○ 「大辺路 No6」見聞録 

6.湯川〜那智
 2005.03.14 13:10〜15:20 晴れ

春の「青春18きっぷ」発売までの間、「大辺路」紀行を中断し、雪の「高野山奥の院・町石道」と 京都から吉野までの「吉野道」を歩き始めた。
「青春18きっぷ」が発売されたので、最後の行程となる「大辺路」にトライする。
前回、最終の「那智・振分け石」まで行きたかったが、時間的にいけなかった残り6km程を歩き、 「大辺路」を踏破し、 「伊勢路・中辺路」を「振分け石」でドッキングさせ、紀伊半島一周の完了としたい。
その後、「伊勢路・本宮道」への道を歩くため、JR・バスで三重県に向かい宿泊する予定とする。

今回も5時半に家を出発する。夜明けが早くなり薄明かりになって来た。今日は寒波襲来で寒いが、 春は近い。新大阪発 6:27の快速で田辺を目指すが、2人席でウトウトと眠り和歌山へ。 目覚めると和歌山付近はうっすらと雪化粧。曇天の太平洋を眺めながら田辺着 9:34。
いつもの様に1時間以上待つ間、駅の食堂で朝定食を食べ、時間を潰す。

10:47発の新宮行で出発する。列車で前回偶然に出会った自転車紀行の同好の方を探すが 見当たらない。そう偶然は無いだろう。
海を見たり、先日の「吉野道・宇治紀行」で興味を持った「源氏物語」の本を読んだりと時間を潰す。 前回歩いた古座・紀伊浦神を車窓から眺め、湯川着 13:03。遠い。

湯川駅から「ニ河川」沿いに古道に戻る。日暮れが近付き断念した「道しるべ」から右折し、「大辺路」の 最終行程に進む。舗装された道を行くと「ゆりの山温泉」があり、湯上りの老人が談笑している。

ニ河川

道しるべ

ゆりの山温泉 説明→


すぐに「ゆかし潟」に出会い、潟の周りを周遊する。静かな潟で水鳥が飛んでいる。やはりこの辺りは 暖かく汗ばんで来る。左の杜に鳥居が見え「湯川神社」に参拝し、ジャンパーを脱ぎ一息入れる。(13:40)
R42に合流し進む。この辺りが湯川温泉の様で小さな温泉街を見ながら、歩道があるので安心して 進むと「湯川トンネル」が見え、左側の製材所に入る。 先達の方が犬が咆えるので注意するようにとのアドバイス通り、うるさい位3匹の犬に咆えられる。

ゆかし潟

湯川神社

湯川トンネル


製材所の突き当りから古道に入る。照葉樹の林を抜け、ゴツゴツした石段を上ると今度は杉木立と 変化に富んだ峠だ。気持ち良く進むと左上に「加寿地蔵」が祀られいる。切り通しのような 崖を切り開いた所が「駿田(するだ)峠」の頂上だ。途中に地蔵尊が祀られていたらしいが 見落とした。
(2010.10.23.加寿地蔵世話人会からメールをいただいた。小生が載せている「加寿地蔵」は間違いで、これは 「妹姫の地蔵」だとご指摘いただいた。「加寿地蔵」は少し上の大きな社に祀られていると。小生が見落としたと記述している 地蔵尊が「加寿地蔵」なのだろう?訂正します。ご指摘ありがとうございました。)

木立の道

加寿地蔵X →妹姫の地蔵

駿田峠


広くなった下り道を木々の間から勝浦の街や海を望みながら快調に下る。途中で3人の中年の男性と 出会う。挨拶すると地元の人だがこの道が「熊野古道」と知らなかった様で初めて歩いているとのこと。 地元でも認知度は低いのか?
勝浦観光ホテルの前に出て、R42を横切り下る。JR手前の道を東に進むと「天満天神社」の社が鎮座する。 海岸に出ることも考えたが、ガイドブッツク通り再びR42を横断して那智川に沿って上る。川沿いの 桜並木の蕾が薄っすらとほころんでいる。きれいな桜並木だ。
高速道路の工事現場から川関橋を渡り、那智川を下る。この道は「中辺路」紀行の時「那智大社」に 向かった懐かしい道だ。やがて「補陀洛山寺(ふだらくさんじ)」に到着する。1年半ぶりの参拝だ。 補陀洛渡航信仰の小船も飾ってある。この間読んだ「熊野古道殺人事件」の推理小説の題材になった 所だ。

天満天神社

補陀洛山寺

補陀洛渡航の小船


横の「熊野三所大社」に参拝する。前は「浜の宮王子社」と思っていたが。懐かしい緑の 「王子跡碑」を確認し、いよいよ目的の「振分け石」に到達!!
前回訪れた時、次はここで「大辺路」と「伊勢路」を踏破して出会おうと願っていたのが実現した。 真っ黒くて文字も読めないが、古人も同じ様に思った人もいただろう。記念撮影と思ったが誰も 居ないので諦める。(14:20)

熊野三所大社 説明→

熊野三所大社・鳥居 説明→

振分け石 説明→


気分良く那智の駅に向かう。途中でビールを買い、那智の浜辺で「大辺路」踏破の乾杯をする。 那智の浜は美しく、水平線が望まれる。「大辺路」踏破ののビールは美味い。
丁度一年前に田辺から出発した「大辺路」を6回・8日間で紀行した。遠いので往復時間が長く、 実質歩く時間が短いので回数はかかった。国道筋の歩行は避けたので古座〜紀伊浦神まではJRを 利用したが、後は完全歩行したので満足だ。
ビールを味わいながら熊野灘をノンビリと眺める。

熊野灘

リュックとビール

熊野灘


今回は三重県に渡り、「伊勢路・本宮道」に向かうため新宮まで行く。
那智駅に戻ると大きなリュックをかついだ年配のご夫人が那智の滝へのバス停を尋ねられた。 「青春18きっぷ」で埼玉から来られ、今日は那智で泊まるとのこと。滝の近くで泊まられるのだろうと 尋ねると那智高原公園でテントを張って泊まると。びっくりする。多分小生より年長だが、若い時から 山歩きが好きで三角点巡りをしているそうだ。明日は「大雲取り越え」だとか。凄い人が居られると 感心しながら 15:23発の列車で新宮に向かう。
「大辺路」踏破達成の喜びを噛み締めながら、車窓から「中辺路」紀行時歩いた道を眺める。
さあ、明日は「伊勢路・本宮道」へのスタートだ。本日の歩行は16000歩でした。









    
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