「青春18切符」「春の九州散策」


2006/ [4/5-6][4/7][4/8]


○ 2006.04.05-08.(大阪→小倉→彦山→日田→熊本→出水→高槻)

5年間単身赴任で過ごした鹿児島県出水市の職場の仲間から桜を見に来ては・・・・とのお誘いに乗り、 訪れることにして色々と計画した。
「大峯奥駈け道」へのトライが近付き、調査している過程で「修験道」の三大聖地として、大峯山・羽黒山 と英彦山(ひこさん)であることを知った。出水に行くついでに、福岡県と大分県の境にある 「英彦山(ひこさん)神宮」を訪れ、初めての「九州新幹線」に乗り、元の職場の仲間と懇親を深める ことにした。

@、4/5-6...大阪(22:08)→小倉(6:01・7:05)→彦山(8:43・13:54)→日田(14:34・15:52)→久留米(16:56・17:04)→熊本(18:45)

近郊周遊で「青春18きっぷ」の一日分を有効活用して、臨時の夜行快速「ムーンライト九州」で出発する。 大阪駅のホームはそれらしき若者・シニアが列車を待っている。「ムーンライト九州」は乗車率60%位で隣の席は 空きでリクライニングを倒し眠る準備をする。若者70%、シニア30%位の比率だろう。シニアの利用者が段々多く なっているのは嬉しい。
神戸は知っているが、姫路は知らず眠っているとドヤドヤと乗車してきた。岡山だ。ここでトラブル発生。 2つ前の席の男性に乗車してきた若い女性2人組が自分の席だ・・・ともめている。号車・席番号も 間違っていないようで、ダブルブッキング・・・かと思っていると、女性の日付が前日のようだ。
岡山発の時刻が0時25分なので日付を間違えたようだ。これは気を付けなくてはならないポイントだ。 空席があるので車掌に話すべく別の車両に移って行ったが、しばらく眠れず・・・・・。

ウトウトしながら、横になったり体を伸ばしたりしながら山陽路を西に進む。夜明けが近付き、薄明かりの 時間に下関に着き、機関車の交換のため10数分停車する。ホームで弁当を買う人も居たが、屈伸運動をして 再乗車。関門トンネルは約3分で通過して九州に上陸だ。

門司を過ぎ、小倉に到着する。(6:01)

祇園太鼓のモニュメント

ここから日田彦山線に乗換えのため下車し、朝食を食べようと外に出て探すがまだ開店していない。 小倉へは20年以上前に出張で着たことがるが、駅舎も駅前も見違えるほど変わっている。駅前の歩道橋 には「祇園太鼓」のモニュメントが可愛く飾られている。
店が開いていないので、構内の立ち食いうどん屋に行くがこれも開いていない。各ホームをのぞいて いると一軒の店がもうすぐ開店するとのことで少し待ち、うどんの朝食にありつく。
日田彦山線があることも認識していなかったが、小倉発の1番電車は2両連結のワンマンカーで、4人掛のシートの 乗客は少ない。
この辺りの桜も満開で車窓からノンビリと眺める。小倉から九州の山の中に南下して行く。途中の駅も 余り知らない名前で、少し退屈しながら、ウトウトもする。途中、通学の学生の乗降があったが、ローカル路線 そのものだ。やがて、彦山駅に到着する。(8:43)
彦山駅のホームから出て行く列車と満開の桜の光景はローカル駅の風情一杯だ。

彦山駅の列車と満開の桜


列車からリュックを担いだ年配の方と父子が降りて、駅前のバス停で時間を確認すると20分程待たねば ならない。駅前の案内板を見て時間を潰していると車で待ち合わせをしておられた方が仲間が来られ 出発する時、どちらまで・・・と聞かれたので、「英彦山神宮」の「銅の鳥居」までと話すとその 方向に行くから乗っては・・・と親切に云っていただく。年配の登山者も同乗し、約10分位県道を 上って行く。
この親切な方はバードウォッチングと草木の勉強のため英彦山山麓を散策するそうだ。年配の方は大阪から 来られ英彦山に登るとか。「銅の鳥居」に着き、お礼を云って降ろしていただく。年配の方はもう少し 上まで行かれるので別れする。(9:15)
「英彦山神宮」のスタート地点「銅の鳥居」は6.9mの青銅製の大鳥居で寛永14年(1637)に佐賀藩の鍋島公から 寄贈されたとか。横には「下宮(しもみや)」の素朴な建屋が佇み、「修験道」の雰囲気が感じられる。

彦山駅 ..案内板→

銅の鳥居

下宮 ..説明→


「銅の鳥居」を越えると真っ直ぐな「石畳」が頂上に向かって上っている。勾配はきつくないが、 真っ直ぐに続く石畳と石段にこれは大変だと思う。快調に一段づつ上って行くと両側には山伏が宿坊とした 3800と云われる建屋の跡が残され、その中の一つである「財蔵坊」が保存されている。
ひたすら石段を上ると額に汗が滲んでくる。この辺りの桜はまだチラホラか蕾の状態で満開になれば両側の 桜並木は見事だろう想像する。
神宮下の鳥居に到着する。茶店があり店番のお婆さんと話をし、地図をいただく。頂上へは真っ直ぐ 上るのも良いが、鬼杉経由で上る方が道が分かり易いと。お茶を飲んで休憩する。(9:30)

真っ直ぐな石畳

財蔵坊 ..説明→

神宮下の鳥居


大鳥居をくぐって上って行く。すぐに「宝篋印塔」が静かに立ち、まだまだ続く「石段」を慌てずに 上って行く。「石段」には赤い灯篭が夜道でも案内してくれるようだ。時々、うぐいすの上手くなった 鳴き声に癒されながら、息を弾ませて上る。
宿坊跡は両側に「○○宿坊跡」の立看板で表示されている。しかし、人気がなく少し寂しい感じがする。 昔は繁栄したのであろうが・・・・。
「石段」を上り切ると「英彦山神宮」の境内に到着する。汗を拭い落ち着いた「奉幣殿」に参拝する。 「奉幣殿」は天平12年(470)の建立といわれて、現在のものは江戸時代初め、当時の小倉の城主、 細川忠興公の寄進によって再建されたものとか。天平時代からの信仰の場なのだ。
朱印帳に記帳していただき、しばし静寂な空間に身をゆだねる。(9:40)

宝篋印塔 ..説明→

長〜い石段

英彦山神宮・奉幣殿 ..説明→


一息入れて出発しようとしていると先程車に乗せていただいた方が上って来られた。草木のベテランの 女性と英彦山の植物の勉強のため、山麓を散策するそうだ。頂上へは真っ直ぐ登るのが良いようだが、 茶店のお婆さんのアドバイスで鬼杉を見てから上りたい・・・と話すと、途中まで一緒に行きましょうと 同行していただくことになる。
頂上への道から右に折れ、山道に入る。昨日は雨が激しかったそうで道がぬかるんでいる。植物の 名前や野鳥の鳴き声で鳥の種類を教えてもらいながらユックリとしたペースで進む。
緩やかな坂道を上って行くと見晴らしの良い場所に出て、先程参拝した「英彦山神宮・奉幣殿」を 望むことが出来る。至る所にに渓流が気持ちの良い水音を立てて流れている。雨量が多かったことが よく分かる。
弘法大師が見つけたコンコンと湧き出る泉があり、手ですくって水を飲む。美味い。気持ちの良い 「熊野古道」に似た小道を草木・鳥の鳴き声の説明を聞きながら進む。

英彦山神宮・奉幣殿を望む

静かな山道

せせらぎ


少しきつい上り道や緩やかな山道を進む。鎖のある急坂を下りたりと進み、同行の方達とお別れする 地点に到着し、頂上への道と「鬼杉」への下り道を教えてもらいお別れする。感謝・感謝!!
崖崩れの道を迂回して「鬼杉」に向かう。途中、崖の下に「大南神社」の素朴な祠が祀られ、急な坂を 下って行くと大きな杉が現れる。「鬼杉」は高さ38m、胸高周囲12.4m、推定年齢1200年で県内最大最古 のものとか。 見上げる大杉の下で一息入れる。(11:20)

鎖のある急坂

大南神社 ..説明→

鬼杉 ..説明→


「鬼杉」まで来るのに思ったより時間がかかった。これから頂上へもう一度上って行き、下っていると 本数が少ないバスや列車の時刻に間に合わないと困るので、ここから林道伝いに県道に出ることにする。

満開の桜と菜の花

英彦山に登れなかったのは残念だが、地元の方と山歩きを通じて草木・鳥の勉強が出来たことに感謝 しよう。
林道を下って行くと旅館の前に出て、丁度12:13発のバスが来た。乗客は1人で彦山駅まで行くが、列車 は13:54までない。昼食のため駅前の食堂に入るとなかなかのものだ。やまめ定食はやまめの塩焼きと 鯉こくが付いている。時間があるので、鯉のあらいも追加して約1時間ゆっくりと乾杯して食事とする。
食事を終え駅に行き無人のホームからノンビリと彦山駅の周辺の風情を楽しむ。線路に降りて線路脇に咲い ている菜の花と満開の桜をパチリ。

日田行の列車はガラ空きで福岡県から大分県へと進み、夜明駅で久大本線に接続する。予定していた 列車より1本早かったので(頂上まで行っていると予定の列車は難しい)日田まで行くことにする。日田 駅の観光案内所で立ち寄り湯の場所を聞くと旅館の温泉とのことで、お薦め温泉を聞き静かな街中を 進む。
鹿児島在住の時、一度日田の豆田町の町並みを楽しんだことを思い出しながら。時間がないので豆田町 には行けないが、その時立ち寄れなかった温泉に入ろうと。
教えられた「みくまホテル」の温泉は500円で屋上展望露天風呂があり、ノンビリと昨夜からの疲れを癒す。 露天風呂からは下を流れる三隅川が望まれ、川岸には満開の桜が望まれる。
駅への帰り道、川畔から前回散策した中の島公園の飛び石を見て駅に急ぐ。

日田駅

三隅川の満開の桜

中の島公園


日田から久留米に向かう久大本線は三隅川沿いに進むが、疲れと風呂上りの気持ち良さでぐっすりと 眠ってしまう。久留米に到着して慌てて下車し、鹿児島本線のホームに急ぐ。少しの待ち時間で八代行の 列車が到着し、空いている長椅子タイプの座席に座り、再びウトウト。
久留米から熊本までは結構時間がかかる。段々と薄暗くなり、曇って来た。熊本に着いた時はもう暗く、 駅の近くのホテルにチェックインし、前回の九州紀行時に見た「熊本城」の夜桜見物に出かける。
駅前から少なくなった市電に乗り熊本城へ。お城に向かっている間にポツポツと雨が降り出した。 「加藤清正像」とライトアップされた熊本城を写すがピンボケ模様。城内には花見客が慌てて宴会を中止 している。桜は満開を少し過ぎ、散り始めか。薄暗いライトの中で夜桜を写すが小生の腕では・・・・。
雨が激しくなって来たので帰ることにし、市電で駅前に戻る。

熊本城堀の桜

城壁の桜

加藤清正像と天守閣


前回にも立ち寄った駅前の居酒屋で馬刺しとざるとうふのお薦め品と芋焼酎で今日の健闘を祝す。 熊本・長野に行った時は馬刺しは欠かせない。前回は熊本名産の米焼酎を飲んだが、芋焼酎が一杯 並んでいたのに驚く。
ホテルに帰ってユックリと足腰を伸ばして休む。やはり夜行列車は疲れる。

2006/ [4/5-6][4/7][4/8]


A、4/7...熊本(9:37)→八代(10:10・10:15)→出水(11:58)

朝雨は止んでいたが、霧で煙っている。ユックリと過ごし、朝食後近くの河原を散策し駅に向かう。 九州新幹線が開通して八代から出水までの路線が第三セクターの「肥薩おれんじ鉄道」となった。このため この区間はJRでなくなり「青春18きっぷ」は使えなくなった。鹿児島本線は全線で「青春18きっぷ」を 使えないのは残念だ。熊本〜八代は720円(八代〜出水は1660円)で1日分の切符(2300円)を使うのは もったいないので、「青春18きっぷ」を使わずJRの切符を買う。
八代行に乗車し、南下する。八代から「肥薩おれんじ鉄道」の1両ワンマンカーに乗り換える。この路線の人は JRから見捨てられた寂しさがあるのでは・・・・と感じる。不知火湾沿岸を進むこの路線は風光明媚で 好きな路線だ。海を見ながら出水に。

出水駅は新幹線の駅と併設されびっくりする位立派になっている。昔の駅舎が何処かと探さねばならない 程で、駅前広場も広い広い。駅の周辺を見て廻る。
ブラブラと街中を散策しながら5年間勤めた会社へ。新幹線工事事務所も撤去され、前の空き地は広々と している。保安室で昔の仲間と挨拶し、応接で皆さんとご対面。
挨拶・現況説明・工場見学と懐かしい面々と挨拶・歓談する。皆さん元気で明るいのは昔のままだ。

新出水駅

出水駅旧駅舎

会社遠景


定時が過ぎたので、お別れの挨拶をして車で市内を廻って、変わった所を案内してもらう。マクドナルドや 回転寿司・スーパー等々新しい店が出来賑やかになっている。畑には蓮華草が咲き誇っており、南の国の 春の風情が一杯だ。市町村合併で近隣の町と合併し選挙も近いそうで落ち着かないようだ。 駅前のホテルにチェックインする。きれいなホテルが出来たのだ。
18時30分開始で、いつもお世話になっていた「魚松」で新任監督者も交えての懇親会。ママさんも一緒に テニスをした娘さんも元気で頑張っている。18名で豪勢なお料理と芋焼酎で盛り上がる。
二次会もお世話になったスナックに行き、大いに盛り上がり楽しい懇親会を過ごす。感謝・感謝!!

2006/ [4/5-6][4/7][4/8]


B、4/8...出水(8:03)→新八代(8:24・8:47)→熊本(9:21・9:33) →大牟田(10:24・10:38)→小倉(12:58・13:27) →下関(13:49・14:01)→新山口(15:10・15:11) →糸崎(19:04・19:05)→福山(19:33・19:34) →岡山(20:23・20:25)→姫路(21:48・21:57) →高槻(23:16)

楽しい懇親会の余韻で、ぐっすり眠り心地よい寝覚めだ。朝食前に駅周辺を散策する。道路も広くなり 昔は何だったのか思い出せない。朝食を食べチェックアウトし、新幹線が出来、駅の正面が反対側になって いるので見に行く。昔は何もなかった所がロータリーに変貌しているのに驚く。
さあ、今日は一路大阪目指して帰るのみ。乗り継ぎ時間も短く、あわただしいが今日中に帰宅しよう。 九州新幹線は初めて乗車する。出水から新八代までは20分位でスピードが分かる。
ホームで待つ人も多く、結構利用者が多い。白い車体の新幹線に乗る。車窓から会社の姿を確認して 座席に向かう。座席の後ろは竹模様で和風の趣を持つ車内は落ち着いている。座って窓から外を見ようと するが、トンネルの連続で景観を楽しむことが出来ない。あっと云う間に新八代に到着する。 新八代では「リレーつばめ」が同じホームに待ち、博多への利便性を図っている。

新出水駅・正面

九州新幹線

九州新幹線の車内


在来線のホームに移動し、これから高槻まで約800km・15時間の旅のスタートだ。まずは熊本へ。少し待って 大牟田行に乗り換えウトウトしながら進む。大牟田からは準快速で適当に通過しながら、久留米・鳥栖・ 博多を通り小倉に進む。この路線の上りは初めてで駅名も知らない所が多い。車窓からの桜は満開で 退屈しのぎが出来、本を読んだり居眠りをしたりして進む。

小倉駅で下関行に乗り換えるが、約30分の余裕がある。これからの道中、接続時間が良すぎて弁当を 買う時間がないので、鶏弁当とお飲み物を買っておく。
門司を過ぎ関門トンネルを抜けると下関だ。(13:49)
出水を出発して6時間が過ぎたのだ。下関の駅で待ち時間に弁当を食べる。風が強くて少し寒い位だ。
新山口行の列車に乗り、山口県を東に進む。新山口の名前は聞き慣れなかったが、昔の小郡と知り 納得する。新山口からの糸崎行は4時間も乗車する。
4人掛のシートを独占し、ノンビリと進むと向こうに座っておられた老紳士が話し掛けて来られた。40年 振りの同窓会で京都に行くと云う70才半ばの方で、山口自慢・戦争のこと・同窓生のこと等色々と 話され退屈しのぎとなる。列車は途中からシティーライナーと快速になり、宮島を眺め、広島を過ぎる。
別の老人が話し掛けて来られる。ご夫婦で別府温泉に行った帰りで、今朝の露天風呂は強風で桜が散り 花びら一杯で気持良かったと。糸崎ではもう日も暮れている。(19:04)

糸崎から福山行で尾道を通る。昨年の夏「しまなみ海道・サイクリング」でアップアップしなから到着した 地点だと懐かしい駅前を見る。福山から快速サンライナーに乗り換えて岡山へ向かう。時々席を立って 屈伸運動を行う。トイレはあるが、食べ物の販売もないのでお茶でしのぐ。岡山から姫路の列車はいつも 満員なので、乗り換えは急がねばならない。岡山に到着。(20:23)
急いで別のホームに急ぐがすでに満員で立っている。売店で飲み物を買って連結付近で立ったままビールで 一息入れる。約1.5時間で姫路なのだが、途中で座ることが出来た。

姫路の接続時間は10分程度あるので、開いていれば名物の「駅そば」を食べようと思い、到着ホームから 店をチェックすると開店している。しかし、3月末から姫路駅のホームが高架になり、ホームの移動の階段が長い。 「駅そば」近くの座席を確保し、すぐに注文し美味しく食べる。22時前なのでお腹が減っているのは 当然だ。次回からは2食分の弁当を購入しなければ・・・・。
乗り慣れた姫路からの新快速で神戸・大阪を通り無事高槻に到着したのは23時16分。出水から10回の 乗り換えと15時間の旅を終えることが出来た。
「青春18きっぷ」を本当に有効に活用したことに満足して、風呂に入り休む。







    
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