○ [第2日]、ストーブ列車・南津軽温泉(2008/2/22) 国内旅行ではモーニングコールもなくのんびり出来るが、いつもの習慣で6時前に目覚めてすぐに温泉へ。 冷たい朝の空気を一杯吸い込んでの露天風呂は気持ち良い。顔なじみになったツァー仲間と挨拶し、 のんびりと夜明け前の温泉を楽しむ。 部屋に戻って荷物の整理をしていると夜明けの太陽が山の頂から昇って来る。晴れた空にきれいに映える。 しばらく日の出の移り変わる光の帯に魅入る。今日の天気も最高のようだが、変化の激しい北国のこと心配もある。 7時から朝食会場で和風バイキングの朝食を食べる。お粥があるのは嬉しい。 朝食にも「ハタハタ」が出ている。目の前の日本海での漁獲量が一番多いそうだ。「いぶりがっこ」は沢庵をいぶした 素朴な味がして美味しい。和風バイキングだが、コーヒーもあり充実した朝食を楽しむ。 8時に出発する。バスに乗ると座席の上に包装された袋が置いてある。何かと確かめるとお土産の「秋田こまち」の お米(450gr)が一人づつ配られているのだ。パンフレットに書かれていたのを忘れていた。サンキュー!! 今日は「津軽ストーブ列車」に乗車するので、五所川原駅の出発時間に合わせなければならない。 雪が積もった内陸部に向かい、秋田自動車道を進むが、対向車もなく一車線だがスイスイと進む。地方の高速も 必要とは云われるが、この状態では・・・・?? 二ツ井町の「道の駅・ふたつい」でトイレ休憩となる。ここのトイレは昔実施された故郷基金の1億円でトイレが造られた そうで、豪華な建物のトイレで、子供用トイレは豆狸がガラス越に飾られているが、今考えると何なんだったろうと。 横の地元物産展で朝食に食べた「いぶりがっこ」の自家製のものを買う。 秋田自動車道を降りてR7号を進むが、一車線で軽トラや材木を積んだトラックがゆっくりと走るのでスピードが出ない。 追い越し車線も少なく、ノロノロ運転で時間が心配になる。 東北自動車道に乗り、時間を取り戻すべくスピードを上げる。車道の雪は除雪されているが、車窓からの景色は雪・雪 ・雪だ。 雪に覆われた丘はりんご畑で積もった雪から春を待つリンゴの木が一面に広がっている。 バスの中でガイドさんがパネルを使っての「秋田弁講座」をクイズ形式で楽しむ。東北弁は聞いても分からない のが、よく理解出来た。少し思い出して楽しもう。
東北自動車道を降りて県道を進むが、「津軽ストーブ列車」出発の時刻(11:40')まで時間がない。 雪道で前方の車はノロノロ運転で、添乗員が駅に電話している。 駅舎の写真も撮る余裕もなく、3両編成の一番前が貸切になっていて、我々のツァーだけとの ことで急ぐ。 最後尾の車両の「走れメロス」の標識を写し、急いで先頭まで走る。 先頭のディーゼル車をには「ストーブ列車」のパネルが掲げられている。ぎりぎりのタイミングで写すことが 出来た。 ホームにも雪が積もり、津軽平野の雪深いことが良く分かる。 車両には2台のストーブが設置されており、ストーブ横の席を確保し、暖かいストーブに手をかざして一息入れる。 すぐに列車は出発する。我々の影響で少し遅れたようだが、ローカル路線では影響ないのか? 津軽平野は真っ白で広々としている。ここで「地吹雪体験ツァー」と 云うものがあるそうだが、参加しようとは思えない。きっと風も強いのだろう。 昨日、入道崎で買ったスルメを取り出してストーブの上に載せる。 この風情が「ストーブ列車」の醍醐味だろう。 ここで、焼肉を焼くバカ者も居るらしく、餅やスルメが限界だろう。 スルメと一緒に買ったカップ酒もストーブの上に載せ燗をする。 添乗員が駅で貰ったと云うスルメを持って来たので、これも焼く。いい匂いが漂って来て、全員で分けて食べる。 雪景色を眺めていると車掌さんが来て、ストーブに石炭を投入してくれる。火力が強くなり横の座席は暑くて 離れた席に避難する。普通の列車より暑い位だ。 ストーブの周りでメンバーが交代に撮影をし、雪景色と「ストーブ列車」を堪能し、約30分の乗車を楽しみ、 もう少し乗っていたい気持ちを残して金木駅で下車する。 駅で車内販売の着物姿のおばさんに出会うが、ここからの 乗車の様で、我々が降りた車両に次のツァー客が乗車する。ローカル列車の特徴を上手く活かした商法だ。 「男鹿半島〜ストーブ列車」の「スライドショー」 雪が積もった金木駅前には五所川原駅から回送されたバスが迎えてくれる。 バスに乗車して駅の近くの昼食場所に行く。昼食は「しじみ釜飯」をメインに温かい味噌汁等々美味しくいただく。 自由時間となり、周辺の街並みを楽しむ。 金木の町は「太宰治ゆかりの地」であり、彼はここで生まれ、幼少の頃は勉学に励んだそうだ。学生時代には「太宰治」 の小説「斜陽」「人間失格」をよく読んだものだ。「走れメロス」は教科書にもあった記憶がある。 道沿いに立派な「斜陽館」が建っている。明治40年に大地主の父が建設した入母屋造り建物で、色々な変遷を経て、 現在は町が買い取り「斜陽館」として記念館となっている。 中の見学には時間がないので、正面の堂々とした建物を写して置く。 雪に埋もれた街中を散策する。戦国時代末期に建てられた「雲祥寺」が落ち着いた雰囲気で雪に覆われている。 街の路地に入ると雪が深い。津軽平野の積雪量が良く分かり、屋根からのつららも長く垂れている。 北国の厳しい冬の生活の一端を感じてバスに戻る。 バスは雪の津軽平野を進む。道の北側は防雪用のフェンスが切れ目なく設置されている。 「地吹雪」が 起こると道も雪に埋もれてしまうための防御策なのだろう。フェンスの切れ目からは何処までも続く 真っ白な平原が続いているのだ。 「黒岩伝承工芸館」に到着する。周りは雪で一杯だ。 津軽地方の民芸品が展示されていて、物産展も併設されている。中庭には「かまくら」が設けられて いるが、丸くはなく風情がないのでがっかりだ。昨日の「真山神社」で見た「かまくら」は小さいが 良かったと。 「黒岩伝承工芸館」の軒先には可愛い「雪だるま」が飾られているのは嬉しい。周りは雪で覆われて いるが、軒先の通路に並んで立っているのは雪国ならでのモニュメントだ。 大きな「だるま」が飾られている。「日本一の木地だるま」とのことで、青森産のひばから造られた高さ 1.4mのものだと。 奥の部屋に行くと青森名物「ねぶた」の模型が飾られている。模型とは云っても大きくて圧倒される。 まだ本物の「ねぶた」を見たことがないが、もっと大きな光り輝く「ねぶた」が掛け声に合わせて 練り歩く様は見事なものだろう。 青森の「ねぶた」も地方によって特徴があるらしく、掛け声も地域で違うらしい。 東北の夏祭りを巡る旅行も楽しいだろうとこの「ねぶた」の模型を見て思う。 「津軽こけし館」を出て、深い雪の中をもう一度「黒岩伝承工芸館」に戻り、物産展で地元のりんごを試食し、 美味しいので購入する。重いが帰っての楽しみが多いのは苦にならない。 ガイドさんがここのアップル・ソフトクリームは美味しいとのアナウンスで、売店を探して雪の中でソフトクリームを食べる。 冷たいがりんごの味がほんのりとしてなかなかのものだ。各地の名物ソフトクリームを食べるのも旅の楽しみだ。 深い雪を間近に体験して、旅行者にとっては嬉しいが、地元の方は大変だと再認識した。 バスは雪の中を今夜のホテルに向かう。晴れていれば津軽富士・岩木山が見られるのだが、曇っているので 残念ながら眺めることが出来なかった。 16時30分頃、南津軽温泉郷の「南田温泉・ホテルアップルランド」に到着する。 ホテルの屋上には「りんご観音」と云われているりんごを掲げた観音様が祀られている。名物のりんごと 交通安全を願っての観音様とか。早く着いたのでゆっくり出来る。 ホテルのロビーには「ねぶた」の模型が飾られている。やはり青森の民芸は「ねぶた」が一番なのだろう。 堂々とした武者や龍が睨み付けているのは迫力がある。 早速、温泉に急ぐ。大浴場にりんごを浮かべた風呂があると云うので、楽しみにしていた。 大浴場の中の小さな湯船にりんごが30個程浮かべられている。「世界一」と云う大きなりんごで、豊かな 気持になり、りんごの香りが漂っている。さすが、りんごの本場ならではの温泉だ。 露天風呂もあり、少しヌルヌルした泉質は気持ち良い。 18時から大広間で青森名物「けの汁」を始め山海の珍味を味わう。ビールで乾杯し、芋焼酎があるのかと 心配したが、青森でもあり美味しくいただく。 食事が終わりかける頃、「津軽三味線」の実演と津軽弁講座が始まる。 「津軽三味線」での演奏が始まる。力強い音色でお腹の底にも沁み渡る。軽快なバチさばきとリズムで 自然と手拍子が沸き起こる。 数曲演奏した後、静かに「故郷」の歌の演奏に合わせて、全員で 口ずさむ。 次の演奏が始まる前に一番前に座っておられた女性が踊っても良いか・・・との問いに快諾され、 「津軽三味線」に合わせて踊られる。 やんやの拍手だ。リズムにあった見事な踊りで全員大拍手。 奏者も乗って来て、次々と演奏するも踊りも負けずに身振りが合っている。奏者が次の会場にも 一緒に行き、演奏と踊りをやりましょう・・と話す位だ。 ツァーで初めて会った方達なのに打解けての宴会となった。全員満足感一杯でお開きとなる。 もう一度「りんご風呂」や露天風呂に入り、津軽の旅情を満喫する。 秋田と違って青森は雪深い。これで岩木山が見られたら最高なのに・・・と思いながら眠る。 「津軽旅情」の「スライドショー」 、
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