○ 「大辺路 No4」見聞録 

4.田並〜紀伊姫
 2005.01.05 12:15〜15:50 曇り後晴れ

新春の初紀行は「大辺路」を続けてトライすることにした。
前回の田子からの歩行を考えたが、国道を歩くことが多いようなので、田子から次の田並までJRを 利用する。遠くなり実質の歩行時間が制限されるので、本来は古座まで行きたいが時間と相談して、 串本又は紀伊姫まで進めようと計画する。

前半は概略のガイドしかないので、いつもの様に同好の方のHP 「tatubouの熊野詣」を印刷して参考にさせていただく。
前回に引き続き「青春18きっぷ」を活用して、いつもの様に5時半に家を出発する。天気予報では 曇り後晴れなのだが、家を出ると冷たい小雨が降っている。
新大阪発 6:29の快速で田辺を目指すが、先日の2人席の車両から元の4人席に戻っており、窮屈に なったが、すぐにウトウトと眠り和歌山へ。雨も止み明るくなった太平洋を眺めながら田辺着 9:34。

ここで1時間以上待たねばならない。駅の食堂で朝定食を食べ、時間を潰す。
10:47発の新宮行で出発する。長椅子タイプの列車には「青春18きっぷ」利用と思われる熟年の方や 高校女子バレー部の団体や自転車を積んで古道を走られる方等散見される。 すさみ駅と田子駅でで特急待機をし、前回通った和深の海岸では 若者が寒空にサーフィンをする姿を見ながら田並駅着 12:13。出発して6時間以上、遠い。

無人の田並駅から出発。まずはR42の田並橋まで戻り、旧田並橋を渡って「大辺路」をスタートする。 道なりに進むとR42のガードをくぐるようになるので、集落への細い道を進むことにするが、不安一杯。 スタートで間違うと大変なので、歩いて居られた年配のご夫人に尋ねると集落の細い道を一緒に 歩いていただき、この道を進めば良い・・・と。
集落を抜けると細いコンクリート道になり、上って行くと「大辺路」の「道しるべ」が立っており一安心。 地図だけではなかなか分からないので「道しるべ」は本当にありがたい。

田並駅

田並駅舎

初めての道しるべ


階段を上ると林道にぶつかりそのまま進む。林道脇に「茶屋跡への道」の表示板がぶら下がって いるので、山道に入る。天気が良くなり「木漏れ日の道」がキラキラと美しい。汗ばんで来たので 茶屋跡と思われるピークの平らな所でジャンパーを脱ぎ一休み。(12:50)
この辺りは地元の小学生が作った可愛い「道しるべ」が「杉木立」や少し残っている「石畳」を 快調に案内してくれる。田並浦と有田浦の「境界石」を過ぎ、再び林道に下りる。

茶屋跡への表示板

木漏れ日の道

杉木立


小学生の道しるべ

石畳

境界石


少し林道を進むと左道脇に小さな「お地蔵様」が祀られ、その前から山道に入る。山道を抜けると 再び林道だが下りる木の階段が設置されており、地元の方々の熱意が嬉しい。
林道を上り、「道しるべ」に従いもう一度山道に入ると崖沿いの細い道が続き、小鳥の声が静けさを 余計に感じさせる。道なりに進むと野菜畑の横にはみかんが鈴なりになっている。この辺りから 「道しるべ」が無くなったが、踏み固められた小道を進む。

林道脇のお地蔵様

林道への木の階段

崖の細道


小道はコンクリートの階段に出る。少し下ると右側に進む小道があるが「道しるべ」が無い。迷った結果 小道を進むと太平洋が望める見晴らしの良い場所に出るが行き止まりだ。
遠く「潮岬」が望まれ、輝く海が美しい。景色を眺めながら一息入れる。(13:10)
「展望台へ」の道しるべがあれば最高なのに残念だ。元の小道を戻り、コンクリートの階段を下ると有田の 海岸に至る。R42と合流した所に小さな神社があるが名前は分からない。

潮岬を望む

光る海

有田の神社


R42の歩道の無い道を歩み旧道に入ると「徳本上人名号塔」が立ち、しばらく行くと「逢坂山トンネル」 に向かう。左の舗装された峠道を上ると「北向地蔵」が山にへばりつくように祀られている。

徳本上人名号塔

逢坂山トンネル

北向地蔵


峠道を上って行くと左側に「妙典塔登り口」の立て札が立ち、急な山道を地元の方が作られた木の 階段を伝って上ると「妙典塔」が立っているが、由緒の説明がないのでどういうものか分からない。 ここで一息入れる。(13:30)
山道を上り切ると立派な陸橋があり、海と山並みが望まれる。

妙典塔登り口

妙典塔

山並み


陸橋の道を下ると峠道に合流し、しばらく行くと逢坂山トンネルからのR42に合流する。少し進んだ 海中公園の駐車場の前の植え込みの芝生に「澤信坊道標」が立つ。「右ハわかやま 左ハいそみち」と 書かれているらしいが判別出来なかった。(13:48)
この辺りはダイビング・スポットで関連のショップや民宿が多く、串本・潮岬が良く見える。海岸に沿って 車に注意しながら進むと「洞門」が見え、国道から雑草を分けて「洞門」に向かう。
「洞門」をくぐり汗を拭い一服する。洞門越しに海中公園が望まれる景色を見ながら潮騒を楽しむ。 (14:00)

澤信坊道標 説明→

串本展望

洞門 展望→


R42を景色を楽しみながら、車に注意ながら進む。二色海岸の国道脇に小さな「お地蔵様」が祀られ、 やがて旧道に入り落着いて歩を進める。錦富(きんぷ)小学校の校庭に「徳本上人碑」が祀られ、 さらに進むと変わった「オブジェ」が立っている。トルコの目玉のお守りらしいが、なぜここにあるのか 分からない。横の角には「お地蔵様」が祀られている。

国道のお地蔵様

トルコのオブジェ 説明→

お地蔵様


再びR42に沿って進む。潮岬を望む海岸の駐車場から釣り人がノンビリと糸を下ろしている。 ここから国道と分かれてJRのガードをくぐって旧道に進む。JRやR42は海岸線を串本に向かうが、 古道は串本の北側に進むのだ。
ガードを抜けて進むと鬮野川(くじのかわ)の橋を渡る。橋の上から上流を見ると砕石場と山々が 青空の下に映える。

潮岬展望

古道への入口(カード)

鬮野川


ここからは農道の歩行になる。晴れ渡った青空の下、稲刈りの終わった淋しい田圃脇をテクテクと。 「道しるべ」はないが、道路案内として「姫・橋抗」の標識があり、それに沿って進む。 やがて鬮野川に沿って竹薮の堤防を行くと三叉路に「鬮野川辻地蔵」が祀られている。

農道

竹薮の堤防

鬮野川辻地蔵


三叉路を標識に従って進む。峠を越えて下り道となり潮岬が大きく見られる様になり、JRのガードを くぐるとすぐにR42に出て、目の前に「橋抗岩」の大きな岩が現れビックリする。
和歌山県発行のガイドブックによるとこの近くに「地蔵道標」があるはずだが分からない。歩いて おられた男性に尋ねるが分からず、魚屋さんに聞くように云われる。

干潮で見事に姿を現わしている「橋抗岩」の写真を写し、時間があれば岩場まで下りて行きたい 気持ちを抑えて、魚屋さんに行き、尋ねるとR42をもう少し進んだ所だと。
ガイドブックを良く見ると「鬮野川辻地蔵」の三叉路を標識に沿って右に曲がったのが、真っ直ぐ進む べきだったのだ。(先達の紀行記にも書かれていたのを見落としていた) 気を取り直してR42を車に注意しながら進む。
JRの踏切が見え、国道脇に「地蔵道標」(右ハわかやまみち、左ハみさきみち)が祀られている。 やっと発見した。 ここから旧道に入り、しばらく歩くと小さい小さい「紀伊姫駅」に到達する。(15:50)

橋抗岩 説明→

地蔵道標

紀伊姫駅


本当にマッチ箱のような駅舎で汗に濡れたTシャツを着替える。真冬とは云え本州最南端を歩いていると 結構汗が出て風が吹くと冷たく感じる。着替えてビールで乾杯したいが、周りには何も無い。魚屋さん の近くで買っておけば・・・と後悔するが止むを得ず、お茶を飲む。
16:26発の列車まで夕暮れの太平洋をボンヤリと満足感を持って眺める。

前回と同じ長椅子タイプの列車で帰路に着く。次の串本駅で10分停止の間に売店でビールとつまみを 買い求め列車内で乾杯!!
今日歩いた行程を列車が戻って行く。夕暮れの海はきれいだ。前回と同じく紀伊田辺で下車し、 寒くなって来たので居酒屋で芋焼酎のお湯割りで乾杯。いつもの様に田辺から御坊、和歌山、大阪で 乗り換え、23寺30分に帰宅する。

「大辺路」の紀行は太平洋と戯れながら進む気持ちの良い歩行だ。田並の峠も地元の方の整備への 熱意が伝わるが次の集落では・・・。一体となった対応が歩行者としては欲しいものだ。
しかし、世界遺産登録後の変化の様子は先達の紀行記から大きく改善されている。一歩一歩進めて いただきたいものだ。今日の歩行は25000歩だった。

「大辺路」紀行も残り少なくなって来た。しかし、往復時間がかかるため、実際に歩く時間が少なく 後2回はかかるだろうが、早く那智の「振分け石」に到達したいものだ。
好天に恵まれた今年初めての紀行を無事終えたことに感謝し、春には「小辺路」をトライし、 「大峯奥駈け道」のスタート地点・吉野までの道を歩こうと計画中だ。今年も「熊野古道」を見極めるべく 元気に進もう!!









    
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