[本宮大社〜十津川温泉」[十津川温泉〜三浦口]


○ 「小辺路(No2)」見聞録 

2-2.十津川温泉〜三浦峠〜三浦口
 2005.11.01 07:25〜15:00 晴れ

十津川温泉の朝は冷え込む。天気予報では今朝6時の気温が6.5℃だったとか。昨日は止めたが、 膝を癒すために朝風呂に入る。青空を見ながらの入浴は爽快だ。膝・足を入念にマッサージする。 後一日頑張ってくれよと。
朝食前に近所を散歩する。ダムになっている川の側まで行き、朝もやの静けさを楽しむ。足は大丈夫 だろう。
7時からの食事を少し早めにしてもらい、朝食を食べ、お弁当を持って出発する。前日バスの時刻を 調べたが、三浦峠登山口の西中大谷橋まで行くバスは9時過ぎまでないので、諦めヒッチハイクで進める所まで 行こうと、7時25分出発する。。

バス停の自販機でお茶を買っていると軽トラが停まり、年配の方がコーヒーを買っておられるので、 柳本橋まで乗せてもらえないかとお願いするとOK。十津川温泉の街を通り抜けた所で降ろして いただく。30分位助かった。感謝。
昨日歩いた川沿いの道を戻り、バスが通る新西川トンネルに向かい、写真を映していると車が止まって くれる。西中まで乗せてもらえないかと尋ねると途中まではOKと。途中の西川第一小学校の先生で 色々と話す。日本一大きい村である十津川村だが、人口は4500人位で過疎化が進み、小学校も34名 とのこと。学校の前まで乗せていただき感謝。(7:50)

R425を西川沿いに上って行くと小学生が7-8名登校している。挨拶を交わし、朝の山々を望みながら 橋を渡り、進んでいると後からバスが来た。手を上げると止まってくれ乗り込む。西中大谷橋行なので 始発は何処かと尋ねると十津川温泉とか。9時までバスが無かったので確認するとバスは始めA行で次に B行となり、その後西中大谷橋行になるそうだ。村の子供の通学用に巡回するルートになっているとか。 それで理解出来た。しかし、ラッキーなバスとの出会いだった。「小辺路」を歩いていると話すと 「三浦峠登山口」の入口で行ってくれ、気を付けての言葉に送られて出発する。歩いていたら2.5時間 以上かかるのを40分で到着した。(8:10)

朝もやのダム

新西川トンネル

朝日に輝く山


「三浦峠登山口」には旗が掲げられ、坂道を上って行く。「果無峠」に比べると道は狭い。小道を抜 けると農道になり、再び小道に入り、又農道に出て進むと青空に山々の稜線がくっきりと見え美しい。
景色を楽しみながら進むと民家の前に「道しるべ」が立ち、月の輪熊に注意の看板が立っている。 暑くなって来たのでベストを脱ぎ、一息入れ、熊除けの鈴を取り出しリュックに付ける。まだ出没はしない だろうが、用心だ。(8:40)

三浦峠登山口

青空と山々

三浦峠への道しるべ


いよいよ山道に入る。果無峠にも設置されていた「小辺路・道しるべ」が方向を示している。 日陰で薄暗い崖沿いのロープが張ってある細い道を注意しながら上る。足の調子は問題なさそうだ。
山沿いを進むと日当たりになり、木漏れ日が眩しい位に輝いている。変化のある道を心弾みながら 進むと「矢倉観音堂」が迎えてくれる。ここで休憩し汗を拭う。(9:00-10)

小辺路・道しるべ

崖沿いのロープ道

矢倉観音堂


十津川温泉の民宿にパンフレットが置いてあり、次の日曜日に三浦峠のマラソン大会があるとか。こんな狭い 崖沿いの道を走るのは危険だと思う。
杉木立の道が続くが道幅は狭い。やや急な勾配を上って行くと 「石垣」が現われ「お墓」が祀られている。このような山奥に人が住んでいたのか、茶店跡なのか。
明るい「尾根道」を過ぎると見晴しが開け、青空が疲れを癒してくれる。

杉木立の道

石垣

明るい尾根道


木漏れ日の峠道は気持ち良く、足の痛みも余り感じなく快調に進む。道端に「五輪の塔」が頭の屋根の 部分が欠けて立っている。「五輪の塔」はその5段を、最下段が「地」次いで「水」「火」「風」最上段の 屋根が「空」の梵語で、「血(ちい)吸う蚊、ブーンと食う」と覚えるそうだ。
ここで一息入れ、チョコレートを口に入れる。(10:05)
木立の道を進むと「今西集落」を望む展望の開けた場所で青空と少し紅葉している山肌に見惚れる。 やがて、「出店跡」の標識があり、ロープで立入り禁止になっていたが、くぐって石垣を見に行く。 山の中に立派な屋敷が建っていたのだと驚く。(10:35)

五輪の塔

今西集落展望

出店跡の石垣


細い古道を進むと前方で作業をしている方を発見。よく見ると橋の修理をしているようだ。出会って 挨拶をする。年配のご夫婦が壊れている橋を補強されている。マラソン大会の円滑な実施のために、 山奥まで出向いて修理しておられる姿に「小辺路」PRに対する地元の熱意を感じる。しかし、よく こんなに狭い険しい道を走れるものだと・・・・感心する。
木立の道を上って行くと「古矢倉跡」と呼ばれ、膝を立てた「お地蔵様」が座っている。少し、足の 調子が悪くなって来たので、リュックを降ろして小休止する。(11:15-20)
「三浦峠」の頂上までもうすぐだ。谷の下からはせせらぎの音が聞こえ、明るい日の光に輝く 紅葉が美しい。青空が紅葉をより美しく見せてくれる。

橋の修理をする方

古矢倉跡のお地蔵様

青空と紅葉


日当りの良い道を上る。青空が本当にきれいだ。頂上近くで10数人のシニアの団体が下りて来た。お互い 初めて出会う人らしく挨拶を交わす。女性も半数以上で、年配の方も皆元気だ。
「三浦峠・頂上(1080m)」に到着する。案内板があり、「東屋」が建っているので、ここで昼食にする。 広い広場で林道もここまで来ている。弁当を美味しくいただき、休息する。(11:55-12:20)

三浦峠・頂上(1080m)

案内板 →説明1.. →説明2

お弁当



下り坂を進む。上りの時は余り気にしなかった膝の痛みが下りになると痛み出しスローペースにならざるを 得ない。時間的には余裕があるので慌てずに進もう。
杉木立の下り坂を進み、展望の利く所では青空と紅葉の山々を望みながらゆっくりと下って行く。

三浦峠下り道

紅葉の山々

紅葉


木漏れ日に輝く古道を進むと「道標地蔵と三十丁石」が立ち、側に「三十丁の水」が木の貯水槽に 注いでいる。山の中の水場で一息入れ、うがいする。(13:05-10)
「果無峠」「三浦峠」共に川に面したところがないので、夏場では貴重な給水ポイントだ。夏だと顔を 洗い、頭に水をかぶっていることだろう。

木漏れ日の下り道

道標地蔵と三十丁石

三十丁の水


崖沿いの道を注意しながら進むと「二十五丁石」が道端にひっそりと迎えてくれる。急な下り坂を 杖を突きながら下ると大きな杉の木が立ち並ぶ。木の幹に空洞が開いた古木だ。この辺りは「吉村家跡」 で、大きな杉は防風林の役目をしていたとか。周りの木々とは違った堂々とした林だ。「苔むした 石垣」が家の大きさを表わしているようだ。ここでも一息入れる。(13:55-14:00)

二十五丁石

吉村家跡の大木

吉村家跡の石垣


「吉村家跡」の大杉や石垣は広範囲に続いている。下っていると何かは分からない「石碑」が立ち、 膝に負担がかからないよう、横になりながら下っていると「十丁石」がひっそりと立つ。
地図で標高差を見ると上りより下りの方が勾配がきついので、膝への負荷は大きくゆっくり進む。 大分下って来たようで、展望が開けると青空の中の山が高く見えて来た。

吉村家跡の石垣

十丁石

山々の展望


集落が近くなり、民家の間を抜けると刈入れの終わった「棚田」が広がり麓に近付いたことを実感する。 茶畑の横を通って下ると川のせせらぎの音が聞こえてくる。「石畳」の道をもう少しだと励まして 下ると「三浦峠登山口」の道標に到着だ。
神納川には赤い吊り橋「船渡橋」が架かり、ゆっくりと渡る。十津川温泉の吊り橋よりは頑丈で 揺れは少ない。真ん中で川面と岸の紅葉を眺め、汗を拭う。
橋を渡り、三浦口バス停に到達し、前回の高野山からのルートと合体した。「小辺路」を踏破したのだ!! (14:45)

刈入れの終わった棚田

三浦峠登山口の道標

船渡橋


三浦口への到着時間は前回より1時間遅い。川津まで行き最終バス16:41発に間に合わせなければ ならない。8-9kmあるので、この足の状態では2時間では厳しく、車に乗せてもらうべく歩き始める。 前回はなかなか車に会わず、川を渡って随分行ってから乗せてもらった。
全く車の通らない県道を歩いて行くと前から作業を終えたと思われる中年の男の方が歩いて来られた。 挨拶すると川津まで行くのかと聞かれ、その足取りでは大変だな・・と。一寸待っておれ、と近くの 自宅に行き、車を出して来てくださった。お礼を云って乗せていただく。
三浦口の民宿が廃業してから、川津まで歩く旅人を送ることが多いと。本当に親切な方だ。十津川村は 段々人が少なくなって大変だとの話をしながら川津へ。お礼を云ってお別れすると車にガソリンを入れ られた後、温かい缶コーヒーを買って来て、甘いものでも飲んで気を付けてお帰りと。本当に感謝・ 感謝!!

川津バス停

前回はバスを待つ間に反対に行くバスで、十津川町役場近くの温泉地温泉で汗を流したらが、そのバスも 出てしまったので、約1時間待たねばならない。バス停前の雑貨店に入り、缶ビールを買い休ませてもらう。 「小辺路」踏破を祝って雑貨屋のベンチで乾杯!!
テレビを見ながらバスを待ち、定刻通りに来たバスで五条へ。日暮れが早くなったので、谷瀬の吊り橋を 過ぎる頃には真っ暗になり、JR五条駅に到着する。(18:44)
前回は橋本に出て、南海電車帰ったが、今回はJRで高田、王寺で乗換え大阪で居酒屋で乾杯する。 足を引きずりながら無事帰宅した。今日の歩行は32000歩だった。

2回に分けて「小辺路」を踏破した。本来は高野山から本宮大社への「熊野道」を歩く予定だったが、 宿泊事情で両方から攻めざるを得なかったが、ともかく踏破した。
1000mを越す峠道を越える道は足を痛めた体調ではきつかった。でも達成出来万々歳だ。
これで「紀伊路」「中辺路」「大辺路」「伊勢路」「小辺路」を踏破出来た。後は「大峯奥駈け道」 だが、どうするかは「吉野道」で吉野まで到達してから考えよう。









    
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送