◎ 「タオミナール~アルベロベッロ」(2017.01.16.<月>) 旅行も中盤になり、その疲れと心地良い酔いでぐっすり眠り、5時前に目覚める。 6時モーニングコール、6時45分朝食、7時30分出発の予定で、荷造りを完了し、朝食に向かう。 昨朝は日の出を観るために、朝食を早々に食べ、飛び出したのだが、今朝は外に出ると薄暗い地中海には、昨日より厚い雲が出ているので、日の出は 望めないのではないかと昨日の決断に自己満足する。 今日は、シチリア島からイタリア本土に渡り、アルベロヘッロまでの約450km以上走る移動日だ。バスの中でゆっくり過ごそうとバスに乗込む。同宿の東京組は、我々より 遅く出発するようだが、アルベロベッロまで行くのだろう。 バスは海岸沿いの高速道路を一路メッシーナ港に向かう。メッシーナの街に下りると渋滞で船の乗船時間に間に合うか心配したが、滑り込みで9時45分発のフェリーに バスに乗ったままで乗船する。 フェリーに乗り、バスから降りて船室に向かう。広い船室を確認して、甲板に出てメッシーナ港や市街地を望む。潮風は気持ち良いが、少し寒い。 時々波を被るので、それを避けたりと船上の狭い空間を楽しむ。甲板には、地元のサイクリング(?)で来ている男性と写真を撮ったりと楽しんでいる。 日本人女性は大人気だ。空には、黒い雲があり、少し心配だ。 船の揺れも余り感じない気持ちの良い航海を楽しむ。 この海峡には、鉄道連絡船や水中翼船も運行しているそうだ。 昔の青函連絡船のような船が運行しているのは旅情を感じる。 やがて、イタリア本土のヴィラサンジョバンニ港に近付き、本土の姿を撮影し、イタリア語のアナウンスに従ってバスに戻る。 バスに乗っての乗降なので、船の全容を見ることができないのは残念だ。東京組はこのフェリーに乗れなかったようだ。 船底の駐車場所には、乗用車も多く、船を降りるまでには時間が掛った。 さあ、久し振りのイタリア本土のドライブが始まる。 港を出て、メッシーナ海峡を眺めていると対岸(シチリア島)に薄っすらと高い山が望める。あれは多分「エトナ山」だと思いながら、雲に隠れていない山頂を 眺める。 バスは、海岸沿いから高原地帯に上って行くと眼下に美しい海岸線とテイレニア海が望める。空が薄暗くなっているので、海の青さが映えないのは 残念だ。途中、ドライブインでトイレ休憩となり、1€払ってカプチーノを味わう。 山岳地帯の高速道路を進んでいると事故渋滞が発生した。止まったり、少し動いたりと30分余りロスタイムとなる。事故現場は分からなかったが、解除され 快調に進んで行くと深い霧が発生し、車窓からの景観は見えず、雨も降りだした。 霧と小雨の中を進み、小都市コゼンツァに到着し、レストランで昼食となる。 「大聖堂」の横の階段を上り、小さいがお洒落なレストランに落ち着く。ビールと白ワインを注文するが、妻が注文した白ワインがなみなみと注がれているので、ビールを 頼んだUさん共々、残念がった次第だ。スープと鶏料理を美味しくいただく。 美味しい昼食で温かくなり、バスは高原の広々とした草原の中を進むが、段々と天候が悪くなる。青空が見えると直ぐに雨が降り出す不順な天候だ。 車窓から眺めていると草原に虹が出ているではないか。はっきりと見えないが、薄っすらと虹が見えたので、慌ててシャッターを押すが、 薄っすらとしか写っていない。 しばらく、虹を追いかけるようにバスは進み、海岸線に降りて行く。海岸線は反対の窓だが、海から虹が出ている。しかも、二重の虹だ。画像では 見えにくいが、クリックして拡大すると右端に二重の虹が見えるのを確認する。 バスは虹の真ん中を進む。虹の端は見えるが頂上は見えないのは残念だが、イタリアで虹を見る幸運に恵まれた。 ガソリンスタンドでトイレ休憩をし、雨模様の高速道路を進むと激しい暴風雨となり、やがて、みぞれ混じりの豪雨となり、バスの周辺は真っ暗の嵐だ。 後で添乗員に聞くと、数日前は大雪に見舞われ、道路も一部閉鎖と なったそうだ。そこまでは行かないが、イタリアで初雪を見るとは思わなかった。 二重の虹や雪景色を見たドライブもいよいよアルベロベッロに到着する。 イタリア本土に渡ってから、約400km以上のドライブには、さすが疲れたのが実感だ。 小雨降る中、16時過ぎにアストリア・ホテルに到着する。 ホテルのロビーにスーツケースを置き、添乗員に配布してもらった「アルベロベッロ散策MAP」を手に、アルベロベッロ市街散策に出掛ける。 ガイドブックによれば、 15世紀頃から石灰岩で作られた円錐形の屋根に白い壁のトゥルッリが立ち並ぶ街。17世紀にここを 治めていたナポリ王に支払う住民税を何とか減らそうと画策。直ぐに壊せるモルタルを使わないトゥルッリ以外の住宅建設を禁止した。1996年に世界遺産に 登録された。とんがり屋根のかわいいトゥルッリは税金対策だったのだ。 添乗員と共に市街地を歩き、ジャンジローラモ広場に向かう。広場の周辺には、市役所や教会や高い塔が建っている。 薄暗い広場に、ライトアップされている 建物は小生のコンパクト・カメラでも写せるが、小雨と霧の影響で、照明のない場所はピンボケが多くなってしまう。 展望台の上から、下に広がるトゥルッリの街並みを眺めると、薄暗くではっきり分からないが、白いとんがり屋根が立ち並んでいるのは望める。 高台から、アルベロベッロの市街地を見下ろすと煙る光が幻想的で美しい。 数枚写真を写すが、全て残念な結果に、帰宅してがっかりする。 アルベロベッロのトゥルッリがある地域は二つあり、まず、民家400軒が立ち並ぶアイアピッコラ地区に向かう。 狭い石畳の道の両側にはとんがり屋根・白壁のトゥルッリが立ち並び、所々に立つ街灯に照らされて幻想的だ。迷路のような道を、添乗員に付いて進み、 小雨と霧に煙るおとぎの国のような街並みを楽しむ。 坂を下って、広い道を横切り、第二のトゥルッリがある地域・商店が多いモンティ地区に向かう。 細い石畳の坂道を上って行くと幻想的な街並みが続く。小雨と霧に煙ってなかなか上手く写せないのは残念だ。 夕食を食べるレストランの前を通り進むと チーズを売る店が、店頭で雨に濡れながら呼び込みをしている。 その先に目的の「陽子さんの店」があり、陽子さんが今空いているから見て行ってくださいと。ツァーのメンバーから離れて数人が入店する。なかなか 商売上手な陽子さんの接客で、試食をし、気に入ったチーズ等を買い求める。すると一品おまけが付くシステムは見事だ。店内の見学もでき、トゥルッリの内部の 構造も理解できる。屋上にもどうぞとのことで、階段を上り屋上に出ると雨は止んでいるが、霧が深くなり、目の前のとんがの屋根が間近に見えるが なかなか上手く写せない。残念。晴れた昼間なら、屋根に描かれた模様もはっきりするだろうと。 買物をして外に出ると雨が止んでいる。丘の上まで行って来たメンバーと出会い「陽子さんの店」の情報を伝えて、坂を上って行く。 トゥルッリが立ち並ぶ石畳の道は、静かで幻想的なおとぎ話のような小道だ。 なかなか上手く写せないのは残念だが、夜しか味わえない景観を楽しみながら 撮影する。ほとんどがダメだが!? 明日の朝の散歩に期待する次第だ。 とんがり屋根には、太陽・ハートマーク等々印象的な文様が描かれているのを確認する。これも明日の宿題だ。 丘の頂上には「聖アントニオ教会」が建ち、 中ではミサが行われている。静かな街並みに讃美歌が響き、心地良い気持ちになる。街並みを楽しみながら坂を下り、夕食のレストランに戻る。 小洒落たトゥルッリ造りのレストランに入り、幻想的な街並みを話題に、楽しい夕食となる。Uさんご夫妻と白ワインで乾杯し、サラダ・ショートパスタ・デザートを美味しく 味わう。「陽子さんの店」の話やとんがり屋根の文様・街並み等々、さすがアルベロベッロだと感心しながら会話が弾む。 天候も小雨から霧になり、夜のトッルッリの幻想的な街並みを堪能し、トゥルッリ造りのレストランで味わい、天井を見上げるとトゥルッリ造りのとんがり屋根からシャンデリアが 吊されている。レストランのセンスに拍手だ。 添乗員から、明日の朝、自由時間にしてこの辺りの散策時間を設けるとの提案があり、大歓迎だ。 道に迷わないよう目印を確認してアストリア・ホテルに戻る。 部屋割りを告げられ、スーツケースを持って部屋に向かう。広い部屋で、バスタブにお湯を張り、長距離ドライブの疲れを癒す。 今日は、シチリア島からアルベロベッロまでの長距離ドライブを景観の変化を楽しんだ。天候は急変して、虹を見たり、雪景色を眺めたりと。アルベロベッロでも、 小雨の中、霧の中でのトゥルック街並み散策と有意義な一日だった。 10日間の旅行も、観光は後2日間。さあ、明日も大いに楽しみたいものだ。
|