「まるごと東北感動・3日間」


[秋田・男鹿][ストーブ列車・南津軽][十和田湖・八甲田山]




○ [第1日]、秋田・男鹿温泉(2008/2/21)

昨年末の「エジプト旅行」で3000-5000年前の文明に接し、文明発祥の地の史跡に感動し、その荘厳さ・ 保存状況に驚いた。
しかし、現在の生活は決して豊かではなく、砂漠地方の厳しさを直視することにより、心落ち着かなかった。
現在の日本の素晴らしさを再認識し、帰国した後には日本の潤った自然を堪能したいと思った。

関西から北海道・沖縄には格安のツァーの案内は多いが、それに比べ、何故か東北地方のツァーは高いので、敬遠していた。 一度行っただけだったが、この冬の厳しい時に阪急トラピックスの格安のツァーの案内があったので申し込む。
秋田・青森の温泉で2泊し「津軽ストーブ列車」や「なまはげ」「かまくら」「津軽三味線」が体験出来、 冬の「八甲田山」「十和田湖」を見物できる内容で楽しそうだ。
申し込んだ日は成立せず、違う日にまとめられ(?)行くことになる。

7時20分大阪空港の集合時間に合わせて、6時前にまだ暗くて寒い中を出発する。
阪急・モノレールと乗り継いで7時15分に集合場所に到着する。受付は始まっていて、添乗員のT浦さんとご挨拶。 今回のツァーは39名と多いが、年配のご夫婦、女性の2人連れ、グループ参加と多様な集まりだ。
JAL2171便
大阪の天気は最高だが、秋田・青森は後半崩れそうなので少し心配だ。時間待ちの間、空港の屋上デッキで 飛行機の離発着を楽しむ。

秋田行JAL2171は定刻通り8時20分に出発する。ツァー客が多く満席だ。
MD-90の機種は3-2席で3人側の窓際に座れ、晴天の飛行を楽しむ。航路は松本空港から新潟を経由して秋田に 向かうようだ。
しばらくすると薄っすらと富士山が見えて来たが、雪の状態まで分らない遠方だ。アルプス付近は雲に覆われ 下は全く見えなかったのは残念だ。
揺れもなく順調に飛行し、秋田に近付くと真っ白な山々が見えるようになり、着陸は大丈夫だろうと一安心。 9時50分とほぼ定刻に雪に覆われた秋田空港に到着する。
空港内には大きな「なまはげ」が迎えてくれる。点呼をして、滑り易い通路をバスに向かうが、急に吹雪いて 来て、雪国の天候変化の激しい洗礼を受ける。

遠くの富士山
なまはげの出迎え
吹雪の秋田空港

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

バスに乗り、可愛い高橋まいさんのガイドで3日間の行程がスタートする。雪景色の道を秋田市街に向けて走るが、 ガイドの話ではこの辺りの雪は少ないと。
吹雪が止んで日が照ると云うように気候の変化は激しい。順調に進んで、11時前に昼食場所の「秋田まるごと市場」に 到着し、事前に頼んでいたOPの「稲庭うどんと肉鍋定食」を食べる。
朝が早かったので、丁度良いタイミングだ。
昼食後、市場の中をブラブラとショッピングするが、スタート直後なので買い物はなしだ。

冬の日本海
男鹿半島・最大のなまはげ
12時に男鹿半島に向かって出発する。
事前の案内で雪道は滑り易いので、簡易滑り止めを販売するとのアナウンスがあった。近くのスポーツ店に探しに行くと 適当なアイゼンの孫のような滑り止めがあったので購入しておいた。車内販売はパスして、所持した滑り止めを 用いることにした訳だ。
バスはそれほど激しくはない波が打ち寄せる日本海沿岸を進む。天王グリーンランドの高い塔を眺めて進むと 10mあると云う「なまはげ」の巨大な像が出迎えてくれる。
「なまはげ」は秋田県全般にあると思っていたが、本場は男鹿半島で、その入口に堂々と立っている。この 「なまはげ」が男鹿半島で一番大きいそうだ。後には雪を頂いた寒風山がそびえている。

男鹿半島へは学生時代友人と2人で東北を周遊した時に訪れ、寒風山にも登った記憶があるが、40年以上昔で はっきりとは覚えていない。
当時は八郎潟も大きく広がっていたが、今ではほとんどが農地に干拓され、調整池から設けられているだけだ。
その池からの川を男鹿大橋で渡り、男鹿半島に突入する。日本海に沿って半島を進み、「なまはげライン」を内陸に進む。 雪が段々深くなり、「なまはげ」ゆかりの地である「真山神社」に到着する。

左・仁王像
右・仁王像
真山神社は12代景行天皇の時代、武内宿禰が男鹿を視察の折、使命達成・国土安泰・武運長久を祈願して主祭神を祀る。
平安時代以降天台僧徒によって比叡山延暦寺守護神の赤神明神と習合、真山別当光飯寺が開かれる。
南北朝時代には真言宗に転じ東北豪族の庇護のもと修験の霊場として栄えた。
江戸時代には藩主佐竹侯の祈願所となり数々の寄進崇敬があった。
明治以降は神仏分離令により元の神域に復し県社(旧県社)に列格、昭和34年に神社所有の天然杉で現社殿が建築された。(真山神社HPより)


簡易滑り止めを付けてバスを降りる。カリカリに凍った道は滑り易く、これを付けていれば安心して歩ける。
神主さんの説明を受けて、雪の境内を参拝する。
「仁王門」には江戸時代中期の作と云われる朱色の仁王像が迎えてくれる。
石段を上り、本殿に参拝する。雪に覆われた境内は静かで落ち着いた雰囲気だ。深い雪なので行けない 「神楽殿」の鬼瓦は「なまはげ」が形取られている。

真山神社・仁王門 説明
真山神社・本殿
真山神社・神楽殿 鬼瓦

境内に「丸太船」が飾られている。秋田杉の丸太船で、底や舷は厚くなっているのは、この辺りの海岸は岸壁が 多いので、穴が開かないようになっているとのことだ。
神社の前の売店の横に「かまくら」が造られている。小さいが中に入ると暖かい感じだ。雪国の風情を味わい、 トイレを探すと男女入口を示すのは「なまはげ」だ。さすが「なまはげ」ゆかりの土地だと再認識する。

秋田杉の丸太船
かまくら
真山神社のトイレ

近くに「男鹿真山伝承館」が建ち、『なまはげ習俗学習講座』が開催しているらしいが、雪道を行かねばならず、 時間的にも難しいので諦め、早々にバスに戻る。
入道崎灯台
予定時間より早くなり、宿泊ホテルのチェックイン時間前になるので、男鹿半島の先端にある「入道崎」に寄り道することになる。 ナイス判断だ。

「入道崎」に到着し、バスを降りると猛烈な風だ。シベリアから日本海を渡って来る冷たい風で帽子が飛ばされそうに なり、慌ててジャンパーのフードを被る。
岬の先端に建つ「入道崎灯台」に向かう。白と黒の縞模様の珍しい色彩の灯台だ。風が強くて進めない位で、 灯台まで行くが、閉まっていて上ることが出来ない。
先端まで行き、日本海を眺める。岩に白波が打ち寄せ、冬の日本海の様相だ。冷たい北風を真正面に受けながら しばらく雄大な海原を堪能する。シベリアまでは見えないが。

駐車場に戻る途中にモニュメントが立っている。良く見ると「北緯40度の地」と刻まれている。先日、「青春18きっぷ」で 兵庫県西脇市の「日本へそ公園」を訪れた時、「北緯35度、東経135度」だったのを思い出す。
駐車場横の売店の前には「なまはげ」が土産物屋への客寄せをするかのように立っている。男鹿半島の入口から 岬の先まで「なまはげ」で一杯だ。さすが、「なまはげ」発祥の地だと納得する。
土産物屋で物色し、明日の「ストーブ列車」のストーブの上で焼こうとスルメと地酒を買って置く。準備万端だ。

日本海の荒波
北緯40度の地・モニュメント
入道崎のなまはげ

ホテルのチェックインが出来る時間になったのでホテルに向かう。男鹿温泉はすぐで、温泉郷の入口にも「なまはげ」が迎え、 15時15分頃に「男鹿ホテル」に到着する。
18時から夕食なの時間は十分余裕ある早目過ぎる位の到着だ。
すぐに温泉に直行する。源泉かけ流しの塩泉で広い露天風呂からは日本海も望まれる。気持ち良く手足を伸ばし ゆっくりとくつろぐ。
この辺りは雪は少ないが、所々には雪も眺められ、今日の疲れを癒す。

風呂上りにビールで乾杯し、まだまだ時間があるので、服に着替えて近所を散策する。外は冷たく少し寂れた 飲食街を抜けて、先程通った温泉郷入口の「なまはげ」をパチリ。
ホテルに戻り、ロビーを眺めるとここにも「なまはげ」が。

男鹿ホテル
温泉郷入口のなまはげ
ホテルのなまはげ


「出発〜男鹿半島」の「スライドショー」

「なまはげ」の「スライドショー」

夕食は宴会場で、秋田名物の「きりたんぽ鍋」「ハタハタ」を美味しくいただく。味・ボリュームも満足だ。
夕食の続きで「なまはげ神楽」の演舞があるのかと思っていたが、20時30分からロビーで他のお客さんと 観覧するとのことで部屋に戻る。余裕があり過ぎるのでTVを見ながら時間を潰すが、冷えて来たのでもう一度 温泉にザブン。

20時30分から地元の若者で構成されている「なまはげ郷神楽」による 和太鼓の演舞が始まる。
なまはげの演舞
和太鼓の力強い音・振動と共に3人の「なまはげ」が太鼓を叩きながら踊る。迫力満点だ。
一番前の席に座ったので、眼の前で鬼達が勇壮に踊り、太鼓を叩くのに興奮状態になり、魅入る。
太鼓を叩くのは体力も必要で、一人が連打をしては次の鬼に交代したりと連続で打ち続ける。
時々は観客の中に「なまはげ」が飛び込んで来たりと楽しい。子供が居たら怖がること間違いなしだ。

20分程の「なまはげ」の演舞に満足し、大きな拍手で鬼達を送り出す。
リーダーの男性と女性が残り、「なまはげ郷神楽」の生い立ちや活動の紹介がある。
地元の青年が昔から伝わる 郷土芸能を伝承する姿は素晴らしい。若者達の熱意と努力に賞讃の拍手が沸く。
太鼓の皮が破れたり、バチが折れたりするので、その一部にと観客から心付けが箱に寄付される。

鬼の面を取って青年達が戻り、和太鼓の演奏が始まる。迫力満点で連打が終わる毎に拍手の嵐だ。
掌が痛くなる。
連打をしては倒れたりと激しい演奏だ。女性も迫力満点の連打で観衆を虜にし、バチが折れて飛ぶ程の 熱演だ。
全員の合奏で男鹿半島の名物民俗芸能である「なまはげ」と和太鼓の演奏が終わる。大満足のひと時だった。 これからも続けてくれよと・・・。

なまはげ独演
太鼓を抱えるなまはげの演舞
なまはげの演舞

青鬼の迫力
和太鼓演奏
秋田美人の演奏


「なまはげ演舞」の「スライドショー」

「なまはげ郷神楽」の演舞と和太鼓の響きに満足し、もう一度温泉に浸かる。
露天風呂に出ると冷気が感じられるが、温泉に浸かっていると頭は冷えて気持ちが良い。夜に3度も温泉に 入ることは珍しいが、泉質も良く満足する温泉だからだろう。
心地よい満足感で一日目を終える。


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