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「エジプト満喫10日間」旅行記

「行程MAP」



○ 「アブシンベル」 (2007/12/8-9)

初体験の砂漠のドライブで蜃気楼も見ることが出来、皆さん大満足だ。
ブーゲンビリア咲くコテージ
青々としたナセル湖
バスは今日泊まるホテル「セティ・アブシンベル」に到着し、スーツケースはポーターが部屋に運んでくれ、そのまま遅めの昼食となる。
ビール(25E£)でバイキング料理を楽しむ。列車の粗末な朝食から時間が経っていたので、お腹が空き美味しい。

16時30分の出発までコテージ風の独立した部屋で一休みする。
北回帰線を越えて南下したので、ここはもう亜熱帯地方だ。 窓を開けるとブーゲンビリアが咲き乱れ、椰子の向こうには青々とナセル湖が水を蓄えている。アレキサンドリアの ホテルと同じリゾートホテルだ。調度品やドームになった部屋の天井もイスラム風で心安らぐ。

16時30分にバスでアルシンベル神殿に向かう。
駐車場から入口へのヤシの木の並木道は南国そのもので、陽射しはきついがそよ風で快適だ。
大きな砂山を廻るようにナセル湖の沿岸を進むと巨大なラムセス像が姿を現す。

アブシンベル神殿移設..(絵葉書より)
像のブロック
アブシンベル神殿は、偉大なるファラオ・ラムセス2世によって建立されました。
BC1250年頃に建設されてから、3000年以上の時が流れましたが、神殿は自然による破壊に耐えて、ほとんど そのままの状態で残っています。

ナセル大統領は、エジプトの近代化を図るため、アスワンハイダム建設計画を発表し<、1960年から12年間をかけて、建設工事がなされ 1971年に完成をみました。
そのダムによる水没から アブシンベル神殿を防ぐ救済工事は、ユネスコを中心に国際的に検討され、遺跡を小さなブロックに切断し、運搬、再建する方式で 行われました。
アブシンベル神殿が見えた!!
大神殿は、1036もの ブロックに解体され、マーキングをしてクレーンで吊りあげられ、1963年から5年の歳月をかけて、元の位置から西に 約180m、高さ62mの現在の場所に移されました。
小神殿も同じように、大神殿の横に移設されました。 (エジプト観光局HP、他より)


移設当時、新聞紙面を賑わせたことは記憶があるが、その頃は歴史的なことも知らず、湖水に沈んでしまう遺跡の 救済と思うだけだった。
しかし、実際にその巨大な神殿を目の前に眺めると、凄い作業でこの歴史的な史跡を保存したプロジェクトの偉大さが 良く分かる。残しておいてくれて有難うと。

ナセル湖に沿って「アブシンベル大神殿」の前に進む。
圧倒される巨大な4つの像が堂々とそびえ、人間の存在が小さく見える。よく3000年も前にこの巨大な神殿を未開の地に 造ったものだ。「ラムセス2世」の権力の大きさが良く分かる。
アリさんの説明を受け、自由時間となる。
ラムセス2世の巨大像
アブシンベル大神殿の内部
アスワンの南280kmのヌビア地方、アブシンベルに「ラムセス2世」によって建てられた「アブシンベル大神殿」は、高さ33m、幅が38mあります。
建物の正面には高さ21mの4つの巨大な「ラムセス2世」の座像が据えられ、像の上には、偉大なファラオの名前が刻まれています。
また、王家の人々の小さな像が、4体の「ラムセス2世」の巨大な座像の足元に並んでいます。
内部の大列柱室には8本の柱があり、 オリシス神の姿をしたラムセス2世の像が刻まれています。その天井は星の模様で飾られ、壁には、「ラムセス2世」の軍隊での 勇敢な活躍ぶりが記録されています。
小さい方の列柱室には、4本の四角い柱があり、神に供物を捧げる「ラムセス2世」のレリーフが施されています。ホールに続いて、 ラー・ホラクティ神、ブタハ神、アメン神、ラムセス2世の4つの像のある至聖所があります。
1年のうち、10月22日と2月22日の2日だけ、朝日が東から西へ真直ぐに差し込み、一番奥の至聖所の4体の像を照らす 神秘的なスペクタクルがあります。 (エジプト観光局HP、他より)


まずは神殿の外から「ラムセス2世」の巨大な像、その足元に建つ「王妃ネフェルタリ」の像や象形文字・ヒエログリフで刻まれている 「ラムセス2世」のカルトゥーシュを見学する。
「太陽の王・ラムセス」の本を読んでいたので、歴史的な流れやこの地に大神殿を建てた経緯も理解出来、親しみと畏敬を 込めて仰ぎ見る。
左から2番目の像の頭部が崩れ落ち、足下に転がっているのは、移転前からの状態だと。残る「ラムセス2世」像の顔が微妙に 異なっており、左から順に若い頃から老年の順との説があると。
「ラムセス2世」の像の真中に「太陽神ラー・ホラクティ」が建てられ、太陽神への信仰の篤さが良く分かる。

左ラムセス2世像
右ラムセス2世像 太陽神ラー
王妃ネフェルタリ像
ラムセス2世のカルトゥーシュ

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

残念なことに神殿の内部は撮影禁止になっている。入口から写していると管理人に注意される。
入口から見た大列柱室
入口から見た至聖所
入口からの写真でも「大列柱室」の像や一番奥の「至聖所」を望まれたが、内部は諦めざるを得ない。入口でカメラのチェックを受け 中に入る。

入った所の「大列柱室」には両手を組み合わせたオリシス神のポーズをとる「ラムセス2世」の像が4体づつ2列に並んでいる。
天井には羽根を広げたハゲワシの姿をしたネクベト女神が見事に描かれ、色落ちもないのに驚く。
第1室に入っただけで、3000年前の文化に触れることが出来るのだ。観光客もたくさん入っているが、その歴史に 圧倒され言葉も発っせず魅入っている。

一番奥にある「至聖所」に進む。柱・天井には内容は分らないが、見事な絵が描かれている。そして、真ん中にライトアップされた 4つの像が奉られている。
大列柱室の像(借用)
大列柱室の天井(借用)
右から太陽神ラー・ホルアクティ、神格化された「ラムセス2世」、王の守護神アメン・ラー、造物神プタハの像が並ぶ。
ここに年二回の日出時に光が差し込む設計になっているとは信じられない位だ。3000年前に天文学と建築学がマッチしているのだ。 信じられない神殿だ。

周辺の壁にはレリーフ(浮き彫り)が壁一杯に描かれている。絵柄と象形文字・ヒエログリフの組み合わせで、「ラムセス2世」の活躍と 神々との融合が描かれている。このヒエログリフが読解され、その頃の歴史や風俗が明らかになったそうだ。
特に、「カディシュの戦い」(BC1285年頃)のレリーフはエジプトの「ラムセス2世」とヒッタイト(現トルコ)との戦い勝利した様が描かれている。 この時の講和条約は世界史上一番古いものだと。(エジプト・トルコ共、自国が勝利したと書かれているそうだ。)
色々なレリーフを食い入るように眺めて行く。何処かで見た図柄が多いのは、原点がこの神殿から発っしられていることが 良く分かった。

この神殿内部の写真も坂井氏の許可を得て、借用しましたので、その凄さを味わってください。

◎坂井義彦氏の「旅のPhoto-Gallary・エジプトの旅」」は 素晴らしい写真の数々が掲載されているので、
  ぜひ参考にしていただきたい。 (以下、博物館の写真は坂井氏のHPから借用)


至聖所の像
カディシュの戦い
戦うラムセス2世
アメン・ラーの船と神官達
贈り物を受ける王
副室の壁画

3000年以上前の歴史の重さとレリーフの鮮やかさに感動して神殿から外に出る。出口で管理人からバクシーシを要求される。 少し驚いたが、感動のお礼にボールペンを渡すと大変喜んでいた。


アブシンベル小神殿
前にはナセル湖の広々とした湖水が広がり、この湖底に沈む「アブシンベル神殿」を救った事業に拍手を送りたくなる。
次の「アブシンベル小神殿」に進む。

大神殿の北50mに位置するこの「アブシンベル小神殿」(ネフェルタリ神殿)は、「ラムセス2世」の美しい愛する妻、「ネフェルタリ王妃」のため、 愛と美の女神であるハトホルをたたえて造られました。

4体のファラオ像と、2体の王妃の像が、この神殿の入口に据えられています。
ホールにはハトホル女神で飾られた6本の柱があります。壁には、ラー・ハラクティ神と アメン・ラー神の前で、敵をこらしめる「ラムセス2世」が描かれ ています。
また神に供物を捧げている「ラムセス2世」と彼の妻の姿も見えます。同じような彫刻を施されたもうひとつのホールの奥に、 ハトホル女神像のある礼拝堂があります。 (エジプト観光局HP、他より)

ネフェルタリ王妃像
入口から見た至聖所

小神殿は「ラムセス2世」の立像が愛妻「ネフェルタリ王妃」を挟むように立っている。
「ネフェルタリ王妃」の美しい像が優しく微笑んでいるようで、大神殿の威圧感と違った穏やかさが感じられる。
壁には象形文字・ヒエログリフが深く刻まれ、小神殿の意味合いを示しているのだろう。 愛する妻のためにこの様な神殿を築く「ラムセス2世」の権力は凄いものだ。
小神殿の入口から内部を撮影する。奥の「至聖所」までの広間には絵画が描かれているようだ。

ここも撮影禁止なので、内部は坂井氏の写真を借用する。

小神殿の番人は「命の鍵」を持ち、なかなか愛想が良く、妻に鍵を持たせて写真を写させてくれる。
ネフェルタリ王妃と女神
ホルホト女神にロータスを
バクシーシとしてボールペンを渡そうとしたが、Noと断られる。このような人もいるのだ。人それぞれで価値観が異なるのだ。

カメラチェックを受けて、小神殿の内部に進む。
小神殿の「列柱室」には6本のハトホル柱が3本づつ対になり並び、柱にも壁にも様々なレリーフが描かれている。
奥には「至聖所」がライトアップされ、荘厳な雰囲気だ。「至聖所」の中央には牛の姿をしたハトホル女神が彫刻され、 牛のあごの下に「ラムセス2世」像が立っている。
レリーフは大神殿の「ラムセス2世」の戦いの記録とは異なり、「ネフェルタリ王妃」に関するものが多く、優しさと 優雅さが感じられる。
しかし、大神殿でも感じた3000年前の歴史が見事に残っているのには本当に驚く。気候風土が残したのであろうが、 発見してからの関係者のご努力には頭が下がる。
集合時間が近付いたので、立ち去りがたい気持ちを振り切って小神殿を出て、大神殿の前を通り、もう一度「ラムセス2世」を 見上げて、夜の再会を約束して集合場所に戻る。
列柱室
ハトホル柱
ラムセス2世がワインを捧げる


◎「昼のアブシンベル小神殿」の「スライドショー」


集合場所からバスに戻る途中で「山本山」「1ドル」の呼び込みが続く。「アブシンベル神殿」の絵葉書を売っているので、 値段交渉する。大神殿と小神殿のを合わせて50E£を40E£(800円)+ボールペンで購入する。(スライドショーで添付)
ホテルに戻り、夜の音と光のショーまで休憩する。

夜のナセル湖畔は冷え込むであろうと、フリースを着込み、ジャンパー・マフラー・手袋・敷物・懐中電灯と準備を整える。
18時30分集合で、再び「アブシンベル神殿」の音と光のショー見学に向かう。
昼間と同じ道を行くが真っ暗でナセル湖からの風は冷たく感じる。石畳を懐中電灯で照らし、夜空を仰ぐと満天の星だ。 こんなにたくさんの星があるのかと云う程の数だ。
大神殿の「ラムセス2世」像がライトアップされている。幻想的な光景だ。


大神殿と小神殿の間に設けられた湖畔の観覧席に座る。今日は日本人観光客が多いので、説明は日本語だと知らされる。 英語・仏語等はイヤホーンで聞けるが、生の日本語なのはラッキーだ。
ショーが始まる前に照明が消され、真っ暗になる。満天の星が降り注ぐようだ。薄っすらと天の川も見られる。夏だと さぞ美しいだろうと想像出来る。北斗七星から北極星を探そうとしたが、天体が日本と違うので素人には分らなかった。
座っていると風も冷たく、冷え込んでくる。温度計を見ると10℃だ。外でじっとしているとやはり寒い。

音楽が鳴り響き、ショーが始まる。昼間見た、大神殿、その間の岩山、小神殿がスクリーンとなって光が交差し、映像が映し 出される。
エジプトの自然、歴史、「ラムセス2世」の生い立ちからその功績が物語となって音響と映像で表現されて行く。幻想的で 大自然中、雄大なスペクタルだ。
物語の細部は覚えていないが、「太陽の王ラムセス」の本を読んでいたので、ストーリーは理解出来たのは良かった。 暗いので写真は上手く写せなかったが、雰囲気を。


観客と幻想的な映像
王妃ネフェルタリ
ラムセス2世の戦闘シーン

30分余りのショーを堪能して、星空とライトアップされた神殿を後にバスに戻る。北回帰線の南だとは云え、湖畔の風に当たっていると やはり12月の「アブシンベル神殿」は寒い。
幻想的な音と映像の余韻を胸にホテルに戻り、遅い夕食となる。バイキングは他のツァーとも一緒になり行列が長いが、 皆さん満足感が持続しているので、ゆっくりと並んで食べる。ビール(25E£)で乾杯して、ショーの雰囲気を話しながら 楽しい食事をする。
コテージに戻り、大きなバスタブにお湯を一杯満たして、冷えた体を温め、満足感を反復しながら眠る。

○ 「アブシンベル・アスワン」 (2007/12/9)


アブシンベルに宿泊すると昨夜の音と音楽のショーが見られ、夜明けの「アブシンベル神殿」を見学出来る。
夜明けに間に合うよう、モーニングコール5:15'、集合5:45'であるが、いつもの様に5時頃目覚める。昨夜と同じく 防寒対策を施してバスに乗る。
まだ薄暗いナセル湖も3回目の訪問なので、一人スイスイと前に行き日の出のベストスポットを目指す。
薄暗い中、「ラムセス2世」の巨像が少し朱色に染まって、静かに我々を見下ろしている。静かで荘厳な雰囲気だ。

ナセル湖のフェンスにもたれて日の出を待つが、待つ時はなかなか顔を出してくれない。人が段々と多くなって来る。 やがて、空が黄金色に染まり、雲の間から小さな光の帯が湖面を照らす。ご来光だ!!
しばらく空と湖面の美しさに魅入る。

夜明け前のラムセス2世像
日の出直前
ナセル湖の日の出

画像をクリックすると拡大します(以下の画像も同様)

大神殿と小神殿を振り返って見る。朝日に照らされて紅く染まり、昼間とは違った光景だ。
湖畔のフェンスにもたれて、朝日に輝いてくる大小の神殿の色の変化を味わう。静かな空間での壮大なスペクタルだ。
朝日を浴びるアブシンベル大神殿
朝日を浴びるアブシンベル小神殿

日の出と光の変化に魅入っていたので、神殿の内部に入る時間がなくなってしまった。
ナセル湖の光の帯
さようならラムセス2世
大神殿の入口から年2回、朝日が奥の「至聖所」の像に届く瞬間を見ることが出来れば最高だろう。
もう一度訪れる機会があれば、タイミングを合わせて・・・と。

天気も良く、風もなく、余り寒くもなく、最高の朝の「アブシンベル神殿」見学だった。
ピラミッドに代表される エジプトだが、「アブシンベル神殿」の昼の顔、夜の様子、朝の色彩を堪能することは印象深い経験だ。
集合時間が迫ったので、小神殿・大神殿に別れを告げて、日が少し高くなったナセル湖を後にバスに戻る。 後ろ髪を引かれる気持ちだ。

ホテルに戻り朝食となる。エジプトはパンが美味しいのは嬉しい。コーヒーも美味しくないとの書き込みもあったが、 問題ない。サラダを食べられないだけは残念だ。このホテルのマンゴージュースは本当に美味しかった。お代りでいただく。
荷物回収8:40'、出発9:40'まで自由行動となる。荷物の整理をして、室外に出してリゾートホテルを散策する。

南国の青い空・ブーゲンビリアの赤・白・桃色の花・ヤシの木の緑・ナセル湖の青と色彩豊かで気持ち良い。
空の青色は本当にきれいだ。亜熱帯地方の自然を楽しみながらブラブラと自由時間を楽しむ。 広い庭園を歩いていると湖畔に看板がある。鰐の絵が描かれ、日本語で危険と。ナセル湖に鰐がいるのだ。

庭園のアーチと青空
咲き乱れるブーゲンビリア
ナセル湖畔 鰐危険

ホテルの正面入口に廻り、正面からパチリ。管理人室の中で従業員が食事をしている。ナンのようなパンをカレー(?)を 付けて食べている。許可を得てパチリ。食べているお菓子をくれた。少し躊躇しているとOK・OKと大丈夫と 云うので、口に入れると滅茶苦茶甘い。砂糖とトウモロコシを混ぜた干菓子の様なものだ。
甘いと表現すると皆さん大笑いで、握手して別れるが口の中は甘くて水が飲みたくなる。

大きなプールサイドのベンチで休憩し、空と水の碧さを楽しむ。砂漠の国とは思えたい緑のリゾートだ。
売店に行くとグループの方がTシャツを買っておられた。エジプト綿で縫製も良さそうなので、「カディシュの戦い」の レリーフを模様にしたTシャツを求める。ナイル川流域の日本語地図を付けて、日本円の1000円で。良い記念だ。
エジプト・ポンドが少なくなって来たので、両替する。3000円が135E£(22円/E£)で空港より少し悪い。 フロントの人にナセル湖に鰐がいるのかと身振り手振りで尋ねると鰐はいないと。水辺に近付かないようにする ための注意の看板なのだ。

セティ・アブシンベル・ホテル正面
朝食する現地人
広いプール



「アブシンベル神殿」の雄大な姿と歴史を堪能し、亜熱帯地方の自然を満喫して満足の行くアブシンベル滞在だった。
やはり、この地に宿泊したことが素晴らしい経験が出来たのだ。 9時40分、素晴らしい感動を胸に秘め、アスワンへ向かう。


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