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「韓国湖南旅情」旅行記

「行程MAP」



○ 第5日目 (7/20)

早くも最終日になった。5日間の旅行はアッと云う間に終わってしまう。
天気は不安定で予断を許さないが、今日の行程である北朝鮮との国境ははっきりと見たいし、帰りの飛行機が 台風の影響を受けないことを願いたい。

漢江と高層マンション
リベラ・ホテル
5時過ぎに目覚めて、外を見ると雨が降っていないので散歩に出る。
日曜日なので道路も昨日の渋滞はなく、閑散としている。 広い車道を渡って漢江に架かる永東大橋に向かい、橋の中程まで進む。
広い川がソウルの街を分断するように流れているのだ。川岸には高層マンションが林立しているのには改めて驚く。
川沿いに高いビルが 立ち並ぶ光景は日本では見られないのでは。
雨がポツポツ落ちて来たので、慌ててホテルに戻る。ホテルも高層なので、道の反対側からでないと写らない。広い道を渡ってパチリ。

7時10分、帰国に備え荷物を整えて、朝食のレストランに向かう。
アワビのお粥
韓国での最後の朝食は「アワビのお粥」で、車の少ない道を快調に進む。 レストランは他の観光客も来るのだろう、席がたくさん用意されている。
バイキングの朝食ならば、いつもお粥を食べているので、楽しみだ。小皿とスープにアワビのお粥とシンプルで豪華なものだ。しかし、 アワビは少ししか入っていなかった。お代りしたい位に美味しかった。(お代りはNG)

雨が降り出した街を紫水晶の店に向かう。早朝なのに店が開いているのには驚く。見事な水晶が飾られているが、 関係ないので椅子に座って待つ。
バスが出発し、1人が居ないことに気付き、急停車して仲間の方と添乗員が呼びに戻る。バスがぐるっと廻って元の場所に戻るが 居られない。数人が降りて探しているとビルから出て来られた。
バスの所に行くがバスが居ないので、出口を間違えたかと探し回って居られたらしい。点呼は大切だ。

全員が揃って、世界遺産「昌徳宮」に向かう。
観光バスがたくさん停まっていて、9時30分から日本語の解説ツァーがあるので、開場まで休憩所でコーヒーを飲んで待つ。 自動販売機のコーヒーは甘過ぎる。昨夜の焼酎もそうだったが、韓国の飲み物は甘いのだろうか?
日本人観光客が増えて来て、100名位になったであろうか。妻は雨が降っているので、見学を止め、行かない仲間の 方と待つことにした。
「敦化門」前から韓国女性の日本語解説で1時間20分コースはスタートする。出発すると直ぐに雨が激しくなった。

昌徳宮(チャンドックン)は、公的空間である宮闕と王家の居所である宮、そして庭園である後苑に分けられます。
敦化門
昌徳宮は朝鮮時代の宮闕建築の脈を引く唯一の宮で、王たちの憩いの場として使用された。後苑は300年を超える巨木と池、 東屋など造園施設が自然と調和を成した所です。

敦化門を通り昌徳宮に入ると、右側に太宗11(1411)年に造成されソウルに残っている石橋の中で最も古い橋である錦川橋があり、 その橋を渡ると他の所の正殿とは異なり屋根の棟の花模様が独特な仁政殿がありますが、これは日本が朝鮮王室を一家門に 格を下げるために付けたものだと言われています。
また昌徳宮の塀と昌慶宮の塀の間のセメント道路を歩いていくと後苑があり、韓国を紹介する写真に最もよく登場する 芙蓉亭と宙合楼などが観光名所となっています。(韓国観光協会HPより)

説明員はマイクで話しているが、雨の音と見学者の人数が多く、列が長くなりなかなか聞き取れない。
広い境内に入る。石畳の中央が高くなり、左右は低くなっている。高くなった石畳は高貴な方が通ることになっていると。

赤い壁に沿って進み、門をくぐるとその中も広く、正面には、王の即位式、臣下の朝礼式、外国大使の接見等、国の重要行事が 執り行われた建物である国宝「仁政殿」が迎えてくれる。
堂々たる風格の瓦ぶきの2階建ての楼閣だ。正○位など官位の書かれた小さな石柱が立っている。官位によって立つ位置が決まって いるのが良く分かる。
ひさしの模様も美しく、堂々たる楼閣の優雅なポイントとなっている。屋根の瓦の上に小さく造形物が立っている。「三国志」に 登場する三蔵法師・孫悟空等が飾られ、魔除けとなっていると。

仁政殿
官位の石柱
仁政殿の屋根 魔除け像

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

広い境内を説明員に付いて進むが、同じ様な建物があり、写真を撮っていてもどれがどれか分からなくなる。
ひさしの色彩が美しい建物や珍しい瓦が載っている塀を通り、立派な王妃の寝殿だった「大徳殿」に進む。
建物の間を抜けて行くと韓流ドラマのモデルにもなった、宮殿の台所をガラス越しに見る。ドラマ通の方にとっては見逃せ ない場所なのだろう。渋滞して覗いている。

色彩の美しいひさし
珍しい瓦の塀
宮殿の台所

宮殿の床下暖房になるオンドルの構造を見る。
オンドルの煙突 焚口
趣のある道
床下に大きな焚口があり、煙が出ないよう炭で暖を取っていたそうで、 排気孔である煙突は建物から離れた所に設置され、汚れないようにしたと。よく考えられている。

宮殿のエリアから出ると緑の木々と石畳・レンガの塀の美しい道が「後苑」に続く。
雨も止んだので新緑が気持ちよい。京都の街の一角にいるような雰囲気だ。雨上がりの濡れた石畳を登って行く。

進んで行くと蓮の花が咲く静かな池に出る。「芙蓉池」と云われ、四角い池の真ん中には丸い島が設けられている。 これは、天は丸く、地は四角と云う東洋の伝統的な宇宙観によって造られたと。
静かな池に突き出したように、「芙蓉亭」が建ち、対岸の高台には学問の研究に用いられた2階建の「宙合楼」が建っている。 静かな空間で、日本の庭園に似た文化を味わう。

芙蓉池と芙蓉亭
宙合楼
四角い池と丸い島

1時間程経過したので、売店もある所で休憩となる。売店では記念品・飲み物が売られ、なかなか商売上手だ。
不老門
愛蓮池と愛蓮亭
更に奥の「愛蓮池」に向かう途中に「不老門」が建っている。
ガイドがこの門をくぐると?年若返ると説明し、 但し、私は毎日3回くぐっていますと笑わせる。
「不老門」は1枚岩をくり抜いたもので、継ぎ目はないとのことで、 調べてみると継ぎ目なしだった。

「愛蓮池」は君子の徳として象徴される蓮の花を恋するとの意味で、池の対岸には「愛蓮亭」が静かに建つ、 ここも趣の深い庭園だ。

「後苑」の見学を終え、緑の木々の下を石畳と土塀を楽しみながら戻る。
「楽善斎」は「李方子(マサコ)」妃が住んでいた所とガイドが話すが、マサコと日本語的な名前で、歴史的なことの説明はなかった が、最後の王妃として韓国人民から尊敬されていたと。
これを書くに当たってインターネットで検索する。一般的には知られていない歴史があることは分かったが、色々と書かれている 内容の真偽は分からない。一つのサイトを紹介するのは避け、興味のある方は「李方子」で検索され、判断されたい。
庶民的な建屋の住居を見学する。今まで見た宮殿と比べると質素な感じがする。落ち着いた室内には長寿を祈願する 亀甲模様が施され、塀の模様も亀甲模様になっている。

楽善斎
落ち着いた楽善斎
亀甲模様の塀

約1時間半の見学を終え、出発した「敦化門」で解散する。世界遺産にも登録された立派な王宮は整備も行き届き、 当時の宮廷の一部を感じることが出来た。
日本庭園とは少し違うが、池と築山で構成された庭園は落ち着きを感じる。知らなかった歴史の一端に触れることも 出来たが、日韓問題の歴史は複雑なのがよく分かった。


雨が止み、少し混雑してきた道をソウル駅に向かう。
南大門の工事現場
途中、先日放火で焼失した「南大門」の傍を通る。実物と同じ絵が工事現場の壁に貼られていて、一瞬本物が出来たのかと 見間違う程だ。

11時50分発の「京義線統一号」で北朝鮮との国境を見るため、ソウルから臨津江(イムジンガワ)まで進むのだ。 列車の旅は大好きなので、このツァーを選んだ一つの要因だ。
ソウル駅は立派で、コンコースも広く、人も多くて明るい雰囲気だ。改札を通ってホームに降りると列車が止まっているので、 空いている車両に全員座ることが出来た。
席を確保して、列車の撮影にホームに出る。日本の様にホームが高くはなく、列車から階段で乗り降りする。臨津江行の列車は ディーゼル車でなく電車で、車両も広く明るいので快適だ。

小生の若い時、ザ・フォーククルセダ-ズが「イムジン河」を歌っていた。その時は南北の国境を流れる川と云う認識はなく、メロディーと 歌詞が良いので口ずさんだりしたものだった。しかし、いつの日にか販売自粛となり、歌われなくなった。 その理由もはっきりと認識しないままに。
その「イムジン河」に向かうと認識して、日頃の無知さ加減に反省すると共に、新たに知ることが出来たことを喜ぶ。 「イムジン河」は臨津江と書くのだとも。

ソウル駅
臨津江行の列車 行先表示
明るい車内

定刻通り、列車はガラガラで出発するが、駅毎で人が乗って来てほぼ満席となる。ソウル郊外は漢江沿岸と同じ様に高層マンションが 林立しているので、バブルでないかと心配する位だ。
ソウルから離れると田園地帯が広がり、日本のローカル列車に乗っているようだ。1時間30分程の乗車で臨津江駅に到着する。 駅舎は明るくて、国境に近い駅のイメージはない。待合室にたくさんのメモのような紙が貼られている。
この路線は臨津江から国境を越えて、北朝鮮・中国まで通じているそうだが、今は直通便はなく、特別な時にしか 動かない。その開通を願う短冊のような紙なのだ。両国ともに願っているのだが・・・・・

ソウル郊外の高層マンション群
臨津江駅
直通便開通の願い

ソウルから先回りしていたバスに乗車して、イムジン河沿いの国道を国境にある「烏頭山・統一展望台」に向かう。
国境の鉄条網
純豆腐チゲ
川の対岸は北朝鮮なのだ。川沿いには監視所があり、道との間には鉄条網が張り巡らされているのが、バスの中からも はっきりと分かる。
イムジン河を泳いで渡ってくる脱北者が居るのだ。

展望台に行く前に、昼食となる。
韓国での最後の昼食は「スンドゥブチゲ(純豆腐チゲ)」だ。ビール(5000W)で乾杯し、 豆腐のチゲと小皿類を楽しむ。
今回はほとんど食事付で、朝・昼・晩と韓国の珍しい料理を堪能出来た。小皿のキムチ・野菜類は何処でも美味しく、満足の 行くツァーだった。

又、雨が降り出した中、「烏頭山・統一展望台」に向かう。
日曜日なので、韓国人の観光客(?)も多く、イムジン河を挟んで北朝鮮を見るために、教育のために来ているようだ。
イムジン河と北朝鮮の建物
その昔は両国の拡声器が大音量で宣伝をしていたそうだが、今は静かで漢江と臨津江(イムジン河)の合流点を望む標高118mの 古代の城跡に立つ展望台に入場する。

日本語のVTRで概要の説明を見る。一番近い北朝鮮との距離は460mとのことで、天気の良い日は人が歩いているのも見えると。
パネルの地図で説明を受け、 屋外の展望台に出ると目の前のイムジン河と漢江との合流点は広いが、川幅の狭い所は目の前に北朝鮮があるのが良く分かる。
雨は降っているが、霧がかかっていないので、対岸の白い家々が望まれる。人影は見えないが。

日本国内に居ると国境と云う概念は想像出来ない。海外に行っても、国境を越えたことはあるが、敵対的な国境には行った ことがなかったので、何とも云えない心境になる。
同じ民族が南北に分断されている歴史的な悲劇を感じざるを得ない。韓国から北に行き、帰って来られない方も居ると聞き、 その家族がここで国境を見つめていると思うと日本の平和を感じると共に、拉致被害者の早期帰国を望まざるを得ない。

烏頭山・統一展望台
パネルでの説明
国境の監視塔と対岸の北朝鮮

添乗員の説明が熱を帯び、時間が気になっているとバスの運転手から急げとの電話が入り、「烏頭山・統一展望台」を 後にする。
何となく複雑な気持ちで、仲間の方も静かだ。鉄条網も取れ、何時、自由に往来することが出来るのだろうか?
小雨の中をソウル・仁川空港に向かう。
空港近くの韓国食料品店に立ち寄り、最後の買い物をする。キムチや食料品は空港での手荷物チェックが厳しいので、必ず スーツケースの中に入れるようにと注意される。本場のキムチや香辛料を買い求める。
仁川空港
仁川空港の搭乗口へ


仁川空港に到着するが、人が一杯で搭乗手続きが進まないので、添乗員が団体扱いの手続きに行き、最後のご奉仕を してくれる。
無事、搭乗券も入手し、添乗員にお礼を云ってお別れする。5日間、ご苦労様でした。
台風の影響もなく、飛行機は飛びそうなので一安心だ。キムチ等をスーツケースに移し、出国手続きも問題なく、免税店を ブラブラと。
仁川空港は人も多く、立派で、関空に比べると数段繁盛しているように見える。この状態では、空港間の競争には 太刀打ち出来ないのではと憂慮する。
19時05分発のKE721は搭乗時間が遅れて、20分後にようやく搭乗する。満杯の乗客で韓国観光が多いのが良く分かる。 搭乗してもなかなか出発せず、19時50分にようやく離陸する。
KE721
機内食のチラシ寿司
KE721はB747-400の機種で、3-4-3のシートで妻とは通路を隔てての座席となる。台風の影響もなく安定飛行に移ると 早速食事となる。
2時間程のフライトなので、選択の余地はなく、全員チラシ寿司だ。韓国ビールを注文して、通路越しに 旅行の無事を感謝して乾杯する。久し振りの寿司は美味しい。
個人用のモニターを眺めたり、隣の席の仲間の方と話しながら機上の時間を楽しむ。
鳥取付近から岡山に抜け、関空に進んでいる。 日本海の洋上には竹島もあり、微妙な時期だったが、特にトラブルもなく、楽しい旅が出来た。
30分位遅れて、21時20分頃、関空に到着する。神戸に船で帰られる方は最終便に乗れるか、微妙な時間だと。
荷物も無事出て来て、 荷物の入れ替えをして、宅急便で送る。JRに乗ると仲間のご夫婦と一緒になり、大阪まで楽しく話しながら。 お別れして、24時過ぎに帰宅する。


近くて遠く感じていた韓国だったが、5日間の旅行は楽しく充実したものだった。日本との関係が深い国の古代から 現代までの良いこと問題のあることを体感することが出来た。歴史的にも知らないことを勉強出来た。
北朝鮮との国境はやはり深刻な問題だ。同じ民族が一緒に暮らせるようになることを願いたい。
韓流ドラマは全く無知であるが、熟知された方にとっては楽しい旅になるだろう。それにしても、韓国料理は全て 美味しかった。小皿のキムチ・野菜は酒飲みにはたまらないおつまみだ。

少しWONが残ったので、ソウルの自由旅行はもう一度行っても良いかな・・・と思う旅だった。


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