「郡上八幡・馬篭宿・妻籠宿散策」


[郡上八幡・恵那峡]、..[馬篭宿・妻籠宿]




○ [第2日]、馬篭宿・妻籠宿・飯田(2007/10/17)

天気予報では雨の心配がなかったが、夜中に雨音がしていた。
濃霧の恵那峡
霧が晴れて
6時から温泉に行く。
露天風呂に行くが、霧が深くて視界はゼロの状況だ。これでは運転も難しいと心配する。

部屋に戻って窓を開け、濃霧の恵那峡をパチリ。
湖面は全く見えず、近くの木が写るだけの幻想的な光景だ。

朝食は味噌汁が3種類あり飲み放題、茸・豆腐・海藻の味噌汁を堪能する。美味しかった。
部屋に戻ると霧が晴れて来て、朝の恵那峡をパチリ。

フロントで「馬篭宿・妻籠宿」関連のmapや案内書を入手し、道順を聞いておく。
8時45分、真っ青に晴れ上がった秋晴れの陽射しを浴びて出発する。地道を進み、R19に合流すると ラッシュ時なので、少し車は多くなっているが順調だ。
R19から中山道に沿って進む地道に入る。田畑、丘の中をうねうねと進む。気持ち良い自然との出会いだ。 所々にコスモス畑や無人の野菜売場があり、のどかな野道のドライブだ。

道路案内に従って「馬篭宿」に到着する。土産物屋横の駐車場に停まるが、無料だ。(9:25)
「馬篭宿・妻籠宿」にはツァーや社内旅行で立ち寄ったことはあるが、ゆっくりと見学したことがなかった。 今日は時間の制約もないので、「中山道」の息吹を十分に堪能したい。

中山道は江戸日本橋を起点とし京都まで約530kmの道路で、ここには69箇所の宿場がおかれていた。
中山道69宿のうち木曽には11の宿場があり、馬籠宿は板橋を1番目とすると43番目になり、江戸からの 距離は332kmになる。
道路が南北に貫通しているが急な山の尾根に沿っているので、急斜面で、その両側に石垣を築いては 屋敷を造る「坂のある宿場」である。
山の尾根のため水に恵まれておらず、火災が多いのが特徴である。(観光案内所HPより)


「馬篭宿」の入口には「道しるべ」が立ち、「江戸へ八十里半、京都へ五十二里半」と刻まれている。 ここからは京都の方が近いとは、少し認識がずれていた。もっと江戸に近いと思っていた。
「中山道」の石畳を登って行く。石畳はきれいに整備されているので、昔の面影は少ないが、気持ち 良く登って行ける。 火災が多いとのことで、道脇に当時をイメージした防火バケツが置かれている。
「車屋跡」には大きな案内板があり、これからの散策のためしっかりと読んでおく。

馬篭宿の道しるべ
防火バケツ
車屋跡 案内板

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

「桝型」と呼ばれる道路を直角に二度折り曲げた様な石畳を登る。城郭建築の桝形に摸して造られており、 本来宿場が軍事的な目的をもって作られていたことを示しているそうだ。
「桝型」の角に大きな水車小屋が豊富な水を用いてぐるぐると回っている。家の中には囲炉裏が切られ、 薪が焚かれている。宿場に入った途端に昔の風情に出会えて嬉しい限りだ。

石畳の坂道は青空に向かって登る様で、勾配は緩やかで気持ち良く歩める。古い家並みが立ち並び、当時を 思いながら散策する。
「清水屋資料館」の古い家の前を通る。馬篭は島崎藤村の生誕地なので、彼にまつわる史跡が多くある。
街道筋なので昔風の旅籠に似せた民宿も趣豊かに楽しませてくれる。

水車小屋 囲炉裏
清水屋資料館 説明
旅籠風の民宿

街道の街並みを思わせる石畳と店屋をキョロキョロしながら登る。落ち着いた風景だ。
道脇に水路を利用した小さな水車を見ながら進むと旧い感じの郵便局や馬篭宿本陣跡に建つ「藤村記念館」 が建ち並ぶ。中には入らなかったが、馬篭宿=島崎藤村の雰囲気は感じられる。
「馬篭脇本陣資料館」と史跡が建ち並ぶ街道をゆっくりと登って行く。街並みが少し途切れて、自然豊かな 石畳の横には紅葉が始まった大きな木が立ち、青空に映え秋の深まりが感じられる。

馬篭宿の石畳
馬篭脇本陣資料館 説明
紅葉の始まった木

石畳の道の両脇には細い水路があり、所々の堰や水船からは豊富できれいな水が溢れている。古道にふさわしい 心落ち着いた光景だ。
小さな池もあり、中には緋色の鯉が泳ぎ、上を仰ぐと真っ赤に熟した柿が豊かに稔っている。木曽路の秋を感じる。

「馬篭宿」の一番上まで行く。ここから馬篭峠を越えて「妻籠宿」までの遊歩道が整備されており、「中山道」散策 には絶好の行程になっている。数人の方が妻籠に向かって進んで行かれた。
車を置いているので、残念ながら元の「馬篭宿」の街道を下って行く。
ここで珍しい光景に出合う。街道筋のお店に郵便配達している郵便局員の姿が昔の衣装なのだ。笠を被り、法被を着て、 地下足袋を履き、郵便と書かれた箱を掛けた郵便配達人だ。
写真を撮らしてとお願いすると快くOKをいただきパチリ。以前からやっておられたのであろうが、郵政民営化になって、 馬篭郵便局の大きなPRとなっているだろう。グッドタイミングだった。

豊かな水の流れ
真っ赤に熟した柿
古風な郵便配達人

街道から脇道に入ると「島崎藤村の墓」が祀られているとのことで寄道をする。静かな田畑の高台に墓地があり、島崎家の 墓の中に藤村のお墓が祀られている。
墓地から周囲の山々を見渡すと秋の空と自然が見事に調和して一息付く。畑仕事をしているお婆さんと話す。この辺りも 残暑は厳しかったと。道のマンホールの蓋に椿の花が描かれ、YAMAGUCHIと書かれているので、その訳を尋ねると昔は 山口村でその村花が椿だったので、そうなっているのだろうが、今まで気付かなかったと。

元の街道に戻り、初めに出会った水車小屋を坂の上から眺め、駐車場に到着する。(10:30)
1時間余りの散策だったが、自由に街道筋を散策出来、大満足だ。

島崎藤村の墓
周辺の景色
上からの水車小屋


「馬篭宿散策」の「紀行スライドショー」


「馬篭宿」の散策に満足して「妻籠宿」に向かってドライブする。本来なら歩きたい「中山道」だが、今日はあきらめ、いつかは 踏破したいと思わせる街道筋だ。
「中山道」に沿った地道を進み、先程通った「馬篭宿」の一番上の街道を横切って山道に入って行く。

事前にmapで調べていると、途中に「熊野神社」の表示があった。
「熊野古道」散策時、色々とご教授いただいたサイトである 「みくまのねっと」で全国の「熊野神社」を調べておられる。 全国には3000社の熊野神社が存在するそうで、ネットでお世話になった方々が探索して集大成に協力し、現在800社が 登録されている。
車を停めて「熊野神社」の正面鳥居に向かうと、そこは「中山道」で外人観光客の一団が通り過ぎるところだった。 小生がカメラを構えて鳥居を写そうとすると、鳥居に気付いて全員がカメラで撮影する。珍しい建造物なのだろう。
本殿に向かうが古びた社があるだけで、「熊野神社」の標識が何処にもない。本殿の内部はガラスで仕切られており、 反射して見難い。鳥居横の常夜灯の銘を見ると「安政○年」と刻まれている。
「熊野神社」である証明になるものを探すと、通って来た道路に「熊野神社」の道しるべがあり、一安心する。 由緒等の説明もないが、「みくまのねっと」に登録しようと。

熊野神社・鳥居
熊野神社・本殿 内部
熊野神社標識

再び車に乗り「馬篭峠」に向かう。
「馬篭宿」と「妻籠宿」の間にある「馬篭峠」は標高801mでこの間のピークになっている。
車を停めて展望を楽しもうと思うが、余り展望はきかない。

坂道を下って行くと駐車場があり、「男滝・女滝」の標識がある。
車を停めて、急な坂道を降りて行くと細い滝が落ちている。これが「女滝」だ。

少し先から大きな水音が聞こえるので、進むと太くて高い「男滝」が堂々と降り注いでいる。周りは水滴が飛び散り、 マイナスイオンが一杯の感じだ。しばし滝の音と冷たい空気を味わう。立派な滝だ。

お茶を飲み一息入れていると妻籠方面からたくさんのハイカーが降りて来た。シニアの団体で、若いリーダーが引率している。
年配の女性が多いグループだが、皆さん元気で健脚なのが良く分かる。
妻籠から馬篭まで2.5-3時間のハイキングコースとなっている。「中山道」の一部を散策する達成感もあり、人気のコースだと。

男性が一人降りて来られたので話す。仕事帰りに寄道して立ち寄ったとか。冬になるとこの道は凍結して運転できなくなり、 紅葉はすぐにやって来る。来週になると一面紅葉するだろうと。
しばらくお話をして、再び急な坂を登って車に戻る。

後は道なりに「妻籠宿」に向かうのみで、緩やかな坂を下ってR256に合流して進む。

馬篭峠 古い道しるべ
女滝 説明
男滝


「馬篭峠散策」の「紀行スライドショー」


「妻籠宿」の標識に従って進み、駐車場を探して車を停める。(11:20)


きれいなコスモスが咲く道を進み、川を渡って「妻籠宿」に向かう。すぐ古い建屋があり、「煙草」の文字が書かれている。 古風だ。
道脇の水路には草花が鉢に植えられ、水と共存する風情が感じられる。
電柱もない、真っ直ぐな古い街並みが続いている。青空の下、山に向かう「木曽路・妻籠宿」の雰囲気一杯の気持ち 良い街並みだ。

コスモスの花
妻籠宿への橋
妻籠宿の街並み

江戸と京を結ぶ中山道は、山深い木曽路を通ることから木曽街道とも呼ばれていました。
中山道69次のうち江戸から数えて42番目となる妻籠宿は、中山道と伊那街道が交叉する交通の要衝として古くから 賑わいをみせていました。
時代が変り明治になり鉄道や道路が新たに造られ、宿場としての機能を失った妻籠宿は衰退の一途をたどりました。
やがて昭和になり経済成長の中、江戸時代の宿場の姿を色濃く残している町並みが見直され、ここに全国に先駆けて 保存運動が起こったのです。妻籠の人たちは町並みを守るために家や土地を「売らない・貸さない・壊さない」 という3原則をつくり、ここで生活しながら、江戸時代の町並みという貴重な財産を後世に伝えているのです。(観光案内所HPより)


妻籠住民の熱意の表われである古い街並みが続く。旅籠を復元した「上嵯峨屋」の家屋を見て、街並みから漂よってくる 落ち着いた空気を感じながら、「厩跡」や「妻籠宿」の看板が掛った旅館の風情を楽しむ。

上嵯峨屋 説明
古い街並みが続く
旅籠

古い建屋の2階の廊下に大名行列に使われたような駕篭や鎧が飾られている。古きものを大切にする心が町全体に脈々と 通じているのだろう。
馬篭にあった石畳が直角に2度曲がっている「桝形」が妻籠にも存在しており、宿場が軍事面でも大切な役割を持っていたのが 良く理解出来た。
古風な「観光案内所」には外人観光客も多く、英訳ガイドブックやmapを片手に質問している。国内だけでなく、国際的な宿場 として認知されているのであろう。
珍しい形のポストが立つ「郵便局」に出会う。街並みに合わせて古風な雰囲気で、中は「郵便資料館」として郵便制度が始まって からの衣装等推移を展示してある。ポストや衣装の変遷は見ていても面白い。馬篭で出会った郵便配達と同じ服装も飾ってあった。

桝形の跡 説明
観光案内所
郵便局 説明 内部

気持ち良い青空の下、少し汗ばむ程度の気候は最高の散策日和だ。観光バスが着いたのか、バッチを付けた観光客が 多くなって来た。
「妻籠宿本陣」や「人馬会所(問屋場)」の説明を読みながら宿場の東端に向かう。
宿場のはずれに小さな水車が元気よく廻っている。宿場町に水車は良く似合っている。
昼時になり、少しお腹も空いて来たので食事処を探すべく元の道を戻る。

妻籠宿本陣 説明
人馬会所(問屋場) 説明
水車小屋

木曽路に来たのだから蕎麦を食べようと適当な店を探すが、郡上八幡と同じ様に観光客で一杯だ。
高札場
熊谷家住宅 説明
やっと適当な店を見つけて「冷やし山菜蕎麦」と「ざる蕎麦」を注文する。
注文をして、観光mapを見ていると先程の水車小屋の向こうにも史跡があることに気付き、蕎麦が出来る までの間にひとっ走り。

水車小屋の先に、江戸時代幕府が示した禁制・法度を掲げる「高札場」がお上のご威光を誇示するように 見下ろしている。
見落としていた19世紀初頭に建てられた「熊谷家住宅」もチェックして、蕎麦屋に戻る。
蕎麦は歯ごたえ、腰もあり美味しく、山菜・キノコが一杯で地元の味を堪能する。

美味しい蕎麦を食べて、街並みを楽しみながらブラブラと元来たみちを戻っていると、「妻籠のギンモクセイ」の標識を見付け、 坂を登って大きな木に向かう。キンモクセイはよく見るが、ギンモクセイは珍しい。珍しい品種の様だ。
街並みに戻り、可愛い石仏を眺めたり、「下嵯峨屋」の住宅を見学したりと十分過ぎるほど「妻籠宿」の光景を堪能する。

妻籠のギンモクセイ 説明
下嵯峨屋 説明
妻籠宿の街並み


「妻籠宿散策」の「紀行スライドショー」


「馬篭・妻籠宿」と「木曽路」の宿場巡りを堪能して帰路につくことにする。(13:00)
帰るルートを如何するか検討し、そのまま同じ道を帰るのも面白くないので、R256を通って、飯田市内の 「リンゴの街路樹」を観に行くことにする。

R265は山を登って行くので、紅葉が段々と鮮やかになって来る。山の中腹は早くも晩秋の趣があるのだ。車を停めるスペースを 見つけて、紅く染まった紅葉をパチリ。
長いトンネルを抜けて、中央自動車道を越え飯田に向かう。
飯田市へは出張で何度か行き、宿泊したこともある。初めて冬前に行った時、街路樹に紅く熟れたリンゴが稔っている のに驚いた記憶がある。妻もツァーで飯田を通過した時に青いリンゴを見ていたので、紅いリンゴを見たいと。

飯田ICの横の道に「リンゴの街路樹」が続いている。真赤ではないが、色付いた紅いリンゴだ。道脇に稔っている果実を 見るのは心豊かになる。横のスーパーでリンゴを買い求め家での楽しみな土産にする。

紅葉
リンゴの街路樹
薄紅いリンゴ

飯田ICから中央自動車道に乗る。(14:10)
長い恵那トンネルを初めて通過する。8.6kmのうんざりするトンネルを抜けて恵那SAで休憩する。(14:40-14:50)
さあこれから一路大阪へ。中央から東名に進み、往路と同じく名神の養老SAで休憩する。(15:45)
少し眠くなって来たので、車の中で仮眠することにする。一瞬だがグッスリ眠る。(眠るのは得意技!?)20分程の 仮眠ですっきりして出発する。(16:20)

途中、自然渋滞もあったが、夕暮れの西日を正面に浴びながら進む。名神高速を進み、大山崎ICで降り、無事 自宅に到着する。(18:00)
今回のドライブ旅行は日本の原点となる地方の町、宿場を堪能した。水との共存、古き街並みの保存、木曽路の散策 等々、満足行く旅だった。


[郡上八幡・恵那峡]、..[馬篭宿・妻籠宿]








    
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