○ 「出発・1日目」 (2010/5/18) 一昨年の秋、「中央ヨーロッパ」旅行を企画し、予約もしたが、所用でキャンセルした経緯があり、季節も良くなったので再度挑戦することに した。前回はドイツも含めた10日間のツァーだったが、今回は目的地を絞り、ハンガリー・オーストリア・チェコの3ケ国を周り、ブタペスト・ウィーン・プラハに 連泊する余裕のある日程のツァーを検討する。何処の旅行社も同じようなコースがあるが、日程面・ホテル・費用を比較し、阪急交通社に決定し、 申し込むが定員オーバーでキャンセル待ちとなる。 無理だろうと諦めていると、出発1ケ月直前に、キャンセルが発生したとのことでOKとなる。ラッキーだ。 旅行日程が送られて来てチェックすると、往復の航空会社が違うのに驚いた。往路はエールフランス航空、復路はKLMオランダ航空となっている。両社は 合併し、提携したことは知っているが、両方の飛行機に乗れることはラッキーだ。パリとアムステルダムの空港の雰囲気をもう一度味わえるのは嬉しい。 出発までの短期間にヨーロッパには色々な変動が起きた。まずはアイスランドの火山噴火で空港閉鎖が続き、観光客が大打撃を受けた。 次にギリシャの経済破綻でEUの対応が注目され、EURO安が進んだことだ。 両方とも沈静化したと思っていたが、出発の直前の5/17、火山爆発の影響でロンドン、アムステルダム空港の閉鎖が発表され、ツァー自体の出発が 危ぶまれる状況となり、EUROも暴落し、112円台となった。 9時25分時集合に合わせて、6時過ぎにに家を出発し、大阪から関空快速で8時45分に到着し、宅急便で送っていたスーツケースを受け取り、 阪急交通社の窓口に進む。添乗員のN村さんとご挨拶 した後、既に発券されている搭乗券を持って、搭乗手続きに進む。デルタ航空のマイレージを提示し、加算してもらう。この券はマイレージ登録 可能でgoodだ。 ユーロが安くなっているが、各銀行のレートを比較して、泉州池田銀行で両替する。117.02円/EUROだったので、120円で計算すれば良いと。4年前の イタリア旅行時は145円だったので、大幅安にニンマリ。 出国手続きをしてラウンジで一息入れ、時間が来たので搭乗口に進む。同じツァーバッチを付けている方、違うバッチの方と観光客は多い。エールフランス航空 に乗ると、幸運なことに、一番前の2人席だった。足が伸ばせるし、トイレの心配もないのでラッキーと喜ぶ。 11時25分発のAF-291便は定刻通りにほぼ満席で出発する。B777-200ERの機種は3-4-3席で空席は見当たらない。2人席なので、ゆっくりと 足を伸ばしてくつろぐ。 現地時間に合わせるため、時計を7時間早める。 すぐに飲物サービスがあり、ビールで乾杯する。搭乗するとその国のお酒を楽しむことにしているので、今回はハイネケンが出て来た。 飛行機は岡山から米子付近を通り、そのまま北に向かうかと思ったが、北東に進み、ウラジオストック、ハバロフスクを通ってシベリアに向かう 和食も洋食も美味しく、ワインを味わいながらゆっくりといただく。 やがて照明が消え、就寝タイムになったので、卓上のテレビモニターを楽しみながらウトウトする。足が伸ばせて眠れるのは有難い。目覚めた時に 立ち上がって屈伸運動をしたり、後部の窓からシベリア平原を見下ろす。雲の間から川が白く凍っているのが眺められる。この時期でも シベリアは寒いのだ エールフランス独特の「うどんですかい」と上手いネーミングのカップウドンのサービスを食べる。機内の空間で食べるうどんは美味しい。その他、アイスクリームの サービスもあり、長い飛行時間の中のオアシスの感じだ。 面白そうなテレビもないので、ウトウトしたり、歩き廻ってストレッチ体操を行なったりしていると、飛行機はシベリア平原を西に進み、モスクワの北を 通過して、スカンジナビア半島の根元を通過する。下をのぞくと時々海岸線が美しく広がっているのが見えるが、雲が多い。 パリ到着予定1時間半前位に照明が点き、軽食のサービスが始まる。パン・ハム・サラダを白ワインと共に食べるが、お腹が減っていないので少しだけ。 AF-291は予定やより20分早く、パリのドゴール空港に到着する。窓から外を見る限りは、火山の噴煙の影響はなく、空港内も落ち着いている。 飛行機を降りた所で全員集合して顔合わせをする。33名のツァーはシニア夫婦3組+1名の7人グループ、シニア夫婦とお姉さんの3人グループ、 女性2人が3組、新婚旅行1組、女性1人、他はシニア夫婦8組で旅慣れた方が多そうだ。 今回の行程の難点はパリ・アムステルダムでの乗り継ぎ時間が長いことで、時間を持て余す。ブラブラ空港内を歩いたり、外のパリの景色を 見たりと時間を潰す。空港の中に立派な駅があるのも見られる。 搭乗の身体検査は厳しく、ベルトまで外されるもブザーがなり、財布も出しOKとなる。小さな待ち合わせ室は満杯で、20時30分発の 出発を待つ。午後8時を過ぎているのに、パリの空は明るく日が沈みそうにない。この時期の旅行は日照時間が長いので嬉しい。 AF-1094はA318の機種の3-3席で、窓側にはフランス人らしい男性が座っているが、話すこともない。定刻通り、約2時間のフライトが スタートする。段々と空は暗くなり、軽食が出て来る。(写真なし)白ワインで乾杯し、初めてのハンガリー到着を願う。 薄暗い空港で荷物を受け取る間に両替する。ハンガリーはEUだが、通貨はEUROではなく フォリント(Ft)で1Ft=0.428円なので、0.5円と計算すれば良いと。ユーロ安はこの辺りにも影響しているのだ。 バスにスーツケースを積み込み、現地日本人ガイドとご挨拶。日本でも少し報道されていたが、ヨーロッパは100年振りの異常気象で、雨ばかり だったと。異常降水で、洪水も発生し、寒くて大変だったが、今日位から回復に向かっていると。ラッキーだが、思っていたより寒い。 明日からの服装を考えなければならないと考える。 今夜必要な水をバスのドライバーから1EUROで購入する。途中、ライトアップされた「くさり橋」を遠くに眺めながら30分位で今夜のホテル、 メルキュール・ブタペスト・ブタに到着する。 明日の予定メモを渡されて、部屋に進む。王宮の丘が見える部屋からは、真っ暗な森の中に ライトアップされた教会が望められ、広いスペースに荷物を広げる。もう12時なっているので、日本では翌日の朝7時だ。24時間かかって ブタペストに到着したのだ。 慌ただしくバスに浸かり、目覚時計をセットして、すぐに眠ってしまう。 ○ 第2日目 (5/19) 目覚時計が鳴るまでに目覚める。ヨーロッパの夜明けもこの時期は早い。薄明るくなった空を見上げると雲は多いが雨は大丈夫の ようで一安心。目の前には王宮の丘の森が望まれ、中世ヨーロッパの趣きが、何となく感じられる。 モーニングコール7時、朝食7時45分、集合8時50分に合わせて行動するが、連泊なので荷物の整理がいらないのは有難い。 ホテルも夜は分からなかったが、 なかなか立派なのに驚く。ホテルの近くに地下鉄の駅があり、スーパーもあるとのことなので、地図を見ながら進むと5-6分で地下鉄の 駅に到着する。 午後の自由時間には地下鉄やトラム(市電)を使って観光するため、1日(24Hr)乗車券を購入しようと改札口に行き、売場を確かめると 少し離れた窓口に女性が一人居られ、1550Ft(665円)x2人を支払ってチケットをもらう。乗る時に刻印すると思っていたが、その場で 発行時間を手書きで記入するのには驚いた。 今回訪れる3ケ国は地下鉄・トラムが発達しているので、自由に乗り降り出来る1日乗車券を購入する計画だったので、1つの目的が クリア出来、安堵と自信を持つことが出来た。"oneday ticket please"で英語圏でないが大丈夫だと。 HPを作成している時、ブタペストで手に入れた「日本語ガイド」を見ていると、『EU国の65才以上はケーブル・ロープウェイ・船以外の乗り物は 無料』との記述があった。EU国以外はどうなのか分からないが、次回以降の旅行時は注意することが必要だ。 今回の旅行は正規料金で購入したが、国々によっては違うのだ。香港の2階建観光バスは半額になったのを思い出した。これからも 注意して検討しなければと。 ブタペスト西駅の駅舎に入るとまだ時間が早いので人は少ない。改札口もない(?)ので、ホームに入り列車をパチリ。ヨーロッパの列車には スイスの氷河特急しか乗ったことがないので、いつかは乗りたいなぁ〜と思いながら近くまで。ホームに自由に入れるのには驚くが、 嬉しいことでもある。 ホテルに戻る途中でスーパーマーケットを確認する。まだ開店していないが、ホテルの近くにあるのは嬉しい。よくスーパーを探し廻ることが多いので。 ホテルの前は公園になっており、緑が豊かで遊歩道が設置されているが、散歩する人は見られない。この上に王宮の丘があるのだが、 今日は散策は止め、ホテルに戻る。 部屋に戻り、窓から王宮の丘を見ると曇天の中、教会が威厳をもってそそり立っている。今日はあそこへ見学に行くのだ。 7時20分朝食に向かう。ヨーロッパの朝食は余り期待できないが、案の定、緑の野菜は全く無く、果物で補給しなければならない。 しかし、パンは美味しく、ハム・ソーセージ、卵、ヨーグルト等を楽しみながらいただく。 今日の予定は、バスでブタペスト市内観光を行う。「漁夫の砦」→「マーチャーシュ教会」→「王宮」→「ゲルトの丘」を周り、レストランで 昼食の後、自由行動となり、19時にホテルで再集合することになっている。枕銭として200Ft(100円)x2を置いて出発する。
8時50分、全員集合。大型バスで王宮の丘の麓を廻って、「漁夫の砦」の下から徒歩で王宮の丘を上って行く。坂道や階段を上るに連れ、 城壁が近くなり、 眼下には満々と水を湛えたドナウ川が見られるようになる。 ガイドの話では、連日の雨で「青きドナウ」は灰色になったと。もう少し 降れば溢れる心配もあったそうだ。 名前の由来は、中世の頃、この場所に魚市場があった為とかこのあたりの城壁を守っていたのが漁師組合だったなどのいくつかの説ある。 展望台と街に美観を添えるために建てられたので、一度も砦として使われたことがない。 マーチャーシュ教会の裏手にあり、ドナウ川越しにペスト地区が一望することが出来る一番のビューポイントとしても有名。(ブタペスト観光案内HPより) 「漁夫の砦」の門をくぐる時、当時の衣装を着た兵士が立ち、広場に進むと真ん中に立派な像が建っている。ハンガリー初代国王 聖イシュトヴァーンの勇ましい像で、地元の観光客も写真を撮っている。 回廊の上からの眺めは見事で、ドナウ川の向こうにペストの街並みが眺められ、有名な「くさり橋」がブタとペストの街を結んでいる。 「国会議事堂」や「聖イシュトヴァーン大聖堂」の中世の建築様式も川向こうに望まれ、自由時間で訪れる予定の場所の地理感も出来た。 回廊の上で記念撮影を仲間の方々と、もう少し青空があれば最高なのに・・・と話しながら撮り合う。旅行も2日目になると、段々と メンバーの気質も分かり、話題も弾むようになるのは嬉しい。リピーターの方も居られ、情報収集も出来、有難い。 再集合して「マーチャーシュ教会」に向かう。 ベーラ4世により、王宮の建設と同時に建てられた。 空に伸びる尖塔の高さは80m以上あり、15世紀に中世のハンガリー繁栄に貢献したマーチャーシュ王が増築したもの。教会の正式名称は 『聖処女マリア教会』というが、マーチャーシュ教会と呼ばれている。 1541年からトルコ支配下の150年間は、モスクに改築されていたが、17世紀にハプスブルグ家により再びカトリック教会に戻され、バロック様式に建て 返られる。 19世紀後半に、フランツ・ヨージェフ皇帝が建築家シュレック・フィリジェシュカにかつてのゴシック様式にするように命じ、 現在ある姿になる。 屋根にはセラミックが美しい幾何学模様を作り、内部はハンガリーの聖人や12使徒をテーマにしたステンドグラスや唐草模様の柱などで 飾られて華やか。 (ブタペスト観光案内HPより) 教会の中は信者や見物客で溢れている。祭壇に目礼して、ステンドグラスの光を楽しみ、柱や天井の様式を魅入る。中世の教会は 独特の雰囲気があり、宗教が違っても心癒される。 王宮の丘に 居住している人も多いようで、古い建物の街並みを通って進む。土産物屋にはレース織物、食料品、トカイワイン等、売られており、 香辛料のパプリカやレース、郷土人形を購入する。 余りハンガリー通貨に両替していないので、カードで購入し、帰国後レートを確認すると0.41円/Ftと なっているので、カードの方が有利だった。 妻が買物をしている間に、店の近辺の建物を楽しむ。石畳の道、駐車した車、街灯と花飾り、お店の可愛い看板・・・ヨーロッパの 雰囲気が街中に溢れている。 王宮の丘を「王宮」に向かって歩く。10時も過ぎ、観光客も段々と多くなる。 今回のツァーは各個人がトラベル・イヤホーン (耳太郎)を付けているので、ガイドの説明は少し離れていても聞こえるのは有難い。時々、ガイドから遠く離れてしまうこともあるが、 写真を写しながら、説明を聞き、そのポイントを写せる充実したものだ。 古い街並みの中に「POLICE」の可愛い看板を発見する。中は見ることが出来なかったが、日本の交番をモデルにしたものだろうかと 微笑ましく見上げる。 石畳の道を進むと博物館に至り、そこでガイドから説明を受ける。石造りの建物の壁には銃弾の跡がはっきりと残っている。世界大戦の 爪跡が、こんなにはっきりと残っているのには驚くと共に、この地域の激動の歴史に想いを馳せる。 博物館の壁面一面に騎兵隊の壁画が描かれ、横の広場には大砲が備えられている。これも歴史なのだろう。 石畳の道を進むと堂々とした「王宮」が堂々と建っている。 ゴシック、ルネッサンス、バロックと時代と共に改築され、現在はゴシック&バロックの折衷様式で、1950年代に修復されたもの。 14世紀によって増改築が行なわれ、15世紀にはルネッサンス様式に改築された。しかし、1686年のハプスブルグ軍とトルコの戦いにおいて、 完全に破壊されてしまう。 17世紀にはいり、再びハプスブルグ家の支配下になると、バロック様式で新たに建てられた。18世紀には女帝マリア・テレジアのもとで 増改築が行われるが、19世紀のおきた大火災で焼け落ちてしまう。再び、大改築が行なわれ1904年に完成するが二度の世界大戦で 破壊されてしまう。 1950年代に入ってから完成した現在の王宮は、国立図書館と国立美術館、歴史博物館として公開されている。 (ブタペスト観光案内HPより) 前の広場には、象徴と云われる「鷲の像」も大きく羽ばたき、「王宮」の雰囲気が感じられる。 内部の見学はないが、現在では図書館・博物館として活用されているようだ。 「王宮」のドナウ川側はテラスになっていて展望が広がる。 満々と水を湛えたドナウ川と対岸のペストの街並みが広がる。自由行動の時に行こうとしている「くさり橋」「聖イシュトヴァーン大聖堂」も 間近に眺められる。計画しているコースを上からトレースし、イメージを膨らます。 「王宮」の見学を終え、バスの駐車場まで戻る。途中には調査費が出ないのでそのままになっているローマ時代の遺跡もあり、少し寒い 外気を味わいながら王宮の丘を進む。 バスの駐車場で、ガイドにホテルからここに来るのにどれ位の時間がかかるかと尋ねると、30分位で来れるが、道を間違えないように しなければと。明日の朝、天気が良ければ、トライしようとプランを立てる。 バスは次の観光地「ゲッレールトの丘」に向かう。 聖ゲッレールトの像が北側の麓にある。聖ゲッレールトは、イタリア人の宣教師。ハンガリーの国教をキリスト教とした聖イシュトバーンによって招かれたが、 1046年に暴徒によって川岸から垂直に切り立つ岩の上から投げ落とされてしまったと言われる。 頂上は要塞になっており、これは独立戦争時にハプスブルグ家が運動を鎮圧した後、市内を監視する目的で建てられた。 第二次大戦中は、ナチス・ドイツがこの丘を占領し、市内を砲撃したという歴史もある。 (ブタペスト観光案内HPより) 「ゲッレールトの丘」の駐車場から頂上の展望台に進む途中に、ブリキ製(?)の人形がユーモアな姿で迎えてくれる。 展望台の下で、面白い光景に 遭遇する。数人の男性が路面にサイコロの様なものを投げて大声で叫んでいる。どうもサイコロ賭博の呼び込みのようで、周りにはサクラらしき人が お金を賭けている。人が通り過ぎるとお金をそのサクラに戻して、静かにし、また観光客が来ると賭けをしているのだ。海外で見る初めての 公開博打だった。カモになる人がいるのだろうか? 要塞跡の展望台には、観光客が溢れて、順番に最前列に進み、ブタペストの景観を楽しむ。「王宮」のあるブタ地区からドナウ川・「くさり橋」を 渡って、ペスト地区の街並み、教会をぐる〜と眺める。さすが、市内きっての眺望地点からの景観を堪能する。 午前中の市内観光を終え、バスはブタペスト一番の繁華街に建つレストランに向かう。 「ヴァーツィ通り」に面する有名なレストランの地下に降りると、ビールの醸造器が備えられており、ハンガリーの名物料理グヤーシュを食べる。 ハンガリーで初めてのビールを注文する。自家製の生ビールは3EURO(360円)で、日本に比べると安い。(Ftでも払えたが、EUROの方が 安い) ご夫婦とお姉さんの3人の方と同席し、色々と話しながら、美味しいビールを飲みながらハンガリー料理を楽しむ。本当にビールは美味しい。 料理もまずまずで、空いたお腹に喜んで入って行く。 トイレチップが必要となる。海外でのトイレチップは面倒だが、習慣なので仕方がない。100Ft(50円)の小銭を用意して用を足しに行かねば ならないのだ。 このレストランで、オプショナルツァーに参加される方と別れ、19時ホテル集合の自由行動となる。 今回の旅行は各都市で半日の自由行動を選択したので、色々と計画した。事前の予定では、 まず、ブタペスト1の繁華街との「ヴァーツィ通り」を散策する。重厚感ある建物がショッピング・エリアとなっており、平日の昼間なのに若者が たくさん歩行者天国の石畳の道を歩いている。 先日、大阪で初めて開店し、その行列がニュースになったカジュアル・ファッション店「H&M」の店も賑わっている。大阪でも、先日訪れた香港でも 立ち寄れなかったので、のぞいて見る。仲間の新婚さんにも出会い、一通り見学する。値札はEURO、Ftや他の通貨も表示されており、 中欧でも方々で開店しているようだ。 寒いので道に張り出したカフェには人が座っていないが、カフェが連なり、土産物店やブランド店が軒を並べている。休日だとさぞ賑わうだろう ブタペストの繁華街だ。 街角には観光用の三輪車が人待ち顔で停まっており、ビストロの可愛い看板も歓迎してくれる。ビジネス街のような重厚な建物が立ち並ぶ 一角を通り、可愛い土産物を売る店のウインドウ・ショッピングを楽しみ「ヴァーツィ通り」を通り抜ける。 広い通りに出た。この道を渡って行けば「中央市場」に通じるが、「ヴァーツィ通り」が思ったより長かったのとショッピングで時間を潰したので、 早速予定変更して、ドナウ川の方向に向かう。風が強く帽子を飛ばされないよう注意する位だ。 川岸から急勾配の丘の上に、堂々と建つ「王宮」は 荘厳な雰囲気だ。ハンガリーの激動する歴史の中心に位置した王宮の丘を見ながら川沿いに走るトラムの乗場を探す。 トラムの乗場を見つけ、日本と反対に右側通行の路線の駅でトラムを待つ。「くさり橋」「国会議事堂」方面に向かうのだが、方向は感覚では 分かっているのだが、日本の習慣で反対側で待っていることがヴェネチアで経験したので、再度確認する。 地元の男性が話しかけて来られた。日本人かと尋ねられ、そうだと答えると、3月に日本に行って来たと。ビジネスだが、東京・京都・広島・ 宮島に行ったと。ブタペストで日本へ行った人とお会い出来るとは。良き思い出だ。 我々は1日乗車券を 持っているので、検札が来ても問題ないが、乗って来る人は刻印している気配はない。定期券だと問題ないが、普通の乗車券だと・・・。 乗り降り自由なので、無賃乗車も検札がなければパス出来るようだ。ワンマンカーのように、お金の回収もなく、運転手は運転するだけだ。 日本でこのシステムが通用するか!?同一料金・国民性・社会主義国家の名残?と考える。 くさり橋はドナウ川に架かる橋の中で最も美しいといわれ、ブダとペストを最初に結んだブダペストのシンボル的な橋。 1839年から10年の歳月が費やされ、1849年の11月20日に完成。二次大戦の時に破壊されたが、 1949年に復元された。夜になると380mのケーブル線に連なる電灯がともされ、川面に映る様子が美しい。 (ブタペスト観光案内HPより) トラムを降りて「くさり橋」に向かう。風が強く、綿のような白い花粉(?)が飛び、河原から「くさり橋」に上り、橋を渡る。立派な ライオンの像が橋の守護神のように睨みを利かせている。橋の真ん中辺りまで行くが、風が強くて対岸まで行くことを諦める。 橋の真ん中からドナウ川を見るとその広いことと雨で水量が多く、灰色に濁っているのが良く分かる。「青きドナウ」は夢のようだ。 地図で調べるとロータリーの 向こうに「フォーシーズンズ・ホテル」があるので急いで歩き、レストルーム?と聞くと方向を示してくれたので、一流ホテルのトイレを満喫(?)する。 海外でトイレを探す時はホテルが一番だ。 「聖イシュトヴァーン大聖堂」に歩いても大丈夫な距離だが、日本では余り見られないアーケードを抜けて、バスの停留所を探す。バス停から 教会の方向に進むバスに乗り、外を見ながら2駅目で降りる。バスでも刻印をする人は見られなかった。 ハンガリー建国1000年を記念して建てられたブタペスト随一の大聖堂。ドームの大きさは直径22mで、高さは96m。ドームの周囲は展望台になっていて、 エレベーターで昇ることが出来る。 大聖堂は8500人を収容する。 建設は1851年に始まる。もともとの新古典式と新ルネッサンス様式がうまく溶け合い絶妙な調和をしていると言われている。 (ブタペスト観光案内HPより) 教会はブタペストで一番大きいと云われる通り広く、信者が祭壇に向かって祈っている。 立派な祭壇、高いドーム、色とりどりのステンドグラスと 荘厳な感じのする見事な教会だ。後で気付いたが、聖イシュトヴァーンの「聖なる右手」のミイラが保存されているそうだが、調査不足で見学 出来なかった。 ドームに上るエレベータの位置を確認し、500Ft(250円)を支払って、小さなエレベータに乗り昇って行く。最上階まで昇り、そこからは階段でドーム のの内側を眺め、外に出るとブタペストの街が眼下に広がる。 曇り空で少し残念だが、王宮の丘からブタペストの街を360度見渡せる。 教会以外は同じ高さの建物が連なり、レンガ色の屋根も中欧を想像させる。 風が強くて帽子を飛ばされないように注意しながら、ドームの展望通路を一周する。 観光客は数人だけで、ドームと街並みを独り占めしている気分だ。これで青空だともっともっと光景が映えるのだが。 展望を堪能して充実した気持ちで階段を降りていると、仲間の女性2人組が上って来られた。まだ上らないといけませんよと云って別れ、 再びエレベーターで下に降りる。正面の広場のベンチに座り、落ち着いた気持ちで「聖イシュトヴァーン大聖堂」を見上げる。あのドームの周りを 歩いたのだと思いながら。 明日から大きな礼拝があるらしく、広場には舞台作りや照明の設置に作業員が動き回っている。明日は盛況なのだろう。 次に、地下鉄で「英雄広場」に行くことも考えていたが、疲れたのでこれを省略して「リスト広場」に行き、カフェで休憩することにする。 その方向に進んでいると、その男性が走り寄って来て、間違った、方向が反対なので向こう側の乗場に行けと教えてくれる。親切な 方だ。 関西のテレビで漫才師のロザンが、外国人に道案内する番組がある。迷っていそうな外人に"Can I help you ?"と近付き、面白可笑しく 道案内をするのだ。その外人に我々がなったので、彼と別れてから妻と大笑い。 地下鉄の改札口には、刻印機があり、刻印している人もいるが、駅員も居ず、日本の地下鉄の改札口とは大違いだ。地下鉄に乗り、 2つ目の駅で降り、少し道に迷いながら「リスト広場」に向かう。 外は寒いので、テーブルに座っている人は少ないが、店内にはお茶をしている人が多い。遊歩道を進むと、中央辺りに髪を振り乱した 「リスト像」が建っている。近くにはリストが晩年に暮らした住居の「リスト記念館」があると。 どの店が良いのか分からないので、「リスト像」の前のカフェに入る。屋外のテーブルは寒いので、店の中に入ると結構人が多い。テーブルに付き メニューを見るが文字が読めない。中に小さなメニューに英語が書かれていたので、フルーツパフェとカフェラテとコーヒーを頼む。 「聖イシュトヴァーン大聖堂」のドームや散策で体が冷えていたので、暖かくて気持ち良い。 やがて、ウエイターが運んで来たクリームパフェを見て驚いた。果物も多く大きい。雰囲気を楽しみながらコーヒーを飲み、アイスクリームを食べる。 外国で困るのは勘定の仕方とチップだ。周りのテーブルを見るがよく分からず、仕方がないので、手を挙げてチェックの合図をすると別の ウェィターが担当のウェイターを呼び、彼が勘定書きを持って来た。1870Ft(935円)と安いのに驚く。チップを入れて2000Ft(1000円)を支払い カフェの前で記念写真を写してもらう。 17時に近くなって来たので、ホテルに戻ることにする。色々なルートがあるが、トラムに揺られて、外の景色を眺めながら帰ることにする。 直行のトラムがないので乗り換えねばならないが、違ったルートを進むのは楽しい。 アンドラーシ大通りとテレーズ通りの交叉点・オクトゴンからテレーズ通りを進み、ドナウ川を渡り、モスクワ広場迄行くことにする。そろそろ通勤客で 混みだすトラムに乗り、初めは座れなかったが、空いた席に座りゆっくりと進む。 刻印を押す人も少しあるが、ほとんどはパスだ。こんなことを考えるのは貧乏性だろうなぁと。ドナウ川を渡り、住宅街を走り、 モスクワ広場の駅でトラムを乗換える。古いトラムに乗換えて、朝、切符を買った南駅で降り、今日の地下鉄・トラム・バスの体験乗車を終える。 ホテルに向かう途中、スーパーに立ち寄り、水を買っておく。3.5lの水も。値段は忘れたが、安いので、500mlのペットボトルに移して飲めば goodだ。チョコレート等も買って18時10分ホテルに無事戻る。 部屋で一息入れ、19時からホテルのレストランで夕食となる。自由時間に出会った新婚さんと同席で色々と話しながら楽しく食事する。 ワインが美味しいとの案内があったので、白ワイン(4EURO・480円)で乾杯する。チキン料理だったが、写真を写すのは忘れた。 若いお二人は夜も出掛けるとのことなので、1日乗車券を使うならどうぞとあげる。若い人は元気だ。 楽しい食事を終え、部屋に戻り、窓から王宮の丘を眺める。明日の朝、天気が良ければ、あの丘に上ろうと思いながら、ゆっくりと バスに浸かって疲れを取り、ゆっくりと眠る。今日の歩行歩数は17000歩と結構歩いていた。
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