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「冬のイタリア」旅行記


○ 「ヴェネツィア」 (1/19)

ヴェネツィアに近付くにつれ、霧が本当に濃くなり視界が利かなくなる。海辺になるのでよけいに深い。 本土から島への連絡橋・リベルタ橋を渡るが、周囲は霧で真っ白だ。ローマ広場のバス駐車場に到着。 イタリアでは観光地に入るには車毎に観光入場税がかかるらしく、バスは160EUR(24000円)とのこと。
ここからは船と徒歩でしか本島に渡ることが出来ない。待っているチャーター船で本島に渡る。
地図を出して位置を確認しようと試みるが、岸が見えず景色も全く・・・・。船室なので寒さは少し ましだが、霧が寒さを増して来る感じだ。
 
霧のローマ広場からの眺め
霧の波止場
チャーター・ボート

やがて霧の中を20分位船に乗り、本島に到着する。サン・マルコ広場の近くに接岸し、列を作って広場を 通り過ぎ、狭い路地を縫って昼食のレストランに向かう。
前回の旅行時は下着がロストバゲージの中にあり、ミラノ・ロコの店が休みなのでここヴェネツィアの路地を歩いて いる間に下着屋がないかと探し回り、やっと見つけて購入した苦く楽しい思い出がある。
入り込んだ運河に沿ったレストランでペンネのパスタ、大きなチキンとデザートで白ワイン(ハーフボトル10EUR)を仲間の方 たちと楽しむ。
小生の失敗談を話し、これからよろしくと。パスポートの保管場所について話が弾む。
 
運河に架かる橋
ゴンドラ

レストランの横の運河には階段状の橋が架かり、船の運航を助けている。街の橋は全てこの形状で登って は降りる動作が必要だ。ゴンドラがのんびりと川面を行くヴェネツュア独特の風情が眺められる。
路地を縫ってサン・マルコ広場に戻り、現地ガイドとご対面。可愛い女性で日本語がペラペラだ。 イタリアでは観光ガイドのライセンスが厳しく、添乗員が説明しても罰金(数十万円)が取られるそうで、 必ず現地で資格を持っているガイドを雇わなくてはならないとか。可愛いガイドの案内でドゥカーレ宮殿の 見学に向かう。

ドゥカーレ宮殿は11世紀頃から東西の十字路としての利点を活かして地中海貿易で富を築いたヴェネツィアの 司法・立法・行政の中枢で元首の住居でもあったそうだ。立派な中庭からは元首の私的礼拝堂として 建てられたビザンティン様式のサン・マルコ寺院が臨まれる。
宮殿の入口付近の天井は華やかなものだ。内部の撮影は禁止なので写せないが、漆喰のレリーフに黄金を 施した天井、絵画が飾られた元老院の間、大評議会の間の世界最大の油絵等圧倒される。司法の場と して、裁判所・牢獄もあり、牢獄へ向かう時、運河に架かる「ためいき橋」は有名だが、内部から 外を写すのは上手く出来なかった。もう一度中庭に戻り、海の神ネプチューン(右)と軍神マルスの像を確認 する。
 
ビザンティン様式のサン・マルコ寺院
ドゥカーレ宮殿の天井
右・海の神ネプチューンと左・軍神マルスの像
   
霧に霞む鐘楼
霧のサン・マルコ広場

見学を終え、ベネチアングラス工房に見学に向かう。狭い路地を縫って歩くうちにこの辺りの土地勘が 段々と養われて行く。SALDIの看板もあり、ここでもバーゲンが始まっている。イタリアの消費税は20%で ユーロになったのとで物価は高いようだ。可愛いガイドも生活が大変と話していた。
ガラス工房は本来ムラノ島に本拠地があるそうだが、観光・販売を兼ねて本島で見せてくれる。匠の技で 見事なグラスが出来るが、お値段も・・・・・。

外に出ると霧は一段と深くなっている。明日の自由時間に登ろうと思っている「鐘楼」の上も 霞んでいる。これでは上に登っても何も見えないだろう。サン・マルコ広場の人も見極められない位で、 回廊の向こう側が望めない。冬のヴェネツィアの霧はすごい。

サン・マルコ広場の回廊の下を端まで進み、運河に出るとゴンドラがたくさん集まっている。順番に6人づつ ゴンドラに乗りゴンドラ遊覧のスタートだ。辺りはもう薄暗く霧が立ち込めて雰囲気は十分だが、寒い。川面 から冷気が立ち上り、船頭さん(?)が毛布を出してくれ膝に掛ける。
狭い運河を漕ぎ出す。全く音が聞こえない世界で、櫓の音だけが川面に響いている。街灯(川灯)が うっすらと映える空間を楽しむ。カメラで写すが、フラッシュを焚くと霧が水滴のように写り、焚かないとボケて 滲んでしまう。船頭さんはなかなかのイケメンで選考基準があるのだろうかと仲間の人と話す。
やがて大運河に出ると水上バス・タクシーが走っているので波が高くなるが、ゴンドラが近付くとスピードを 落とす相互信頼があるようだ。前回の旅行時のゴンドラ遊覧では、大運河の航路はなかったので、揺れの 激しさに少し不安になる。
再び静かな運河に戻り、静けさを取り戻す。家の入口は船着場や階段で船が着けられるようになっている。 霧とぼんやりとした光の中、約30分のゴンドラ遊覧を終え上陸する。しかし、本当に寒かった。 全員1EURづつのチップを帽子に。
 
霧の中のゴンドラ遊覧
幻想的な川面
イケメンの船頭さん

全員が上陸して夕食に向かう。迷路のような路地を縫ってレストランに行く。夕食は特産のイカ墨パスタで メインは海鮮料理と云うことだが、イカ・魚類のフライで日本の海鮮料理を期待していたので・・・・。ビールは 4EUR、ワインのデカンタが9EURで、居酒屋風の店で楽しくいただく。
今回のホテルは本島ではなく、本土のメストレと云う所なので、船で戻らなければならない。 現地の案内ガイドが来られ、路地を戻って船着場に行くが、途中でグループが分断してしまい、T山さん が探し廻るアクシデントもあったが、無事集合してチャーター船でローマ広場に戻る。
バスで連絡橋・リベルタ橋を渡りCAPITOL.PALACE・ホテルに進む。霧の中でボンヤリとしか見えない。部屋割りも 済み部屋でくつろぐが今回のホテルはバスタブがなく、シャワーだけでそれも固定式と使い勝手が悪い。
シャワーで体を温めようとするが・・・・。とりあえず眠る。


○ 「ヴェネツィア(自由行動)」(1/20)

オプショナル・ツアーの希望者が無かったので、全員が自由行動となり、T山さんがホテルから路線バスでローマ広場 に行き、チャーター船で本島と往復するプランを提案されたが、当初から行程を計画していたので、単独 自由行動とした。
夜明けは遅く、7時からの朝食を食べ、外に出ても薄暗く相変わらず霧が深い。フロントでバス・チケットを 購入しようとするが、手持ちが無く地図を出して、ここの新聞販売店に行け・・とのこと。約10分とか。

バスの路線を確認して、7:40、霧の中を出発する。空港と結ぶ幹線なので結構交通量が多い。歩道のない 道を進み、新聞屋を探す。脇道に入った住宅地の中にコンビニ風の小さな新聞屋を発見し、バス・チケット (1EUR)を購入する。
バス停を見つけ、ヴェネツィア行を確認するが記載されていない。方向は間違っていないので、おかしいと 思いながら、反対方向のバス停に行き、確認すると行き先が載っている。念のため待っている人に 地図を見せて確認するとOKと。その時、車が思った方向と反対に進んでいるので納得する。イタリアは 車は右側通行と分かっていても、感覚は日本と同じ左側通行で方向から推察して反対のバス停を見て いたのだ。方向感覚は間違っていなかったが、まだ現地には溶け込んでいない。

バスに乗ると買ったチケットを刻印機で時間を刻印しないといけない。身振りで近くの人に確認して刻印する。 霧の中を連絡橋・リベルタ橋を渡り、10分程でローマ広場のバス停に到着して降りる。チケットはそのまま持ち、 何の検札もなく降りるのだ。例えば、刻印をしなくて無賃乗車も可能な状態だが、時々検札があり 違反者は多額の罰金を取られるとか。
本島の移動はヴァポレット(水上バス)が一般的で1回券・3.5EURがあるが、24時間券・10.5EUR(1575円)を 購入する。ヴァポレットの行先も色々あり、普通・快速がある。調べていた82番の快速に乗るが、ラツシュアワーで 通路も満杯で立って進む。
 
CAPITOL.PALACE・ホテル
路線バス
ヴァポレット(水上バス)と乗場

昨日よりは霧が深くないが水気を含んだ空気は冷たい。直接風に当ると肌を刺す痛さを感じる。 風を避けて人込の中に身を隠し、霧に霞んだ川岸を見ながら進むと有名な石橋のリアルト橋が見えて来た。橋を くぐった所のリアルト船着場でたくさんの人が降りる。ここで下船し、リアルト橋を渡る。橋の上に店屋が 開くらしく店構えがあるが、まだ開店していない。橋の上から船が行き交うヴェネツィアの光景が望まれ 楽しくなる。
まず始めに魚市場に向かい、活気のある庶民の姿を眺めようと。川沿いに進むと人が多くなり野菜 市場、魚市場の露店や店屋が密集している。野菜も日本で見られるものや見たこともないような ものもありキョロキョロと楽しむ。日本のように1個売りではなく100gr単位での値段が付けられている。
魚市場では港町の新鮮な魚介類が昔の魚屋さん的に陳列され、馴染みの魚が見られる。料理したものは 2枚・3枚おろしでなく、ぶつ切りが多いのは民族の違いか。
肉屋さんもあり、生ハムやソーセージ、生肉を希望の量をスライスして売っている。
 
リアルト橋からの眺め
野菜市場
魚市場

魚市場を出て、小さな路地を探索する。少し進むと住宅地になっているらしく、5-6階建ての古びた マンション(?)の窓には洗濯物が干されている。昨日のガイドの話では家賃は800-1000EUR(15万円)も するとか。島内で住むのは難しくなり、本土から通勤する人が多いとのこと。
リアルト橋に戻る途中にヴェネツィアのカーニバルで使われる仮面を作っている店のショーウインドにはまだ着色されて いない仮面の原型が飾られており、地元で作られていることが分かった。
下町的な風情を楽しみながらリアルト橋の石段を昇る。普通の都市の橋とは違った趣だ。運河を渡る度に 階段の昇り降りがあり、年配の方は大変だ。
橋を渡り、サン・マルコ広場への賑やかな路地に入る。店もオープンし出したので、ウインド・ショッピングしながら。 木製の置物・おもちゃを売る店に立派な木製のオートバイが陳列されていたのでパチリ。適当に記念の品、 土産を物色して広場に向かうが、寒い。
サン・マルコ広場では警官の何かの表彰式・パレードのようなものが行われており、テレビカメラも出ていたが、 何かは?。
広場の名物の鳩がたくさん集まっている。餌を売る人がおり、子供達が餌を与えている。栄養が豊富 なので肥満鳩が多く、高く飛べず低空飛行するのでぶつかりそうだ。

暖を取る目的もあり、広場の反対側にあるコッレール博物館に入る。館内はは暖かく、一息付く。解説がない ので、よく分からなかったが、マルコポーロが世界一周した時(?)の地図や地球儀が展示されており、 日本が東の端に小さく描かれている。種子島・屋久島が大きく、紀伊半島が本州の大半を占める ような地図で、北海道は描かれていない。この黄金の国を目指したのだ。
トイレを済ませ、窓からサン・マルコ広場を眺める。鐘楼に登ろうと思っていたが、霧で霞んでいるので残念 ながら諦める。
 
リアルト橋の石段
サン・マルコ広場の鳩 肥満の鳩
霧のサン・マルコ広場

石橋のリアルト橋を見たので、木の橋で残っているアカデミア橋を見に行こうと「3月22日通り」に行く途中、 運河の方に出て、観光案内所や出店をのぞいて適当に買い物をする。
「3月22日通り」はブランド通りだが、昼休みで休んでいる店が多い。お腹も空いたので、小さな運河に 面したバール(BAR)に入る。たくさんの人が立って食べたり飲んだりしている。ピザとパニーニとカプチーノx2を 指差しながらオーダーし、窓際のカウンターで立ち食いする。ここは運河のゴンドラの船頭さんの溜り場の ようで、入れ替わり船頭が入って来て、カプチーノやエスプレッソを飲んでいる。全部で12EUR(1800円)だった。

地図を頼りにアカデミア橋を目指す。教会が方々に建ち文字がはっきり分からないのでどれがどの教会か 分からないうちに大運河に出る。目の前に堂々とした木製のアカデミア橋が現われ、登って渡る。

予定ではこのままサン・マルコ寺院の対岸になるサンタ・マリア・デッラサルーテ教会まで行き、対岸からサン・マルコ寺院、 鐘楼を眺めようと思っていたが、霧で展望が望めないので諦め、ヴァポレット(水上バス)でヴェネツィア駅を 見ようと船に乗る。
ヴァポレットから乗ろうと計画していた渡し船のゴンドラが見られるが、立ったまま乗っており不安定そう なのでこれもパスすることにする。船上から立派なリアルト橋を望み、寒さに震えながら船室に引き こもる。
 
木製のアカデミア橋
ゴンドラの渡し船
リアルト橋

フェロビア船着場で降りて、サンタ・ルチア駅に向かう。ヴェネツィアからミラノ、ローマへの鉄道の拠点となる駅で人の 出入りが多い。低いホームに列車が停まっているが、改札口もなくそのまま列車に乗れそうだ。欧州の 列車システムを次の機会には体験しなくては。(スイスの氷河鉄道でもそうだった)
サイトでヴェネツィアの交換レートは悪いと書かれていたが、駅の両替所のレートは145.786円と表示されている。 街の両替所と違って駅なので、空港と同じかと考え、1万円を両替した。なんと、手数料(17.9%)を 取られもらったのは52.4EURだ。換算すると190円になるのに驚く。恐いものだ。

駅でブラブラして、再びヴァポレットでサン・マルコ広場に戻る。霧は薄くならず、船からの景色は全て霞みが かかっている。本来美しい光景のサン・マルコ運河付近も見通しが利かない。計画ではサン・マルコ寺院の対岸に あるサン・ジョルジョ・マッショーレ島にも行きたかったが、諦めざるを得ない。
上陸して外から昨日通った「ためいき橋」を見て、サン・マルコ広場に行くが、鐘楼は霧の中だ。登る 機会がなくなった。
 
サンタ・ルチア駅の列車
ヴァポレットでサン・マルコ広場を望む
ためいき橋

もう一度狭い路地を探索する。歩き回っていると小さなスーパーを発見し、中に入り商品を見ていると ツアー仲間の若いカップルがおられ、生ハムを買っていた。  
霧に霞む鐘楼

なるほど、夕食に良い考えと思い、生ハム、サラミ ソーセージを100grづつ買う。1.95EUR(293円)と日本に比べて大幅に安いようだ。ビールと安いワインも購入 して、ホテルで夕食を食べることにした。

寒さに震えて早々にホテルに戻ることにし、ヴァポレットでローマ広場に行き、バスのチケットを買って、地元の 方に地図を示しながらバスを確認して乗車する。バスは放送もないので降りる停留所の前にブザーを押さ ねばならない。運転手にホテルを示し、了解してもらえたようで一安心。外の景色を見ながらブザーを 押すタイミングを計っていると尋ねた地元の方がまだ・・・と合図し、停める停留所の前にブザーを押して くださった。親切な方だ。"Grazie"と挨拶し無事ホテルに到着する。

ホテルの暖かい部屋で生ハム・パンで夕食とする。ビールで乾杯し食べ始め、ワインを開けようと万能ナイフのコルク 抜きで開けようとするとコルクではないゴム製の栓に歯が立たず、廻しているとコルク抜きの金具が折れて しまった。フロントに行こうかと思ったが面倒なのでワインを飲むのを諦めてビールで楽しむ。これからは しっかりしたコルク抜きを持参しなければならない。

霧の影響もあり、予定した行程を変更せざるを得なかった。鐘楼への登頂、船での周遊、景色の堪能、 夕陽の観賞等々にワインの賞味と諦めたことが多く残念だった。しかし、冬のイタリア旅行の象徴的な霧や 寒さを体感したことは良い経験だった。
さあ、明日からは晴れた空になって欲しいと願って眠る。


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