「青春18切符」...「鳥取・智頭散策」





○ 2007.09.05.(高槻→大阪→福知山→豊岡→浜坂 →鳥取→智頭→東津山→作用→姫路→高槻)

「青春18きっぷ」の使用期間も短くなり、残りの1枚を有効に使おうと検討した。
今年の夏は日本海側の小都市を訪れ、期待以上の感動を与えてもらった。近畿地方で未踏破の路線を 巡って、日本海側や山間部の小都市を訪れようと時刻表・サイトで調査して計画を練った。

昨年「餘部鉄橋」に行ったが、福知山線は「青春18きっぷ」では未乗車で、山陰本線も餘部以降は未踏破だ。 これを踏破して、 鳥取から内陸部に入る因美線で津山に行き、姫新線で姫路に向かい、帰宅するルートは日帰り可能なので、 このルートを踏破しようと。
まだ前回の「敦賀・小浜散策」の旅行記がアップしていないが、他の予定との兼ね合いで天気も回復した 9/5に実施する。


○、9/5...高槻(5:26)→大阪(5:50・5:55)→福知山(8:18・8:20)→豊岡(9:24・9:52)→浜坂(11:05・12:00) →鳥取(12:46・14:09)→智頭(14:51・16:29)→東津山(17:33・17:35)→作用(18:33・18:39)→ 姫路(20:00・20:57)→高槻(22:17).===> 540.8km・8190円

始発ではないが2番電車を狙って4時40分に出発する。早朝の空気は気持ち良いが、少し蒸し暑さを感じさせる。 平日なので通勤に使う人が少し居られるが、ガラガラの列車で大阪に向かう。夜明けを電車の中で見ながら、 大阪駅に到着し福知山線のホームに急ぐ。
高槻から京都経由で福知山に行く方が早いが、敢えて「青春18きっぷ」未踏破の福知山線で行くのだ。
福知山線に乗るのは久し振りだ。尼崎の大事故があって以来乗ったことがない。ボックス席を独占して 事故現場で黙祷する。社会人時代の知り合いや知人の息子さんが亡くなられたことを思いながら。

福知山行列車

刈り入れの終わった田圃

大阪のベットタウンを眺めながら宝塚を過ぎると山が間近に迫って来る。小学生・中学生時代はこの辺りに よくハイキングや武庫川での飯ごう炊さんに来たことを思い出す。
昔の福知山線は武庫川沿いをウネウネと走っていたが、電化に伴いトンネルを貫通させてスピードアップした。
当時の生瀬〜武田尾間の廃線跡はハイキングコースになっていて、トンネルの中を通ると真っ暗で煤煙の臭いが 残っている楽しいコースだ。
「でかんしょ節」で有名な篠山辺りから稲穂が黄金色に輝き、場所によっては稲刈りが終わっている。 秋真只中の丹波路を進み、8時18分に福知山に到着する。

京都経由でも同じ列車になる8時20分発の豊岡行に乗り換える。この列車もガラガラでノンビリとくつろぐ。 分水嶺を過ぎて円山川は日本海側に向かって流れる。川沿いには現役時代の製造拠点であった会社が 堂々と建っているのを頼もしく眺めながら車窓からの光景を楽しむ。
城崎温泉駅でたくさんの方が降りたり乗ったりと賑やかだ。駅前の足湯や湯巡りを楽しむのだなぁと 降りる方を見送る。

餘部鉄橋を渡る列車(昨年撮影)



列車は日本海を眺められる所を進む。昨年夏に「餘部鉄橋」を見学に訪れた。
....(その時の旅行記・・・・「餘部鉄橋散策」

「餘部鉄橋」に近付いたので、最前列の運転手横に行くが、立入禁止で前方の窓には行けない。遠くから 鉄橋を写し、横の窓から鉄橋からの日本海や鉄橋下の建物を写す。
鉄橋の建て替え工事が始まっているらしいが、列車からは何も見えない。前回は餘部駅に降りて、鉄橋や 通過列車の写真を写した。橋の上からの景色だけでなく、鉄橋の全景を眺める方が素晴らしい。
餘部駅でカメラを持った方がたくさん下車され、ビュースポットから撮影されるのであろう。

日本海の眺め

列車から餘部鉄橋を

鉄橋の上から民家を


画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

「餘部鉄橋」を越えて、「青春18きっぷ」では初めての山陰本線を進む。
11時05分、浜坂駅に到着する。鳥取行の列車まで50分程度の時間がある。次の鳥取では1.5時間か2.5時間の 接続時間があり、鳥取の散策にするか、その後の智頭の散策にするか思案していた。
鳥取は砂丘まで行く時間はないので、鳥取城址の見学位しか出来ない。昔、一度訪れた記憶があるが、 印象には残っていない。それならば、温泉に行こうとも考えていた。

浜坂駅

干物を干す土産物屋

いずれにしても、鳥取での時間がないので、浜坂で早めの昼食を食べようと寂れた駅前の小さな商店街を歩く。 やはり、浜坂なので「生もの」が良いと探すが、鮨屋がある位で適当な食堂は見つからない。
止むを得ず、駅前の観光案内所的な店で駅弁を買い求め、駅のベンチで食事をする。
駅前の土産物屋には干物が吊るされ、竹輪が売られていたので、買おうと声をかけるが誰も出て来ない。
机の上に竹輪の代金らしき小銭が置かれているので、お金を置いて品物を持って行ったのであろう。
大声で呼ぶが反応はなく、小銭もないので諦める。しかし、おおらかな町だ

駅弁を食べ、12時00分発の列車で鳥取に向かう。
田園風景を眺めながら、鳥取での計画を考える。サイトで立寄り湯の概略の場所を確認していたが、鳥取城址までの 時間を確認して、どちらにするか検討することにする。
12時46分に鳥取駅に到着し、構内の観光案内所でMAPを入手し、鳥取城址までの時間を確認すると、歩いては 30分程度と。温泉は5-6分とのことなので、温泉に行くこととする。智頭はサイト検索でも温泉はないので、少し早いが 旅先での温泉を楽しむ喜びを味わうことにする。

鳥取駅に来たのは30年以上前なので、立派な駅ビルに驚く。
MAPに記されている「日の丸温泉」に向かう。ビルの陰を辿りながら広い道路から細い道に進んで5分位で到着する。 鳥取市内のど真ん中に温泉が湧いているのには驚く。素朴な「日の丸温泉」は350円で、湯船が一つあるだけだ。 ユックリと汗を流す。時間が早いので1人入っているだけで、足腰を伸ばして。
汗を引かせて、駅に戻る。飲み屋街や駅前の商店街を通り、昼間の鳥取の繁華街を探訪する。駅前の商店街は 美しく所々に木製の動物をモチーフしたベンチが置かれている。頑張っている感じだ。

鳥取駅

日の丸温泉

商店街のイス



「出発〜鳥取散策」の「紀行スライド」


鳥取から山陽路に出るルートの一番ポピュラーな路線は上郡に出る「智頭急行」で、鳥取〜大阪の特急も走っている。しかし、 「智頭急行」は第3セクターなので「青春18きっぷ」を使えない。

智頭行ワンマンカー

中国山地への光景

JRで進むには、 鳥取から因美線で津山に行き、津山線で岡山に進むルートがあるが、24時までに高槻に戻るのが難しい。代替案として 因美線の東津山で乗換え姫新線で姫路に進むと余裕を持って帰ることが出来る。

鳥取での滞在時間を短くして、14時09分発の智頭行に乗車する。ボックス席のガラガラのワンマン列車は日本海から中国山地に 向って進んで行く。
まだ緑の田圃と遠くの山々を望みながら初めての路線を楽しむ。温泉に入り、リラックスした体に睡魔が襲い、ぐっすりと 眠る。
目覚めると川沿いに列車は進んでいる。千代川に沿って走り、智頭駅に14時51分に到着する。


JR智頭駅の横に「智頭急行」の智頭駅が併設されている。列車を降りた方の大半はそちらに乗換えに向かっている。 数名が下車し、観光案内所を探すが、構内にはなく駅前の広場に古風な建物が建ち、それが観光案内所だ。 しかし、水曜日が休みの様で扉が閉まっており、MAPを手に入れることが出来ない。前にある案内板の地図を頭に入れ 古い街並みの方向に進む。
小さな川を渡ると道しるべがあり、家々には飾り物が吊るされ、杉玉が飾られる趣のある街並みが続く。なかなか雰囲気が良い。

智頭駅

観光案内所 ..案内板→

軒下の杉玉


千代川を渡ると街道を示す道しるべが立ち、古い街並みへのコースを案内してくれる。落ち着いた静かな街並みを進む。
智頭宿は奈良時代以前から畿内と因幡地方を結ぶ主要な道である「因幡街道」の主な宿場だ。江戸時代には、十鳥藩の参勤交代の道として 重視され、旅人や商人も利用した。鳥取県最大の宿場町として栄えた智頭宿には、藩政時代の街並みが残っており石谷家住宅、消防屯所 などは国登録有形文化財に指定されている。
「石谷家住宅」の標識に導かれて進むと立派な旧家が現れる。「塩屋出店」で石谷家の分家だそうだ。現在では茶店にもなっている そうだが、今日はお休みのようだ。
店の前の「因幡街道(智頭往来)」の真っ直ぐな道が電柱もなく続いている。街並み保存への意識が嬉しい街道だ。


道しるべ

塩屋出店 ..説明→

因幡街道(智頭往来)


しばらく進むと古い石の「道しるべ」が立つ。○西・みぎつやまびぜん.春ぐ飛めじ大阪、○南・み起ひめじ大坂.飛だり鳥とり、 ○東・みぎ鳥とり.ひだりつやまびぜん、と記されている。この辺りは街道の要所なのだ。
「道しるべ」の前の角には、「米原邸」の立派な屋敷の建つ。宿場町が盛況だった証だろう。緩やかな坂道になっている街道を 進むと「石谷家住宅」の立派な門構えが迎えてくれる。
邸内の見学も出切るだが、今日はお休みで門の間からのぞく。歴史を感じる佇まいだ。

道しるべ ..説明→

米原邸 ..案内図→

石谷家住宅 ..説明→


智頭の休館日まで調べていなかったので、観光案内所始め主要な施設の見学が出来なかったのは残念だった。 内部に入らなくても、街道沿いの街並みを眺め、歩くだけでも落ち着いた雰囲気を味わえる町だ。
少し進むと「興雲寺」の立派な山門を眺め、小学校で運動会の練習をする元気な子供の声を聞きながら散策する。
軒下の杉玉や「ふくろう」の飾りも特産品の杉を活用した民芸品の様で、「杉玉道場」看板の架かった店屋もある。 マンホールの蓋にも杉の模様があり、山間部の宿場町は杉の名産地と良く分かる。

列車の時間が近付いたので、もう一度街道を戻るように進む。地酒を造る酒屋の立派な建物があり、路地を 通って駅に戻る。
これからの列車の乗り継ぎはタイトで、食事をする間がないので、生協で寿司弁当とビールを買って列車に 持ち込む。
1.5時間と短い時間であったが、山陰の山の中の宿場町の風情から、歴史と風土の特徴を知り、散策を楽しめたのは ラッキーだった。

興雲寺 ..説明→

杉玉道場

マンホールの蓋


16時29分発の津山行はガラガラのワンマンカーで、ボックス席を独り占めして、早めの夕食とする。
山間部の田園地帯を南下して行くが、山に進むと云う感じはなく、緩い勾配を上って行く感じだ。

ミラー越しの津山行 ..車内→

中国山地に向かって

途中の駅で時間待ちの間にホームに降りて、ワンマンカー用のミラーに映る列車をパチリ。なかなか上手く写せたと自画自賛 する。
途中から通学の学生がたくさん乗り込んで来た。本数の少ないJRも通学には欠かせない手段なのだろう。
車窓からのどかな中国山地の光景を眺めながら、静かな時間を過ごす。初秋の日本・・・だ。

時刻表で調べている時、この列車は津山行なので津山からの接続を検討した。津山から姫路への接続は悪く、 岡山に進むと帰宅が難しい。
サイトの時刻表でルートを検索すると、津山の一つ手前の東津山で姫路行の列車と接続されているのだ。

17時33分に東津山に到着して、直ぐに作用行の列車に乗る。
津山からの列車で、通学の学生で一杯だ。入口にたむろしているので、かき分けて奥に進むとボックス席が空いて いたので座ることが出来た。

東津山駅

姫路行列車

暮れて行く車窓を眺めていると作用に到着する。
「智頭急行」は智頭から作用へ直線的に進むルートで、津山への迂回を避けたので、関西から鳥取へのメインルートと なっているのだ。
18時39分、作用で姫路行に乗換える。もう暗くなっているので、車窓も楽しむことが出来ず、ウトウトと惰眠を貪る。 姫路からの通勤とは逆コースになるので、ボックス席に足を伸ばして・・・・

20時00分に姫路に到着する。さて、このまま帰るか否か・・・。
少しお腹も空いているので、姫路赴任時代によく立ち寄った「焼き鳥屋」に行き、手羽先の唐揚で今日のミニ周遊旅行 完了前の乾杯をする。この店は相変わらず盛況で、満員でお客を断っている。
20時57分発の新快速で無事22時30分頃、帰宅出来た。

「智頭散策〜帰宅」の「紀行スライド」


「青春18きっぷ」最後の1枚は大阪近辺の未踏破路線の周遊にした。初めは路線踏破だけを意識していたが、前回の 経験から何処か素敵な小都市はないかと。
智頭の町は知らなかったが、因幡街道の中枢都市として落ち着いた雰囲気を残す素敵な街並みだった。何時かもう一度 訪れたいと思わせる趣がある。

今年の夏の「青春18きっぷ」は終わった。さあ、冬にはどうしようか・・・・!?






    
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