○ [第2日]、十和田湖・八甲田山(2008/2/23) 初めの予定では9時出発だったが、積雪により余裕を持って8時40分に変更となった。 目覚めて直ぐに風呂に行く。「りんご風呂」のりんごは片づけられていたが、露天風呂でノンビリと。 朝食はバイキングで、ここもお粥があるので美味しくいただく。アップルジュースもあり、食後に本場のジュースを 味わい満足感一杯だ。 食後、ホテルの周りを散策する。駐車場の雪は除雪されているが、裏のりんご畑は雪で一杯だ。少し中に入ると 足首から脛辺りまでスボッと雪に突っ込んでしまう。平野でこの積雪なのだから、山に登ると凄いだろうと。 8時40分の出発なので、ノンビリとロビーの「ねぶた」の撮影等、皆さん余裕ある行動だ。 定刻に出発する。予定表では八甲田山→十和田湖→酸ケ湯温泉→青森空港と進む予定だが、運転手と相談して 十和田湖と八甲田山を逆にすると。又、八甲田山のロープウェイは不通の可能性が大とのアナウンスだ。 ロープウェイからの眺めや八甲田山上での雪景色を楽しみにしていたので、残念至極だ。 車窓からは雪の平原が眺められるが、岩木山は姿を現さない。 津軽富士の雄姿を見られないのは残念だ。 高速を降りて、十和田湖への山道に入る。カーブを楽しみながら、時々現れる凍った滝を眺めて登って行く。 高台から白く曇った十和田湖の湖面が望め、神秘的な湖に魅入る。 坂を下って湖畔に面した駐車場に到着し、湖畔の散策に向かう。 雪が深く、カリカリに凍っているので、簡易滑り止めを付けてガイドの案内に付いて行く。 湖畔はある程度踏み固められているが、足首が埋まる程度の雪があり、凍った場所は滑り易い。 十和田湖は典型的な二重式カルデラ湖で、海抜400m、周囲は約46.2km、湖の最深部326.8mと日本第3位 の美しい 藍をたたえた神秘の湖と云われている。 その湖面にはシベリアから渡って来た白鳥がたくさん群れている。所々にパン屑が餌として売られていて、それを 撒くと白鳥が集まって来る。 まだ毛が灰色の子供の白鳥も見られる。 湖には遊覧船が出航している。この寒い中、果たして乗客が乗っているのだろうかと。 白鳥を眺めながら雪の湖畔を歩いて「乙女の像」まで行く。 十和田湖畔の御前ヶ浜にたたずむブロンズ像は、高村光太郎の晩年の傑作で、身体はモデルだが、顔は妻の智恵子との ことで十和田湖のシンボルとなっている。 ここで自由時間となり、写真を写した後、湖畔から離れてガラスの浮きで導かれた雪の遊歩道を「十和田神社」に向かう。 十和田神社は大同2年(807)坂上田村麿が一宇を建て、日本武尊を祭ったのが始まりという。 八郎潟伝説(八頭の大蛇伝説)も残り、藤原是真が、熊野権現に祈念して生れた南祖坊という説もある。 建武元年(1334)北畠顕家 に従って当地に来た甲州南部氏が、甲斐白鳥 の宮の祭神を遷して再興した。熊野権現、 青龍権現の名で知られ、東北の修験宗徒の修行の地として、恐山と共に南部藩の二大霊場として人々の信仰を集めたと いわれている。(十和田神社HPより) 遊歩道から雪深い階段を上ると荘厳な雰囲気で「十和田神社」が建っている。雪が深くて本堂の前まで行けないので、 遠くから礼拝する。屋根の雪も層になる位積もっている。 遊歩道から外れて「開運の道」の標識があるが、雪が深くて足首の上まで埋まりそうだ。先に歩いた方の 足跡があり、方向的には湖畔に向かっているので進むことにする。 時々足を雪に取られながら進むと「天の岩戸」等の祠が祀られている。これらを辿って開運を願うのだろう。 周りの林も静かに雪の中に木々が立ち、雪国の自然の真っ只中にいることを実感する。 「ホテル〜十和田湖」の「スライドショー」 11時から食事だが、今回はパスして自由昼食にした。まだ店が開いていない所が多いが、開いている店で 温かいラーメンを食べる。 11時40分に八甲田山に向かって出発する。バスの後輪にはチェーンが巻かれて万全の態勢だ。この辺りの道路は 雪もなく、チェーンの音や振動がうるさい位だったが、八甲田山の方は積雪がひどいのであろう。 奥入瀬を下って行く。40年前に訪れたのは夏だったので、少し散策した記憶があるが、今は真っ白でせせらぎと 葉を落とした林が続く風景で、これもまた風情がある。 バスガイドが左右の凍った滝の名前を云うが、雪に隠れて分らないものが多い。左右の真っ白な光景を楽しむ。 新緑の頃、紅葉の時期と 奥入瀬は四季を通じて自然を満喫させてくれる所だ。 奥入瀬を下って、八甲田山への登り道に進む。 除雪車が道路の整備をしていて、道路の両側の雪の壁が段々と高くなって来る。バスの窓と同じ高さや それ以上の所もある。正に「雪の回廊」だ。 道の横に続く白樺に似た林の枝には雪が載っている。パンダが木の上で眠っている様な雪の塊や兎の 形と見飽きない芸術作品だが、なかなかシャッターチャンスが上手く出来ない。 道路標識やカーブミラーが雪に埋まって頭だけを出している様子を見て、改めて雪の深さを感じる。 添乗員からロープウェーは悪天候のため不通になっていると正式に伝えられ、がっかり。乗場までは行くとの ことで八甲田山の入口まで行けるのだと自分になだめ聞かす。 途中の平原から八甲田山付近の雪山が望まれるが、外の吹雪は凄くて撮影が難しい。やはり八甲田山は 厳しい山なのだ。 現役の頃、「八甲田山死の彷徨」を題材に、199名の凍死者を出した日露戦争直前の雪中行軍訓練を 通じてリーダー論の教育を受けたことを思い出す。 この吹雪の中であれば・・・・・と。 真っ白な道を登り切り、八甲田山ロープウェー乗り場に到着する。外は猛烈な吹雪で、建物の中に進む間にジャンパーは 雪で真っ白になる。不通になるのは止むを得ないと納得する。 スキーやスノボーの若者が多く、駐車場には雪を被った車がたくさん停まっている。スキーのメッカでもあるのだ。 ロープーウェー乗場まで上がり、乗れなかったロープウエーと記念撮影をしたり、ゲレンデを滑るスキーヤーを眺めたりと 一息入れる。スキーよりスノーボードをする人の方が多いようだ。 館内に晴天の日の雪の八甲田山の写真が掲示されている。晴れていたらこのような光景なのだろうとパチリ。 ロープウェーの上から見ることが出来れば最高だったのにと思いながら。 吹雪の八甲田山から下って「酸ケ湯温泉」に向かう。秘湯の代表格で、白濁した温泉で混浴だと知られている。 約1時間の入浴タイムとなる。温泉入湯はオプションで、妻は入らないと云うので、早速温泉に向かう。 千人風呂と云われている通り、大きい。脱衣場は男女別々だが、中に入ると一緒になっている。湯気がたち込め 2-3m先も見えない位だ。 白濁しているが、ヌルヌル感は少なく、湯船も木なのは風情がある。これが有名な「酸ケ湯温泉」だと堪能する。 風呂上りに大きな建物を探索する。湯治場にもなっているので、館内には食事を作るための用具や素材も売っている。 湯治客だけでなくスキヤーの宿泊も多いようだ。 外人の一団が入って来た。ガイドが説明しているが、日本の温泉の ルールが果たして分るのだろうかと興味があったが、出発時間で様子を見るのを諦める。 湯上りでポカポカした体も外気の冷たさにピシッと引き締まる。吹雪でバスに行くだけで雪まみれになる。 周りの木々の雪のオブジェが美しい。雪の「酸ケ湯温泉」の良い経験が出来た。 今回の旅行行程は全て終了し、一路青森空港に向かう。 雪深い山から段々と下って行くと雪も少なくなり、雪による停滞もなく順調に進む。 添乗員からこの旅行行程のツァーは今回が初めてで、行程上ご迷惑をかけたとの話だ。なるほど、観光だけでなく 「なまはげ」「津軽三味線」の民芸にも接することが出来、楽しい企画だった。行程面で余裕のあり過ぎと 慌ただしいのがあっが、雪の状況に運転手が上手く対応し、満足な内容だった。 ガイドも明るく楽しく方言を交えながらよくやってくれた。16時40分頃、青森空港に到着し、 お礼を云ってお別れする。 さあ、後は飛行機が飛ぶことを願うのみで、空港の表示を見ると札幌行は不通、東京行は40分遅れ、 大阪は定刻通りとなっている。まず我々が乗る飛行機が無事到着してくれることを。 広くない青森空港の売店をのぞいて時間を潰す。大阪行の飛行機が到着したので、まずは一安心。 空港の中には青森の高校に通っていた卓球の福原愛ちゃんの大きなパネルが高校のPRをしている。ローカル 空港のほのぼのとした光景だ。 18時15分発の定刻通りに搭乗するが、飛行機は動かない。外は猛吹雪で窓に雨交じりの雪が当たっている。 ライトを照らしながら大きな車が近付き、翼に放水している。多分、翼に付いている氷を取り除いている のだろう。反対側の翼と時間がかかる。 約20分ほど遅れて、ようやく動き出すが、風が強い。向かい風に向かって、風に負けないようエンジン全開の 感じで出発し、無事離陸した。離陸にいつもより時間がかかった感じだ。 離陸しても機体の揺れは凄い。この揺れは、多分初めての経験だろう。上空に上がって揺れも収まり ホッとする。 「八甲田山」の「スライドショー」 JAL2156は往路と同じ機種で、3-2席の窓側に座る。空席もあり、雪の青森から大阪への旅行客はツァー客が多いようだ。 離陸の緊張感から解放されウトウトと眠る。 20時過ぎに伊丹空港に無事到着して、添乗員に挨拶して解散となる。 今回の旅行は雪の秋田・青森の自然を堪能すると共に「なまはげ」「津軽三味線」の郷土芸能、「ストーブ列車」での 旅情と充実した内容で、エジプトの乾燥した空気から潤った日本の空気を思いっ切り吸い込んだ3日間だった。 冬の厳しい時期に冬真っ只中の地方に行くのもなかなかのものだった。 、(工事中)
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