○ 「大辺路 No3」見聞録 

3.見老津〜田子
 2004.12.17 11:50〜16:10 晴れ

前回の「大辺路」を続けてトライする。早く那智の「振分け石」に到達し、「大辺路」「伊勢路」を 結んだ紀伊半島一周を実現したい。

今回は前回の見老津から和深か田子まで歩く予定で進める。冬の「青春18きっぷ」が発売されたので、 これを利用する。いつもの様に5時半に家を出発するが、 暖冬も少し寒波が到来と寒い。新大阪発 6:29の快速で田辺を目指すが、先日と列車が代わり2人席の 新快速仕様になったので楽になり、すぐにウトウトと眠り通勤・通学客一杯の車内も知らずに 和歌山へ。晴れ渡った太平洋を眺めながら田辺着 9:34。

この列車の欠点はここで1時間以上待たねばならない点だ。「伊勢路」の接続も大変だが、この1時間の ロスは大きい。きれいになった陸橋を渡り出口に向かうとパンフレットが置いてある。よく見ると「紀伊路」 「中辺路」「小辺路」「大辺路」「高野山町石道」「雲取越え」の地図・ガイドブックでいただく。 世界遺産登録後、行政のサービスも良くなった。歩いた時にこのマップがあれば良かったのに・・・と 思う詳細なものだ。
駅の食堂でうどんの朝食を食べ、海の方に散策して時間を潰す。

10:47発の新宮行で出発する。車内で「大辺路」のマップを見るが今日歩くコースは詳しく書かれて いないので、以前に入手した概要のマップで進めなければならない。「大辺路」全てが世界遺産に登録 されていないからか?
すさみ駅で特急待機のため10分位停車でホームをブラブラ、上下線の普通が待機している。「青春18きっぷ」を 利用されていると見られる熟年の姿がチラホラ。前回はここから「長井坂」を越えたのだ。 次の見老津駅到着 11:48。

最高の天気だ。朝は寒かったが、今は寒さは感じず春の陽気で真っ青な見老津の海が気持ち良い。 冬の海ではなく春の海の感じだ。暑くなりそうなのでウインドブレーカーを脱いで進む。

周参見駅の待機

見老津駅

見老津の海


今回の「大辺路」はR42に沿って進むため、国道の歩行が多くなりそうで少し面白くない。駅からR42を 進むこととする。(11:50)
概要マップでポイントを押さえて行く予定だが、案内がないので名称がはっきりしないものがあるが類推して 行かねばならない。R42に沿って、方向を間違えなければ「古道」は古く・狭い道とし、道を選ぶと 「坂の地蔵」にて出会い、童謡公園に出るが寄り道をせず、国道を離れて海側に下りて行く。
海を背にして「道分け地蔵」が祠に祀られている。海沿いの古道を日差しを浴びながら進む。岬を 伝いながら漁船を見ながら進むと階段の上に「松の内地蔵」が祀られているが、人っ子一人居ない ので由緒を尋ねることも出来ない。何か説明が欲しいものだ。

坂の地蔵

道分け地蔵

松の内地蔵堂 地蔵→


江須崎の漁港を通り、国道に戻って進むと「みちびき地蔵」が道端に祀られ、江住駅に至る。(12:50)
駅前を過ぎ橋の手前でJRをくぐると左側に「春日大社・江住遥拝所」の石段があり上って参拝する。 ここで一息入れ、薄いセーターも脱ぐ位暑くなって来た。

江須崎の漁港

みちびき地蔵

春日大社・江住遥拝所 本殿→


石段を下り川沿いに進むと「臨済宗・潮音寺」があり、橋を渡り少し進んだ旧道を右折して進む。 道なりに進み国道手前に「滝の地蔵」があるとのことだが分からない。丁度、洗濯を干す奥さんに 尋ねると家の横の道らしくない道を進むと狭い道端に「滝の地蔵」が祀られている。これは尋ねないと 絶対分からない場所だ。奥さんに出会えてラッキーだったが、何が道しるべが欲しい。再び国道に出ると 輝く海がまぶしい位美しい。

臨済宗・潮音寺

滝の地蔵

輝く海


国道歩きは嫌いだ。この辺りは交通量は少ないが歩道がなく車とすれ違う時恐い。脇道はないかと 探しながら・・・。少しR42と離れ、JRを踏切のない道を渡り、再び国道に出て進む。
国道脇に無人の野菜販売所があり、のぞくと「里芋」と「しょうが」が並べてあるので「しょうが」 をget。こう云うのは楽しい。
大平見バス停手前に「地蔵」が祀られており、参拝して居られる年配のご婦人に尋ねると 「大平見地蔵」と確認する。しばらく歩くとJA紀南すさみの建物があり横の道を海に下りて行くと きれいな「里野の浜」に到着する。(13:45)
水が澄んでいて気持ち良い。ここでコンビニで買ったおにぎりの昼食とする。穏やかな海を眺めながら 潮風に汗を乾かす。

大平見地蔵

里野の浜

澄んだ海


14:05 休息を終え出発する。浜辺を歩き、再び国道を進むとすさみ町から串本町に入る。(14:20)
少し進むと「ようこそ串本へ」の看板があり、左に狭い道があるので進む。R42に沿っておれば古道と 解釈して。坂を上ると高台になり畑の中を道なりに進み、海の方向に行くと神社がある。 鳥居・本殿を見るが名前が分からない。灯篭には天保八年・文久二年と刻まれているので古い神社だ。
国道に下り始めると地元の方に出会い、尋ねると「木ノ本神社」とのこと。ガイドブックに書かれて いるが、偶然出会った感じでラッキーだ。ここからの眺めも海の青さが美しい。一息入れ、階段を下り 国道に出ると雨島のバス停があった。

ようこそ串本へ」の看板

木ノ本神社 本殿→

青い海


再び国道歩きだ。海側に鳥居が鎮座している神社があるが、ガードレールでガードされているので眺める だけにして国道を進む。熊谷バス停のにも「お地蔵様」が祀られ、今回の紀行ではお地蔵様が多いのに 驚く。(まだまだある・・・)
国道から離れて旧道を進むと落着く。JR和深駅を見ながら国道を進むとトンネルになる。ガイドブックでは トンネルの手前を右に行くようになっているので進むとJRを越える歩道橋となり、そこに「大辺路」の 「道しるべ」があった。初めての「道しるべ」だ。安心して歩道橋を渡り、和深の峠に向かう。


海辺の神社

熊谷の地蔵

和深の歩道橋


舗装された峠道だが、少し古道らしくなって来た。峠の上に「道しるべ」があり、ガイドブックだけでは 分からない細い道を示してくれる。(ここから先は地元の方が整備された「道しるべ」に沿って 安心して進むことが出来た。感謝!!)
「お地蔵様」との出会いと古道らしい峠道や竹薮の道を進む。「道しるべ」を頼りにクネクネと 進むので方向が分からなくなるが、信頼してGo!

道しるべ

お地蔵様

竹薮の小道


時々苔むした石畳も現れ、地元の方が見つけ出したのでは・・・と味わいながら進む。杉木立の道は 海沿いの古道とは違った趣があり、猪の仕掛けと思われる罠もある道を進む。
山間に民家があり、猪垣のドア塀によって道が閉ざされているので迂回道を探すが分からず、近くで 畑仕事をされているご夫人に聞くとドアを開けて進んでくださいと。この辺りは猪が出没するのだ。 ドアを開けて通り、又閉じて前に進む。

石畳

杉木立

猪の罠?


峠の最後には土に埋もれたような「お地蔵さん」が祀られ、「道しるべ」に沿って進むと小さな集落 の中の「地蔵堂」から細い道を進むと又、「お地蔵様」があり、上り坂に「不動堂」が立っている。 本当に信仰に厚い土地柄なのだろう。

お地蔵様

地蔵堂 地蔵様→

不動堂 不動様→


再び森の中に入って行く。木立の生い茂った細い道を通り、雰囲気を楽しみ青空の山並みを眺める。

木立の道

森の小道

青い空


国道に出た。ガイドブックでは「安指平見一里塚跡」があるらしいが分からなかった。国道に出たが、 場所が分からず帰宅途中の学生に確認し、田子駅に向かう。しばらく歩くと田子駅に到着。(16:10) 帰りの列車は16:55発なので、国道に戻り田子の海を眺める。潮岬まで望まれる夕暮れの海を ぼんやりと。
田子駅は無人駅で駅前には何もない殺風景な所で自販機もない。列車到着までベンチで疲れを癒す。

田子駅

潮岬を望む

夕日の海


16:55発の列車は先日紀伊半島一周時に乗ったワンマンカーで、接続が良すぎて食事もする間がないので、 紀伊田辺まで約1時間飲み物も我慢する。田辺着 18:10、接続列車に乗らず次の列車まで「中辺路」 歩行時に寄ったことのある居酒屋で乾杯し、軽い食事を取る。
19:22発の列車で御坊・和歌山で乗り換え大阪へ。家には23:30に到着した。

今日は気持ちの良い天気で12月とは思えない春の海を堪能出来た。「大辺路」も今までは峠越えが 主だったが、今回は海辺の古道だった。ただ国道の歩行が多く危険が一杯なのは困ったものだが。
すさみ町から串本町に入り、那智の「振分け石」までもう少しだ。国道の歩行を避けながら早く 到達したい。後2-3回で紀伊半島一周の歩行を完了したいものだ。本日の歩行は28000歩だった。









    
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