「青春18切符」...「おわら風の盆・観賞の旅」


2008/9.01-02.. [おわら風の盆][大糸線]





○ 2008.09.01-02
(高槻→京都→米原→岐阜→(中山道散策)→鵜沼→美濃太田→下呂(温泉入浴) →高山→猪谷→越中八尾→(おわら風の盆・鑑賞)→越中八尾→富山→糸魚川→平岩(温泉入浴)→南小谷→松本 →塩尻(資料入手)→中津川→金山→大垣→米原→高槻)


今年の春から「中山道」を京都から歩き始め、7/26に「青春18きっぷ」を使って岐阜まで到達していた。
また、今春「青春18きっぷ」で「越前大野散策」に行く途中、列車で同席した男性から「おわら風の盆」は混雑するが、 見物人が帰った後、真夜中から地元の有志が地区毎に明け方まで踊っている姿は非常に風情があり、毎年訪れているとの 嬉しい情報を入手した。 では、今年の「おわら風の盆」の会場でお会いしましょうとお別れした。(もう一度お会いしても分からないが)
今回の「青春18きっぷ」旅行は「中山道」紀行と「おわら風の盆」観賞をドッキングさせ、二兎を追う計画にした次第だ。

@、第1日目・9/1(月)
高槻(5:00)→京都(5:21・5:30)→米原(6:36・6:48)→岐阜(7:36)→「中山道見聞」→鵜沼(13:42)→美濃太田(13:53・散策・15:31)→ 下呂(17:07・温泉入浴・18:30)→高山(19:39・20:20)→猪谷(21:24・21:42)→越中八尾(22:06) ===>477.6km・7350円

前回と同じ様に、前日からポカリスウェットの粉末から飲料水を作り、冷凍して置いたペットボトル2本を持って、4時半頃、出発する。 夜明けが遅くなったので、まだ真っ暗の中、自転車で駅に向かう。

夜明け

高槻発5:00の始発は、「青春18きっぷ」愛好家の姿も見られるが、思ったより少ない。今日から学校が始まるので高校生が いないからか?
京都で乗り換え、米原まではウトウトと眠ったり、前に歩いたコースを思い出したりしながら進む。 日の出が遅くなって来たので、京都を過ぎた頃に太陽が顔を出した。今日は天気が良さそうだ。
平日なので米原乗換は少し時間が早くなるが、空いた車両で少し雲がたなびいている伊吹山を眺めながら進む。田圃の稲も黄色く 色付き、一部は稲刈りも終わっている。暑くて台風もなかったから豊作だろう。
前回下車し、美濃赤坂行に乗換えた大垣辺りから通学・通勤客で満員になる。
今回は岐阜駅近くの「加納宿」から「鵜沼宿」までの長い宿場間の約17kmを踏破し、時間があれば次の「太田宿」まで 行く予定だが、夜の「おわら風の盆」でも歩かなければならないので、無理をしないことにする。
7時45分、岐阜駅を出発して、前回歩いた場所まで戻り、「中山道・加納宿」の中心に進む。
ここからは「中山道見聞録No6.(加納宿〜鵜沼宿)」> に詳細を記します。

「中山道」の「加納宿」から「鵜沼宿」までは、国道沿いの道が多く、距離も約17kmと長い。途中で昼食を食べ、「鵜沼宿」では 木曽川の対岸に「犬山城」が望め、京都から遠くまで来たことを実感する。
「鵜沼宿」から次の「太田宿」までは約8kmあり、途中には峠越えもあるとのことで、夜の「おわら風の盆」でも一晩中散策 しなければならないだろうと考え、今日の紀行はここまでとして鵜沼駅に向かう。(13:35)

伊吹山

岐阜駅

木曽川対岸の犬山城


画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

13時42分発の高山本線で美濃太田に向かう。ここで乗換えて高山経由備中八尾に向かうのだが、街道歩行で汗を一杯かいた。

美濃太田駅

汗を流し、すっきりして進みたいので、ネットで銭湯を検索し、「太田宿」の近くに見つけていた。 場所を観光案内所で確認して進む。(17:07)
銭湯を探しながら静かな街を歩く。やっと銭湯を見つけるが、暖簾が出ていない。ネットでは休日は確認していたので、 何故と。看板を見ると開店は17時からと。残念。
銭湯の場所と休みの情報は得ていたが、開店時間は盲点だった。関西の多くの銭湯は14時開店なので、同じ様に考えた のが失敗だった。 仕方がないので駅に戻り、何処かで休憩しようかと探すが、まだ開店していない店が多く、適当な店がない。 駅の売店で缶ビールを買い、ベンチで一息入れる。
シャツが汗で濡れているのが気持ち悪い。トイレの水で体を拭い、シャツを着替えて一段落する。

15時31分発の高山行の列車はガラ空きでゆっくりと座りながら北上する。昨年は富山から高山本線を南下して、美濃太田まで 来たのを思い出しながら。
当初の予定では、美濃太田で風呂に入り、夕食を食べ、高山・猪谷で乗換えて進む予定だった。やはり、風呂に入りたいので、 下呂で下車して、次の予定していた列車までの間に温泉に入ろうと。
下呂で降り、前回訪れた温泉に行こうと思ったが、念のため観光案内所で確認すると休みで別の温泉を紹介してもらった。 確認して良かった。
川を渡った「白鷺の湯」に向かう。河原の露天風呂には開放感いっぱいの中、男性が数人入っている。 さすが、女性は居ない。当然だろう。

白鷺の湯

日本三名泉・発祥の地の石碑

町の所々に温泉が湧いている所もあり、坂の上に立派な「白鷺の湯」が建ち、横には「日本三名泉・発祥の地」の石碑が立っている。
300円を払って入浴する。川に面した見晴らしの良い温泉で、温度は熱い。用心のため、いつもの様に水シャワーで体を冷やして 湯に浸かる。やはり、気持ち良い。「中山道」紀行の疲れを癒して、次に備えるのには十分な温泉だ。

駅に戻り、少し一杯飲み、夕食と考えるが、早くも閉まっている店が多い。少し離れた所に赤い看板が見えるので、居酒屋では と近付くと正解だった。「祭りはやし」と云う店で、カウンターに座り、生ビールで乾杯。
若い店主と話しながら楽しく飲み、食べる。隣のお客さんとこれから「おわら風の盆」を見に行くと話すと皆さん羨ましがって おられた。時間が自由になればそんな旅がしたいと。
温泉で炊いたお粥を食べて時間が来たので退散する。なかなか気持ちの良い店だった。

18時30分発の高山行の列車も空いていてゆっくりし座り、すぐに眠ってしまう。「中山道」を歩き、温泉に入り、一杯飲んだので 気持ち良く眠り、今夜の睡眠不足を補足する。
途中、女子高校生の帰宅とぶつかり、騒々しいので目覚めたが、再び眠り、目が覚めると高山駅に着いていたので、あわてて 降りる。駅前の店は閉まりかけており、コンビニがあったので、夜食用のおにぎりを買って置く。これで準備万全だ。

20時20分発の猪谷行もガラガラで、「18キッパー」の姿も見られる。女性グループが「おわら風の盆」観賞に向かうようだ。 真っ暗な山の中を北上するので、ウトウトと眠る。車内放送が富山からの列車が故障で、少し遅れていると。後で聞くと富山から 「おわら風の盆」用の臨時列車が増発されていて、富山駅は乗車する整理券を求める列が凄かったと。
8分程の遅れで22時15分頃、越中八尾駅に到着した。

ホームは誰もいないので不審に思いながら外に出ると長蛇の行列だ。富山方面に帰る方の列が続き、最後尾のプラカードを掲げている 係員に聞く。2-3列車待たないと乗れないのでは・・・と。

富山行の帰宅客

駅前の露天商

明日の始発も400枚の整理券を出して、整理券がないと乗れないとのことだ。
それにしても凄い人出に人気の高さが分かる。
前回訪れた時は駅前から街中へバスで行ったが、「おわら風の盆」期間中はこの辺り一面は通行止めとなっているので、歩いて 行かねばならない。案内所でMapをもらって露店の行列の道を進む。縁日によく出でいる店が呼び込みをしている。
露店が切れてもボンボリが灯り、駅に戻る人が多いので、道を間違えることはない。

薄暗い道を進むと人の輪があり、哀愁を帯びたお囃子が聞こえてくる。「おわら町流し」だ。
人が一杯で背伸びをして覗くと菅笠を被った女性陣が踊り、後ろには胡弓と三味線を奏でる男性陣がゆっくりと踊りながら 進んで来る。フラッシュは禁止なのにパッ・パッと閃光が光る。フラッシュ禁止で写すのでピンボケが多いが、ましな写真だけ掲載する。
見物人が5重位になっているので、なかなか写せないが、しっとりとした踊りに魅せられる。カメラを忘れて観賞する。民家の 2階からもたくさんの人が覗いている。あそこだと見易いだろう。

おわら町流し・踊り

おわら町流し・お囃子

ボンボリ・風の盆

ボンボリ・福島町

ボンボリ・東町

ボンボリ・諏訪町

ボンボリ・鏡町


「おわら町流し」は23時に終わり、各町のボンボリを眺めながら散策する。「おわら町流し」が終わったので、少し 人数は減ったようだが、まだまだたくさんの方が残っている。小生と同じ様に、朝まで残っているのだろう。
道路沿いの民家も窓を開けて、来客の接待をしている。その中の一軒で、座敷で艶やかな芸者さん(?)が踊り、お客さんが 観賞している光景に出合う。人だかりの輪の中に入って、格子越しに踊りを眺める。「町流し」と違って艶やかに感じる。

少し進むと少人数の自主的な「町流し」をやっていたが、観客が一杯で見ることも出来ない。人混みをパチリ。
上新町では道路の両側100m位を輪になって、一般の観光客が踊り子さんの指導で踊っている。皆さん上手で、何年も来ておられる ようで、喜々として踊っている。この光景もなかなかのものだ。

お座敷での踊り

少人数の町流し

観光客と一緒に


輪踊り

輪踊り

輪踊りの指導

観光客の「輪踊り」の真ん中には指導する踊り子さんが踊り、客はその姿を真似て踊っている。
輪の中にも踊り子が入り、 見本を見せている。所々に台があり、大きなボンボリの下にも指導者が踊っているので、輪に入り易く、リュックを背負った方も 踊っている。

少しくたびれたので、曳山展示館前の特設ステージで休憩する。ベンチの上や地面にマットを敷いて眠っている人がたくさんいる。 真夜中の「町流し」に備えて仮眠しているのか。 生ビールを買い、おにぎりで腹ごしらえをする。じっと座っていると肌寒いので、用意してきた長袖のパーカーを着込む。
ネットや来ておられる人の話では諏訪町の「町流し」が良いとのことで、諏訪町に向かう。
踊り子やお囃子が休憩する公民館近くの道の両側は踊りが始まるのを待つ人が隙間なく座っている。

諏訪町のボンボリ

町踊りを待つ人

少し空いているスペースを探して座り込み待つことにする。
周囲の方はバスで大阪から来られていると。向い側の10人グループの女性は群馬から。
長い石畳の道の両側には500人以上 待っているのではないだろうか。
地元の方が話に来られ、福田首相が辞任したと。
びっくりしたが、聞いた途端、安倍前首相と二期に渡っての無責任な 辞任に呆れてしまう。二世議員のひ弱さか!?

0時30分から待っているが、公民館から踊りを終えた人が帰って行く。深夜の「町踊り」はあくまでも自主的なものとは 聞いているが、これだけ待っている人がいるのに・・・。1時になれば、1時30分になれば・・・と待つが、始まりそうも ないので、1時間半待って、2時に諦めて諏訪町から鏡町に向かう。
街角にはお囃子の男性陣が集まって、胡弓と三味線で奏でている。薄暗い中での演奏は雰囲気があり、しばし聞き惚れる。
鏡町の坂道を「町流し」が下っている。光が届かない坂道を哀愁を帯びた曲に合わせて踊る女性の姿は美しい。フラッシュを 焚くカメラマンは注意されているような雰囲気だ。前に回って、少しボンボリの灯りがある所で写すが、小生の持つデイジカメでははっきりと 写せないが、趣のあるものだ。深夜の「町踊り」では、女性の踊り子は菅笠を被っていない。

鏡町の町踊り

鏡町の町踊り

鏡町の町踊り


真夜中の「町踊り」の雰囲気を満喫する。良かった!!
始発の整理券のことが気になり、駅への道を急いでいると別の町内会が舞台の上で踊っている。少し眺めて駅へと。 若手の男女の踊り手が集団で一升瓶を担いでアップテンポの踊りをしている。静かな踊りだけでなく、弾けた踊りもあるのだ。
お囃子だけが通りを曲を奏でながら歩く姿や小さな輪になって踊っている姿を見る。

舞台での踊り

通りで奏でるお囃子

地元の方もそれぞれお祭りを楽しんでいることが良く分かる。

3時30分、八尾駅に到着する。整理券を配るテントの中は地面にシートを敷いて眠っている人で一杯だ。一番後ろと思われる所に座って 待つ。
続々と人が集まり、列が長くなる。後ろの方では列の最後尾が分からず、もめているようだ。5時から整理券を渡すとの ことだが、列が長くなって来たので、早く配布するようにと係員に要請するがダメだと。JRの駅員が出て来たので要請するが、 決まっていることでダメだ融通が利かない。全員で早く配れと促し、やっと団扇になった整理券が配布される。昨年までは 紙切れだったそうなのが、なかなか素敵な記念品になった。

整理券をもらっても列車に乗って座るために、改札口の前に再び並ばなければならない。整理券をもらう列もまだ並んでいるが、 400枚の整理券がなくなり、始発には乗れなくなるので駅員ともめている。
一般の通勤客も乗るので、制限しているそうだが、4両編成を増結するとか、始発前に臨時列車を出すとか、JRも考えれば 良いのにと近くの人達と話し合う。
5時30分にゆっくりとホームに誘導され、列車の到着を待つ。ホームは人で一杯になり、列車到着と同時に順序良く乗り込み、座ることが 出来たが、満杯だ。
発車間近に男女の若い踊り子がホームに来て、見送りの踊りを披露してくれる。乗客の感謝の拍手と共に富山行は出発し、 「おわら風の盆」の一夜は幕を下ろす。

始発を待つ行列

始発乗車整理券

見送りの踊り



「おわら風の盆」の「紀行スライド」


5時53分発の4両編成の列車は夜明けの富山平野を富山駅に向かう。
整理券の行列から一緒に並んでいた年配の男性と 同席して話す。20年程前から「おわら風の盆」に通っているとのことだ。これから立山に登り、長野・軽井沢・東京を 廻って、大阪に戻るとのこと。
お年を聞いて驚いた。87才とのこと。その元気な姿に、思わず握手する。やはり、 好奇心を持ち、行動することが若さを保つ秘訣の様だ。
昨夜の福田首相辞任の北日本新聞の号外を持っておられ、どうぞ、とのことでありがたくいただく。
6時18分に富山駅に到着して、気を付けて行って下さいとお別れする。
ほとんど眠らずに観賞した「おわら風の盆」の余韻に浸りながら、次の行程に進む。


[おわら風の盆][大糸線]






    
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送