「花の浮島、利尻・礼文島の旅」


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○ [第4日]、礼文島・礼文温泉〜札幌・札幌プリンスホテル(2009/9/6)

今回も5時前に目覚める。窓の外を見ると曇り空で、海に突き出す「ペシ岬」がお出でお出でと招いている。日の出を見るのは無理だが、 朝の散歩には丁度良いだろうと朝風呂は止めて出発する。
ペシ岬
港の方向に坂を下って行くが、誰にも出会わず、車も走っていない。
海岸に面した道から、漁に出る船がいるので、浜に降りて船頭さんと話す。今から「ムラサキウニ」の漁に出掛けるのだと。 近くの浜辺からも船が出始め、漁場に向かってポンポンと景気の良い音を出し、出発して行く。
のどかな雰囲気の中で、昨夜の「生うに海水流し」の美味しかったのを思い出す。漁師さんに感謝だ。
ムラサキウニの漁船
港近くの喫茶店の前に「ペシ岬展望台」への道標が立っており、階段を上って行く。女性が一人上って来られ、挨拶をし同行する。
岬の海側に灯台が立っている。昨日バスガイドが、真っ直ぐに岬の頂上に上るより、灯台を経由する方が緩やかだと話していたので、 灯台に向かう。小じんまりした無人灯台が港の位置を示し、照らしているのであろう。
ペシ岬の灯台
灯台から急な坂を展望台に上ると四方八方に視界が開けて爽快な気分だ。これで晴れていればもっと素晴らしいだろうと。
展望台の案内板には北の礼文島まで19km、東の稚内までは52km、それに加えてサハリンまで98kmとある。晴れていれば、サハリンを望むことが 出来るのだ。
礼文島の街並みも遥かに望め、視界を利尻島に向けると雲に隠れた「利尻富士」が眺められる。
女性は一人で下りて行かれたので、 人っ子一人いない空間で、穏やかな海と島々を眺める。
北の果ての岬からは樺太(サハリン)も見られ、間宮林蔵の名前も浮かんでくる。 ここに来るまで、こんな光景が望まれるとは思っていなかった。これが旅の醍醐味なのだろう。
この場所から日の出を見ることが出来れば最高なのだが、曇り空と地図的には北海道にかかるようなので少し無理のようだ。 しかし、この静けさの中で、真赤な日の出が望まれれば、最高の旅になったのに・・・・と残念がる自分がいる。

ペシ岬展望台 地図拡大
雲に隠れた利尻富士
遥か礼文島を

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

静かな空間を満喫して岬を下ることにする。急な斜面には階段が設けられているが、勾配はきつい。
数人のグループがこの斜面を上って来られる。挨拶をして、灯台の方が緩やかですよとアドバイスするが、そのまま上って行かれた。
岬の下の磯にも遊歩道が設けられているようだが、下ってまた上るのは時間的にもきついので、パスして進むとお墓が祀られている。 説明板を読むと 文化年間に会津藩士が蝦夷地防衛のために派遣され、この地で亡くなったお墓だと。全く歴史的にも知られていない事柄だ。 頭を垂れ、下って行く。
ホテルに戻り、ふと「利尻富士」を見上げると雲が晴れ、山頂が望めるようになっている。今日の観光は期待出来ると喜んで部屋に帰る。

磯の遊歩道
会津藩士の墓 説明
顔を見せた利尻富士

朝食も和食膳で、地元の食材で美味しくいただく。このホテルは料理自慢と云われる所以が良く分かる。ご馳走様でした。
今日は利尻島を一周する観光の後、フェリーで稚内に戻り、特急列車で札幌に向かう予定だ。8時出発と少し慌ただしいが、旅慣れた メンバーは定刻に全員集合する。
オタトマリ沼と雲に隠れた利尻富士
バスは丸い形の利尻島一周の観光ツァーに出発する。昨日の「姫沼」をパスして、海岸線の国道を進むと「利尻の天然水」を汲みだし 加工する工場がある。ここ利尻島の天然水はミネラル豊富で美味しいとバスガイドが説明する。これは買わなければ・・・と。

朝、少し山頂が見えていた「利尻富士」は雲に隠れて見えなくなっている。まず「オタトマリ沼」を訪れる。
「オタトマリ沼」は明るく開放的な環境にある利尻島最大の湖沼で、沼の奥に聳える利尻山を展望する人気のスポットです。
沼畔には遊歩道もあり、植物や野鳥観察などをするのも良いでしょう。 (利尻島観光協会HPより)

静かな「オタトマリ沼」畔に立つが、「利尻富士」は残念ながら雲に隠れている。「姫沼」と同じ様に逆さ富士が見られると良かったが。
湖畔の遊歩道を散策する。1周約20分程度の遊歩道は地道で、沼と木々に囲まれた快適な散策コースで、所々、紅葉が始まった木も見られる。
ススキの穂も大きく茂り、秋の訪れを感じさせる北国の湖沼の自然を満喫する。 今回の旅行は随所に散策コースがあり、自然と触れ合われるのは嬉しい。

オタトマリ沼
オタトマリ沼と利尻富士
秋の訪れ


「四日目@・利尻島」の「スライドショー」

南浜湿原と雲に隠れた利尻富士
バスは島を廻って「南浜湿原」に向かう。
「南浜湿原」は雪融けが始まるといち早く花を咲かせる水芭蕉にはじまり、 湿原の植物が季節ごとに花を咲かせる学術的にも貴重な高層湿原です。 (利尻島観光協会HPより)
小じんまりした沼の周辺には木枠の遊歩道が設けられている。
所々には花が咲いているが、どちらかと云えば荒涼とした沼地・湿地の感じがする。ここからも「利尻富士」が眺められるのだが、 まだ山頂には雲が残り、全体像が見られないのは残念だ。
丸く小さい利尻島の中央にそびえる「利尻富士」は島の何処からでも眺められるのだが、肝心の頂上がベールに包まれているのは 本当に残念至極だ。全景が見えればさぞ見事だろうと。
「利尻富士」は見られないが、湿原に広がる枯れた草木を眺めながら、湿地帯の上の細い遊歩道を歩くのは気持ち良い。空気が澄み、 少しひんやりした冷気を味わいながら散策を楽しむ。 年配の方達に一人も落伍者がいないのは、旅行にトライされる方が日頃から心身を鍛えておられるからだろう。

南浜湿原
南浜湿原の遊歩道
荒涼とした湿原

利尻島の名所を探索しながら、海に面した国道を廻って行く。日本海は静かで鏡のように光っている。
仙法志御崎公園から利尻富士を望む
バスガイドが野生のアシカが保護されている海岸に行くので、海と山とウニを楽しんでくださいと案内され、島の南端「仙法志御崎公園」に到着する。
利尻島の海は透明度が高く、利尻島最南端の岬である仙法志御崎公園は最北の海の様子や利尻山のもっとも猛々しい姿を見ること ができます。
利尻山が噴火した時の海に流れ込んでできた奇岩・奇石が多々存在し、天然の自然磯観察場があることで昆布ウニなどもはっきりと みることもできます。 (利尻島観光協会HPより)

目の前には真っ青な穏やかな日本海が広がり、潮風と磯の香りが気持ち良い。海岸の磯に降りて行くとウニを売る屋台が数軒連なる。
その向こうに海水を蓄えた磯の水槽があり、その中に野生の傷ついたアシカが保護されている。元気に泳いでいるアシカは餌を入れた 皿を持つ人を見るとその方向に集まって、餌のおねだりをしている。
可愛いアシカの姿に微笑み、山側にめを向けると「利尻富士」の裾野が広がっているが、やはり山頂は望めない。 戻る途中のウニを売る店で、採り立ての新鮮なムラサキウニを500円で割ってもらって食べる。磯の香りと塩味がウニの甘さを増す。美味しい!!
店の奥では数人の方がウニを一つづつ割って、身を取り出し並べている。手作業で大変だ。ウニが高価なのはこの作業の手間もあるのだと 認識する。

野生のアシカ
真っ青な仙法志御崎の海
美味しいウニ

バスの駐車場には晴れ渡った時に見られる光景の看板が掲げられている。
利尻富士を望める看板
この様な景色が眺められれば最高だと思いながら、メンバーの方々は看板の前で記念写真を撮っている。
利尻昆布の販売所に立ち寄り、名物の昆布や海産物の買い物をする。稚内からの列車で旅に備えて、酒のつまみを買って置く。
利尻島の観光を終え、バスは稚内行のフェリー乗り場に向かう。利尻島を一周するルートで、海岸線から静かな海を見ながら、港に到着する。
10時45分発のフェリーまで、ブラブラと港で過ごし、売店で利尻島の天然水を求める。200円と高いが記念の品と美味しいだろうと購入する。 これで、列車での焼酎の水割り・つまみの用意は完了だ。
稚内行フェリーの1等船室に乗り、約100分の船旅を楽しむ。港を出る時に、今朝、散策した「ペシ岬」と白い灯台が望まれる。心の中で バイバイとお別れの挨拶をする。
相変わらず「利尻富士」の姿は眺められない。今回の旅行で唯一の残念なことだ。 ウトウトとしたり、甲板に出たりと最後の船旅を満喫していると北海道の姿が見られ、稚内の街並みが眺められるようになり、 無事到着する。

稚内行フェリー
船から見るペシ岬
稚内の街並み

港にはバスが迎えに来ており、5分程のJR稚内駅まで送ってくれる。札幌から礼文・利尻島まで使った宗谷バスだから、地元なので サービスしているのだろう。
最北端の線路の標識
稚内駅に到着し、しばらく自由時間となる。JR最北端の駅で、線路はここで終わっている。
この地に立てるとは思っていなかったので、 少し感慨深いものがある。何時の日にか「青春18きっぷ」で訪れたいと思っていたのが、実現したのだ。
確かに線路はここで終わり、「最北端の線路」の標識もあり、列車止めもある。JRの終点だ。
稚内駅の中のKIOSKには「日本最北の宝くじ売場」の看板が掲げられている。全てが最北端の稚内だ。
やがて札幌行・特急「サロベツ」号が到着し、指定の席に乗車する。弁当が配られ、後は札幌までの列車の旅を楽しむことになる。
13時45分、定刻に「サロベツ」は稚内を出発する。早速、弁当を開け、少し遅めの食事となる。北海道限定のビールで乾杯し、豪華な 弁当に舌鼓を打つ。持参していた芋焼酎を利尻の天然水で割り、美味しくいただく。天然水はまろやかでgoodだ。
隣に座った仲間の方から、利尻島の日本酒をいただき、お返しに海岸で買ったおつまみをと。
列車は北海道の内陸部を通るので、景色は余り変化がない。所々で放牧されている牛の群れを見たり、トウモロコシ畑を眺めたりと ゆっくりした時間を過ごす。
国内で特急列車に乗るのは何年振りだろうかと考える。いつもは「青春18きっぷ」で鈍行の旅を楽しんでいるので、駅を通過するのは 不思議な気がする。偶には、ローカル線の特急列車の旅も良いものだと。

JR最北端の駅・稚内
特急・サロベツ号
昼食の弁当

特急「サロベツ」号は北の端・稚内から南に下って行く。北海道旅行は何度かあるが、列車に乗るのは初めてで、広い座席で景色を 見ながらのんびりと過ごす。
読み難い駅名も多く、名寄・士別を通って、旭川に到着する。旭川は大きな都市でビルが立ち並んでいる。段々と夕暮れが近付き、暗い 北海道の内陸を進む。19時08分、札幌駅に到着し、5時間半の列車の旅を終える。
札幌駅から今夜の宿泊所「札幌プリンスホテル」までは、グループ毎にタクシーで行き、領収書をもらって清算することになっている。ホテルで 再集合し、部屋の鍵をもらって解散となる。

居酒屋の料理
今夜の夕食は自由食なので、荷物を置いて少し寒く感じる札幌の街に出かける。 日曜日なので繁華街の店が開いているか心配したが、ブラブラと歩いていると「狸小路」の商店街に出会い、居酒屋を探して ビール半額の表示に魅かれて入店する。
3日間、美味しい地元の食材を食べて来たが、やはり海鮮料理が魅力なので、ビールで乾杯し、サンマの刺身・鮭のルイベ・ツブ貝を注文し 美味しくいただく。メニューに「マグロの若衆切り」とあるので注文するとトロに近い部位が分厚く切られ盛られている。美味しい!!
やはり、北海道では魚介類を食べるのが一番だと改めて実感する。札幌ではそれに加えてラーメンを食べねばとホテルに戻る道で ラーメン屋を見つけ、店の外に置いてある露店のテーブルで食べることにする。お腹が一杯なので、店の人と交渉して、量を少なくして もらい、夜空を見ながら美味しくいただく。
満腹感で満たされ、ブラブラとホテルに戻ってる途中にポツポツと雨が降って来た。全ての観光が終わった後の雨なので、一安心だ。
ホテルには天然温泉があるので、一風呂浴びて旅行最後の夜、ぐっすりと眠る。

「四日目A・利尻島他」の「スライドショー」


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