○ 第3日目 (2/27) 今日は香港からマカオへの移動の日で、7時15分にホテルのロビーに集合し、高速船で約1時間の航海でマカオに行く予定になっている。 妻共々マカオは初めてで、世界遺産も点在しており、最近のカジノブームで新旧の対比が面白そうで楽しみだ。 6時から朝食のレストランに行き、バイキングで食材を選択する。お粥があるのは嬉しい。中華・洋の料理をしっかりといただく。 まだ朝が早いので、人影も少なくゆっくりとたっぷり食事を堪能した。 食事を終え、ロビーを通って部屋に戻る途中、事件発生!! ロビーのショッピング街の店の中に人が倒れている。びっくりして近付くと何とマネキンが倒れていたのだ。照明を落としているので、 人が倒れていると思った次第だ。フロントの人に指差し教えると店が開かないと直せないと身振りで弁解している。 朝の散歩をしようとホテルから外に出るが、雨は止んだものの霧が深くて煙っている。港まで行くが、何も見えず冷気が感じられるので 諦めてホテルに戻る。この時期の香港は本当に霧が深いのだ。 7時15分にチョックアウトをしてピックアップの現地ガイドの案内でバスにり、3ケ所のホテルに立ち寄って、マカオに行く観光客と港に向かう。 土曜日なので、現地の方もマカオ見物に行く人が多く、港は大混雑だ。 香港からマカオに行くのも出国手続きが必要で、香港入国時の入国票を提出し、パスポートに出国印を押してもらう。同じ中華人民共和国 なのに不思議なことだ。 ガイドが荷物の大きい物は料金を取られるかも知れないので、急ぎ足で通過するようにとアドバイスされる。順番が来てゲートを通ると、 こちらへ来いと。スーツケースを持った仲間の方は全員呼び止められている。飛行機のように重量ではなく、容積でチェックしているようで、 スーツケースだと20HK$(250円)徴収されるのだ。 8時30分発の高速船は少し遅れて出航するが、ゆっくりとしたスピードで高速船らしくない。 約1時間の航海の予定だが、霧のためスピードが出せない模様で霧の海をゆっくりと進む。立って窓際に行くが、回りは霧に覆われ 何も見えない状態で、スピードを出せないのは止むを得ない。島影も船も見えず、逆に心配なくらいだ。 船上でマカオ入国票を記入し、ウトウトとのろい歩みに身を任せるしかない。 約2時間と1時間遅れで、マカオの港に近付いたようだ。港の近くに架かっている橋の橋脚も霧に霞んで上部は見えない。やっと 到着して下船し、マカオの入国管理窓口に進むと濃霧で遅れた乗客の列が凄い。窓口の事務速度も遅くてイライラしていると、向こうの 列が短いのに気付き、窓口の説明を見ると65才以上はOKのようだ。中国人ばかりで外人は見当たらないが大丈夫だろうと列を変えて 並ぶとスムースに進み、無事に入国完了となる。中国は65才以上の優遇が多いのを改めて認識する。 マカオの現地ガイドが待っていて、所定の場所で他の人の集合を待つが、入国手続きが混乱していて長時間待つことになる。 その間にフェリーターミナルを見学する。立派な建物で、観光客も多く賑わっている。建物の外には観光用の人力車が人待ち顔で待機している。 何となく嬉しい光景だ。
予定より2.5時間も遅れて、11時15分バスに乗りマカオ観光に出発する。 道路の所々に正月飾りが残っており、旧ポルトガル領のマカオでも、中国の風習が濃く残っていることが分かる。 道路も整備されており、 広くはない道を「世界遺産」巡りの観光に向かう。細い道は石畳が敷かれ、中国とは違ったヨーロッパの雰囲気が感じられる。 まず初めにマカオのシンボルと云われている「聖ポール天主堂跡」に向かう。駐車場で降り、石畳の道を進むと道の両側は車とバイクがずらりと 駐車している。確か、ポルトガルでもそのような光景を見た記憶がある。 舞台裏をのぞいた後、正面に廻ると広い階段が広がり、ヨーロッパの雰囲気が飛び込んで来る。 マカオのシンボルとして圧倒的な存在感を誇るここ聖ポール天主堂跡は、教会の前面だけが残る石造りの正面壁とその隣に建てられた 聖ポール大学の総称です。 小高い丘にそびえ立つその姿はまさに荘厳で、完成当時は「ローマ以東でもっとも傑出した教会」と言われていたほど。 1602年から1640年にかけ聖母教会(聖ポール教会)として建築され、施工には中国人ほか、長崎から幕府の弾圧を逃れて渡ってきた 多くの日本人キリスト教徒も携わりました。(マカオ観光局HPより) 前面の階段の上には中国風のお正月飾りが設置されており、教会と不釣り合いの光景だが、マカオらしいものだ。 ローマのスペイン階段のようだが、そこに集まる人は金髪ではなく黒髪の中国人がほとんどだ。 丘になってる教会の階段の一番上からは、マカオの街が見下ろされ、商店が立ち並び人が群れている。その向こうには大きな 建物が顔を出している。これがカジノだ。雑多な建物の上にキラキラと輝くカジノがマカオのシンボルである「聖ポール天主堂跡」以上に 人気スポットになっているのが認識できるようだ。 「聖ポール天主堂跡」の階段下で写真を仲間の方と撮り合って、次の行程に進む。 土曜日なので、中国本土からの観光客も多く、狭い道の両側にある土産物店も賑わっている。色々な肉の半干物を売る店は 味見をする人も多く、スイーツを売る店も多い。 マカオの下町を歩いている雰囲気の中、道角には社が祀られ線香を持ってお参りする地元の方もおられる。 お店をのぞきながら進むと広い通りに出る。ここは見事なタイルがきれいな模様に敷かれている。 このタイルはポルトガルから輸入し、ポルトガル風の模様を施しているのだと。このタイルの道がずっと続くのは、ヨーロッパに行っている 雰囲気だが、歩いているのは中国人とのアンマッチが面白い。 さすが、マカオはカジノで潤い、その資金をこのようなポルトガル・タイルを輸入し、観光拠点として還元しているのだ。 通りや広場でタイル模様が変わり、それぞれの特徴を出しているようだ。人混みの切れ目で写真を写すが、人影を入れないで 写すことは不可能な位、観光客が多い。 メキシコ・アカプルコから来たドミニコ会スペイン人修道士3人によって1587年に建てられた、木造の簡素な礼拝所がその始まり。現在の教会は1828年に 再建されたものといわれます。 コロニア風バロック様式の正面外壁は、クリーム色の壁に純白の漆喰で繊細な装飾が施され、マカオの正面外壁の中で最も美しいと評判です。 高温多湿の気候のため大きく開け放つことができる濃いグリーンの鎧戸が、鮮やかなコントラストをなしています。 祭壇には「バラの聖母像」と呼ばれる聖母マリア像を祀っており、これが中国語で「バラの教会」と呼ばれる所以です。 (マカオ観光局HPより) 教会の中は薄暗く、荘厳な雰囲気で正面の祭壇には「バラの聖母像」が祀られている。礼拝堂の椅子に座って静かで荘厳な 雰囲気を味わいながら一息入れる。 観光客もたくさん訪れているが、さすがここでは静かにしている。街路を歩いている時の中国人の騒々しい大声もここでは 控えているようだ。 「バラの聖母像」に近付き礼拝する。ライトに照らされた聖母はふくよかで、心安らかにしてくれるようだ。教会の側面にも 聖母像が祀られている。 時間になったので、外に出るとガイドが「聖ドミニコ教会」の全景が写せる場所であるマクドナルドの前に案内してくれるが、人通りが多く、 なかなか写せない上に、正月飾りがどうしても写るので、荘厳な教会の姿にはならない。 街に出ると、先程の教会内の静けさは全くなく、騒々しい会話が飛び交う中国の街になる。 雑踏の中の街並みは中国のものでなく、ヨーロッパ風だ。色彩豊かでオレンジ・ピンクと気分が高まる。その街並みの上には正月飾りの ボンボンの様なものが、飾られか華洋折衷の状況だ。人が多いので、グループの方とはぐれないようにと続いて進む。 通りは「セナド広場」に向かう。広場のタイルの模様が美しいと云われていたが、広場の真ん中にお正月のイベント舞台が設けられており、 タイル模様が全て見られないのは残念だ。 中央の噴水が設置されたのは1960年のことで、それ以来、地元住民からは「噴水池」の名前で呼ばれています。 世界遺産の仁慈堂、民政総署、郵政局など、周囲をパステルカラーのネオクラシック様式の建物や文化財が取り囲む、とても華やかな雰囲気の広場です。 (マカオ観光局HPより) このセナド広場の周りは「世界遺産」に指定され、「仁慈堂」「民生総省」等が点在するマカオの中心街となっている。 セナド広場のタイルがはっきりと見られなかったが、この季節独特のお正月イベントの舞台が見物でき、違った思い出となる。バスの駐車する 場所まで、人混みを縫って進む。 初めて中国を訪れた時、高層ビルの高い階層まで竹の 足場を設けていたのに驚いた記憶がある。この時代になっても綿々と続いているのだ。(この光景は、マカオのビル建設・改装の場所で、たくさん 見ることが出来たので、改めて驚く。) 広い通りの歩道は人で溢れ、行列を作って歩くのも大変だ。グループの年配の男性が遅れがちになるほどだ。商店の中に「マクドナルド」 があり、お客さんが一杯入っている。 バスに乗り、マカオ名物の「エッグ・タルト」をガイドが買いに行くが、バスを停めることが出来ないので、買っている間、バスは周辺を廻ることになる。 途中、車窓から妻が好むバッグの専門店があり、こんな所にあると・・・。 ガイドが熱々の「エッグ・タルト」を買い、1個づつ配ってくれる。ポルトガルに訪れた時、「エッグ・タルト」発祥の店で食べたことがあり、懐かしく 美味しい味に感激する。明日の自由時間にはこの店で買おうと計画していたので、実行にしなければと。 スタート時間が遅くなったので、予定を変更して「マカオタワー」に訪れることになる。 マカオの象徴は従来は先程見学した「聖ポール天主堂」であったが、最近はカジノや「マカオタワー」になって来ていると。 「マカオタワー」の全体像を写す機会がなく、霧で煙っている写真ばかりなので、マカオ観光局の写真を借用する。 エレベターで展望台まで一直線に昇る。地上233mの展望台からはまだ霧に煙ったマカオ全土が見渡せる。川の向こう岸は中国だと。 今居る場所は半島になっているが、マカオは小さな島と橋でつながっている。タイパ島・コロアン島の間には立派な橋が架かっていて、 今回のホテルはコロアン島にあるのだ。 展望台を一周しながら、四方八方の景観を堪能する。先程通った中心街の横にはカジノの大きな建物が林立している。あの辺りが カジノ街なのだろう。 展望台の床板が透明になっている所がある。真下をのぞけるので、キャーキャーと云いながらのぞいている。初めは少し気持ち悪いが、 慣れると透明板の上に載って下を見ることも出来るが、気分の良いものではない。 自由時間を楽しみタワーの下に降りて、「マカオタワー」を下から写そうとするが、高いのでなかなか難しいが、記念にパチリと。 少し遅くなったが、昼食のポルトガル料理の店に向かう。丘の中腹にあるホテルのレストランで、内装は中国風とヨーロッパ風が同居している。 ポルトガルは日本に似て海の幸が多く、イワシは貴重な食材でイワシ料理が美味しい。 以前スペイン・ポルトガルを訪れた時は丁度「イワシ祭り」の最中で、 街中賑わい、初めてイワシの塩焼きをナイフとフォークで食べたことを思い出す。 イワシをナイフとフォークで食べるとは・・・と。ここでは箸で食べられるは 嬉しい。(「情熱のスペイン・悠久のポルトガル旅行記」 ) 昼食を終え、バスの駐車場まで歩く街並みは、高級住宅街のようで、ヨーロッパ風の家が立ち並ぶ。ポルトガルの丘の上に来ている感じだ。 バスに乗り、世界遺産「媽閣廟(マァコッミュウ)」に向かう。 駐車場から寺院までの参道には線香を売る店が立ち並び、爆竹が鳴り響き、参拝者が列をなしてお参りしている。マカオで一番古い 寺院とのことで、お正月の初詣なのだろう。 正門、中国式鳥居と、4つのお堂から成り、一つのお寺に異なる神々を祀っていることから、多様な信仰に支えられた中国文化の代表例と されています。 正殿が建てられたのが1605年といわれ、現在の4つのお社の構成は1800年代に出来上がったものです。「媽閣廟」は中国語で発音すると 「マァコッミュウ」となることから、マカオの地名の起源とも言われています。 (マカオ観光局HPより) 「媽閣廟」の正面に行き、ガイドの説明を受け、寺院に参拝する。参拝者で境内は溢れている。 たくさんある社の一つにお参りし、線香の煙に巻かれる。すごい煙だ。日本の初詣と同じように、現地の方が線香をささげ、熱心に 祈っている。 外に出ると、寺院の横に獅子舞の中に入る少年達が休憩している。横では椅子の上で練習もしているが、獅子の姿は見られないのは 残念だ。日本と同じように獅子舞がお正月の風物詩なのだ。 バスに乗ると運転手が地元の新聞を読んでいるので、昨日の女子フィギアをどのように伝えているか見せてもらうと「真央落涙」と活字に なり、小さく写真も載っている。こちらでも話題になっているのを認識する。 今回のツァーでは「カジノ体験」が入っていて、先程「マカオタワー」の上から見たカジノを設けているホテルに向かう。 短時間の「カジノ体験」と云うより「カジノ見学」を終え、宿泊ホテル「ヴェネチアンマカオリゾート」に向かう。 ホテルはタイパ島にあるので、長いマカオ・タイパ・ブリッジを渡って進む。3本の橋が架けられ、半島と島を結んでいる。まだ霧がうっすらとかかっている 橋からは「マカオタワー」も霞んで見られ、海を見下ろしながら進む。 バスは正面入り口ではなく、裏のバスターミナルに到着する。裏口と云えども、広大な駐車場で、シャトルバスがたくさん停まっている。 裏口付近も混雑しているが、チェックインカウンター付近が、これからの集合場所と確認される。間違えないようにと!! ホテルが余りにも広いので、迷子になる人が多く、集合場所が分からなくなるのだと。ラスベガスのルクソール・ホテルに泊まった時も集合場所が 分からなくなった経験があるので、しっかりと頭に刻み込む。 朝食のレストランも3ケ所あり、選択自由だと。カジノにも入るが、向こう側が 見えない位広い。 ガイドの説明で、天井の色が4色に分かれているので、赤色のフロァを目標にすべきと。赤のエリアも広いの驚く。 15時30分、解散となり、部屋に向かうがエレベーターを降りてからの廊下も長く、絨毯ガフワフワでスーツケースの運搬も大変だ。こんな時は普通の 床の方が運び易い。やっと部屋を探し当て、中に入るとびっくり。 窓から眺めると下にはミニゴルフ場が設けられていて、向こうには建設中のホテルが見られる。この付近は新規ホテルの建設ラッシュで、数年後には 豪華ホテルとカジノが溢れることだろう。 スーツケースを開けて広々としたクローゼットに移す。今まで泊まったホテルの中では一番の広さと豪華さだ。テレビを点けるとチリで大きな地震が起きた 様子で、津波の心配もあるとのニュースに、地震頻発は気持ち悪い。 一息入れて、ホテルの探索と夕食を食べに行く。今回のツァーは夕食は付いていないので、フードコートで適当な店を探そうと長い廊下を通り、 エレベーターで目的の階に行く。 ショッピング・エリアに行くと空が青く、一瞬、霧が晴れたのかと思ったが、天井に空と雲が描かれているのだ。錯覚する位、見事なものだ。 ブランド・ショップや色々な店が広いエリアに点在しているが、とても廻り切れるものではない。廊下の天井にはローマ時代の絵が描かれ、 ヨーロッパの雰囲気一杯だ。 そのエリアの真ん中にヴェネチアを模した運河が流れ、ゴンドラが観光客を乗せてカンツォーネを唄いながら行き交っている。ラスベガスの「ホテル・ヴェネチアン」と 同じような光景だ。ここがマカオと思われない雰囲気の中でしばし眺めてくつろぐ。 妻が少し疲れた様子で、食欲が沸かないので、夕食は日本食にしようと日本料理店に入るが、高いのに驚く。フードコートの店は種類も多く、 リーズナブルだが、専門店は高いのだ。うどんと鉄火丼をマカオビールを飲みながら楽しむ。 やや疲れて来たので、部屋に戻り、妻が休憩している間にカジノに行く。騒々しい雰囲気で、少し気勢が削がれるが、スロットマシンを 試してみる。香港ドルを投入し、絵合わせをするが、当たってもお金が出て来る訳でもなく少し物足りない。日本のスロットも昔しただけで、 現在どのようになっているか分からないが・・・。ラスベガスでも同じなのかも? ぐるっとカジノの中を廻り、見学するが、ルーレット等のテーブルゲームの最低レートは意外に高く、200HK$(2400円)が多いが、中国本土の観光客で 2重3重になっている。 表示も中国語だけで、英語も無く中国人専用のカジノの雰囲気だ。マナーも今一で、禁煙コーナーにも灰皿を持って来た 賭けている。中に入ってする気にもならず、部屋に戻る。 騒々しいカジノから静かな部屋に戻り、広々としたバスに浸かり、バスローブを着てのんびりと過ごす。NHKの放送ではチリ地震の被害と 津波警報を報じている。マカオまで津波が来ると香港空港に戻れないのでは・・・と心配しながら眠る。 今日は香港からマカオへの移動、異文化が混在したマカオの過去と現在の不可思議な姿を見ることが出来た。この豪華ホテルは明日も探索しなければ ならないが、日本もカジノ導入の動きはあるが、日本の風土に合うのか多少疑問に感じる所だった。
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