「青春18切符」...「越前・島原・阿蘇・四国周遊の旅」


2008/3.22-25.. [越前大野][島原][阿蘇][四国]

「行程MAP」



○ 2009.03.22-25
(高槻→京都→米原→敦賀→福井→九頭竜湖 →越前大野→福井→敦賀→新大阪→ML九州(宿泊)→博多→鳥栖→肥前山口→早岐→諫早→島原(宿泊) →熊本→宮地→熊本→羽犬塚→博多→ML九州(宿泊)→岡山→坂出→琴平→阿波池田→徳島→鳴門→池谷 →高松→岡山→相生→姫路→高槻)


春休みの「青春18きっぷ」のシーズンになった。昨年は 「四万十川」の散策を楽しみ、早春の大自然を堪能した。

四万十川・沈下橋...(昨年)

唐津城...(昨年)

その後、フェリーで九州に渡り、唐津の夕日を楽しむ有意義な旅だった。
当初は昨年と同じ様なルートで「18キッパー」の聖地である愛媛県・下灘駅で夕日を鑑賞し、フェリーで九州に渡り、数年前に会った シニアの方が云っておられた「阿蘇のトロッコ列車」に乗ろうと計画し、帰りの夜行快速「ムーンライト九州」の指定席を確保していた。

その後、色々とサイトを調べていると長崎・島原半島の「島原鉄道」の一部が3月末に廃止になると知った。車で行った時に 普賢岳の火砕流跡を走る列車を見た印象が強い。
鉄道マニアの「鉄チャン」ではないが、あの列車には乗っていないので、最後に乗ってみようと夜行列車の指定席が とれたので、下灘駅への計画を変更し、島原に行くことにした。

夜行列車に乗るので、貧乏人根性から夜までの1日分を利用して、まだ乗っていない路線に乗ろうと福井から九頭竜湖までの 「盲腸路線」でもある「越美北線(九頭竜線)」を探索しようと。
又、帰路の朝からの1日分を四国に渡って、未踏破路線の阿波池田から徳島までの「徳島線」とこれも「盲腸路線」の 「鳴門線」に乗り、四国の路線を踏破して行こうと考えた。
JRの時刻表も大幅に変わったようで、高槻駅と山崎駅の間に島本駅が出来たりと時刻の確認が必要だ。


@、第1日目・3/22
高槻(5:00)→京都(5:21・5:30)→米原(6:36・6:49)→敦賀(7:37・7:41)→福井(8:33・ 9:05)→九頭竜湖(10:48・10:58)→越前大野(11:27・15:05)→福井(15:58・16:26)→敦賀(17:35・17:49) →新大阪(20:09・21:59)→ML九州(宿泊).===>460.4km・7140円

4時半前に軽く朝食を食べ、家を出る。まだ真っ暗で外気は寒い位だ。 満月に近いのか、まん丸い月が輝いている。今日の天気は大丈夫だ。
昨年夏の「越中富山と飛騨路散策」時と 同じ行程で福井まで進む。高槻始発の列車はガラガラで、新しく出来た 島本駅に初めて停車して京都に向かう。
京都駅で米原行に乗換え、少し明るくなりかけた湖東を進む。昨年は東京からの「ムーンライトながら」が運行していた 期間だったので、米原での乗換えが大変だったが、今回はまだ運行していない。

余呉湖の眺め

米原での乗換えはスムースで敦賀行にゆっくり座る。琵琶湖側の席に座り、朝霧に煙る余呉湖の静かな湖面を眺めながら、 くつろぐ。

敦賀で福井行に乗換え、ボックス席に同席した男性と話す。「青春18きっぷ」は中学生の時から活用しておられる ベテランで色々と経験談を聞かせてもらう。
今回は昨年夏、小生が実施した高山線を通ったコースで、バス運行をしていた不通区間が開通したので、時間短縮になり、 京都まで日帰りで行かれると。
会話の中で良いヒントをもらった。昨年早朝に途中下車した越中八尾の「おわら風の盆」には7-8年連続で訪れておられると。
夕方からは観光客が多く、見物も出来ない位の人波だが、最終電車で越中八尾駅に行き、一晩中踊っているグループの踊りを 見学すると良いとのこと。
この時間に踊っているグループは風情もあり、なかなかのもので、 踊りを堪能して、始発の列車で帰るのだと。
なるほど・・・・と思い、次回は「おわら風の盆」でお会いしましょうと笑いながら福井でお別れする。 このプランはいただきだ。(8:33')

福井駅での待ち時間が30分程あるので、構内をぶらつく。新幹線のためか駅舎工事が進んでいる。次に来る時は 大きく変わっているかも知れない。
少しお腹が空いたので、構内の蕎麦屋で地元の蕎麦を味わった後、 観光案内所で越前大野のパンフレットを入手する。「青春18きっぷ」で 訪れていると話していると「青春18きっぷ」で来た人には地元名産の「箸」のプレゼントがあるとのことで、好きな 「箸」を選ぶ。なかなかのサービスに驚く。
越前大野駅でJRで行くとサービスがあるので尋ねてくださいと親切に対応していただく。感謝。

今回の目的の一つである「盲腸路線」の探索に向かう。
「盲腸路線」とは行き止まりの路線で、JRでは戻って来なければならない、本線から突起した路線だそうで、鉄道愛好家 では一つの目標となる路線とか。
9時6分発の「越美北線(九頭竜線)」・九頭竜湖行に乗車する。2両編成のボックスと長椅子併用タイプのワンマンカーで乗車客は少ない。
福井駅から南の山岳地帯に進んで行く。ローカル列車特有ののんびりとした雰囲気を味わいながら、車窓からの景色を ぼんやりと眺める。田畑はまだ休耕状態だが、そろそろ春の訪れで始動する様子が感じられる。遠くの山には薄く雪が残る 光景に魅入る。

福井駅

九頭竜湖行列車

残雪の山並み


画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

無人駅を止まりながら越前大野駅に到着する。(10:02')
ここで2両編成の1両を切り離すので、10分余り停車する。ホームで青空の気持ち良い空気を吸いながら屈伸運動ををして、 釣鐘があるのを発見してパチリ。
取り敢えずは終点の九頭竜湖駅まで行き、折り返してこの「越前大野」の街並みを散策する予定だ。

1両になった列車は岐阜県との県境にある九頭竜湖に向かう。
山に真っ直ぐに進む線路は勾配がきつくなるに連れ、周りの山の残雪が多くなり、九頭竜川の流れがきつくなって来る。
九頭竜川は越前の暴れ川と 恐れられ、古代から氾濫の歴史が数多くあったそうだ。1968年に九頭竜ダムが造られ、治水が整えられ氾濫も治まったと。
堰から激しく流れる九頭竜川や雪が残る川岸を眺め、長いトンネルを抜けると終点の九頭竜湖駅だ。(10:46')

ひんやりとした空気を感じながら、ログハウス風の駅舎に降りる。盲腸の先っちょに到着したのだ。
駅の周辺にはまだ雪が残り、高原の湖畔に近いことを感じさせる。ここから数km先に九頭竜ダムがあるそうだが、この折り返しの 列車に乗らないと次は3.5時間も列車がないので、訪れることが出来ない。
盲腸の先端に停まっている列車の記念撮影をして戻るともう出発の時間だ。(10:58)

九頭竜川の流れ

九頭竜湖駅

盲腸の先端・九頭竜湖駅折り返し



「出発〜九頭竜湖駅」の「紀行スライド」


先程乗って来た列車で越前大野駅まで戻る。

越前大野駅

駅に到着して駅員に福井駅の観光案内所で聞いた、優待チケットの有無を聞くと「青春18きっぷ」はダメなようだが、次は 普通の切符でお越しくださいとチケットをいただく。
Mapを片手に街中に進んで行く。「奥越前の小京都」と呼ばれている碁盤の目のような道が行き交う静かな街だ。 帰路の列車時間まで3.5時間と時間制限があるので、ルートを選ぶ。
まずは石畳が続く「七間通り」に向かう。ここは朝市が開催される通りだが、時間が遅いのか店は開いていない。
古い家並みや商家が残り、静かな雰囲気だ。古い建屋を改造した観光案内所も街並みにしっくりと合っている。
越前大野のもう一つの特徴は「湧水」が豊富に点在している所だ。「七間通り」の中にも「七間清水(しょうず)」が 湧いている。柄杓ですくって飲むとまろやかで美味しい。
この「湧水」を使っての酒屋・醤油屋が軒を並べている。水と共に生きている街なのだ。

七間通り ..道標→

観光案内所

七間清水 ..説明→


「七間通り」から大野城の方向に進むが、木々の陰で天守閣は望めない。
モダンな洋館造りの「平成大野屋」を過ぎた小さな公園の中には「芹川清水」が湧いている。本当に方々に「湧水」が あるのだ。
公園の奥には水舟を形取った「水舟清水」が待ち受ける。水を有効に活用するため、上段は飲料水として利用し、 中段で野菜を洗い、下段では鍋釜を洗うのだ。ここの水も美味しい。
大野城の小さな堀に沿って「武家屋敷旧内山家」が建ち、城下町の趣を感じる。少し暑くなって来る気候で、ジャンパーを 脱いで歩を進める。

芹川清水

水舟清水 ..説明→

武家屋敷旧内山家 ..説明→


少し「石灯篭通り」に戻り、観光案内所の横にある「石灯篭会館清水」に立ち寄る。地元の方がポリ容器に水を 汲んでおられる。ここの水も美味しい。方々の水を飲みながら歩くのは初めてで日本の良さが感じられる。
「石灯篭通り」の角に大きな「石燈籠地蔵尊」が祀られている。灯篭の中にお地蔵さんが祀られているのだ。この地蔵は 街の中心として位置づけられたとか。
その横に透明な表示板があるので、何が書いてあるのか・・・と見ると地下水の水位が示されている。さすが 「湧水」の街にふさわしい表示板に驚く。

石灯篭会館清水

石燈籠地蔵尊 ..説明→

地下水の水位表示板


木陰に見えたり隠れたりしている標高249mの亀山にそびえる「越前大野城」の天守閣に向かう。
越前大野城は、天正4年頃(1576)、織田信長より大野郡の3分の2を与えられた金森長近により、4年の歳月をかけて築城されました。

越前大野城

金森長近像 ..説明→

大野城は2層3階建の大天守、2層2階の小天守、二の丸、三の丸があり、外堀・内堀をめぐらし城を守っていました。
その石垣は、石を立てず、横に寝かせ、大きい石を奥に押し込んで積む、野面積みという工法で、貴重な史跡といわれています。
現在の城は、昭和43年に再建されたもので、城内には歴代城主の遺品が展示されています。(大野市観光協会HPより)


長い石段を登って行くと立派な石垣と天守閣が現れて来る。立看板があり、3月末までは天守閣への入場は 出来ないとのことだ。残念。
天守閣の下まで進み見上げると石垣も大きな石が組まれ、天守閣も堂々とそびえている。戦国時代に信長の家臣、 金森長近が築城したとのことで、その銅像も建っている。歴史のあるお城なのだ。

天守閣下の広場からは展望が開けている。三方が山に囲まれて「白山」を始め、名の知らない雪を頂いた山並が 続く美しい眺めだ。お茶を飲んで一息入れる。
桜の木がたくさん植わっており、一隅に桜の花が咲いている。雪に囲まれた所でも開花しているのだ。初桜を楽しむ。
周辺の景色を眺めながら城山を下って行く。木々の間から見える「越前大野城」に名残を惜しみながら。

越前大野城

白山展望 ..桜の花→

木々に囲まれた越前大野城


城山から降りて、越前大野のもう一つ有名な「日本名水100選」に選ばれた「御清水(おしょうず)」を訪れる。
古くはお殿様のご用水として使われていたことから、殿様清水とも呼ばれていると。湧水で飲料・洗い場として、 活用していたのを現在でも継承しているのは凄いことだ。
Mapを頼りに織田信長に敗れ、この地で自害した「朝倉義景」の墓が祀られているので、広々とした墓所に参拝する。 戦国時代は波乱の土地だったことを初めて知った。

昼時になって来たので、ガイドブックに載っている蕎麦屋を探して行くことにする。店に入り名物の「清水蕎麦」を注文し、 駅で貰った優待チケットを見せると「とろろ蕎麦」がサービスとなるが、「清水蕎麦」に入っているので500円割引しますと。
お品書きを見ると地酒が500円とあるので、地酒を注文して蕎麦と楽しむ。地元の蕎麦粉と湧水で作った蕎麦と冷たい地酒は 本当に美味しい!!
豪華な昼食を堪能して、心地よい気分で散策を続ける。

日本名水100選・御清水

朝倉義景の墓所 ..説明→

美味しい蕎麦


列車の時間もあるので、余り遠くには行けない。
「本願清水」にイトヨと云う魚が生息している。イトヨは海と淡水域を往復する小魚で、主に海で生息するが、大野のイトヨは淡水域に生息する 珍しいものとか。湧水池水温12〜14度が棲息の要件で天然記念物に指定されているとか。
小学生が観察に訪れていて、小さなイトヨが湧水の池に泳いでいるのを発見する。
駅に戻る途中に「熊野神社」が鎮座している。この辺りまで「熊野三山」の影響が及んでいるのに驚く。「熊野古道」を 歩いていなければ、きっと気にも留めていなかっただろう。

小京都「越前大野」のお城と湧水・街並みを十分味わって駅に戻る。
15時03分発の福井行の列車は九頭竜湖からやって来て、結構乗客がいる。よく観察するとほとんどが「18キッパー」のようで 長椅子の座席に座り、Mapを見ながら散策を振り返りながら、「盲腸路線」の「越美北線」を福井に戻る。(15:58')

本願清水とイトヨ生息池 ..説明→

熊野神社 ..説明→

列車到着



「越前大野散策」の「紀行スライド」


「青春18きっぷ」利用時は、出来るだけ同一ルートを通らないように計画するが、今回は九州に行かねばならないので、 往路と同じ行程にならざるを得ない。
福井からボックス席を独り占めしてウトウトしながら、長い北陸トンネルを抜け敦賀に進む。敦賀で乗換になるが、湖西線廻りで なく、往路と同じ北陸線廻りの赤穂までの快速電車だ。敦賀までの直通快速は琵琶湖を二手に分けて進む列車があるのだ。
17時49分発の列車で乗換えの必要もなく、暮れて行く湖東を新大阪までのんびりと進む。米原から東海道本線を下って来た 「18キッパー」が何人か乗り込んで来たが、まだ空席がある。京都に近付くに連れ、混雑し、満員の列車は新大阪に到着する。 (20:09')

ムーンライト九州

ムーンライト九州表示

博多行「ムーンライト九州」の出発まで、新大阪駅の食堂街で腹ごしらえと夜行列車の睡眠導入剤の採取を行うべく、居酒屋で 軽く一杯飲みながら夕食とする。
時間まで本屋で過ごし、ホームに向かうとこの時期特有の乗客が「ML九州」を待っている。
学生・シニアの一人旅に加え、最近は シニア女性のグループが多くなって来ている。
到着ホームや隣のホームにはカメラマンが位置取りを競い合っているのはいつもの光景だ。
シニアのカメラマンが「銀河」もなくなったので、この「ML九州」もいつなくなっても不思議ではないと云っておられた。可能性は 否定出来ない・・・・・。そうなっては遅いので「ML九州」が入線する所をパチリ。

21時59分に「ML九州」は出発する。隣の席は空いている。大阪駅でたくさん乗るがまだ空席もあり、7割程度の乗客だ。 少し座席を倒して睡眠体制を整えると神戸も知らずに眠ってしまう。眠る得意技は有効だ。
姫路で隣が座ったのをウトウトとしながら気付いたが、そのままぐっすり眠り、「ML九州」は西に向かう。
お休みなさい。


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