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「シチリア・南イタリアを巡る10日間」旅行記


◎ 「パレルモ~ピアッツァ・アルメリーナ~カルタジローネ~タオミナール」(2017.01.14<土>.)

昨日の見学では、結構な歩行距離と石畳・石段歩きで疲れたのか、ぐっすりと眠った。5時過ぎに目覚め、窓の外を眺めるとまだ暗いが晴れているようなので 一安心だ。高層ビルも建ち、山も間近に見える落ち着いたパレルモだ。直ぐ横の市場もまだ静かで、準備をしているようだ。
6時15分モーニングコール、6時45分朝食、7時50分出発の予定で、身支度を整え、何時ものように散策に出ようとするが、ホテルの外に出る門扉が開かない。 通用口も開かないので諦めて部屋に戻る。やはりパレルモ市内の中心地区なので、防犯上閉じているのだろうかと。 6時45分前にフロントに行くと仲間の方もたくさん居られ、ご挨拶。2日間の間に、殆どの方と顔見知りになることができた。朝食は、期待通りの緑の少ない ハム・チーズオンリーで、期待外れにはならないのは悲しい。ただ、果物があるので救われる。
窓からの眺め
アストリア バレス ホテル
朝食

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

7時50分、パレルモ自由行動だった方も一緒に38名のツアーは出発する。
今日は、シチリア中部の古代モザイク画で有名なsi04-07を見学し、陶器の街・カルタジローネを訪れ、東海岸の宿泊地タオルミーナに向かう行程だ。昨夜の雨も止み、 曇り空ではあるが、観光に問題ない天候なのは有難い。
海沿いの高速道路は混雑もなく順調に進む。シチリアの高速道路網も整備されていて、やがて中央部の丘陵地帯に入って行くとブドウ畑・オリーブ畑も連なり、 のどかな牧草地帯も見られる。遥か向こうの山並みには、先週の寒波による雪を戴く山々も見られ、快適なドライブを楽しむ。
海辺のドライブ
雪を戴く山々
草原地帯

10時頃、やっとピアッツァ・アルメリーナに到着する。空が晴れ渡り、青空の下、暖かくなってきた。
ピアッツァ・アルメリーナの大聖堂
カザーレ別荘跡
ピアッツァ・アルメリーナの町の中心は、標高約700mの山の上にあり、町の一番高いところには17世紀の初めに建てられた大聖堂があります。
世界遺産のカザーレ別荘跡は、街の中心部から5kmほど離れた緑豊かな郊外の山間部にひっそりと佇んでいます。 屋敷跡に残る3500㎡以上の見事な床モザイクは、現代に残る古代ローマ時代の床モザイクの傑作とされています。(Sicilia Club HPより)

まずは、モザイク画で有名な世界遺産「カザーレ別荘跡」に向かい、駐車場から坂を上って行く。 駐車場で待っていた現地ガイドの説明をイヤホーンガイドで聞きながら、広い別荘跡を進む。
「カザーレ別荘跡」は、ローマ時代3世紀から4世紀にかけて建てられた別荘で、中世の時代に後ろの山で土砂崩れが起こったため、何世紀も土の中に埋も れていたために屋敷のモザイクの床は、保存状態が良く残っているのだと。
現地ガイドの案内で、正門、玄関、柱廊の中庭、食事の間、温浴室、体育室、台所、大廊下、家族の寝室、客人の寝室、召使部屋等を順番に巡って行く。 その各部屋の床面には、大小のモザイクが描かれているのは凄い。別荘の構造からローマの上流階級の方だと思われるが、明確ではないらしい。
案内された部屋には、細かな見事なモザイクが床に敷き詰められ、次々に部屋を廻るが、どの部屋のモザイクも見事だ。
細かなモザイク 拡大
大きな部屋のモザイク
当時の生活を映すモザイク

広い別荘の部屋を巡るので、どの部屋にあったモザイクか明確でないが、その精巧さと生活感に満ちた作品に驚き、当時の芸術性の高さも感じざるを得ない。 人物の表情も生き生きしており、当時の姿が想像できるし、動物も多種多様な種類が網羅されており、何処から獲得したのかとも思えるような 姿に驚く。
当時の服装 生活描写
生活様式 拡大
船の上 人物像

体育室の中に面白いモザイクを教えられる。体操をする女性がビキニスタイルなのだ。ローマ時代からビキニが存在していたことを知り、流行とは繰り返すと云われているが、 ローマ時代から繰り返されていることに驚く。他の部屋のモザイクも見事で、どれを選択すれば良いか分からないが、写りの良いものを載せる。
大広間のモザイク改修
ビキニ姿の女性
動物の数々

人物①
人物②
人物③
動物

別荘跡を廻っている時等で、屋外に出た所にもモザイクが施されていたり、屋敷の大きさを示す。
大広間のモザイク説明
中庭廻廊のモザイク
屋外のモザイク

大きな感動を秘めて「カザーレ別荘跡」を後にする。
サボテン
シチリアの三脚巴旗
坂を下る途中にサボテンがたくさん植わっている。一部、実がなっているものもあるが、食用とは思えない。 少し疑問を持って駐車場に戻る。
土曜日なので、土産物屋も開店し始め、一般の観光客も集まっている。東京組のバスも見られ、同じコースを見学しているのだと。 ここで、期待していた旗を見付けた。「シチリアの三脚巴」と云われるギリシャ時代からのシンボルで、シチリア島の三つの岬を示すものだと。今まで見られないのが 不思議だったが、発見して良かったと。しかし、奇妙で不思議な模様だ。
再びバスに乗り、ピアッツァ・アルメリーナの市街地に向かい昼食となる。街の広場で降り、狭い坂道を上ってレストランに向かうが、その途中に教会があり、歩いて いる中に12時の鐘の音を聞くことができた。古い石造りの街並みでの鐘の音は趣がある。教会の鐘の音も石の文化のひとつだと改めて感じる。
こじんまりしたレストランに入り、昼食となる。ワインで乾杯し、初めてのスープに舌鼓を打ち、肉料理を楽しむ。デザートはシチリア名物のカンノーロでgoodだ。古い街並みの 小さいレストランでの食事は、美味しく楽しい時間だった。
ピアッツァ・アルメリーナの教会 細い街並み
美味しいスープ
肉料理 カンノーロ

美味しい昼食を終え、街の高台に建つ「大聖堂」に向かう。
趣きのある石造りの建物に囲まれた、石畳の細い道を上ると重厚な石造りの建物が建っている。何かは分からないが、周囲の建物とは違った重みを 感じる。更に石段を上り高台の頂上を目指す。
石畳の道
重厚な建物
階段の道

階段を上り切ると広場になり、「大聖堂」が迎えてくれる。17世紀に建てられた重厚なバロック様式の「ドゥオーモ」がそびえ、しばらくすると14時の鐘の音が 響き渡り、中世にタイムスリップした雰囲気を味わう。
バロック様式のドゥオーモ
大聖堂

この広場で自由時間となり、高台の広場から周辺を眺めたり、「大聖堂」の中のトイレを拝借したりと「石造りの文化」を味わう。青空の下、風も冷たくなく 「大聖堂」や「ドゥオーモ」の姿を堪能する。
大聖堂の広場からの眺め
遥か大聖堂を眺める
集合時間になり、元来た道を戻るが、細い道が分岐していて少し迷うが、無事バスの駐車場に到着。
バスに乗車し、先程観た「大聖堂」を望まれる展望台に 向かい、撮影タイムとなる。
ピアッツァ・アルメリーナの高台に建つ「大聖堂」を眺めていると中世の都市国家建設の中心には教会が存在していたことを再認識する。
撮影を終え、次のカンタジローネに向かう。
シチリア島の中部の丘陵地帯は、農業国としてのブドウ畑・オレンジ畑が続き、車窓の景色を観ていても飽きない。 面白い畑を見付けた。サボテン畑が続いているのだ。 先程の「カザーレの別荘」でも家の周りにサボテンが植わっているのを観たが、このように広い畑として植わっているのを見るのは初めてだ。 「チュニジア旅行」時に、同行の方からサボテンの実が食べられることを 教えてもらい、甘酸っぱい実を口の中を赤くして食べた思い出がある。後で、添乗員に尋ねるとやはり食用の栽培だと。広い畑だった。
青空の下、緑の広がる丘陵地帯を快調に進み、カルタジローネに到着する。
シチリア島中部の丘陵地帯
広いサボテン畑
農業国シチリア

カルタジローネは、標高約600mの山の上に建つ陶器の産地で有名な街で、先史時代から陶器造り行われ、ギリシャ時代にその生産が盛んになった街で、アラブ人による マジョルカ焼きの技術が導入され、イタリア各地に伝わったと。
高台の下の駐車場に到着すると丘の上に「大聖堂」が望まれるのは、先程のピアッツァ・アルメリーナと同じで、中世のイタリアの趣きが感じられる。丘の上の「スカーラ」と 呼ばれる階段まで、白い遊覧列車が走っていて、希望者は乗車しても良いとのことで、5-6名の方が乗車された。
142段のスカーラ
大聖堂
1606年、カルタジローネの町の上の部分(旧市街)と下の部分(新市街)を繋ぐ目的で造られました。
1844年に階段が整備され142段になり、 1954年に陶器のタイルで装飾されました。階段の踏み石の部分はエトナ山の溶岩で出来ていて、垂直部分には一段一段異なるデザインの陶器の タイルが張られています。タイルのデザインは10世紀から20世紀の幅広い時代に渡ります。
階段の頂上には、サンタ・マリア・デル・モンテ教会があります。中世にカルタジローネ城塞の石を再利用して建てられました。 17世紀に聖ジュリアーノ教会が大聖堂として改築される前は、この教会が大聖堂の役割を果たしていました。18世紀に改築され、 現在はバロック様式の教会になっています。(Sicilia Club HPより)

白い遊覧列車を見送って、古い石造りの街並みを感じながら上って行くと教会が建っている。後程、この鐘の音も聞き、今日は鐘の音と接する機会が 多いことに喜ぶ。
丘の上の大聖堂
白い遊覧列車
教会の鐘

石畳の坂を上り切ると正面に大きな階段(スカーラ)が現われ、ここで自由時間となる。
イルミネーションのあるスカーラ
スカーラの模様
上の旧市街と新市街を結ぶ142段の陶器に彩られた見事な階段に目を見張る。 クリスマス飾りがスカーラの中ほどに立っているのは少し目障りだったが、イルミネーションは美しいだろうと想像できる。
階段の踏み石には、14段毎に各時代を代表した陶器が埋め込まれているのだ。各段の模様も異なり、花や鳥や動物や幾何学模様等、何種類あるのかと思う位の 華やかさだ。
階段・スカーラを上って行くと横の建物には、陶芸の店が立ち並びウィンドーショッピグを楽しみながら、ゆっくりと上って行く。
途中から中央に花壇が設けられ、 シンプルな中に美しさを感じる。 陶芸店の壁面に、先程観た「シチリアの三脚巴」の陶芸が飾られている。シチリア島の三つの岬を示しているそうだが、このようなデザインを思い浮かぶ感性は 凄いと思うが、少し理解できない自分がいるのに気付いた次第だ。
同じデザインの大皿や太陽と月・王様と女王様の顔等、珍しい陶器が観られる。階段を上りながら楽しみがあるのは嬉しい。しかし、階段は長い。
シチリアの三脚巴の陶器 大皿
太陽と月
王様と女王様の顔

142段の階段を上り切ると「大聖堂」が建っている。間近で見上げるしか方法がないので、正面しか見られないが、その玄関に上る階段にも当時の要塞の 様子を示す陶芸画が埋め込まれている。さすが陶器の街だと。
下から見たスカーラ
花壇のスカーラ
スカーラの上から
スカーラの最上部から下を見下ろすとカルタジローネの街並みまで望める。
大聖堂 要塞の陶芸画













長く美しいスカーラの最上部まで上った満足感と見下ろした時の高さを感じ、時間が来たので下ることにする。
陶芸店をのぞくが、これと思うものがないので、階段を下りて、改めてスカーラを見上げる。全員集合し、白い遊覧列車に乗られる方と別れて駐車場に 戻る。
興味深かったスカーラと陶芸の街・カルタジローネを後にして、本日の宿泊地である東海岸のタオルミーナに向かう。
エトナ山
日の入り
ブドウ畑・オリーブ畑を眺めているとシチリア島のシンボルである「エトナ山」が望まれるようになった。
「エトナ山」は、ヨーロッパ最大の活火山で、3325mあり、 傾斜の様子が富士山に似ている世界遺産だ。山頂は雪に覆われているようだが、雲に隠れて見えないのは残念だ。
やがて、海岸線が見え、カターニアの街を抜けると真っ赤な夕日が照らしてくる。なかなかシャッターチャンスがない中、やっと1枚写すことができた。
バスの中で、添乗員からタオルミーナのホテルは、2泊するので、部屋割りを抽選にするか否かと問い掛けがあったが、全員、任せることに同意する。
18時、ヴィラ・エスペリア・ホテルに到着する。岸壁を背に、海岸に面したこじんまりした保養地・タオルミーナの洒落たホテルだ。階段を上りフロントでチェックインを待つ。ロビーの外には プールもあり、如何にもリゾートホテルの設備が整っている。
指定された部屋に入ると広い。ソファーも備わっており、海側に面していないが、満足できる部屋だ。我々が到着し、夕食に行く前に東京組が到着した。 同じホテルに泊まるのだ。
夕食は、18時40分からホテルのレストランとのことで、 フロントに集合し、道路の反対側のレストランに向かう。途中の売店で、食前酒としてアーモンド酒をいただくが甘い。 10人席で、岡山の女性6人グループと奈良のUさんご夫妻と座り、今日の感想等の話題で盛り上がるが、何か照明がおかしい。照明の色が、赤・青・黄・ 白等に順番に変化して行くので落ち着かない。昼光色に止めるよう依頼するが、上手く操作できないようで、ムード溢れる部屋での夕食が始まる。
Uさんと相談して、白ワインをボトルで頼み、乾杯。魚料理を味わうが、写真が色付きで、内容が分からない。これも思い出のひとつだと。
ヴィラ・エスペリア・ホテル
ホテルのプール
ムード溢れる夕食

満たされた気持ちで部屋に戻り、バスタブにお湯を張って、ゆっくりと浸かって体を癒す。連泊なので、荷物の整理もそこそこにぐっすりと眠る。


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