「青春18切符」「しまなみ海道・サイクリング紀行」


○ 2005.08.08.(高槻→大阪→『ムーンライト松山』→今治→『しまなみ海道』→尾道→岡山→相生→高槻)

夏の「青春18きっぷ」を利用して、前から実行したいと思っていた今治から尾道までの「しまなみ 海道」をサイクリングで踏破しようと計画した。
以前「しまなみ海道」が開通する直前に道後温泉から一部フェリーを使ったバスツアーに参加したことがあった。
3年前「青春18きっぷ」で九州に行く途中、尾道散策をした時、「しまなみ海道」の終点が尾道と知り 驚いた。もっと広島よりと誤解していたのだ。その後サイトで「しまなみ海道」サイクリングの旅行記を読み、 ぜひ実施したいと思っていた企画だ。

日頃歩くことはしているが、自転車は畑に行く時に10分位乗っているだけで、80kmをサイクリングする ことは暑さの中で不安であったが、思い切って実行することにした。
サイトで色々と調査し、始めは途中で一泊する予定でいたが、一日で走破することも可能なようなので 夜行快速で今治に行くと10時間かかっても尾道から帰れることが分かり決断する。
サイトの旅行記にお尻が痛くなるとの表現があったので、100均で小さな座布団を探し、可愛い熊模様の ミニ座布団を買い持参する。

@、高槻(23:24)→大阪(23:39・0:15)→(ムーンライト松山)→今治(6:39・7:21)→波止浜(7:25)

夕食を済ませ、サッカーの韓国戦を応援する。若手も良く頑張っているので底辺が広くなっているが、 最後はベテラン中澤のゴールで勝利。
明日は郵政民営化の参議院採決があるが、TVを見られないのは残念と思いながら23時前に出発する。 高槻祭の賑わいが残る駅前は浴衣姿のカップルが多い。ガラガラの電車で大阪へ。「青春18きっぷ」は 大阪から使うので乗車券を買って行く。

「ムーンライト松山」は春・夏・冬の臨時列車で「ムーンライト高知」と併結して四国に向かう列車だ。ホームには 「青春18きっぷ」活用と見られる若者・シニアが集まり、列車到着とともに乗り込む。指定席で隣は 若者だ。ほぼ満席で出発。少しリクライニングは出来るが窮屈な座席で三宮を過ぎた頃には眠りに落ちる。
時々目覚めるが、姿勢を変えて悶々と。車内が寒くてタオルを腕にかけて防御する。瀬戸大橋を過ぎ、 多度津で長く停まり高知行と分離して進む。夜が明けてきた瀬戸内海を半分眠りながら進み、 6:39に今治到着。

駅の中に食堂が見当たらないので駅前のビジネスホテルでモーニングサービスの朝食をする。
サイクリング・センターは「しまなみ海道」の来島大橋の下にあるので、次の波止浜駅まで列車に乗り、歩くこと にする。無人駅から橋に向かって歩き始める。
途中、犬の散歩をされている年配の方と話す。 大きな今治造船所があり、この辺りは昔は塩田だったとのこと。タオル産業は近年厳しくなっていること。 市町村合併で今から訪れる島々が今治市になったが、議員数は増えていない等々。
遠くに見える来島大橋に向かって坂を上る。途中でサイクリング車に乗った方に会ったので、「サイクリング センター・サンライズ糸山」を尋ねるが自分の自転車なので分からないと。頭上に来島大橋へのサイクリング ループを見上げながら進むと「サンライズ糸山」に到着した。

ムーンライト松山

今治造船所

来島大橋・サイクリングループ



A、「しまなみ海道」サイクリング

●「しまなみ海道」の概要
「しまなみ海道」は、 1999年(平成11年)5月に開通した、愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ 約60kmの西瀬戸自動車道の愛称で、 日本のエーゲ海とも称えられる美しい瀬戸内海に浮かぶ島には、 個性的な10本の橋が架けられており、また各橋には、自転車歩行者専用道路(総延長は約80km)が 設置されているため、全線を通じていつでもウォーキングやサイクリングを楽しむことが出来ます。

しまなみ海道マップ...(道路公団)


レンタサイクルを借りる手続きをする。
車種は色々あるが、本格的なサイクリング車は慣れていないのとリュックを 置く所がないので、ママチャリの荷籠付き3段切り替えの自転車を選ぶ。1日のレンタル料(500円)、 保証料(1000円)を支払う。保証料は乗り捨て時には返却されないので、尾道まで行くので1500円だ。 各橋の通行料の金券(500円)も購入し、自転車とご対面。
係りの方からブレーキの調子のチェック、上り道は3段変則のスタートで上れるとのアドバイスがあり、気を付けて の声に送られて出発。(8:05)

来島大橋・三連吊り橋
(960m,1515m,1570m)


スタートの来島大橋のループを上って行く。アドバイス通りスタートの変則で少し力を入れる位で大きな弧を描く ように進む。第三来島大橋の下をループロードはくぐり、先程の今治造船所を上から見ながら海抜78mの 橋の上に到達する。尾道側から数えているので、この橋は第三来島大橋(1570m)で、真っ直ぐに尾道 方向に伸びている。三連の吊り橋は世界一だそうだ。
橋の上は微風が吹き、汗ばんだ身体に気持ち良く瀬戸内海の小島の群れを眺める。変則を2段にし、 橋の上を軽快に走る。自動車道の車の通行は少なく、尾道まで69kmの標識を見ながら、側道の サイクリングロードを潮風を浴びながら進む。
第三来島大橋は馬島に至り、すぐに大二来島大橋に入るが、ここに料金所がある。金券は50円が10枚 綴られているので、200円分支払う。(8;25)
暑くなって来たのでシャツを脱ぎTシャツ姿になり、座席に座布団を取り付ける。島の間の潮の流れは速く、 小さな渦巻きが見られる。干潮の時はもっと見事だろうと魅入る。 反対側を見ると今治の町が霞んで見える。
第二来島大橋(1515m)、第三来島大橋(960m)を渡り、大島の下りループロードを時々ブレーキを入れながら 気持ち良く走る。汗が引く感じだ。
大島から来島大橋を振り返ると見事で美しい橋だと改めて感心する。

第三来島大橋

高速道路とサイクリングロード

第三来島大橋からの展望


料金所

青空と来島大橋

大島から来島大橋を望む


「しまなみ海道」の高速道路は直進的に島々を縫って作られているが、サイクリングロードは橋の上だけ 高速道路と併走し、島の中は地道を進むことになる。
海から陸の中の国道317号を走るが、結構アップダウンがあり、暑さで疲れが増す。後から朝お会いした サイクリングの方に声をかけられる。島の名所を廻っていたそうで、お先にとスピードをあげて進んで行く。 ママチャリではとても追いつける速さではない。あっと云う間に差が開いた。

宮窪峠の上り口で一息入れる。地道の坂の方がサイクリングロードの上り坂より厳しい。自転車の写真を 写していなかったのでパチリ。今までお尻が痛くないのはこの座布団。写しておこう。(9:15)
峠を越えると宮窪港に出て、海沿いに進む。やはり海を見ての走行は気持ち良い。

地道のサイクリングロード

ママチャリのサイクリング車

サドルの座布団


伯方・大島大橋
(325m,840m)


2つ目の伯方・大島大橋に向かう。海岸のサイクリングロードから遠くの橋を眺め、海抜0mから橋の高さまで 上るパターンだ。ループ状に上るので橋の下をくぐり、本橋に到達する。途中で本格的なサイクリング車を押して 上っておられるシニアの方にお先にと声をかけて追い越す。料金所で50円の金券を箱に入れる。(9:35)

ここで一息入れていると先程のサイクリングの方が先に行かれる。
来島大橋に比べると短いが、大島大橋(840m)は見近島までの吊り橋で美しい。小島が点在していて 橋からの眺めも素晴らしい。見近島から伯方島への伯方大橋(325m)は桁橋で欄干の間から 向こうの島の造船所が見られる。
橋の上は風が吹き、気持ち良く、陽射しは厳しいがそよ風が暑さを持って行ってくれるようだ。

大島大橋の下から

伯方・大島大橋

造船所展望


伯方・大島大橋の下りループをスイスイと走る。上りの苦しさ、橋上の爽快感、下りのスピード感と一つの 橋を渡るのに3つの味わいがある。
伯方島の海岸線を進むと道の駅があるので休憩する。(9:55-10:15)

大三島橋...(328m)


かき氷を求めてテーブルに行くと峠で追い越された 方が氷を食べておられ話す。京都から同じ「ムーンライト松山」で自転車持参で来られ、今治から走られ 今日は生口島で泊り、明日は宮島まで行き戻るとのこと。
かき氷を食べると熱くなった身体に冷気がしみわたる感じだ。先程のシニアの方もかき氷を持って来られた。 松山の方で、高松から高知、四万十川を上り大三島まで行くと。もう1週間以上テント生活をしながら 四国半周していると。凄い。

海岸線を進むとすぐに大三島橋が見られ、パターン通り上り坂をゆっくりと進む。大三島橋(328m)は 鼻栗(はなくり)瀬戸をひとまたぎするアイボリーホワイトのアーチ橋でどっしりと落着いた橋だ。橋の上からは 狭い瀬戸の流れが分かり、島々の景色がきれいだ。料金所で50円を支払う。(10:30)
短い橋上を潮風を堪能しながら走る。すぐに下りループになりスピード感を味わいながら海に向かう。 下から眺める橋もなかなかのものだ。

がっちりした大三島橋

橋からの展望

大三島橋と鼻栗瀬戸


大三島に渡り、海岸沿いに進む。静かな海面を走っているとはるか彼方に多々羅大橋の美しい姿が 近付いてくる。

多々羅大橋...(1480m)


大三島には大山祇神社もあるが、全行程走破を目指すことを第一に考え、観光はパスする。
多々羅大橋の手前は道の駅や海水浴場・温泉等レジャー施設が広がっているが、見向きもせず上りループに 挑む。

多々羅大橋(1480m)は世界一の斜張橋で、優雅な姿は巨大なハープやはばたく鳥に形容され、広島県と 愛媛県をむすぶ、まさに夢の架け橋とか。
橋の上までのループは長い。途中海上自衛隊のヘリコプターが飾ってあったりするロードを上る。橋の下から 望む橋の姿も雄大だ。橋の上からは展望が開け、下のレジャー施設も小さく見える位だ。
斜張橋の橋桁は高く平行に立っているので「鳴き龍」現象が経験出来る。橋桁の所で手を打つと 拍手の音が上に上っていくように聞こえる。傍に拍子木が置いてあるので打つとカン・カン・カン・・・と。 料金所で100円を支払い一息つく。(11:20)
長い橋を潮風に吹かれながら快調に飛ばし、長いループロードをブレーキをかけながら下る。

優雅な多々羅大橋

橋の下から

ヘリコプターと海


多々羅大橋-1

多々羅大橋-2

多々羅大橋-3

鳴き龍の説明


広島県の生口島に入った。高速道路は島の西側を走るが、サイクリングロードは東側を遠回りして進む。
海沿いの道は街路樹も植わり、南欧の様な雰囲気の中を進む。左に海を眺め、グリーンに塗られた サンセットビーチのロードを快調に進む。夕陽がきれいなスポットらしい。歩いていると額から汗が出てくるが、 サイクリングでは顔が涼しいのか汗をかかない。
街中に入り、西の東照宮と云われる耕三寺に至る。中には入らず山門で参拝し、昼食場所を探すと 食堂があり、名物「タコ冷麺」とあるのでここで昼食にする。(11:55-12:40)
冷麺のチャーシューの代わりにこの辺りの名物であるタコの切り身が乗せてある。冷たくて歯ごたえがあり なかなか美味い。高校野球を見ながらゆっくりと休憩する。

海辺のサイクリングロード

サンセットビーチのロード

耕三寺



「しまなみ海道・サイクリング」の「紀行スライド−1」


昼食を食べ。次に進もうとするが「道しるべ」が的確でない。観光案内所を過ぎる交差点で右に進めと なっているが、海から離れ山に向かう。

生口橋...(790m)

少し進むが、次の標識が見つからないので観光案内所に戻り、 確認する。自転車道があるが、分かり難いのでまっすぐ海沿いに進んで下さいと。
何のための「道しるべ」なのか。まだ観光客本意になっていない対応に憮然とする。「熊野古道」でも 時々「道しるべ」の不備があるが、間違った表示はない。

大きい生口島の海岸道路を進む。陽射しがきつくなって来るが、風があるので快調だ。海と青空と 白い雲のコントラストが美しい。やがて、遠くに美しい斜張橋の生口橋の姿が見えてくるが、なかなか 近付かない。ループを上り料金所に到達する。 100円を支払い、やじろべえの原理でバランスをとりながら、ケーブルを張って造られる斜張橋を 代表する生口橋(790m)を前に一息入れる。(13:15)
交通量の少ない橋のサイクリングロードからは造船所の姿が両側の島に見られる。風が気持ち良く帽子を取り 頭全体を冷やす。下りのループを快調に因島に進む。

生口橋の橋上

生口橋から造船所を望む

展望


因島市に入った。長い下りループから生口橋を眺め、しばらく海岸線を走るがやがて山に向かう。 上り道は勾配がきつく、暑いので大変だ。みかんが青く稔っている。鹿児島でよく見たタバコの葉が 方々に栽培されている野中の道を進む。

因島大橋...(1270m)

再び海岸線に出る。やはり海沿いの方が気持ち良い。海水浴場の拡声器からの音楽が聞こえだし、 防波堤の向こう側でたくさん泳いでいるようだ。恐竜のモニュメントもあり、この辺りの大きな海水浴場 なのだ。
吊り橋の因島大橋(1270m)が山陰に見えて来た。因島大橋は布刈(めかり)瀬戸にかかり、向島と因島を つなぐ、端正な美しさを持つ橋で、上下二段構造になっており、上部は自動車専用道、下部は自転車 歩行者道が走っている。

海岸線からループロードまでの勾配がきつくて自転車に乗っておられず押して上る。ループから自転車に 乗りフーフーと云いながら上り、料金所に到着。(14:20)
最後の金券100円を支払い一息入れる。上に自動車が走るので見晴しは良くないが、頑丈そうな橋だ。 橋桁が展望を邪魔する中を走り、最後の島になる向島に向かう。

因島大橋に向かう

2階建ての因島大橋

向島から因島大橋


ここの下りループは長く一度反対側に下りて、再び橋の下を通り海岸線を進むことになる。防波堤の 海側の浜辺には家族連れの海水浴客が楽しんでいる。海岸線から街中に向かうと人家が多くなり、 やっと町に近付いたことが分かる。そろそろ暑さで体力も限界に近付いて来たようだ。
「しまなみ海道」は向島から尾道まで新尾道大橋で結ばれているが、サイクリングロードが設置されて いないので、渡船で尾道に向かわねばならない。船着場に到着した。(15:00)
丁度船が出た所で冷たいコーヒーの甘さで疲れを癒す。船が来て尾道に向かう。やっと到着だ!!(15;20)

海水浴場

向島の展望

向島から尾道への渡船


渡船の料金収集のおばさんに210円支払い、銭湯があるか聞くと無いと。下船して商店街の方に進むと 銭湯のたたずまいの店があり、銭湯をしているかと尋ねると駅裏にあるとのことで探して行く。 スーパーサニーの横に銭湯「大栄湯」があり、16時開場まで少しスーパーで涼む。開場と同時に入浴する。 風呂で足腰を伸ばしてマッサージをする。子供会の団体がたくさん入って来たので早々に出る。
外は暑く、身体は熱い。自転車を返しに行くが暑さと熱さで気分が悪い。銭湯に水風呂があれば・・・ と思う。自転車を返却して冷房のきいた待合室で、スポーツドリンクを飲みながら身体を冷やす。 尾道ラーメンを食べる予定だったが、とてもとても。ビールも飲む気にならないのはヒドイ。
予定より早い電車に乗ることにする。

B、尾道(17:09)→岡山(18:31・18:57)→相生(19:53・20:12)→高槻(21:46)

尾道駅

電車はガラガで冷房がよく効いている。「しまなみ海道」のサイクリングを思い返しているうちに疲れから ぐっすりと眠ってしまう。倉敷の手前で目覚めたら、気分も落着き身体の熱さもましになった。
岡山で次の列車を待つ間に缶ビールとおつまみを購入し、電車に乗ってから改めて完走を祝して乾杯!!

不安一杯だった「しまなみ海道・サイクリング」を完走出来た。それも「青春18きっぷ」を使っての 格安旅で達成した。
サイクリングロードが整備された橋・地道と瀬戸内海の海・瀬・島々の光景を堪能した。足は大丈夫だが、 座布団をしたがお尻が痛くて、座席でモゾモゾしている。80kmの距離をよく走った。ご苦労様!!
岡山から日が暮れた山陽路を眺めながら相生で乗り換え高槻へ。家には22時過ぎに到着した。

今回、「青春18きっぷ」を使っての旅だったので、格安に一日を楽しんだ。
交通費は高槻〜大阪切符(250円)、青春18きっぷ(2300円)、快速指定席料(510円)、レンタサイクル(500円)、 乗り捨て料(1000円)、 橋通行料(500円)、渡船料(210)と合計5270円で有意義な一日を過ごせたことになる。
次はどうしようか!?


「しまなみ海道・サイクリング」の「紀行スライド−2」









    
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