「青春18切符」...「越中富山と飛騨路散策」


2006/8.5-6.. [高岡・氷見・富山][八尾・高山・下呂]

「行程MAP」



○ 2007.08.05-06.(高槻→京都→米原→福井→金沢 →高岡→氷見→富山(宿泊)→八尾→猪谷→角川→飛騨古川→高山→下呂→美濃太田→岐阜→米原→ 高槻)

夏休みに入り、「青春18きっぷ」の季節が来た。春には四国・九州に行ったので、今回は東の方に 行こうと検討していた。
高槻から一周して戻るルートを時刻表やサイトで調べる。高槻から富山に行き、高山本線で岐阜へ、そして 東海道線で戻る時刻を調べると可能だ。
始発に乗り、富山までは順調に進むことが出来る。高山本線は途中数年前の土砂崩れで一部バス運行に なっていて、1日5本(使用出来る時間帯では3本)しか接続されていない。
そのために富山で2時間の待ちがあるが、後は高山で約1時間の余裕だけで、最終列車で高槻に0時34分に 到着出来ることが判明した。0時を過ぎているが、大阪圏は最終列車までは使用可能なので、1日で 踏破可能だ。

1日の周遊が可能と分かったが、余りにも面白くないので何処かで一泊しようと考え、金沢まではよく 行ってるが、富山県は仕事で2回訪れただけなので、富山に泊まって余裕を持った行程を調べる。
高岡・氷見・富山を散策し、翌日は「おわら風の盆」で有名な八尾や高山を観光し、まだ訪れていない 下呂温泉の露天風呂を味わって帰ることにする。


@、8/5...高槻(5:03)→京都(5:23・5:30)→米原(6:36・6:49)→敦賀(7:38・7:42)→福井(8:33・ 8:44)→金沢(10:07・10:58)→高岡(11:45・12:45)→氷見(13:13・14:46)→高岡(15:15・15:20) →富山(15:38).===> 338.8km・5890円

4時半前に家を出る。まだ暗いがひんやりとした空気が気持ち良い。
始発の京都行は時刻表に表示されていないが、いつも「伊勢路」紀行時に活用していた列車だ。ガラガラの 列車で京都へ。
京都から米原行は若者が結構乗っている。2人掛けの座席で明るくなった琵琶湖路を眺めながら進む。 稲穂も青く大きくなっている。夏真っ盛りの光景だ。彦根城を見ながら進むと米原だ。

敦賀行列車

お相撲さん ..親方→

米原駅の接続時間は余裕があるが、東海道本線から北陸本線への乗換えは列車の台数が少なくなるので 座席の取り合いのダッシュだ。
高架橋を渡って隣のホームに急ぎ、停車している列車に乗るがほぼ詰まっている。 やっと席を確保し、一段落する。
東京からの夜行快速「ムーンライトながら」で来た「18キッパー」が占領しているのだ。この時期の乗換えは 大変だ。

満員の列車にお相撲さんが乗り込んで来た。朝青龍の仮病疑惑で紙面を賑わしている時なので、誰の 部屋かと浴衣を見ると「錣山(しころやま)」と染め抜かれている。確か「関脇・寺尾」の部屋だと 見ていると相撲取りの陰に親方の顔が見えた。「寺尾」だ。
関取の時はグリーン車に乗っていただろうに、親方になると弟子と立っているのはなかなか厳しいものだ。 途中、木の本で下車された。健闘を!!

琵琶湖の東岸を通り敦賀に到着する。ここは同じホームを100m程走って乗り換えるが、ボックス席はガラガラで 一人占め出来た。
家を出る時に軽くパンを食べていたが、朝食を食べてないのでお腹が空いて来た。しかし、4分では 時間的に余裕もなく諦める。
福井行の列車もボックス席を占領してユックリと。この辺りの稲は早稲が多いのか早くも穂が垂れている。 雪国の稲は早く刈り取るようだ。

定刻に福井に到着する。11分の接続時間があるので、まず金沢行の座席を確保して、駅蕎麦を食べる。 空腹にはたまらない美味しさだ。
金沢行もボックス席を独り占めし、車窓からの景色を楽しんだり、ウトウトしたりと。この辺りの北陸本線は 内陸部を走るので、景色の変化が乏しく、海辺を走る路線の方が楽しみが多い。

スタートしてから5時間経過した10時7分に金沢に到着する。
数年前に金沢を訪れた時、駅の工事が行われていたが、完成して立派な駅舎がリニューアルしている。約50分 接続時間があるが、近江市場まで行く時間がないので駅前をブラブラと散策する。
コンコースでは越前大野市の観光案内の踊りが賑やかに舞われている。里芋の煮っ転がしと水がサービスで 提供されていたので美味しくいただく。
構内もきれいに改装され大きく感じられる。正面の広場には金沢城の城門をイメージしたと思われる門が 建ち、噴水が涼しげに水を噴出している。そこをじっくりと見ると水で時刻を表示しているのに驚く。 このような「水時計(?)」は初めて見た。

越前大野市の観光隊

金沢駅の城門

水時計


画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

駅の周辺を散策し、10時58分発の富山行の列車に乗る。
金沢以降は余り行くことは少ない。和倉温泉に行った時も途中から七尾線で進むので、北陸本線でこれ 以降北に行くのは初めての経験だ。
11時45分、高岡に到着し下車する。ホームのあちこちから風鈴の軽やかで涼しげな音色が聞こえて来る。 高岡は銅器製造で有名な所なので、風鈴がたくさん吊るされていて、チリンチリンと出迎えてくれるのは嬉しい。

観光案内所で市内のマップをもらって外に出る。暑い。日差しがきつくて大阪以上に暑い感じだ。先日の 台風の影響でフェーン現象が続いているのか。
丁度、日曜日で七夕祭りのようだ。駅前には小学生・幼稚園児が作った「七夕飾り」がたくさん飾られて 大歓迎を受けているようだ。

高岡駅の風鈴

七夕飾り

高岡駅


駅前に銅像が建っている。「大伴家持像」で「万葉集」の編者と云われる「大伴家持」が天平時代 (746年)にこの高岡に越中国守として赴任し、滞在した5年間に優れた歌を詠んだと。家持の479首の歌 の中で、220余首が越中で詠まれている。
高岡が奈良・飛鳥と並んで万葉の故地と云われる由縁とは知らなかった。

奈良・鎌倉に次ぐ「日本三大仏」に数えられる「高岡大仏」に向かって歩き始める。
道路には「七夕飾り」が飾られており、楽しみながら暑い道路を歩く。本当に暑い。交差点の信号機は 日頃見ている横型ではなく、縦型の信号機だ。初めて富山を訪れた時、信号機に気付いて地元の方に 聞くと、湿った雪の重みで倒れたり、破損しないように縦型にしているそうだ。

大伴家持像

七夕飾り

縦型の信号機


舗装道路からの照り返しが厳しい道を進むと「高岡大仏」が現れた。

高岡大仏 ......説明→

高岡は梵鐘・銅像・花器等の銅器製品の産地で国内シェア90%の日本一の銅器の町で、地元の銅器製造技術の 粋を集めて「高岡大仏」を30年かけて製造したと。
昭和7年(1932)に完成した高さ15.85m、重量65tonのスケールで銅器日本一の象徴だと。

境内はお祭りがあったのか露店が開いている。「高岡大仏」に参拝する。逆光で見え難いが、温和な 表情で思っていたより小振りだ。
これで奈良・鎌倉に続き「高岡大仏」と「日本三大仏」に参拝出来た。奈良・鎌倉とは違って地場産業の 高揚に寄与する大仏様のようだ。

古い街並みが近くにある様なので訪れることにする。
山町筋と呼ばれる地域で明治時代に建てられた元商家の土蔵造りの家が建ち並んでいる。

前田利家の長男である前田利長が築城した高岡城から続く高岡の歴史が残っている街並みだ。広い 道は整備され、黒くて貫禄のある街並みが残っている。「菅野家」は重要文化財に指定されているそうで、 どっしりと落着いた佇まいだ。
富山銀行は当時のレンガ造りの洋館をそのまま銀行にしている様で嬉しい気持だ。

高岡大仏全景

菅野家 ....説明→

富山銀行


古い街並みを鑑賞して駅に戻る。

七夕飾りとポスト

灯籠

まだ丸いポストが現役で働いている光景や子供達が作った灯籠が飾られて いたりと古いものが残っている地方の小都市の良さを満喫する。
市電も走るメインストリートは車も少なく「七夕飾り」が風に揺らいでいる。
先日の参院選挙のポスターも残っており、大都会と地方都市との格差・問題点を少し垣間見る感じだ。

駅の反対側に前田利長の菩提寺である「瑞龍寺」があるが、暑さと時間的に厳しいのでパスする。
加賀百万石の勢力が及んでいた高岡は独特の文化が根付いている素敵な小都市だった。

「出発〜高岡散策」の「紀行スライド」


昼食時だが、氷見まで行き美味しい魚料理を食べようと我慢する。
12時45分発の列車は「忍者ハットリ君」が描かれた楽しい列車だ。昨年行った境港への列車は「ゲゲゲの鬼太郎」 列車だったことを思い出す。

「忍者ハットリ君」列車 ....車内→

氷見駅

車内にも「忍者ハットリ君」の漫画が描かれ、子供には好評な列車だろう。

ボックス席を独り占めして窓から富山湾を眺めながら進む。
車窓から海が見られるのは嬉しい。山の中を進むのも良いが、やはり海を見る方が心落着く。

車窓から富山湾と後ろに広がる立山連峰を写そうと海側に座ったが、窓に何故かワイヤーが入っていて 写せない。真ん中の座席以外は見られるのに残念だ。
富山湾は眺められるが、曇っていて立山連峰は雲の中に隠れている。この時期は難しいようだ。

13時13分に氷見駅に到着する。駅前は殺風景だ。駅の観光案内所でMapを貰い、町の中心に向かうと 車両通行止めとなってる。「氷見祭り」で歩行者天国になっているようだ。その割りに人は誰もいない。
向こうの方にたくさんの人が集まっている。祭りのメイン会場で舞台で色々と催しをしているようで、 音楽が聞こえて来る。

市の人口の大半が集まっているような賑わいで、市民の憩いの場となっている。屋台もたくさん出ていて 人込みを縫って進んで行くと商店街には「忍者ハットリ君」の人形が飾られ、思わず微笑む。
神社の前には船の形をした山車に魚の冠を付けた子供達が乗り、楽しく引っ張っている。お祭りの 真っ只中に来たのだ。地方のお祭りは全員総出で地に付いているのは好感が持てる。

氷見祭り会場

忍者ハットリ君

船形の山車


氷見漁港の横にある、道の駅でもある「氷見フイッシャーマンズワーフ・海鮮館」に向かう。富山ナンバー以外の車も 多く、氷見の魚を買いに来ている。
魚介類が並んでいる店を廻る。新鮮な魚をトロ箱で売っている。「岩牡蠣」が売られていて、そこで食べ られるので注文する。1個500円だが、プリンプリンの大きな牡蠣をそのまま・・・・美味しい!!

お腹も空いたので、食堂で「刺身定食」を注文し、生ビールで乾杯する。暑い中歩いていたので、五臓六腑に しみ渡る。刺身の種類も多く、潮汁も付いておりなかなかのものだ。ビールと刺身で満足する。

氷見フイッシャーマンズワーフ・海鮮館

岩牡蠣

刺身定食


食事の後、海岸に出て海を眺める。
雲が出ていて対岸が見えないのは残念だ。あそこに立山連峰がそびえているのだと想像しながら駅に 戻る。海岸線を歩いて、駅の近くの立ち寄り温泉に向かう。
暑いので温泉で汗を流そうかと思っていたが、立ち寄り温泉が海岸に面していないので、景観が 期待出来ない。富山のホテルには大浴場が付いているので、列車の時刻も丁度良いので入らずに駅へ。

14時46分発の高岡行に乗車し、海側のワイヤーの入ってないボックス席を占領する。列車の中は涼しくて 熱くなった体には気持ち良い。夏場の列車はオアシスだ。
「雨晴(あまはらし)」駅周辺からの展望はビューポイントで有名とか。ここからの立山連峰展望は最高だと。 今日は残念だ。

氷見漁港

雨晴海岸

雨晴海岸の展望



「氷見散策」の「紀行スライド」


高岡駅に15時15分に到着し、すぐ富山方面行にに乗り換える。
富山まではすぐで、15時38分に到着する。駅の観光案内所でいつもの様にMapをもらい、後程進もうと 考えている「富山ライトレール」の停留所をホームの反対側まで行き確認しておく。

駅前のビジネスホテルにチェックインする。現役の頃、出張で泊まったことがあるホテルだ。
すぐ最上階にある大浴場にに行き、汗を流す。時間が早いので誰もいない浴場を独り占めして足腰を 伸ばし、展望を楽しむ。まだ日が高くて暑そうだ。
部屋に戻り、冷房で汗を引かせて一息入れる。

富山に泊ることにした理由の一つは、前にTVで見た「富山ライトレール」に乗ることと富山港が面白い との情報を何かで読んだことだ。
ホテルのフロントでお薦めの居酒屋を聞き、富山駅の反対側にある「富山ライトレール」停留所に進む。
「富山ライトレール」は昨年(H18)4月に開通した地域に密着のバリアフリーの低床車両を導入した安全・安心・ 快適で環境にやさしい公共交通を目指した鉄道で、その前はJR富山港線だったのだ。

駅前は路面電車として、郊外は昔のJR路線を通る路線でシャープな車両は快適で、運賃も一律200円と 利用し易い。車内も美しく冷房も効いていて気持良く車窓を眺める。

富山駅

富山ライトレール

富山ライトレールの車内


「富山ライトレール」の終点、岩瀬浜駅まで向かう。路面から軌道路線になり単線の「富山ライトレール」は快調に 進む。乗り心地も良くてなかなかのものだ。

しろえびの里の看板

夕映えの運河

運河散策

岩瀬浜駅に降りると夕暮れが迫り、潮風が涼しい。
「北前船」の大きな看板が掲げられ、当時の隆盛が偲ばれる。
観光の道標も整備されており、矢印に沿って進むことにする。

「しろえびの里」の大きな看板が立ち、今夜の酒の肴を暗示してくれているようだ。
富山港からの運河が入り組んでいて、レトロな街灯とヨットハーバーが夕日に映えている。ノンビリした光景に しばし見とれる。潮風も涼しく先程までの暑さがウソのようだ。

港に面した海辺に展望台が立っている。17時を過ぎているので入れないかと思ったが、扉が開いていた ので誰も居ない塔を展望台まで登る。
ガラス越しの展望だが、夕日が富山湾に輝いているのが美しい。潮風に触れられないのは残念だが、港の 風景と共に昔はここに「北前船」が行き来していたのだと。
富山港も漁業の基地としても有名で、富山弁で云う「きときと」の魚が水揚げされるのだろう。夕日が 沈むまで見ていたいが、後の街並み探索が暗くなってしまうので、心を残して展望台を後にする。

展望台

富山湾の夕日

夕日の富山港


夕暮れが近付き、辺りが薄暗くなって来た。「北前船」で賑わった街並みに向かう。
広い通りには昔風の建て屋が建ち並び、素敵な雰囲気だ。高岡でもそうだったが、町全体で街並みを 残そうとする雰囲気が十分に感じられる。電柱も地下に埋められて街路は広く、当時の面影が感じられる。

静かで人通りのない街並みを散策する。途中の広場には「北前船」のオブジェが飾られており、 勇壮な船が富を運んで来たことを表わしている。町のシンボルなのだろう。
立派な屋敷が建っている。「北前船回船問屋・森家」屋敷で、幕末から明治にかけて活躍した屋敷が 保存されている。閉館していたので、内部は見られないが立派な構えだ。

気持ち良い町並みをブラブラと歩き、「富山ライトレール」の2駅先の東岩瀬駅まで行く。北陸の街並みは何処も 素晴らしいと確認して再び「富山ライトレール」で富山駅に戻る。

北前船回船問屋街並み

北前船のオブジェ

北前船回船問屋・森家 ....説明→


富山港と古い街並みを楽しんで、駅の近くの居酒屋に行く。先程、看板で見た「しろえび」の刺身を 生ビールで乾杯する。港付近は涼しかったが、市内は暑いのでビールが美味い。
清酒・立山も飲み、富山の味覚を楽しむ。やはり、その土地の名物を肴に銘酒を楽しむのは最高だ。
ホテルに戻り、もう一度風呂に入って、早朝からの旅路を思い返しながら眠る。

「富山港散策」の「紀行スライド」


[高岡・氷見・富山][八尾・高山・下呂]




    
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