○ 「吉野道 No6」見聞録 

1.飛鳥〜芋峠麓
 2006.03.18 10:30〜17:00 曇り後雨

昨年秋の「小辺路」踏破で「吉野道・大峯奥駈け道」を除く「紀伊路・中辺路・大辺路・ 伊勢路」と「熊野古道」の全ての道を紀行することが出来た。
その後、冬眠生活に入り「吉野道」の歩行は春になってから・・・・と考えていた。

2月始めに「中つ道」歩行をご一緒した風人さんから「飛鳥川遡行ウォーキング(奥飛鳥探検男淵 まで)」の案内があり、前回歩いた飛鳥寺付近から吉野との境になる芋峠の麓までを歩くとのことで 参加させていただくことにした。
このイベントは風人さんの飛鳥好き仲間のオフ会も兼ねておりたくさんの方の参加があるそうだ。

橿原神宮東口

橿原神宮駅10時35分集合に合わせ、余裕を持って8時前に家を出発する。曇り空で天気予報では15時 から小雨が降るとのことで雨具も用意する。大阪で乗換え天王寺まで行く。
一昨年春「東高野街道」を歩いた時以来の近鉄に乗車し、懐かしい古市を経由して橿原神宮へ。 橿原神宮駅は広くて構内に食堂・本屋もあり、観光案内所でガイドマップをgetする。
集合時間より早く到着したので、駅周辺を散策する。大きなホテルも建つ落着いた街だ。駅前に戻ると 風人さんが居られ一年振りにご挨拶する。
三々五々参加者が集まる。「中つ道」を一緒に歩いたももさん、懇親会をした新中華レストラン「花林」の yosioさん、初めてお会いする笑いネコさん、河内太古さん、伏見さん、氷見さんに紹介していただき ご挨拶。
前回立ち寄った飛鳥寺前の「飛鳥庵」のおばあさんとばったり出会い、皆さん奇遇に大喜びだ。 8人が集まり、循環バスで飛鳥バス停まで進む。
飛鳥のバス停と飛鳥寺は近いようなので、昨年歩いた「中つ道」と接続したと考えることにする。 これで今日歩くと京都五条大橋から宇治・奈良・飛鳥を経由して吉野の入口まで進むことになる。

飛鳥の古い道しるべと観光案内の道しるべを見ながら、飛鳥川に沿って上流に進む。飛鳥川の川幅は この辺りではまだ広いが、所々の岩場では白い水しぶきをあげ急流になっている。
「聖徳太子誕生所」の石塔を見て進むと聖徳太子生誕の地と伝えられる「橘寺」の門前に出会う。 今回は門前から礼拝し次に進む。

飛鳥川沿いの道

飛鳥川

橘寺


飛鳥川を遡上して山際の道を進んでいると早くも雨がポツポツと降り出し、傘を差して進む。トイレ休憩 場所の「石舞台古墳」の東屋で一息入れ、雨具の用意をする。
「石舞台」には向かわなかったが、広々とした公園になっているのに驚く。20年以上前に社内ハイキングで 訪れた時は野原の真ん中に「石舞台」が堂々と立っていた記憶があるが。
飛鳥川に沿って緩やかな坂を上って行くと川縁に梅が咲き、桜の蕾が少し膨らんでいるのを確認する。 川の横に飛鳥の奇岩の一つである「マラ石」が立ち、疲れを癒し微笑ませてくれる。この辺りから 民家が無くなり、いちご農場の他は田園風景が迎えてくれる。この稲渕は棚田で有名だそうで、秋には 案山子のコンクールが行われるとか。遥か向こうの棚田に大きな案山子が立っているのが望まれる。景色を 楽しみながら田園風景の中に溶け込む。

石舞台古墳.. 説明→

マラ石.. 説明→

稲渕の棚田と案山子


欄干に古人の姿が描かれた橋を渡り、「案山子路」の案内板もある稲渕を過ぎ進む。やがて、飛鳥川を 渡るための「飛び石」の史跡が点々と橋の役目を果たしている。岸にはネコヤナギが咲き、「万葉歌碑」 も立ち、奥飛鳥の歴史を感じさせる。
小雨降る中、川沿いの舗装道路を進むと対岸の丘の上に最古の石塔があると云う「竜福寺」や 小野妹子らと共に遣唐使学問僧として中国へ派遣され「儒教」を教えた「南渕請安の墓」が望まれる。
ここまで上ってくると飛鳥川の川幅も狭くなりせせらぎの水しぶきが美しく感じられる。左手に 「飛鳥川上坐宇須多岐比売命(あすかかわかみにいますうすたきひめのみこと)神社」の190段の 長い階段を見ながら更に進む。
飛鳥川の蛇行に沿った緩やかな舗装道路を上って行くと左手に川を跨いで綱が張ってある。「女綱」だ。 下には神事の祭壇を設ける「福石」が立っている。「女綱」は五穀豊穣と子孫繁栄を祈願すると共に 疫病や邪悪なるものを退散させる呪術的な意味もあるとか。

飛び石.. 歌碑→

飛鳥川上坐宇須多岐比売命神社

女綱 説明→


少し進むと栢森(かやのもり)のバス停に到着する。ここで前回の「中つ道」歩行時、「飛鳥庵」で 迎えていただいた泉太郎さんと合流し、後発組のバスの到着を待つ。定刻(12:43')に金かめバスで 前回懇親会をご一緒したTOMさんご夫妻と初めてお会いする彩華さんにご挨拶。彩華さんは埼玉県川口 から夜行バスで奈良に来られ合流されたタフな方だ。
参加メンバーが全員揃い、奥飛鳥に向け出発する。飛鳥川に沿って上って行くと2つの川が合流している。 細谷川と飛鳥川が合流しており、今回は細谷川の方向に進む。どちらの川も雨のため水量が増している。
集落の中を進むと道角の小屋の壁面に昔懐かしい看板がたくさん掛っている。真っ直ぐ進むと芋峠に 通じるそうだが、今回は左に曲がり細谷川の源流に向かうのだ。
栢森集落の狭い路を進むと古式溢れる「加夜奈留美命(かやなるみのみこと)神社」が佇む。ここで 昼食となる。雨が降っているので、神殿の中で皆さんの会話を聞きながら食事を楽しむ。

細谷川(左)と飛鳥川(右)の合流

懐かしい看板

加夜奈留美命神社・鳥居.. 本殿→


昼食を終え、今日のメインである飛鳥川の源流にある「女渕」「男渕」探索に出発する。集落を抜けると 田園風景が開け、霧が飛鳥の山々になびいて幻想的だ。
林道を淡々と上り、「女渕」の標識に従い、滑る道に気を付けながら細谷川に下りる。川原の岩・石を 伝って遡ると滝の音が聞こえ「女渕」の滝が現われる。水量も多く勢いよく滝壷に落ちている。
「女渕」は日本書紀には皇極天皇が雨乞いを行った場所と考えられているとか。女神が住むと云う 渕の深さを測ろうと6m程の青竹を入れたが底に届かなかったとか。
奥飛鳥の神話・史跡が今に伝わり、近年でも雨乞いが行われたとの話もうかがう。
小雨の中、順番に滝のベストスポットで写真を写し、マイナスイオンを体に浴びる。川原の石を滑らないように 注意しながら、川に垂れ下がる蔦の珍しい形状を見て元の道に戻る。

霧の山々

女渕の滝

女渕の渓流と蔦


舗装された林道を上る。普通は舗装道路より地道の方が歩き易く、膝への負担が少ないが、雨の日は 滑らなくて歩き易い。曲がりくねった林道の道脇で二段に落ちる美しい滝に出会う。水量も豊富で 勢いよく流れ落ちる滝の姿にしばし癒される。
少し急な坂の林道を進むと「男渕.300m」の道しるべの案内でもう少しと歩を速める。「男渕」は 林道から少しブッシュの道を下った所に滑り易い所は手を差し伸べて進む。シダが生える道なき道を 進むと「男渕」の滝が現われるが、倒木が滝の上を埋めており小振りになっている。本来は上にも 滝がある数段の連続になるそうだが。
「男渕」には龍神が住み、雨乞いをしたとも伝えられているそうだ。
交替で写真を写すが、薄暗くピンボケだ。横手から上に登って見るが倒木で堰き止められているのは 残念だった。足下を梅雨で濡らせながら林道に戻る。

道端の二段の滝

シダの道

男渕の滝..(ピンボケ)


本日の探索を無事終えたので、元の林道を下る。雨も止み霧の山並みを眺めながら栢森バス停に戻る。 15:55'発のバスに乗るが、少し早く着いたので時間を潰し、誰も乗っていない貸切のバスで今朝歩いた コースの風景を見ながら、健康福祉センターで乗換え飛鳥駅へ。
雨が降ったが飛鳥の郊外と云える稲渕・栢森・奥飛鳥の史跡を訪ねることが出来た。

埼玉に帰られる彩華さんとお別れし、橿原神宮駅からyosioさんの車でオフ会の会場であるyosioさんの お店「花林」に行くとオフ会に参加のために名古屋から来られたmunyさんが待っておられご挨拶。
今回のオフ会は退職と転勤の方のお祝いと激励、それに加えて風人さんのサイトのアクセスが30万を越えたことの お祝いだ。
yosioさんの美味しいお料理と日本酒・芋焼酎で大いに盛り上がる。本当に楽しいオフ会だ。遠方の方は 少し早めに帰られ、有志で橿原駅前の居酒屋で一杯。
阿部野橋・大阪駅で乗換え11時過ぎに帰宅する。本日の歩行は25000歩だった。

「吉野道」紀行も飛鳥から奥飛鳥を巡り、芋峠の麓まで到達した。次回はここから峠を越えて吉野まで 進み、「大峯奥駈け道」のスタート地点を見極めよう。
風人さんと仲間の方々に感謝して!!

◎「風人さん」のHP「飛鳥三昧」

◎「ももさん」のHP「ひとしひとひら」

◎「yosioさん」のHP「新中華レストラン『花林』」

◎「泉太郎さん」のHP「四季の旅情」

◎「河内太古さん」のHP「季節を訪ねて」

◎「笑いネコさん」のHP「笑いネコの部屋」

◎「munyさん」のHP「時の雫」







    
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