「台北美食の旅」

[出発][第1日目][第2日目][第3日目][第4日目・帰国]



○ 第2日目 (5/28)

台北では日本の衛星放送が見られる。昨夜もNHKの野球中継を見ながら眠ってしまった。
台北凱撤大飯店
朝、4時半頃目覚めて窓の外を見ると曇天だが雨の心配はなさそうだ。台北駅はまだ静かで人影も なく、車が少し走っているだけだ。
NHKの衛星放送で日本のニュースを見られるのは嬉しい。特に事件もないようだ。

5時半になったので、朝の散歩を兼ねて台北駅に行く。
今日は半日観光があり、午後は自由行動となるので、列車に乗って九分(イ分)に行く計画にしている。
列車の時刻を調べようとするが、案内が分からない。切符は1階で、乗車は地下の改札口からすること だけ確認する。
地下道からホテルに戻る時、隣の三越の前を通ると日本と同じ様にライオンの像が建っているのにニンマリする。

ホテルに戻り朝食に行く。レストランでバイキングだ。
西欧人、日本人、現地人と国際色豊かで、料理も色々と 豊富だ。本場の粥が食べられるのは嬉しい。飲み物・果物もなかなか美味しい。台湾のマンゴー・スイカを 堪能する。マンゴーは果肉が厚く甘い。スイカも水気・糖度十分だ。
オーストラリアからの学生がグループで談笑しながら食べている。もう夏休みに入っているのだろう。

台北駅
三越デパート前のライオン像
バイキングの朝食

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

8時30分にホテルロビーに今日の現地添乗員が迎えに来ることになっているので、それまでの間、ホテルの近くを 散策する。
地図を片手にホテルの横の道を台北駅とは反対側に進む。まだ人通りはなく、新聞を配達するバイクが 走っているだけだ。
店々の看板が面白い。日本料理の店も多く、日本と同じ様な看板がある。カニの看板は大阪を思い出 させるものだ。漢字の看板はその店屋が何かと理解出来るのは同じ漢字文化の台湾ならではだ。

緑が溢れる「二二八和平公園」に向かって進む。大きな公園で池の中には如何にも中国風の東屋が建ち 、今まで近代的な建物を見ていたので台湾の風情を感じる。
広い公園の木陰ではグループ毎に太極拳をユックリとしたリズムで楽しんでいる懐かしい中国の風景が見られる。
木々の間から周辺を見渡すと、青空にホテルの隣の台北で2番目に高い(51F)三越デパートが望まれる。 古色豊かな静かな公園をゆっくりと散策する。まだ暑さは感じない気持の良い朝だ。
ホテルに戻る道で「吉野家」の前に停まる「ファミリーマート」の運送車を見ると日本と変わらない風景だ。

カニの看板
二二八和平公園の建物 三越
太極拳



今回の旅行はホテルの送迎以外は自由行動しようと考えていたが、台北の主要な観光地を小生は以前に 見学しているが、妻は初めてなので、無料の半日ツァーの方が効率的に廻れるので活用することにした。
8時30分にロビーで待っていると現地添乗員の李さんが来られ、同じホテルの女子大生2人とワゴン車で待つ 年配のご夫婦6人のグループでの行動になる。

まずは「忠烈祠」に向かう。
忠烈祠・大門
衛兵
「忠烈祠」は、1911年、孫文の指導で清朝打倒をスローガンに辛亥革命が勃発し、1912年に中華民国が 成立したが、この戦いで犠牲となった約33万人の英霊が祀られている。

「忠烈祠」は1969年に竣工され、大門・中央広場・鐘楼・大殿等の建物で構成されている。

大門・中央広場・山門は白い石がベースで、シンプルで静かで神聖な雰囲気が漂ってる。

これとは対照的に大殿や 鐘楼は、中国宮殿様式が採用され、赤い柱と豪華絢爛な彫刻が印象的で、北京の紫禁城がモデルと なっていると。


「忠烈祠」の衛兵交代の儀式が毎時0分に行われるので、9時の交代を見学するため月曜日なのに少し混雑した 道路を急ぐ。
「忠烈祠」の大門の前には早くも観光バスや我々と同じワゴン車・タクシーで混雑している。集合場所と時間を 確認して自由見学となる。
大門の前で護衛する衛兵は微動だにせず、次々押し寄せる観光客の記念撮影に耐えている(?)
広い中央広場から遥か向こうに朱色の大殿が見られるが、広場への侵入はSPによって制限される。

9時丁度にカシャカシャと軍靴の音を響かせながら7名の銃剣を持った衛兵が広場に行進して来る。
広場の中央まで行進し、銃剣のパーフォーマンスがあるが、キリッとした編制での儀式に見学する者も声も 出さないで、静かに見守っている。聞こえるのは軍靴の音とシャッターの音だけだ。
広い中央広場を進み、大殿の衛兵と交代する。交代した途端に不動の体勢になり、これから1時間続け るのだ。この衛兵達はは軍隊でもエリートとのことだ。

大殿の交代から中央広場を大門に戻る。衛兵の周りには見物人が取り囲み、カメラを向けている。
行進は大門に進み、ここで衛兵の交代の儀式を行う。銃剣を廻したり、合わせたりと。そして2人の 衛兵が交代して儀式が終わる。

衛兵の行進
大殿の衛兵
見物人との行進



到着した時に比べると車両が増えた「忠烈祠」から、宮殿と間違える程絢爛豪華なホテル「圓山大飯店」を 眺めながら「故宮博物院」に向かう。

「故宮博物院」は中国大陸の歴代の皇帝がコレクションした歴史的遺物を多数、所蔵・展示している。
その展示の数が合計65万余件冊にも及ぶことから、世界四大博物館のひとつに数えられていると。 博物院では3カ月に1回の割合で展示品の入れ替えがあり、膨大な所蔵量のために、全ての所蔵品を 見るには8年余りもかかると。


正面入口から李さんの案内で約1.5時間の見学に進む。
今年の春にリニューアルされた「故宮博物院」はきれいになり、見学者もたくさんいる。ユックリ見ても1日では 無理な展示を李さんがピックアップして案内してくれる。
ただ、内部は撮影禁止で、「故宮博物院」のHPの写真も無断掲載禁止なので映像は掲載出来ないのは 残念だ。

故宮博物院
故宮博物院から
ポイントを絞って、満員の館内を急ぎ足で駆け回る。

「翠玉白菜」は、翡翠(ヒスイ)の原石で造られた白菜で、19cm程の大きさだが、原石の色合いの変化を巧みに 利用し、緑の葉先にはキリギリスとイナゴ精巧に彫られている。キリギリスとイナゴは子孫繁栄を意味していると。 輝きや精巧な細工は見事だ。

「肉形石」は、外見は豚の角煮そのもので、三層のばら肉となっており、皮表面の毛穴までそっくりで 精巧さの中にユーモアを感じる。
「毛公鼎」はの内側に500字もの長い銘文が刻まれた酒器で、上部に2本の柱が付いているのは、長い 髭を分けて飲むためのものと説明される。

その他、象牙細工、翡翠の印鑑、硯等々見所は多い。駆け足で廻って、少し消化不足であるが、ツアーで あり、古美術にそんなに興味の無い者にとってはマアマアかと。
外に出て、「故宮博物院」の外観だけ撮影する。

ツァーに不可欠なお土産店に少し立ち寄った後、最後の観光地である「中正紀念堂」に向かう。
前に訪れた時は正面から入ったので、その広場の広さと建物の大きさに驚いたものだ。今回は正面で なく、横の入口から側面の「中正紀念堂」に向かう。
ネットで「中正紀念堂」の名称が変更になった情報を得ていたが、詳しい内容は分からなかった。

小生の理解では台湾の建国に力を注いだ方は「孫文」と「蒋介石」と思っていた。しかし、「蒋介石」の 偉業を称えて造られた「中正紀念堂」の名称が「台湾民主紀念館」に変わったのだ。
前回訪れた時は大きな建物の2階に「蒋介石」の銅像が祀られ、衛兵が護衛していた。その交代儀式は 「忠烈祠」と同じく1時間毎に行われていた。

建物は工事中で、銅像も撤去され、2階には上れなく、1階の執務室を廻ることになる。当時乗った 乗用車や絵画の像が飾られている。
中央の広間にたくさんの掲示板が立てられビラが貼られている。「再見、蒋総統!」とあるので、李さん に意味を確認すると「さようなら、蒋介石」と云うことだと。
横に印刷した「日本人向け」のパンフレットが置かれていたので、読んでみると驚いた。蒋介石を全否定して いるのだ。(詳細はパンフ参照)

歴史上の人物も歴史を検証した中でその功績を否定され、排他されるのだ。日本でこの報道があったのか 知らないが、功績を称えたメモリアルホールの名前からも無くなってしまうのだ。複雑な気持で「台湾民主紀念館」 を後にする。

台湾民主紀念館..(旧中正紀念堂)
蒋介石の像
掲示板とビラ パンフレット

半日観光はこれで終わりだ。同行の年配のご夫婦は一日観光なので、お別れして女子大生と我々は ホテルに送ってもらう。
一度部屋に戻り、小休止する。

昼食を食べに台北駅の地下街にあるフードコートに行く。
C定食
D定食
軽く食べようと店を探すと呼び込みをしている大衆食堂があり、陳列を見てC定食とD定食を頼む。 どちらも120元(480円)だ。

焼ソバ的なビーフン焼に春巻・スープが付いたC定食。ラーメン風の麺に豚肉の卵焼きと豆が付いたD定食。
スープの香野菜の香り(匂い?)に少し難があるが、ボリューム・味共に満足する定食だ。客の回転も良く なかなか忙しそうだ。

自由行動で九分(イ)(チョウフェン)に行こうと台北駅に向かう。
ガイドブックでは鉄道で「瑞芳」まで行き、バスに乗り換えて九分に向かうと。
メモに「瑞芳・大人2枚」と書き、200元を添えて切符売場に提示すると切符2枚とおつりが戻り、メモに 「15:11'発」と書いてくれている。料金は52元(208円)x2=104元と安いのに驚く。
時刻が14:00なので1時間もある。もう少し間隔が短いはずと思って、地下の改札口で切符に鋏を入れて もらう。切符に鋏を入れるのは何十年振りだろうか!?

台北駅地下ホーム
地下2階のホームに下りる。時刻表を探してチェックすると、14:30'発の列車が「瑞芳」に停車するので、駅員に 切符を見せて変更出来ないかと身振り手振りで交渉する。少し英語を交えて話すが、ダメだと。
多分、14:30'発は特急で座席指定なので乗れないと云っていると想像し、立ち席でも乗れば何とかなるだろうと 覚悟を決めていた。
すると、先程の駅員が来て、駅長室に行く様にと。ホームの端の駅長室に行くと駅長さんと思われる方が おられ、身振り手振りで話すと「乗って良い」とOKマークを指で示してくれた。これで大丈夫だ。

特急列車(自強号)が到着し、心配しながら乗車すると通路には人が立っているので一安心だ。
人が来れば立てば良いと空席に座ってくつろぐ。座席は快適で地下から地上に進む列車の心地良い 揺れに身を任せる。
田園風景や小さな町の街並みを眺めながら進んでいると、急に暗くなり激しい雨が降って来た。台湾の 夕立だ。列車に乗っている間に降ってくれればと願いながら。

検札が来て、前の人が追加料金を払っているのを見て、別に問題ないと確認する。切符を見せ、100元札 を出すと車掌が手持ち発券機から精算された切符を発券し、28元x2=56元を支払う。合計すると1人80元 (320円)と本当に安い。
15:05'、35分で「瑞芳」に到着する。雨はほとんど止み、これからの観光に支障はなさそうだ。

台湾の列車
快適な車内
瑞芳駅



駅前のスーパーマーケットの前のバス停で待つ。すぐにバスが来て、九分(?)と聞くと、うなずかれたので乗車する。
バスはクネクネと曲がっている舗装されている道を登って行くと海が眺められるようになる。夕立の後の 少し霞んだ東シナ海が幻想的に望まれる。岬巡りの感覚で車窓から海を楽しむ。


九分のバス停で下車し、すぐ横にある展望台に上る。車窓から見ていた幻想的な風景が一望出来る。

九分は台湾のレトロが凝縮された町で、山の急斜面にへばりつくように家々が並び、その間を坂道や細い 路地が縫うように走っている。
19世紀末に金鉱が発見されると、ゴールドラッシュで人口は一気に数万人に増加し、大きく繁栄した。 この時代に建てられた豪邸の一部は現存していると。
戦後、金脈が尽きるにつれ人も去って行ったが、映画「悲情城市(1989年/ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞)」や「千と千尋の神隠し」の舞台になったことをきっかけに、90年代より観光地としての 人気がブレイクし、50年前の空気をそのまま瓶に閉じ込めたような九分は、台湾を代表する観光地と なったと。


基山街の商店街
芋圓
時々小さな雨が降るが、たいしたことはない。
すぐアーケードのある商店街と云うより露店が並んでいる基山街の細い道に入り、珍しい商品や店の 賑わいを楽しみながら道なりに進んで行く。

ガイドブックでも紹介されている、かき氷にタロ芋と小麦粉をこね合わせた白玉団子と小豆のアンとマンゴーが 載ったアンミツ風の「芋圓」を注文し、見晴らしの良い奥のテーブルでいただく。冷たくて美味しい。
少し蒸し暑いのがすっきりと涼しくなった感じだ。開かれた窓からは海と入り江が見られ、一息つく。

商店街から石段の坂道に進む。提灯が吊るされ昔の面影が偲ばれる街並みだ。この辺りを映画では 題材にしたのだろうと散策する。
台湾の人達も観光に訪れているのだろう。日本人は少なく現地の人の声を聞きながら、外観は日本の 戦前と同じ様な街並みを見ていると少し変な感覚に襲われる。
階段を下りきると映画館の跡なのだろうか、大きな映画の看板の絵が昔のまま飾られているタイムスリップした ような街なのだ。
石段を再び上り、そして下って風情を満喫する。

坂と石段の街並み
提灯が吊るされた石段
映画館の跡

坂道と石段を楽しみ、下の道をバス停の方向に進むと古い民家が建ち並ぶ。人通りもなく静かな街並みを ゆっくりと進むと海が見え落着いた光景だ。
途中の坂道を上って、商店街に戻り、お店を眺めながらバス停へ。

有名な坂道
海と岬
古い街並み
石段



時代が戻ったような九分の街並みを後にバスで「瑞芳」に戻る。
駅前のスーパーをのぞいて、珍しい野菜・果物等眺め、ホテルのおやつ用にマンゴースティンを買い求める。

切符売場に行き、台北と云い、指で2枚と示すと124元と日本語で帰ってきた。小銭も入れてお金を 渡すと切符2枚と「ありがとう」の声。駅員さんは凄い。
一人62元(248円)と往路より安いのは急行(呂光)の指定席のようだ。 切符を見ると17:34'発なので20分程度ある。駅の待合室でしばらく過ごし、ホームに向かう。ホームの台湾語は 「月台」のようだ。
ここで懐かしい風景に出会った。おばさんが駅弁を売り出したのだ。前に停車している列車の入口に 行き、車内に声をかけて売り込んでいる。

事前にサイトで調べている時、台湾の鉄道の座席番号の振り方が変わっているとの話を聞いていた。往路は 乗車してから精算したので、はっきりしなかったが、復路は切符をもらっている。
1号車の30番と32番と離れている。乗車してからが楽しみだ。

やがて列車が到着して乗車すると、我々の席に若いカップルが座っていたが、近付いて番号を確認して いると立ち去った。
30番と32番は並んだ席だ。進行方向に向かって左側は偶数で、30番は窓際、32番は通路側、そして 右側は通路側が31番、窓際が29番になっている。
左側から順番に書くと、左窓・30・32・通路・31・29・右窓となっているのだ。なかなか難しい配置だ。

瑞芳駅のホーム
急行列車
乗車指定席券 座席表示

満席の列車は台北に進む。しかし、鉄道料金の安いのには驚きだ。
18:25'台北駅に到着する。蒸し暑さで少し疲れたので、ホテルに戻る。ホテルがターミナルに近いのはこの様な時 には便利だ。

夕食は余り重いものではない方が良いと考え、もう一度小籠包を食べることにする。ガイドブックでもう 一つ有名な「京鼎楼(チンティンロウ)」に行くことにする。
ホテルからタクシーに地図を示して、OKと尋ねるとOKと。タクシーの初乗りが70元(280円)と安く、ネオンの輝く 繁華街の道を片言の日本語を交えて運転手と話しながら行く。75元(300円)で店の前に到着する。

京鼎楼
夕食の品々
行列があるかと心配していたが、すぐ入口横の席に座れた。どうも地下に客席がたくさんあるようで 人の出入りは多い。
メニューを見ながら、小籠包・海老餃子・焼き飯・青野菜とビール2本を注文する。

台湾ビールで乾杯し、小籠包を。昨日行った「鼎泰豐」と甲乙つけ難い味とジューシーさに舌鼓する。海老 餃子もgoodだ。

焼き飯・青野菜とごはん類も食べ、大いに満足する。
小籠包・海老餃子は本当に美味しかった。
ご馳走様と云うと伝票を持って来た。料金は750元(3000円)と日本よりは安いか。満足して支払う。

夜の台湾の街並みを味わうべく散策する。街はネオンで明るく、車もたくさん走り、女性のファッションも日本と 変わらない。
夜の台湾光景
大阪方式のエスカレーター
MRT(地下鉄)の中山駅に向かう。
途中の広い道からは三越デパートの高いビルが望まれる。
蒸し暑い街を進むと広い「中山北路」に出る。車の量が多く、活気溢れる路だ。

中山駅でMRTの切符を買う。自動販売機で確認すると1区間は20元(80円)と安く、日本の切符と違って 磁気カードが出て来た。
改札口を入り、初めてMRTに乗る。電車は通勤客で満員だがきれいで快適だ。
1駅先の台北駅で下車し、エスカレーターに乗ると立ち止まる歩行者は右側で急ぐ人は左側を歩いて上って行く。 東京方式でなく、大阪方式だ。他国で検証していなかったが、これからは機会があれば検証したい。


ホテルに戻り、入浴する。湯上りにビールを飲みながらNHKの衛星放送を見ていると、あの「何とか還元水」で 悪名高い松岡農水大臣が自殺した報道であわただしい。これは日本では大変だろうと。
自由行動を九分観光で有意義に過ごすことが出来、満足した一日だった。グッスリと眠る。


[出発][第1日目][第2日目][第3日目][第4日目・帰国]


(工事中)





    
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送