「青春18切符」...「八ケ岳高原線・身延線を訪ねる旅」




○ 2011.08.04 (佐久平→美里→野辺山→小淵沢→甲府→身延→富士→静岡 →浜松→豊橋→大垣→米原→高槻)

「青春18きっぷ」を用いての旅は「中山道」「伊勢本街道」の紀行時に使ったが、本来の「青春18きっぷ」の旅は昨年冬以来、1年半ぶりだ。 今回は「中山道」紀行で長野県・佐久平まで来た帰路に使うことにした次第だ。
佐久平からどのルートで帰るか検討する。
@昨年登頂した富士山の裾野を通る身延線で富士に出て、東海道線で帰る。
A一度は乗ってみたい飯田線経由で豊橋に出て、東海道線で帰るルートで調査する。
調査した結果、飯田線で帰宅することも可能だが、途中下車して次の列車まで楽しむ余裕がなく、乗りっぱなしなるので、次の機会に廻し、 身延線経由で戻ることにする。

リゾートイン佐久平

佐久平駅

佐久平から小淵沢までの八が岳高原線(小海線)は通らねばならないので、かって、バスツァーで八が岳に行った時、見物した「JR最高地点」の 碑を見れれば良いと考え計画する。
前日まで、「中山道・下諏訪宿」から最大難所と云われる「和田峠」を越し、「和田宿」付近で宿泊し、四つの宿場を通過して「塩名田宿」 まで、2日間で46km歩いたので、疲れは残っている。 「中山道見聞録No17」参照
佐久平の温泉付きビジネスホテル「リゾートイン佐久平」で泊まり、朝風呂に入り、7時からの朝食時間では遅いので、前のファミリーレストランの朝定食を食べて きれいになった佐久平駅に行くと、小諸行の列車が到着したので、行って引き返そうと飛び乗る。

○、佐久平(6:48)→美里(6:57・7:00)→野辺山(8:41)→JR最高地点探訪→野辺山(9:54)→小淵沢(10:27・10:34)
→甲府(11:20・11:33)→身延(13:01)→身延散策→身延(14:10)→富士(15:23・15:27)→静岡(16:01・16:03)
→浜松(17:15・17:23)→豊橋(17:57・18:17)→大垣(19:44・20:01)→米原(20:38・20:55)→高槻(22:02).
===> 588.5km・9350円

ガラガラの列車は小諸に向かって出発する。早速、佐久平発小淵沢行の予定の列車に乗換える列車と接続する駅を時刻表で調べると 2つ先の美里駅だと分かる。しばらく、「青春18きっぷ」旅行をしていなかったので、ミスをしたことに気付く。
始発の小諸行に乗れば、小諸まで行き、予定の列車に乗れるので、八ケ岳高原線(小海線)を全線踏破できたのだ。残念と思いながら 車窓から緑の田圃の先の雲に隠れる浅間山を眺める。
小さな美里駅で下車し、小淵沢行の列車を待っていると、通学客が集まり、列車に乗ると学生がたくさん乗っている。長椅子・ボックス席 混合の車両のボックス席に座り、佐久平駅を過ぎて進む。

雲に隠れる浅間山

美里駅

車内風景


画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

車窓から高原の風景を楽しむ。浅間山の姿は相変わらず見ることが出来ない。

野辺山駅の標識

小海線の名前の由来とも思える小海駅を過ぎ、遠くに八が岳連峰が見えて来る。小海線より八が岳高原線の方が分かり易いことが、 光景を見ていても分かる。

野辺山駅の線路

野辺山駅


野辺山駅が近付いたので、運転席の横で眺める。駅には「JR線最高駅野辺山・標高1345m」の碑が立ち、改めてこの駅が一番高い駅なのだと 再認識する。もっと高い所にもあるように思っていたが。

改札口で「JR最高地点」まで歩くのに、どれ位の距離があるかと問うと2.4kmあると。往復だと4.8km、次の列車まで約1時間なので、 ギリギリ間に合うだろうと急ぎ足で、その方向に向かう。
外気は24℃と気持ち良く、少し雲がかかっている八が岳を望みながら、静かな道を速足で進む。空気は冷たいが、陽射しはきつくて陰を 通って歩いていると、前からトラクターのような車が何台もやって来る。何だろうと眺め、見送るが分からない。その中の1台が、後ろの幌を 開けていた。良く見るとキャベツの箱が高く積まれて運ばれているのだ。高原キャベツの運搬車だと分かる。
八が岳高原線の線路に突き当たり、線路に沿って進む。キャベツ畑が広がり、その先には八が岳の雄姿が望まれる気持ちの良い道だ。 キャベツ畑と白菜畑が混在しているようで、収穫した白菜が畑に置かれ、先程見たトラクターに箱に入れて積まれている。畑の中までトラクターが 入って来られるので、効率的なのだ。
収穫された畑や苗が植えられた畑が点在し、作物が順番に収穫される智恵が集まっている。家庭菜園も上手く時期をずらすことを考えねば と思っているが、実行できていないのが現実だ。

高原キャベツの運搬車

八が岳の雄姿

白菜畑


線路沿いの真っ直ぐな道を進むが、目的の「JR最高地点」の碑は見られず、時計とにらめっこで行くべきか、戻るべきかと考えながら 進むと線路が右に曲がり、その横にそれらしきものが見られたので、足を速める。

JR鉄道最高地点

やっと「JR鉄道最高地点・標高1375m」の大きな碑に到達した。

JR鉄道最高地点・標高1375m

コスモス


横の喫茶店で何か飲みたい気分だが、時間がないので、碑にタッチして急いで戻る。
気温は段々と高くなり、汗が流れ落ちる。ふと道横を眺めると可憐なコスモスの花が風に揺れている。さすが、八が岳高原は秋が来ているのだ と思いながら、まだ少し雲に隠れた八が岳を背に受けて駅に戻る。
やっと野辺山駅に戻ると駅前には町のマスコットなのであろう牛の像が迎えてくれ、野菜の無人販売所もある。100円で大きな白菜も売られていて 車であれば、買って帰りたい野菜がたくさんある。さすが、高原の駅だ。
急ぎ足で歩いた結果、次の列車に間に合い、まだ座席のあるボックス席に座る。車窓からは、先程より八が岳がはっきりと見え出した。
次の清里駅からたくさんの人が乗って来られ、2組のご夫婦の 女性が小生と同じ席に座った。「八が岳高原列車1日券」があるようで、この切符でこの路線を楽しまれると。「青春18きっぷ」の話を するとご存じなく、この方が安いし、次にも使えると。まだまだ「青春18きっぷ」の認知度は低いようだ。
小淵沢でご夫婦とお別れし、すぐ中央本線に乗換え、甲府に向かう。甲府で途中下車することも考えたが、以前に歩いたこともあるし、 時間的な制約から身延駅で途中下車することにしていたので、駅で「さんとろ蕎麦」を食べる。名前の由来はナメコ・トロロ・オクラのとろとろが 満載された蕎麦を食べる。

マスコットの牛

車窓からの八が岳

さんとろ蕎麦


甲府駅から初めて身延線に乗る。ガラガの車内で、ボックス席を独占し、緑豊かな甲府盆地の景観を眺める。周りは山々に囲まれ、盆地そのものだ。 のんびりと眺めていると、やがて山合いに入り、盆地を抜けて行く様子が分かる。 途中に温泉もあったが、途中下車は止め、日蓮宗総本山の身延駅まで行き、その門前町を眺めようと。
13時過ぎに身延駅に到着し、約1時間後の列車まで駅周辺を歩こうと考えていた。しかし、駅前は全く門前町の面影はなく、整然と整備 されたきれいな空間で、電柱もなく街並みが立体的に連なっている。もっとごちゃごちゃした雰囲気を期待していたのだが。
駅前のお饅頭屋さんで「身延饅頭」を土産に買い、暑いので駅に戻り、ホームのベンチで涼風を味わいながら列車を待つ。

緑豊かな甲府盆地

身延駅

身延の街並み


いよいよ身延線の最終行程の列車に乗る。後は富士まで行き、東海道本線を乗り継いで帰るのみだ。
昨年8月末に「富士登山」を実施して以来の富士山だ。昨年は自分の足で 登った富士山を麓から眺めたいとこのルートを選んだ次第だ。
ボックス席でご夫婦と同席する。「青春18きっぷ」で旅しておられるのだが、その目的に驚く。「鉄チャン」にも色々種類があるが、その方の 目的は駅の「待避線」を巡っておられるそうだ。それに関する本もあるようで、珍しい駅の待避線を様子を見て来られたのだそうだ。
これから大阪まで乗り継いで帰るのだと話すと驚いておられ、身延線は何度も乗っておられるようで、富士山の見所を教えていただく。 身延線は富士山の西側を通るので、左側に見えると思っていたが、右手に見える所もあり、その度に座席を移動して眺めるのだと。
富士山が見える前に、富士川の雄大な流れをゆっくりと楽しみ、富士山の見える所に来るが、雲で全く見えない。やはり、この季節は 無理なのだと諦める。

富士川の雄大な流れ

富士川

雲に隠れた富士山


富士川に沿って列車は下って行く。富士宮駅近くから富士山の裾野が見え出したが、中腹から上は雲で何も見えない。残念だが仕方がない。 やがて富士駅に到着し、ご夫婦とお別れして、東海道本線を一路西に向かう。
まずは静岡行の列車に乗るが、長椅子タイプで満席。しばらく立っていてやっと座ることが出来るが、長椅子タイプの長距離電車は面白くない。 JR東海の車両は少し怠慢な気がする。静岡から浜松行に接続されており、ウトウトしながら進む。
浜松着17時15分で、8分間の待ち時間に、夕食の買い出しに走る。駅構内にビールと「さんま寿司」を売っていたので買い求め、ボツクス席に座り ガラガラの車内で乾杯し、「熊野古道・伊勢路」を歩いた時、よく食べた「さんま寿司」の夕食を取る。
豊橋からは2人席のシートでぐっすりと眠り、大垣・米原で乗換えて、22時30分頃帰宅する。

富士宮からの富士山

静岡行列車

さんま寿司



「八ケ岳高原線・身延線を訪ねる旅」の「紀行スライド」

今回は「中山道」紀行の帰路を初めての身延線に乗り、富士山を眺めようと企画した旅だった。早朝から長い時間だったが、 八が岳高原線、身延線と新鮮な気持ちで車窓を楽しむことが出来た。{JR最高地点」にも徒歩で到達出来、高原の息吹を感じることが出来、 充実した久し振りの「青春18きっぷ」の旅だった。







    
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