「行程MAP」 ○ 「ケロアン」(2011.12.06.<火>) 長旅の疲れで、時差も関係なくぐっすりと眠り、5時過ぎに目覚める。 起床6時10分、荷物出し7時、朝食7時、集合8時の予定なので、ゆっくりと準備できる。この時期の旅行は日の出も遅く、朝の散策が 出来ないのは残念だが、6時過ぎに真っ暗な中、ホテルの外に出て、散策する。寒くはなく、星空が美しい。 スーツケースを廊下に出し、食堂に行き、バイキングの朝食を取る。野菜も食べられるのはエジプトと違って嬉しいし、茹玉子が温かいのは 新鮮でありがたかった。 8時集合で全員定刻に揃い出発する。旅慣れた方ばかりなので、時間管理は皆さん問題ない。 ケロアン観光をしてから、トズールに行くルートが、内陸部を避けて、海岸方面に迂回するので、今日の移動時間は長い。添乗員から、前席4列を 指定されることになり、申し込み順で、我々はガイドの後ろの最前列となり進む。 日が昇り、青空が広がる好天気に一同大喜び。まずは、ホテルの前にある「アグラブ朝貯水池」に向かう。バスは市街地のロータリーまで進み、 回転して、ホテルの前に戻る。写真撮影には1D(30円)必要とのことで、支払って入場する。これからの施設でも、時々撮影料を徴収されるが、 国の観光収入になると。 9世紀のアグラブ朝時代に造られた大小14の貯水池は、現在4つになり活用されているそうだ。展望台に上り、貯水池全体の景観を眺める。 中世の土木技術が残されている施設とケロアン市街地の遠景を楽しむ。 下の売店を覗いていると観光ラクダ車が来て、乗車を進める。馬車ではなくラクダなのはアラブ圏らしい。 バスに乗車し、次の「シディサハブモスク」に向かう。 現地ガイドが一言話すと十言追加されて説明されている感じで、現地ガイドの必要性はない位の詳しさだ。 バスを降りると青空の下、ミナレットが堂々とそびえている。まだ、誰も観光客がいない空間に入場すると回廊には見事なタイル画が施されていて 素晴らしい。モザイクとは違った立体感があり、モスクの特徴になっているようだ。 回廊の柱の列も見事で、イスラム文化の象徴を表している。イスラムの世界に訪れた実感が味わえた。 ドームの中は立ち入り禁止になっていて入ることが出来ない。しかし、前に座っている管理人に1D(60円)とカメラを渡すと器用にポイントの写真を 撮ってくれるのだ。1Dとカメラを渡して、ドームの内部の写真をget。 静かな空間を堪能して、出口に向かう屋根の間から、ドームとミナレットが望まれ、パチリと。 集合のバスの周辺にはイスラムの墓地やブルーの扉があり、これからのチュニジアの景観を暗示するようだ。道端には鳥籠を売る人もおり、 猫がやたらと多いのが特徴だ。 今回の旅行初めてのイスラム文化に触れて、次の「グランドモスク」に向かう。 礼拝堂のドームも大きく、さすが、アフリカ最古のモスクと云う風格がある。 回廊の柱列も見事で、ローマ時代の遺跡から流用した様子が、柱の飾り部分に見られる。木製の扉も時代を感じさせるものだ。 静かな空間の広場に立ち、周囲を見回すと改めてこのモスクの立ち位置が理解出来るようだ。 礼拝堂には入れないが、中央には見事なランプが 吊るされ、柱も林立し、お祈り用の絨毯が敷き詰められている。中央の排水溝、日時計とチェックしようと思っていた所が、景観に圧倒されて 失念してしまったのは残念だが、四大聖地の一つに足を踏み入れられたことに満足する。 外に出ると、モスクの城壁の立派さには驚く。横には墓地が広がり、白い建物にはブルーの窓が付いているケロアンの光景を再確認する。 再びバスに乗り、「メディナ」に向かう。同じ城壁に囲まれているが、メディナの城門も立派で、一歩中に入ると露店が展開されている。 デーツ(ナツメヤシの実)も大きな箱で売られているが、今買うには早すぎる。色とりどりの果物が並べられ、市場の活気が感じられる。 オレンジの種類は日本のみかんと同じようで、朝食にも出ていて美味しい。 ガイドの先導でメディナの奥に進むと白い壁とブルーの扉のチュニジア風の家が立ち並び、その下は店になって「おはよう・こんにちわ」と 呼び込みが激しい。 メインストリートから細道に入ると「ビル・バルータ」と云われる井戸があり見学する。 狭い水汲み場に入り、周囲の椅子に座っていると、ラクダが井戸を中心に目の前をグルグル廻り出し、壺に水を汲み上げている。昔からの 手法だそうだが、なかなかのものだ。ガイドがチップを払っているのだろうが、後でラクダと記念撮影もしてくれるサービス振りだ。 その前にオレンジを絞って飲ませる小父さんがいるので、一杯注文すると、目の前でオレンジ2個を絞り、ストローで飲む。新鮮で甘酸っぱく 美味しい。1.5D(90円)と安い。 城門の所まで戻り、30分余り自由時間となる。道に迷わないように散策する。 ファーティマは604年、イスラムの開祖モハメッドの 四女として生まれ、名門の娘でありながら貧しい者に手を差し伸べ、病気の人々の手当てを進んで行ない、イスラム教徒の間で、彼女は理想の 女性として敬愛され、彼女の慈悲深い手をかたどったものがファーティマの手。彼女が救いの手をさしのべてくれるという願いが込められている。 ドアノッカーは悪者が家に侵入するのを防いでくれるし、手の描かれた枕で眠れば怖い夢をみないと云われていると。 今までも見たが、これからの行程でもこの「ファーティマの手」のペンダント・キーホルダー・陶器の皿等々、として売られている。妻も記念として キーホルダーを購入したチュニジアの代表的な土産物なのだ。 バスに乗る前に公衆トイレに行くとトイレチップとして0.5D(30円)と、アラブ圏では仕方がない支出が発生する。 ◎ケロアン観光「紀行スライドショー」 ○ 「ケロアン〜トズール」 10時15分、全員集合してトズールに向かう。 革命前の行程では、スベイトラ観光を行った後、トズールに向かう予定だったが、内陸部はまだ不穏な状況があると云うので、安全第一の観点から 地中海側のカベス方面から向かうこととなった。長時間のバス旅行(行程表によると490km)になるが、最前列席なので、見晴らしも良くラッキーだ。 ケロアンのロータリーに立つモニュメントを後に、荒涼な平原に進む。チュニジアの市街地以外は信号はなく、交叉点は全てロータリーになっている。地平線が望める 平原に真っ直ぐに舗装道路が続く。今まで見たことがないサボテンの並木(?)が多く見られ、パブリカを干している光景も車窓から見られる。 最前列で、下江添乗員の話に相槌を打ちながら楽しく過ごす。歴史も詳しいが、チュニジア民俗にも精通しておられ、周辺の景色から 色々と親父ギャグ、古い話をしながら笑いを誘う。古い話は若者には分からないだろうが、今回のメンバーは熟年が大多数なのでドッと笑いが 起こる。 広大な平原にきれいに整列したオリーブ畑が続く。チュニジアのオリーブ生産量はスペイン・イタリア・ギリシヤに次いで多い国だと。この光景を見るとオリーブも 土産にしなくてはと。そう云えば、食事にはオリーブ油がテーブルに出ていたことを思い出す。 鉄道が並行して走っているが、列車とは遭遇しなかった。水のない川に鉄橋が架かっているのも見て進むと、小さな草がたくさん 茂っている。これはラグタ草と云い、ラクダが好むのだそうだ。荒涼とした平原にラクダのキャラバンが通り、餌になるのだろうと眺める。 12時30分、トイレ休憩をし、今回お世話になったバスをパチリ。再び、バスに乗り進むと、小さな町の一角は肉屋さんのようで、店の前に羊が 皮が付いたまま吊るされている。もっと生々しいのもあったが、上手く写せない。これもチュニジアの光景の一つだろう。 道端にポリタンクを積んで何か売っている。ガイドの話では、ガソリンだと。この様なスタンド(?)が数十メートル毎に立ち並んでいるのだ。時々、不順な ガソリンを売る業者もいるそうだが、取り締まりで最近は問題ないとか。 下江さんの話の中で、時々「団子三兄弟」の言葉が出て来る。初めは何のことか分からなかったが、町に必ずあるモスクの屋根の上に立つ イスラム教のシンボルである三日月の下にある丸い飾り(?)が三つあるのを云っているのだ。親しみのある表現も親父ギャグ的だ。 椰子並木が続く舗装道路を進み、昼食のレストランに向かう。 迂回したので、時間が遅くなったが、13時40分にレストランに到着し、昼食となる。 昼食後、快晴のレストランの庭でくつろぐ。郵便ポストは黄色で、前面にはチュニジアの扉が描かれ、洒落たものだ。扉の部分を青くすれば良いのに と思ったり。ブーゲンビリアが青空に映える光景や椰子の木にはナツメヤシが実っているのか、採って食べている人もいる。 ゆっくりと過ごしているとアクシデントが起こった。一人旅の女性が気分が悪くなり、地元の医者を呼んでいるので、出発が遅くなると。 庭で 紺碧の空とチュニジアの草木を楽しむ時間を満喫する。医者が来られ、診断結果は熱・血圧等々、問題ないことが分かり、しばらく休息した後、 15時50分に出発し、薬局に立ち寄り、薬を貰って出発する。まだ苦しそうだが、入院することもなく、全員で行動出来、良かったと安堵する。 下江さんの話を聞きながら、荒涼たる平原が続くのを眺める。 前の席では眠れないのは厳しいが、同じ景観でも飽きが来ない。 西に進んでいるので、フロントガラスに夕日が眩しくなって来る。やがて、地平線に沈む夕日の観賞タイムになる。道路の蛇行に沿って、前から 横からと夕日が姿を変えて望まれる。地平線に沈む夕日もまた美しい。 どれ位の時間、日没を楽しんだのだろうか?地平線に沈む夕日はなかなか眺めることが出来ないので、素晴らしい経験だった。 辺りは段々と暗闇が増して来る。まだホテルまで時間がかかるので、途中のドライブインでトイレ休憩となる。店の前の池があり、その棚の上に 「砂のバラ」が飾られている。チュニジア名物の品だが、砂漠にあると思っていたのに、ここで初めて見る。 17時30分、出発すると日がとっぷりと暮れ、辺りは灯もなく、真っ暗闇になり、ウトウトとお眠りタイムとなる。塩湖を通って行くのだそうだが、 知らない中に進む。 19時20分、ホテル・ハシフに到着するとのアナウンスで目覚める。 添乗員に話して、今夜も部屋交換となる。新しい部屋に向かうと、ベットの上にバスタオルで可愛い白鳥のハートマークが置いてあり、気分を直し、 レストランへ。下江さんは2日続きのトラブルに平身低頭だ。 レストランには西欧人も多く、バイキング料理を楽しむ。何時ものビール5D(300円)で乾杯し、しっかりといただく。 (バイキングでは写真を撮るのを忘れがちになる) 部屋に戻り、明日の用意をする。早朝の砂漠の日の出見学をし、ホテルに戻るが、余り時間がないので、出発の準備をして置き、22時30分に 眠る。 朝3時半頃目覚めて外を見ると星がいっぱい輝き、本当に美しい。オリオン座も真上に見える。温度計を外に出すと12℃とそんなには冷えていない。 ◎「ケロアン〜トズール」の「紀行スライドショー」
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