「台北美食の旅」

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○第3日目 (2007/5/29)

朝、5時頃にに目覚め、窓から台北駅を見ると青空が出ている。梅雨を心配していたが、今日も問題ない ようだ。
今日は一日中自由行動なので、日没が美しいと云われている淡水に行こうと思っていたので有難い。

歩道で新聞の仕分け
新聞紙面
5時半になったので散策に出発する。昨日と同じ様に「二二八和平公園」に向かう。歩道の真ん中で 新聞屋が新聞の仕分けをしている。
ちょっと覗いて見ると昨夜衛星TVで見た、「松岡農水大臣」の自殺が現地の新聞に大きく載っている。
こちらでも日本の政治問題は大きく載るのだ。
しかし、昨日の「蒋介石」のことは日本の新聞に載って いたのか分からない。

後でその新聞を手に入れる。「醜聞纏身..日農林大臣自殺」と裏一面に写真入で 掲載され、安倍首相の写真も。漢字文化なので見出しの意味も良く分かる。「醜聞纏身」と日本の 新聞には載っているのだろうか。

「国立台湾博物館」「二二八和平公園」の横を通って「総統府」に向かう。


前回訪れた時、「総統府」の写真を写そうとしていると、銃を持った兵隊が近付いて来て、ダメと 云われたことを思い出す。
広い道の向こうに堂々とレンガ造りの台湾の行政の中心である「総統府」が建つ。
建物の方向に進んで行くと楽器の音が聞こえるので、何処からかと見廻すと「総統府」の横の通路に 楽隊が集まり、音合わせをしている。
6時になり、楽隊が行進し始め、次に衛兵が銃剣を担いで行進する。建物の前で止まって、楽隊が多分 国歌を演奏し始めたのであろう。「総統府」の塔の上に国旗が掲揚され始め、青空に国旗が翻る。
毎朝6時に行進と国旗掲揚があるようで、最高のタイミングに訪れたのだ。

楽隊と衛兵の行進
衛兵の行進
国旗掲揚

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

国旗掲揚が終わり、楽隊と衛兵は奥に戻り静かな雰囲気となったが、銃を構えた衛兵が警護している 姿は台湾の現状を現わしているのだろう。
前回は写真撮影も許されなかったが、今回はSPにカメラを見せて確認するとOKの許可が出たのは?

「総統府」の前の広い道を歩いていると遥か彼方に「台北101ビル」の竹をイメージしたビルが望まれる。 やはり高い。
広い道の真ん中に清国時代は城壁で囲まれていた台北の入口の一つであった「南門」が建っている。 この辺りは城壁で囲まれていたのだろう。
横の公園には色彩豊かな中国風の東屋が緑の中に佇む静かな空間だ。
人気のない所でカメラを持つ方と出会う。日本人と思い挨拶すると東京から来られた方で、今日帰国すると。 昨日、淡水に行かれたとのことで情報を仕入れる。雨には遭わなかったが、日没は見られなかったと。

台北101ビル
南門
中国風の東屋

「台湾民主紀念館(旧中正紀念堂)」に向かう。
通りの向こうに白い壁で青い屋根の「大中至正」門が望まれ、その間から本堂が小さく見える。広い 広場は石が敷き詰められ、左右には音楽庁や戯劇庁の立派な建物が建つ。
昨日、「蒋介石」否定のビラを読んでいたので、不思議な気持で本堂に進むが、昔祀られていた「蒋介石」 の像は取り去られている。
広場の片隅では太極拳に興じる方々が静かに楽しんでおられる。

大中至正門と本堂
台湾民主紀念館(旧中正紀念堂)
広場からの大中至正門


中正紀念堂駅
一日乗車券
MRTの中正紀念堂駅に行き、地下鉄で戻ろうとする。
今回のツァーではMRTの一日乗車券(200元=800円・50元はデポジット)が特典として付いているので、この チケットを活用してMRTに乗る。
カードは「台北101ビル」が描かれたきれいなカードで、改札口でカードを触れさせるICチップ方式だ。

まだ6時過ぎなので、地下鉄は人も少なくきれいなのには驚く。台北の地下鉄はなかなか安くて快適な 交通機関だ。





ホテルに戻り、6時40分、朝食に向かう
昨日とはおかずも少し変わっていてお粥を美味しくいただく。昨日のオーストラリアの学生達も楽しく食事している。
ホテルの新聞で松岡大臣の記事を探し、確認する。何処かで買わなければと。

今日は自由行動なので、色々とプランを立てていた。夕方は淡水の夕日を見に行き、帰りに夜市でB級グルメを 食べようと。
台北に到着した時の添乗員だった甘さんが、「国立歴史博物館」で「秦始皇兵馬俑」展が行われているとの 情報を入手していた。 日本でも展示会はあるだろうが、中国本土の西安までなかなか行けないので、同じ中国文化を共有する 台湾で見学しようと。良い機会に恵まれた。

ユツクリと8時20分に出発する。
妻は昨日行った「台湾民主紀念館(旧中正紀念堂)」の全容を見ていないので、MRTで朝の散歩で乗った 中正紀念堂駅に向かう。
駅から広場に向かう途中の道路では信号待ちのバイクの集団が一斉に走り出すダイナミックな台湾の表情を 見ることが出来た。前回訪れた時に比べると車が多くなり、バイクの数は少ないが、活気溢れる街だ。

「大中至正門」から広場に入り、その大きさに妻は驚く。本堂を望みながら右側にある小さな森に進むと 池があり、大きな鯉が泳いでいる。
木立の間に立っていると蒸し暑いが涼しい風が吹き気持ち良い。自由行動なので時間の制約がない。
妻がスケッチをしたいとベンチに座り、ペンを動かし始める。こちらは涼風を受け、池を眺めながら木立の石の 上でノンビリと過ごす。
時々、上半身裸の男性がジョギングをしている。この暑いのに・・・・。

スケッチが終わり、池の周りを散策する。頭の後ろに長い突起がある珍しい鳥が池の魚を狙っている。 しばらくその瞬間を狙っていたが、動かないので諦めて「国立歴史博物館」に向かう。

バイクの群れ
森の中から本堂を
魚を狙う鳥

外に出て地図を見ながら「国立歴史博物館」の方向に歩き出す。1.5km位ありそうだ。

新郎新婦の撮影風景
南門市場
通りに面して写真館が並んでいる。その一つで結婚式の新郎新婦がショーウインドの中でモデルのように写真を 写している。カメラマンが外から。
台湾の結婚式の写真は色々なポーズで映画スターのように写したものをもらった記憶が蘇った。

大きな交差店を渡ると「南門市場」の看板が出ているので入ってみる。
庶民の市場でまだ時間が早いが 賑わっている。カラスミも土産屋に比べると安いので日本語が堪能な主人と話しながら値切る。
前回訪れた時に土産に買って帰った「肉ジャーキー」を見つけたので買い求める。やはり、この様な市場で の買物は楽しい。

蒸し暑い中、広い道を進むと緑の小さな木立に囲まれた「国立歴史博物館」に到着した。暑い。
観光バスでも見学に来ているようで入口は人だかりだ。博物館の前には「兵馬俑」の兵士のモデル像が 飾られている。
館内は撮影禁止なので、この兵士像しか写せないのは残念だ。

博物館内は一般の見学者に加えて学生が集団で見学に来ている。冷房は効いているが、暑いのには参る。
写真ではよく見ている「兵馬俑」の一塊が展示されている。説明も中国語しかないので理解はし難いが その表情が全て異なっているのには驚く。人・馬・馬車が精巧に写実的に作られている。
当時の服装・生活様式・兵器・体格等々がよく分かる。始皇帝の権力は凄かったのだろう。西安の 博物館にはこの「兵馬俑」がもっともっと展示されているのだろう。

満足感で満たされて出口に進むと新聞を配っているのでもらうと松岡大臣の記事が載っているものだった。 ラッキーだ。
外に出て、違った「兵馬俑」を記念に撮影する。

国立歴史博物館
兵馬俑
兵馬俑

一昨日の市内観光でマンゴーカキ氷を食べに行ったが満員で店内に入れなかった。やはり、テイクアウトでなく 本物のマンゴーカキ氷を食べようと「冰館(ビンクワイ)」に行くことにする。
マンゴーかき氷
ミックスかき氷
博物館の前でタクシーに乗る。地図を運転手に見せて確認し、乗車する。
おしゃべり好きな運転手で、 片言の日本語を交えながら、日本へは5回行った。東京・大阪・名古屋・新潟・長野と。雪が珍しい ので、雪国は人気があるようだ。

先日訪れた「冰館」に行く。まだ昼前で時間が早いので、店内は座る場所がある。写真を見ながら マンゴー(150元=600円)とミックス(160元=640円)を頼む。

山盛りのカキ氷を狭いテーブルに運び食べ始める。冷たくて美味い。マンゴーは肉厚で、ミックスにはイチゴやキウイも 入っていてボリューム満点だ。 座って食べていると、ガイドブック片手の日本人がたくさん現れる。皆、ここを目指して来るのだ。
完食すると体の暑さも取れ、涼しくなった。満足・満足!!

「鼎泰豐」の小籠包の店を見に行くと早くも行列が出来ている。ここも日本人観光客が集まっているのは 我々と同じ行動パターンだ。
体が冷えたので少し歩いてMRTの駅に行くことにする。途中「大安森林公園」の広い緑の中を歩き、 MRT工事中のクレーンの合間から「台北101ビル」を眺めながら。
通りに銀行があったので、少し手元が少なくなったため両替することにする。レートは3.75円/元と少し 良い。銀行で待っている間は冷房が気持ち良い。

MRT大安駅から地上のMRTに乗る。この線は高架を走る列車で、タイヤを付けている珍しいものだ。
暑いので、電車で涼を取ろうと反対側の終点まで行くことにする。一日乗車券ならではの有効な活用 方法だ。これは以前タイでも試みたが、暑い所では電車は良い避暑地となる。
終点の動物園駅には動物園があるのだろう、高いキリンを描いた塔が立っているが、平日なのでガラガラだ。
暑さの中で結構歩いたので、 妻が疲れたようだ。ホテルに戻って休息することに予定を変更する。

大安森林公園の花壇
台北101ビル
動物園駅からMRT

動物園駅から忠孝復興駅で乗り換えて台北駅へと進む。平日の昼間なので車内は空いている。地下街で ビールを買ってホテルに戻る。
シャワーを浴びてビールを飲み、一眠りする。妻は少し疲れて気分が悪いようだ。



16時過ぎに大丈夫と云うことで「淡水(タンスェイ)」に向かう。淡水はMRTの終点に位置して、夕日の美しい 街と云われているが、今日の曇天では見られるだろうか?
MRTで40分、50元(200円)で行けるリゾート感覚満点の港町だそうだ。途中「士林夜市」や温泉のある「北投」を 通って進む。終点に近付くに連れて車内はガラガラになる。

淡水駅に到着する。潮風と少しドブ臭い匂いが漂っている。雲が厚いので夕日の鑑賞は無理だろう。
淡水川の対岸には日本統治時代「淡水富士」と呼ばれていた「観音山」がそびえている。川沿いに遊歩道 が設けられており、カップルが腕を組んでデートを楽しんでいる。台北のデートスポットとして有名だそうだ。

遊歩道を河口に向かって進む。道に沿って飲食店や屋台が建ち並び夕暮れと共にそろそろ夕食を食べに 立ち寄る人もいる。
干潮で干上がった干潟には小さな船が並んで停泊している。船着場があり、対岸の町への連絡船が 行き交い結構利用者が多い。

観音山
干潟の小さな船
連絡船の船着場

淡水にはスペイン・オランダの足跡が残っているのには驚いた。1629年にスペインが建城したサンドミンゴ要塞は オランダ人の手に渡り、1867年からは英国領事館となった「紅毛城(ホンマンツェン)」に向かう。
遊歩道から少し山手に建つ「紅毛城」の入場は17時迄で、15分しかないので急ぐ。建物以外は夜間も 開放されていると聞き一安心。
急な坂道を上るとレンガ建ての洋館が堂々と建ち、そこからは淡水川の河口から海まで望める絶好の 展望台だ。本来、夕日が見られればさぞ美しいだろうと思われるスポットだ。

妻はスケッチをするとベンチに座り、建物を描き始めたので、急いで閉館間近な建物に向かう。
要塞としてたてられた様だが、オランダ色が強い領事館の様だ。執務室・寝室・食堂等急いで駆け回る。 当時の日本地図も掲示されており、中にいた係りの方がインドネシアから台湾に、そして日本に進んだと 話してくれた。
閉館になり、広い庭を散策するとオランダ統治の名残か風車が設置されている。元の見晴台に戻るが 太陽の位置も分からない位の雲が厚く覆っているのは残念だ。

紅毛城
紅毛城の洋館
見晴台

日が暮れかかった「紅毛城」を後に駅に戻る。
ブラブラと川風に吹かれて歩いていると蒸し暑さは和らぐ。
淡水の名物とされている食事をしたいが、 妻がまだ食欲がないようなので、川辺のベンチに残して、一人で屋台を大きくしたような店に入る。

阿給と魚丸湯
淡水の夜景
ここは何でも30元(120円)の大衆食堂だ。淡水のB級グルメとして、「阿給(アーゲイ)」「魚丸湯(ユィワンタン)」を 注文する。
「阿給」は日本の厚揚げを煮たものでなかなか美味しい。「魚丸湯」は魚のすり身団子を 薄味のスープに浮いているもので、あっさりとして日本的だ。

相席の長テーブルで現地の人と一緒に食べる。この二品に焼ソバを食べている人が多い。これが彼らの 夕食のようだ。しかし、訪れるお客は多いのに驚く。

外に出ると夕闇が迫り、対岸の灯りが美しく川面に輝いている。
MRT駅から台北に戻る。当初は「士林夜市」で夕食を食べる予定だが、ホテルに戻ることにする。

ホテルに戻り、妻が休息している間に夕食を食べに行く。台北駅の地下まで行くのは面倒なので、ホテルの 2階に日本の居酒屋チェーンの「和民」があるので行くことにする。
驚いたことに入口には行列が出来て待っている人が20人位いる。これは面白いと思い待つことにする。

一人なので順番を飛ばされて20分待ってカウンター席に案内される。
10人掛のカウンターはカップルばかりだ。生ビールを注文するとアサヒスーパードライがジョッキで運ばれて来た。やはり 生はジョッキでなければと思う。100元(400円)と少し日本より安いか。
メニューを見て「寄世豆腐」(100元)、「刺身三品盛り」(280元=1120円)は少し高いか。ビールを飲みながら 周りのカップルを見ると誰もビールを飲んでいず、ジュースやスイーツで焼鳥や釜飯(人気のようだ)を食べている。 日本との違いに驚く。

夜の台北駅
焼鳥(90元=360円)と生ビールを追加して、カウンターの中の女性の動きを見る。飲み物は全て彼女が注文を受けて いるようで、前に置かれた注文表印刷機から注文が次々と出て来るので忙しい。
マニュアルが徹底されているのであろう、全て計量カップで計ってジュース・カクテルを作っている。水もカップで 調合しているのだ。だから、注文が溜まってなかなか捌けない。

「芋焼酎」(120元=480円)があるので頼んでみる。注文表が前に溜まっているのが分かっているので、 様子を見ていると遅々として進まない。やがて、芋焼酎の瓶から計量カップで焼酎を入れ、次にカップに お湯を入れてグラスに入れる。グラスの7分目位で持ってこられた。
目の前で計られている焼酎を見て飲むのは余り薦められたものではない。焼酎の瓶を見ると間違いなく 鹿児島産の芋焼酎だった。

異文化の中での日本居酒屋を見て、異国での展開は大変だと感じ、勘定を支払う。790元に10%のサービス 料が付き、869元(3476円)と日本と変わらないか。
部屋に戻ると妻も元気になっていたので一安心。シャワーを浴びて一息付く。
いよいよ明日で台湾ともお別れだと、ネオンの輝く台北駅を眺めて、ユックリと眠る。


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