「青春18切符」「吉備路紀行」


○ 2005.04.07.(高槻→姫路→相生→岡山→総社→岡山→相生→明石→高槻)

春の「青春18きっぷ」を利用しての小旅行を検討した。東・北・南と適当に行ったので、今回は西へ 向かおうと考えた。スペイン旅行でご一緒したYさんご夫婦が総社市に住んでおられるので、ご都合 が良ければ「吉備路」散策をしようとメールで問い合わすと快くOKしていただき、日程調整し実行に 移した。
計画した時の天気予報は晴れだったが、前日になって夜間雨の予報となる。総社は昼から晴れるとの ことで、小雨降る中を出発する。

@、高槻(7:29)→姫路(8:46・9:10)→相生(9:28・9:29)→岡山(10:32・10:33)→総社(11:00)

岡山・倉敷までは「青春18きっぷ」で行ったが、「吉備路」は初めてで時刻表で調べると、岡山で 待ち時間があり、総社着は12時になる。「JRおでかけネット」でフォローすると11時着となっている。
Yさんにお聞きすると11時着の列車はあるとのことで、再度調べると岡山から総社に行く路線が 吉備線と伯備線があり、吉備線と思って見たのが間違いで伯備線で行くとOKと分かった。

姫路駅・駅そば

今回ダイヤ改正で姫路から岡山への列車が相生発となっている。今までの経験からこの列車は混むので 相生に少し早く着く列車を探すが適当なのがないので、姫路に早めに着くようにする。
高槻から大阪までは混んでいるが大阪から座ることが出来、雨が止んで曇り空の明石大橋を眺め 姫路に到着する。別の車両から年配のグループがたくさん降りて来られ、予想通り満員になりそうだ。
時間待ちの間に姫路駅名物の「駅そば」を食べる。ラーメンの麺にうどんの汁の組合わせの美味なものだ。

赤穂行の列車は座れたが満員だ。相生での岡山行乗り継ぎが1分なので、到着前に出口側に行きドアが 開くと飛び出し向かい側ホームの列車に飛び乗り座席を確保する。(慣れた強みか!)
列車はラッシュ時の 混雑でグループの方々も立っておられる。話の内容では「青春18きっぷ」を利用した大きなサークルで 備中高梁の松山城見学とのこと。
これだけ「青春18きっぷ」愛好シニアがいるのだから、JRも年中発売すればローカル路線の増収になるのでは ないかと思う。
1時間の山陽路を車窓から楽しむ。空も明るくなって来たので天気は大丈夫のようで桜も場所によっては 見頃になっている。

岡山での接続時間が1分間なので、ホームが違うと大変と思い「JRおでかけネット」で事前に調べると到着 ホームが8番線、出発が10番線。よく調べると岡山駅には9番ホームがなく、8と10番は同じホームなので 大丈夫だ。(4番ホームはあるが?)
岡山到着と同時に急いで乗り換えるが、伯備線は空いている。Yさんに予定通り到着することを 知らせる。伯備線は倉敷から北上し、総社は2つ目で意外に近いのに驚く。倉敷とも近くて便利な 「吉備路」の中心なのだ。定刻通り高槻から3時間半で到着する。

A、「吉備路」散策

宝福寺・三重塔 ..説明→



列車から降り、駅の外を見るとYさんの姿が見られ、気付かれて手を振って合図を交わす。10ケ月振りの 再会で、女性同士はハグハグのご挨拶。お互い元気で何よりだ。スペイン・ポルトガルでの10日間のお付き 合いだったが、この様な形でお会い出来、ハッピーだ。

散策ルートはお任せしていたので、車に乗せていただき出発する。のどかな自然豊かな整備された道を ドライブし、「宝福寺」へ。ガイドブックで少しは知っていたが、落着いた名刹だ。ここは「雪舟」が 幼少時代修行したお寺で、叱られて涙でねずみの絵を書いたことで知られている。

小高い山上に車を止め、散策をスタート。 重要文化財の「三重塔」は室町中期の建築で華やかさと重厚さが感じられる。山を下りながら雪舟が 縛られてねずみを描いた「方丈」の前には可愛い雪舟の像が建つ。
横の禅寺風の丸い窓の「仏殿」を拝観し、立派な「山門」を下ると桜が見頃の手前位で春の息吹を 感じる。桜と山門を楽しんでいる間にYさんが車を降ろしてくださる。


「宝福寺・方丈」 ..雪舟→ ..説明→

「宝福寺・仏殿」 ..説明→

「宝福寺・山門」 ..説明→


再び車に乗り、「鬼ノ城」に向かう。
鬼ノ城は,古代の正規の歴史書には登場しないが,後世の文献である鬼ノ城縁起などで 「異国の鬼神が吉備国にやって来た,彼は百済の王子で名を温羅(うら)という。彼はやがて 備中国の新山(にいやま)に居城を構え,しばしば西国から都へ送る物資を奪ったり,婦女子を 掠奪したので,人々は恐れおののいて「鬼ノ城」と呼び,都へ行ってその暴状を訴えた・・・」。 これが,地名にも由来しているそうだ。

後の席では女性二人のおしゃべりが続く中、車は山道を上って行く。新緑の直前で萌える木の芽が 美しく、所々に白い木蓮かコブシの花がアクセントになっている。
山の中腹にある駐車場に止め、ハイキングをスタートする。
鬼ノ城は,すり鉢を伏せたような形で,斜面は急だが頂部は平坦だ。この山の八合目から 九合目にかけて,城壁が2.8kmにわたって鉢巻状に巡っている。これを巡るハイキングコースを歩くのだ。 しばらく坂道を上ると見晴しが良くなり山の高さが感じられる。総社の町は山に囲まれた盆地の様な 地形になっている。 

見晴し台から「西門」の建設中の城壁が眺められ、曇った彼方には瀬戸内海も見られるとか。「西門」 に向かって進む。「角楼」を見て、城壁跡と思われる道を下界の景色を楽しみながら「西門跡」に 到達する。史跡の柱跡を忠実に再現している途中で、山城としては傑出した城門とのこと。

「鬼ノ城・西門展望」

「鬼ノ城・角楼」 ..説明→

「鬼ノ城・西門」 ..説明→


平坦な木立の道を景色を眺めながら進む。山の上に水門も設けられており、南門・東門を 通り、仏像が彫られた岩や頂上と思われる標識を過ぎ、見晴しの良い場所まで進む。 眼下にはゴルフ場のレイアウトがはっきりと見られる場所で昼食にする。
散策を満喫するためにお弁当を用意していただき、ビールで再会を祝して乾杯する。ご主人はよく飲ま れるが運転のためノンアルコールビールで申し訳ない。

お弁当が珍しい。「備前岡山ばらずし」で包みをあけると弁当折の両側から中が見られる。片方は 錦糸卵が敷き詰められ、反対側にはエビ・魚・筍・椎茸・・・とばら寿司として豪勢なものになって いる。(両側の写真を撮っておけば良かったが)
これはお殿様が庶民の食事を調べに来る時、裏の錦糸卵を見せて質素な暮らしを示し、視察が 終わると表のばら寿司を食べる・・・・と云う優れものだ。どう考えれば良いのだろうか!?
景色と会話を楽しみながら美味しいお弁当を堪能する。ご馳走様でした!!

「木立の道」

「仏像彫刻」 ..頂上説明→

「備前岡山ばらずし」


昼食を終え、山の反対側に進むと山々に白い木蓮・コブシの花が映える。普段、分からない木が この時期だけ自分の存在を誇示する姿は自然の素晴らしさか。
石垣跡等を見ながら元の見晴し台に戻る。このコースは山上を一周するコースなので元に戻ることが出来、 車での散策には適している手頃なコースだ。

車に乗り、2年前に出来た国民宿舎「サンロード吉備路」で一服し、コーヒーブレイク。きれいな建物で天然温泉 もあり、国民宿舎の利用では全国で2番目とか。
ここに車を置き、「備中国分寺」に向かう。「備中国分寺」には数年前の秋にドライブで来たことが あるが、春の「吉備路」は初めてだ。

「鬼ノ城からの展望」

「木蓮・コブシの花」

「石垣跡」


県道を進むと遥か向こうの丘陵に「五重塔」の姿が現れ、進むに連れて大きくなってくる。絵葉書で よく見る景色だが春霞みの中に実際に見ると心穏やかになる。桃の花越しに、菜の花畑越しに 「五重塔」を楽しみながら近付く。

「丘陵横の五重塔」

「桃と五重塔」

「桃林と五重塔」 ..説明→


「備中国分寺」は、聖武天皇が天平13年(741)に仏教の力を借りて天災や飢饉から人々そして国を守る こと (鎮護国家)を目的に建てられた官寺の一つで、その当時の境内は、東西160m、南北178mと 推定されるとか。

五重塔

又、「五重塔」は、弘化元年(1844)ごろに完成し、34.32mの高さがあり、 屋根の上層と下層が ほぼ同じ大きさの細長い造りで、塔内は内部中央に心柱が立ち、四周に四天柱を据え、その内側に 仏壇を作り、四如来像を安置しており、天井は格子状で天井板には55cm角大の欅の一枚板を使い、 彩色画が描かれ、堂内をいっそう荘厳にしているそうだ。

4月下旬は蓮華畑が美しく秋とは違った美しい景色になるとのことで、四季それぞれの趣のある 「吉備路」の象徴だ。「五重塔」を眺めながら周りの田圃道から境内に進む。今まで観光客とは 誰にも会わなかったが、さすがに人が多い。
近くで「五重塔」を仰ぎ見て、屋根が下のほうが小さい様に思われる。「客殿」「本堂」に参拝し、 「五重塔」の前で記念撮影をし、次に進む。
「山門」を出て振り返ると菜の花・桃の花越しに「五重塔」が望まれる風情豊かなスポットだ。田舎道を おしゃべりをしながら自然を楽しみながらユックリと散策する。蓮華の花が所々に咲き始め、月末の イベント時には満開になることだろう。

「サンロード吉備路」まで戻り、車で駅まで送っていただく。新しく出来た道路を通り、まだ新しい様な 総社駅でお別れする。久し振りの再会を「吉備路」の散策で楽しみ、充実した時間を過ごせたことに 感謝・感謝!!

「備中国分寺・客殿」

「備中国分寺・本堂」

「総社駅」


総社のお菓子やご主人の郷土の芋焼酎までお土産にいただき恐縮至極。次はぜひ京都にでも・・・と 再会を約束して列車に向かう。

B、総社(17:03)→岡山(17:43・18:03)→相生(19:06・19:11)→明石(19:53・20:53)→高槻(21:46)

伯備線は播州赤穂までの直通便があり、乗り換えれば高槻まで行けるが、その前に吉備線の列車が あるので路線を変えて岡山まで行く。ローカル路線の風景を楽しみながら・・・。岡山で伯備線からの列車に 乗れるが、待ち行列が長いので諦め、岡山発の山陽本線に乗車することとする。

売店でビールを購入し、薄暮れの山陽道をビールを飲みながら、景色を楽しみながら東上する。姫路行 だが、相生で乗り換える方が座れるので相生で降り、5分間の接続で乗車する。
夕食を姫路・明石・神戸と何処にするか検討した結果、明石で久し振りに玉子焼きを食べることとし、 明石駅前の明石焼屋兼お好み焼屋で乾杯。玉子焼きは今一だった。
明石から直通で高槻まで。歩いて22時過ぎに帰宅する。今日の歩行は25000歩だった。

「青春18きっぷ」を使っての「吉備路」散策はスペイン旅行で親しくなったYさんご夫妻の案内で楽しく 充実した時間を過ごすことが出来た。久し振りの会話で盛り上がり、春真っ只中の「吉備路」の自然と 親しんだ一日だった。Yさんご夫妻に感謝!!








    
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