったと反省する。
坂を上った所に「飛騨街道追分」の碑が建ち、この宿場が交通の要所であったことを示している。その近くに、尾張藩が鷹狩りの鷹を 確保するため子鷹を飼育した「尾張藩鷹匠役所跡」の碑が建つ。そのような役所があったことを初めて認識した。
緩やかな坂道の途中に「原町清水」があり、冷たい水が流れ出している。水を溜めている木槽の中には、キュウリが冷やされているのどかな 光景に思わず微笑む。冷たい清水で、顔を洗い、鉢巻きをし、首に濡れタオル掛けて、「鳥居峠」に上る準備を行う。

飛騨街道追分

尾張藩鷹匠役所跡

原町清水 キュウリ


画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

少し上ると「天降社」の鳥居があり、立派なモミジの木が植わっている。舗装道路の上り道を進むとやがて地道になり、木々に囲まれて 「中山道」の息吹が感じる山道になる。やはり、地道と緑は一番だ。

天降社

石畳の道になり、時々感じる涼風を浴びながら、額に汗を滲ませながら上る。

鳥居峠登り口・熊鐘 説明

木曽路のなかで最も標高の高い位置にある宿場町奈良井宿と、鳥居峠をはさみ、薮原宿を結ぶルート。
江戸時代、中山道木曽路最大の難所とされた峠は、標高1197m、現在は信濃路自然歩道中山道ルートとして石畳の道も復元され、 昔ながらの中山道を堪能することができる。
かつては、美濃国と信濃国の境であったこともあるこの峠は、およそ1300年前に完成したものを考えられ、明応年間(1492〜1500)、 松本の小笠原氏との戦いで木曾義元がこの頂上に鳥居を立て、御嶽権現に戦勝を祈願したことから「鳥居峠」と呼ばれるようになった。 俳人、文人の碑も多数残されている。(たびネット信州HPより)

九十九折りの道を上ると大きな説明板が建ち、その横には、熊除けの「熊鐘」が吊るされている。今でも熊が出るのかも知れないので、 熊鈴を付け、「熊鐘」を打ち鳴らす。カーンカンと澄んだ音色が響き、熊も退散することだろう。

舗装道路の上り道

地道

石畳


勾配が少しきつくなった坂の途中には草の中に「馬頭観音」の碑が建つ。峠が厳しい割には「馬頭観音像」の史跡が見られない。何故?
尾根道を進んだりと起伏を楽しみながら上ると「丸山公園」の小さな広場に到達する。ここで一息入れ、水を飲み、涼風を楽しむ。

馬頭観音の碑

尾根道

丸山公園


方向を示す道標が色々とあり、「御嶽遥拝所」への矢印に従って、急な坂を上ると「御嶽神社遥拝殿」の横に出て来て、そこには 「霊神石像」が40基林立している。ここから「御嶽山」が望まれるそうだが、残念ながら雲の中のようだ。

御嶽山を望む

霊神石像


「御嶽神社遥拝殿」に戻り、石段を降りると「鳥居峠」の名前の由来となった「石の鳥居」が建つ。
近道を上ったので、「遥拝所」の正面ではなく、裏から入ったことになる。この辺りに色々と史跡があるはずだが、見落としてしまう。 近くの草むらの中には、静かに「馬頭観音」が祀られている。

御嶽神社遥拝殿

石の鳥居

馬頭観音


「鳥居峠」の頂上は見極められなかったが、地道の気持ち良い下り坂になる。

子産の栃 説明

「鳥居峠」は分水嶺になっていて、今まで太平洋に流れ込む「木曽川」を遡って歩いて来たが、峠を越えると「奈良井川」がやがて 「信濃川」に注ぎ、日本海に流れることになるそうだ。太平洋に流れるか、日本海に流れるかの分水嶺なのに驚く。

緑の下り坂

石の道標

道標が整っていて、「奈良井宿」方面に向かうと小さな「石の道標」が建つ。
表面は何が書いてあるが分からないが。 この辺りは栃の木の茂みが多く、「鳥居峠のトチノキ群」の石碑も建っいる。少し進むと「子産の栃」の看板が建ち、大きな栃の木が伸びている。 幹には大きな穴があり、逸話があり、子宝に恵まれると。
下り坂を快調に下る。国道や舗装道路ではなく、地道を歩くのは気持ち良い。強い陽射しも木々に遮られ、時々吹く涼風を感じながら 下る。
やがて広い道になり、「峠の茶屋」のログハウスの前を通り、再び地道の下り坂を進む。今年の梅雨はこの辺りに被害を及ぼしたと 聞いていた通り、電線が垂れ下がったり、木が旧道を遮ったり、橋が壊れたりと被害が目立つ。
被害のない坂道は気持ち良く、木の橋を渡り、緑の中を下るとやがて「奈良井宿」側の登り口に到着して「鳥居峠」越えを終える。 緑の木々、史跡、地道と久し振りに旧街道の雰囲気を味わえて大満足だ。しかし、涼風が吹いていても、汗は吹き出し苦しい歩行だった。

峠の茶屋

木の橋

奈良井宿側の登り口


舗装道路を下る途中に近道として地道を下ると「道祖神」が祀られ、再び舗装道路を進むと「民俗資料館」や奈良井宿の氏神で ある「鎮(しずめ)神社」の赤い鳥居に迎えられる。境内には入らず、頭を下げ進む。
そろそろ「奈良井宿」に近付いたのであろう「水場」があり、その横には「高札場」が設置されている。いよいよ「奈良井宿」だ。

道祖神

鎮(しずめ)神社 説明

水場と高札場 説明


当時の雰囲気が残り「木曽路」の中でも「馬篭宿」「妻籠宿」と共に人気の「奈良井宿」の街並みに進む。

奈良井宿の街並み

奈良井宿は、中山道十一宿のうち北から2番目の難所:鳥居峠を控えた宿場町。
かつては街道を行き交う旅人で栄えました。その様は「奈良井千軒」と謳われ木曽路一番の賑わいでした。
奈良井宿は鳥居峠の上り口の鎮神社を京都側の入口とし、奈良井川に沿って約1kmの中山道沿いに町並みが形成されています。
旅籠の軒灯、千本格子など江戸時代の面影を色濃く残しています。時代を超えた風格が感じられます。
昭和53年5月に、国の重要伝統的建造物群保存地区の選定を受けてから今年で30年を迎えました。
また平成元年には建設大臣の「手づくり町並賞」を受けたのをはじめ、平成19年には「美しい歴史風土100選」に選定され、 日本一の宿場街と自負しております。(奈良井宿観光協会HPより)

電柱もない、江戸時代の面影が残る宿場をゆっくりと進む。

脇本陣兼問屋の民宿・伊勢屋

余り人通りもなく静かな雰囲気を味わいながら、所々に設置されている「水場」の水で顔を洗ったり、枡形の道を楽しみながら進むと 枡形の角には「鍵の手」と書かれた碑が建つ。
古い家は民芸品やお休み処と商売をしている所が多く、表は色々と趣向を凝らしている。「上問屋資料館」の趣のある旧家の隣の隣が 今夜の宿泊所である脇本陣兼問屋であった民宿「伊勢屋」さんだ。

木曽の大橋

昔の建物をそのまま民宿としているので、先達の方々も良く利用されており、泊まるべきとのコメントも多かったので、予約したが、 前日までは満員で、今日にした経緯がある。
まず、「奈良井宿」をざっと見学しようと前を通り過ぎて、「木曽の大橋」の見学に向かう。
「奈良井宿」の街並みは心に落着きを与える静けさと重みがある。JRの線路を渡り、奈良井川の河原に向かう。 分水嶺から流れる奈良井川に架かっている「木曽の大橋」は、すべて樹齢300年以上の木曽桧で造られた太鼓型の木造橋だ。やはり、 木製の立派な橋は見事だ。

水場

鍵の手

上問屋資料館 説明


「奈良井宿」の東の端までは行かなかったが、少し疲れて来たので、街並みを楽しみながら「伊勢屋」さんに戻り、15時50分投宿する。 若旦那に案内され、母屋から奥の離れの2階の部屋に案内される。
クーラーは設置されておらず、窓からは涼しい風が吹き込むので、クーラーがなくても問題ない。早速、風呂に行き、汗を流す。暑い中の歩行で シャツも汗まみれになり、風呂場で洗い部屋に干す。

夕食

のんびりと足を伸ばして疲れを癒す。 外に出て、散策しようかとも考えたが、「妻籠宿」に泊まった時、早朝の無人の宿場町を楽しんだ経験で、明日の朝、歩くことにし 夕食までのんびりと過ごす。
夕食は母屋の座敷で、3組の宿泊者が一緒に食べる。年配の方は余り喋られず、食事が終わると直ぐに部屋に戻られたが、松本から来られた 若いご夫婦とは話が弾み、美味しい山菜料理とビール・日本酒で場が盛り上がる。
話していると二男と同い年で、渓流釣りが趣味でご夫婦で信州の渓流を巡っておられるそうだ。息子夫婦と話す感覚で楽しい時間を過ごす。 これから先の行程のアドバイスとして、「本山宿」の蕎麦は美味しいと。名前を聞くが、1軒しかないので、すぐ分かると。
外から少し寂しげな祭囃子が聞こえて来る。女将さんの話では8月のお祭りはお囃子の練習をしているのだと。夕食を終え、外の練習風景を 見学する。若旦那も練習の輪に入って10人余りで笛・三味線(?)・太鼓でのお囃子を静かに聞く。風情があり、宿場町の雰囲気を満喫する。
部屋に戻り、テレビを見ながら眠ってしまう。今日の歩行歩数は28000歩だった。

「藪原宿〜奈良井宿」の「紀行スライドショー」


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