「青春18切符」...「敦賀・小浜散策」





○ 2007.09.01.(高槻→京都→敦賀→小浜→東舞鶴 →綾部→園部→京都→高槻)

今年の夏の「青春18きっぷ」は富山・高山方面の一泊周遊旅行でスタートした。
猛暑が続く日本列島、家に居ても暑さでフーフー云っているので、例年通り、納涼気分で冷房の効いた 列車で涼を取ろうと妻と共に行き先を検討する。南や西には時々行っているので、JRの敦賀直通便 が出来たので、北の小浜散策を実施することとする。

8月後半を狙っていたが、実行しようとする日が雨の予報だったりと延び延びになったが、秋雨前線の 影響で少し涼しくなった9月初日に実施した。


○、9/1...高槻(8:05)→敦賀(9:50・10:44)→小浜(11:46・15:26)→東舞鶴(16:12・16:40)→綾部 (17:08・17:10)→園部(17:59・18:01)→京都(19:04・19:14)→高槻(19:26).===> 321.2km・5460円

平日に行く予定が、雨のため天気が回復した土曜日に実施する。敦賀直行便は平日もあるが、土日は 「湖西線ライナー」と名付けられている。
平日でも混雑度合いが心配されたが、土曜日ではより心配していた。早く出て、大阪以西の尼崎辺り から乗らねば・・・とも。ケセラセラの心境で高槻から乗ることにする。

10分前にホームに並ぶ。混雑を予想して、1両目の入口を別れて席を確保しようとしたが、電車は通勤並の 混雑で、乗るのも大変な状態だ。運良く、補助席に座っていた方が高槻で降り、その後に誰も座らない ので座ることが出来た。妻は別の入口から入ったが、混雑で姿も見えない。

大混雑の敦賀駅

敦賀駅

携帯メールで社内移動は出来ない京都で降りて、こちらの入口に来るようにと。京都でもまだ乗客が増え、 ラッシュ以上の混雑だ。妻を座らせ、満員の揺れに身を任していると、次の山科駅で補助席の隣の方が降り ラッキーなことに二人共座ることが出来た。

入口横の補助席は外も見ることが出来ず、静かに満員の人達を観察するしかない。シニアグループ、若者達と 年令幅は広く、土曜日の敦賀直行便は大盛況だ。半数以上は「青春18きっぷ」利用者だろう。
近江今津で後ろの4両が切り離され、益々混雑する。景色を楽しむこともなく2時間弱の列車の旅は 敦賀に到着する。
北陸本線の金沢方面行との接続は前回の富山に行った時と同じ3分程度なので、乗換えの人達はダッシュ。 満員なのでホームは走ることも出来ない位だ。

小浜線との接続は40分程の余裕があるので、混雑を避けて歩き、改札を出る。駅前の観光案内所でMAPを 確保して、何処に行こうかと。丁度お祭りだが、行列等は午後からとのことで、駅前の商店街を散策する。
街に出ると風が涼しくて気持ち良い。さすが、日本海側だと納得して歩き始める。
MAPを見ると敦賀港開港100周年記念事業として、「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」のキャラクターのモニュメントが 設置されていることを知り、それらを追って歩くことにする。

「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」についてはタイトルを知っている程度で、キャラクターの名前は知らない。
商店街・シンボルロードのアーケードの所々にモニュメントが立っている。「銀河鉄道999」は15体、「宇宙戦艦ヤマト」は 12体設置されているそうだ。
昨年歩いた境港の「鬼太郎」、先日歩いた氷見の「忍者ハットリくん」と町が漫画のキャラクターを活用して 「町おこし」に力を注ぎ、観光資源としている努力には頭が下がる。
余り時間がないので、駅に近いエリアのモニュメントを見物して戻る。

「宇宙戦艦ヤマト」佐渡酒造

「銀河鉄道999」星野鉄郎

「銀河鉄道999」星野鉄郎とメーテル


画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

駅前に行くと珍しい車が停まっている。人力車ではなく人力自転車だ。観光用に作られているのであろうが、 このような車は初めて見た。

観光用人力自転車

東舞鶴行列車 ..案内板→

少し時間があり、お腹が空いて来たので、待合室にある「気比そば」屋で「かけそば」と「冷やしおろしそば」 を食べる。なかなか美味しい。

小浜線の始発駅敦賀のホームに出発15分前に行くが、2両編成のワンマンカーは早くも満員だ。どうにか別々に座る ことが出来たが、もう少し遅ければ座れなかった。
ここも「18キッパー」が多いようで、この季節は早めに席の確保が必要なことを再確認する。

10時44分、東舞鶴行は出発する。田園風景を眺めていると早くも稲刈りが行われている。黄金色の稲穂が 美しく輝き、日本海側はもう秋の気配が感じられる。
小浜線は初めて乗る路線で、もっと海岸沿いを走っているのかと思っていたが、海が見えない内陸部を通って いる。
三方五湖の近くを走って小浜に向かう。

「出発〜敦賀散策」の「紀行スライド」


少しウトウトしながら小浜に向かい、11時46分に到着する。自動的に開くのではなく、ボタンを押して扉を開ける 寒冷地仕様の列車に慣れていないので、扉の前で開くのを待っている都会人だ。
ハイキング姿のシニアグループも下車し、半数以上の乗客が降りた。

早速、駅前の観光案内所でいつもの様にMAPを手に入れる。港の方向に進み、フィッシャーマンズワーフで昼食にしようと 歩き始める。海からの風は気持ち良い。秋の風だ。
しかし、日差しはきつく、影を探して涼しい風を受けながら潮の香りに誘われて進む。日本海側の小都市は 駅前に商店街が連なっている。シャッターを降ろしている所もあるが、大型スーパーもないのか健闘している姿勢は 素晴らしい。


しばらく進むとアーケードのある商店街があるので立ち寄る。ここが「鯖街道」のスタート地点で、路面にそれを示す 「鯖街道起点・レリーフ」が埋め込まれている。
横には「鯖街道資料館」がどっしりと趣のある姿で構えている。中に入って展示物を見学し、色々な資料を 集めておく。

「鯖街道」は福井県小浜市から京都市左京区の出町柳までの道で、現在の国道27号(小浜市〜若狭町)、国道367号(若狭町〜京都市)の ルートであると云われている。
しかし、当時使われていた「鯖街道」は現在の国道367号ではなく、「針畑峠」を経由する山道であり、広義では、若狭地方から京都へ海産物 を運んだ街道全てを「鯖街道」と呼ぶ。
若狭湾で取れた鯖に塩をまぶし、夜も寝ないで京都まで運ぶと、ちょうど良い味になっていたと言われ、京の一般庶民にまで喜ばれ、 その到着を待ち望まれたために、これを運ぶ道にさえ、いつしか「鯖街道」の名が付けられた。運ぶ人達は「京は遠ても十八里」と歌いながら 寝ずに歩き通したと。
これらの「鯖街道」のルーツは、奈良、飛鳥時代に若狭の国が「御食国」と呼ばれ、朝廷に税として塩や塩漬けした魚介類を納めていた頃に遡る そうだ。


小浜駅に降りた時に「御食国・若狭おばま」と大きな看板が立てられていた。「御食国」は「みけつくに」と読むそうで、歴史のある言葉だと 初めて知った。
「鯖街道資料館」で「鯖街道」の地図を入手しよく見ると、有名な「熊川宿」を通る「若狭街道」ではなく、「針畑峠」を通る「小浜街道」と 云われる最短コースで「花背峠」を越えて鞍馬に至っている。
いつの日かこの地図に沿って一泊二日で歩いて見たいものだ。「熊野古道」の一部の厳しい道に比べれは大丈夫だろうと思いながら。
商店街は閉まっている店が多く、少し寂しい感じだが、「焼き鯖」を売る店や「干物魚」を吊るしている店が「鯖街道」のスタート地点を象徴している。

いずみ町商店街

鯖街道資料館 ..地図→

焼き鯖


海岸に向かう。潮風が気持ち良いが、日差しはきつくて影を選んで歩く。
少し波が立っている小浜港からの潮風を浴びながら、「フィシャーマンズワーフ」に向かう。港には「イカ釣り船」が大きなライトを積んで停泊している。 現役時代、釣り仲間と2-3度、ここからイカ釣りに行ったことを思い出す。夕方到着し、朝まで釣って、そのまま帰る強行軍だった。
「フィシャーマンズワーフ」は観光バスも停まっているので人は結構多い。魚介類を売っているが、先日の氷見の方が品数豊富だ。生で食べるものは なかったので、見物して港の先端に向かう。

海に面して、「濱の四季」と呼ばれる温泉と「「御食国若狭おばま食文化館」がある。妻が見学している間に3Fの「濱の湯」で温泉で汗を 流す。日本海を眺めながらの露天風呂は海草温泉と薬草温泉があり、青い海を望みながら緑の海草温泉に浸かる。
湯上りに郷土の食材やその歴史を示した人形が飾られている食文化館を見学を楽しむ。

向かいの食堂で昼食にする。本場に来たので焼き鯖の付いている「濱ふるさと膳」と地取の穴子を調理した 限定15食の「濱のあなご丼」を注文し、ビールで乾杯する。焼き鯖は脂も乗っており、山菜も付いていて大変美味しい。
「濱のあなご丼」の穴子は大きくてどんぶりからはみ出す位で、柔らかくてgood。
小浜の海の幸を堪能し、機嫌良く帰路につく。港には小浜港の外洋にある花崗岩が波によって浸食された「蘇洞門」巡りの観光船が出航する 所だ。乗客もたくさん乗っており、さすが土曜日だ。

御食国若狭おばま食文化館の人形

濱ふるさと膳 ..濱のあなご丼→

蘇洞門巡りの観光船


観光MAPに古い街並みの写真が掲載されているので、列車の時間が少し気懸りだが訪れることにする。妻は駅で待つことにし、 一人で歩き出す。
「町並保存資料館」を目指して商店街から離れた横丁に進む。古い家が立ち並び、日本海の小都市独特の静かなたたずまいだ。 「資料館」には誰もいなかったので、MAPを手に入れて外に出る。古い街並みが美しい「三丁町」までは距離がありそうなので、 時間の関係で諦めて駅に戻る。
途中に立派な「八幡神社」が建っているので、鳥居をくぐり、本殿に参拝する。9月にはこの神社を中心に小浜の秋祭り 「放生祭(ほうぜまつり)」が行われるそうだ。300年続く古式豊かな祭りで、山車・神輿・神楽・大太鼓・獅子が巡行 する若狭で一番の祭りだと。
若狭名物の「塗り箸」や「めのう」を作る店が古い街並みの一角を占めている。地元特産品の店が元気で頑張っている のを見るのとホッとする。

町並保存資料館

八幡神社・鳥居 ..本殿→

めのう加工店


人影の少ない商店街を通って駅に戻る。駅前のポストの上に人魚の銅像が飾られている。人魚はこの小浜に伝わる「八百比丘尼 (はっぴゃくびくに)」伝説のシンボルとして有名だそうだ。

ポストの人魚の銅像 ..説明→

車窓からの日本海

列車を待っている間に、近江今津行のJRバスが来た。なるほど、バスだと敦賀廻りをショートカットし近江今津に直接行けるのだ。 「鯖街道」を歩く時、有効な交通手段だとヒントをもらった。

15時26分発の東舞鶴行は2両編成のワンマンカーで海側のボックス席に座る。
日本海の穏やかな海を眺めたり、黄金色や刈入れの 終わったの田圃を楽しみながら進む。
穏やかな車窓からの風景だ。


東舞鶴駅

福知山行列車

約50分で東舞鶴に到着し、30分の乗り継ぎ時間があるので駅の構外に出る。舞鶴には一度来たことがあり、引き上げ船を 迎えた丘に行ったこともある。
時間的に駅前しか探索出来ないが、少し寂れた感じのする駅前だった。

福知山行の列車に乗り、綾部で山陰本線に乗り換えて京都に向かう予定だ。
ガラ空きの列車で綾部に進む。乗り換え時間は短く、福知山方面から来る列車はほぼ満席で、別々の席に座って京都へ。
段々と暮れて行く風景を眺め、ウトウトとしながら保津川に沿って下って行く。昨年は「餘部鉄橋」に行った帰りに乗った 路線だ。
京都に到着し、そのまま東海道本線で高槻に戻り、デパ地下で夕食を仕入れて無事帰宅する。

「小浜散策〜帰宅」の「紀行スライド」


今回は敦賀・小浜の散策をメインに日本海側の小都市を訪れた。
東海道本線(京都)→湖西線・北陸本線(敦賀)→小浜線(小浜・東舞鶴)→舞鶴線(綾部)→山陰本線(京都)→東海道本線(高槻)と 一周した避暑を兼ねた小旅行だった。
大阪は連日30℃以上の猛暑日が続いているので、冷房の効いた列車での旅は有効だ。さあ、来年は何処へ・・・・!!






    
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